日本電子株式会社日本電子株式会社 JEOL MS Data Sheet MS 事業ユニット MS応用研究センター アプリケーショングループ 〒 お問い合わせ:分析機器販促グループ 196-8558 東京都昭島市武蔵野 3-1-2 Tel : (042) 542-2242, : (042) 542-3132 Tel : (042) 528-3340Faxwww.jeol.co.jp MS Tips No.160No. (U , 03/ ’10) 040 JMS-T100GCV Application Data 直接導入法(DEP 法、FD 法)によるフラーレン測定例 【はじめに】 今回 JMS-T100GCV を用いて、市販のフラーレン(C60/C70 混合物)を、Direct Exposure Probe(DEP) 及び Field Desorption Probe(FDP)による直接導入法で測定を試みたところ、良好な結果が得られたの で報告する。 【試料及び条件】 試料は、市販のフラーレン(C60及びC70の混合物)を用いた。試料はメタノールに溶かして調整した (1mg/mL)。また測定条件をTable1に、今回使用した直接導入プローブ先端の写真をFig.1に示す。 C60 Table 1 Measurement conditions. Instrument JMS-T100GCV (JEOL Ltd.) Direct probe Ionization mode Probe condition Ion source temp. DEP EI+(70eV、300µA) 0A→ 0.64 A/min → 1.0A 280℃ m/z range m/z 50-1000 Spectrum recording time 1.0sec Direct probe Ionization mode Probe condition Ion source temp. m/z range FDP FD+(Cathode voltage -10kV) 0mA → 51.2mA/min → 40mA Heater OFF m/z 50-1000 Spectrum recording time 0.5sec C70 Platinum filament (a) DEP(Direct Exposure Probe) Carbon emitter (b) FDP(Field Desorption Probe) Fig.1 Picture of the direct probes. Copyright © 2010 JEOL Ltd. 【結果及び考察】 C60 1 価分子イオン C60 1 価分子イオン Relative intensity EI mass spectrum 2 価分子イオン C2 価分子イオン C60 1 価分子イオン C70C170 価分子イオン 60 70 22価分子イオン 価分子イオン CC70 m/z C60 1 価分子イオン C1 価分子イオン 60 Relative intensity FD mass spectrum 2 価分子イオン C60C260価分子イオン 2 価分子イオン m/z CC 70 2 価分子イオン 70 2 価分子イオン 1 価分子イオン C70C 1 70 価分子イオン m/z m/z Fig.2 Mass spectra of fullerene by DEP and FDP. Upper: EI mass spectrum Lower: FD mass spectrum Table 1 に示す条件で測定を行うことで、DEP 測定は 1.5 分程度、FD 測定は 1 分程度と、短時間で測 定を終えることが出来た。 Fig.2 に得られた質量スペクトルを示す。EI、FD 質量スペクトルで、C60 及び C70 の分子イオン(1 価、2 価)が観測された。EI 法では分子イオン以外に、低質量側でフラグメントイオンが観測されたが、よりソフトな イオン化法である FD 法では、分子イオン以外のイオンは殆ど観測されなかった。 今回、JMS-T100GCV を用いた直接導入法の分析例を示したが、簡便且つ迅速にフラーレンを測定す ることが出来た。JMS-T100GCV は GC-MS としての分析は勿論のこと、プローブ MS としても充分活用可 能であり、直接導入法による定性分析の有力なツールと成り得ることが示された。 【参考文献】 1) MSTips No.012 “JMS-T100LC によるフラーレン関連化合物の分析” ( http://www.jeol.co.jp/ ) Copyright © 2010 JEOL Ltd.
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