Page 1 Page 2 35 アラーム機能を備えた圧力計の試作による 各種血液

Shinshu University Institutional Repository SOAR-IR
Title
アラーム機能を備えた圧力計の試作による各種血液浄化
療法に対する持続的血液透析濾過装置の応用
Author(s)
中山, 真由美; 倉島, 直樹; 竹田, 博行; 松澤, 久美子; 松村,
卓広; 阿藤, 正晃; 水野, 裕樹; 坂庭, 佳代子; 羽片, 寛; 梅嵜,
和夫
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長野県透析研究会誌 27(1): 103-106(2004)
2004-08
http://hdl.handle.net/10091/16383
3
5 アラーム機能 を備 えた圧力計の試作による
各種血液浄化療法に対する持続的血液透析濾過装置の応用
JA長野厚生連北信総合病院臨床工学科中山真由美 倉島直樹 竹田博行
松澤久美子 松村卓広 阿藤正晃 水野裕樹 坂庭佳代子 羽片寛 梅嵜和夫
【目的】
血菜吸着 (pp) および二重演過血渠分離交換
療法 (D FP P) 施行時に専用装置 を使わずに、
当院で独 自に設計 (
図 1)、製作 したアラーム機能
を備えた圧力計 (
図 2)を持続的血液渚過装置 (A
c H- 0 7S) および持続的血液漉過装置 (J U
N- 50 0) に、組み合わせる事で代用可能か ど
うかを検討 した。
【
装置構成】
今回製作 した装置は、圧力計 ・LE D ・ブザー ・
フリップフロップ(F F)回路で構成 されている。
圧力計は陰圧 と陽圧の計測が可能で、上限値お
よび下限値の警報点がそれぞれ設定でき、電源端
子に直流 12V をかけると、圧力計の針が警報点
を超 えた場合、接点スイッチが o FF状態か らo
N状態に切 り替わ る仕組みにな っている。
圧力計に LE D tブザー ・F F回路 を組み入れ
る事によ り、警手
艮機能 を持 たせた。
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:47kー
I
r4 :可変抵抗 100kQ
中山真 由美
J
A長 野厚生連 北信 総 合病院
r5 :1kQ
臨味工 学科
〒383-8505中野市 西 1
-5-63 TEL 0269-22-21
51
-1
0
3-
2
圧 力表示 :警報 点外 の場 合
圧 力計 の表示 が警報 点 を超 えた 場 合 、図 5 に示
す矢 印に沿 って電 流 が流れ L E D が 点滅 す る。そ
れ と同 時 に L E D の 点 滅 に 同期 した ブザ ー 昔 が
鳴 る よ うに な って い る。点滅 お よび ブザー 音 の断
続 は F F 回路 にて行 ってい る。
この L E D点滅 とブザー の 断続 音 は 、 リレー 2
に よ り自己保持 され 、 リセ ッ トス イ ッチ が押 され
るま で この 動作 を繰 り返す よ うに な って い る。
圧 力表 示 警報 点 外の 回 路動 作
囲5
【方 法 】
1. 動作古式験
内径 3
囲 3 装置内部
5m m の チ ュー ブに圧 力計 と自作 圧 力
計 を取 り付 け、 シ リンジに て - 2 0 0- + 2 0 0
m m H g の 圧 力 をか けた時 、ア ラー ム が正 常 に作
【回路 動 作 】
1
動す るか を確托 した_
圧 力表 示 :警報 点 内の 場 合
圧 力計 の 表 示 が甘粕 点内 の 場合 、図 4 に示す 矢
2.密 閉 系書
式験
印 に沿 って電 流 が流れ LE D が点灯す る。 ブザー
には電 流 が 流れ な いた め鳴 らない。
密 閉 回 路 と して 圧 力 が 保 た れ て い るか 否 か を
判 定す るた め に 、1分後 の 回路 内 圧 を測 定 した (
図
6)。
DI
p社 製 フ レ7シヤーテ ィスフ レイ60
000
測 定庄
一 200-+200mm Hg
1分 r
t
n
回路 内圧 力
を計 測
図 6 密 閉 系書
式挨
図 4 圧力表示警報 点内の回路動作
川l
3 臨 床 応用
4. 適 応症 例
ACH-07S (図 7) お よび JUN- 500
・症例 1
に 自作 圧 力計 を組 み 合わ せ 、 P P お よび D FP P
M . T.
を臨 床応 用 した 。
水癌 性類 天病癖
8 9歳
女性
D F P P 9回施 行 (自作圧 力計 2回使 用 )
JUN-500と自作 圧 力計使 用
・1
.
.
,I.
1
.
:
.
1
.
m
・ 症例 2
K. M
女性
.
....
;:
1
'
:.
:.
'1'g:
i .,II .{
'二
重症 筋 無 力症
6 7歳
免疫 吸着 5匡l
施行
AtH-07Sと自作圧 力計使 用
・症 例 3
K
Y.
女性
6 7歳
免疫 吸着 3回施 行
重症 筋 無 力症
ACH-07Sと自作 圧 力計 使 用
・症 例 4
M
Y.
女性
重症 筋 無 力症
4 5歳
免疫 吸着 6回施 行
ACH-07Sと 自作 圧 力計 使 用
【
結 果】
1.動 作 お よび密 閉系試 験
警報 点内で は LEDが 点灯 し、警報 点 を超 えた
場 合 は LEDが 点滅 し、それ と同期 した ブザー昔
が鳴 り、正常 に作動 す る こ とが確 認 で きた。
設 定 圧 力 と回路 内圧 に は 1%∼ 2. 5%の 圧 力
差 がみ られ た が 、回路 内圧 と 1分 後 の 圧 力差 は な
蜜
く、接続 部 の密 閉が十 分 で きて い る こ とを確認 し
た (
表 1)。
表 1.密 閉 系書
式験結 果
測定圧
(
mmHg)
-1
8
0 -l
6
0
-l
2
0 -l
0
0
回路
(
mmH
内圧
g)
6
0 1
0 2
0
固持 内
一分後
圧 .
J
dt
l ・l
9
8
図7
2
0
P P 回路 全体 図
郡
1
(
)
5
-6
0 一
0 2
0
問
2.自作 圧力計の 作動事例 と状況
点が あげ られ た。用途は ほぼ 同等で あ った。
P P を計 14回 、 D FP P を計 2回 、臨 床応用
専用装置 (KM - 8 9 00 EX) では定価 7 0
した。 自作圧 力計 がア ラー ム を発 生 した事例 は 6
件 で あ った (
表 2) 。
0万円 と高価 なの に対 し、 自作圧力計の制作費 は
9 0 0 0円 であ った。
【
考察 1】
【
結論 】
以前 当院 では P Pお よび D FP P を施行す る際 、
A C H- 0 7 Sお よび JU N- 5 0 0にマ ノメー
圧 力計 を組 み合わせ 、吸着筒 や血菜 成分 分離器 の
タ を二次 膜 圧 力測 定用 と して組 み 合わせ て いた。
圧 力を測定す る事 に よって代 用可能 で あ った。
A C H - 0 7 Sお よ び J U N- 5 0 0 に 自作
しか しマ ノメー タにはア ラー ム機能が ないため、
自作 圧 力計 は 警報 点 を任 意 に設 定す る こ とが
圧 力が異 常 を示 して も早 期 に発見 で きない とい う
問 題点が あった。
で き、また視覚 と聴覚で圧 力の異常 を認 識 できる
ため安全 管理上有用 であ った。
自作圧 力計使用 後 は 、 LE D とア ラーム で圧 力
の異 常 を早期 に発 見で きるよ うにな った。
【参考 文献】
1)倉島直樹 :除圧吸 引補助脱血 法の安 全対 策一 陰陽
【
考 察 2】
体外循 環技術 29 (1)
圧安全装置の試 作一
32- 35 2002
当院 で今回施 行 した 自作圧 力計 を使用 した方法
と専用装 置 (KM - 8 9 0 0 E X) の仕様 比較 を
2)藤井 信生 :電子技 術 IB
表 3に示 す 。圧 力測定範囲 、 自己保持 を含 むア ラ
3)萩原 国 蛙 et
c:シーケンス制御入門
ー ム機能 および表 示灯 につ いてはほぼ同等 であ っ
た。相違 点 と して A C H- 0 7 Sおよび J U N-
30-32 実数出版
31- 42
理工学社
4) 狩野達男
:はじめて自動制御を学ぶ人のために
48-60 オーム社
5 0 0 は 自作圧 力計 と連 動 して いないため 、二次
膜 圧 力に異 常 を生 じた場 合 、ポ ンプに連動 しない
表 2 自作圧 力計の作動事例と状況
事例
原因
件数
返血 時の 吸着筒入 口圧低下 ,
返血時血 渠分離 ポ ンプを停止
3件
返血 時の 吸着筒入 口圧上昇
誤 って静脈 ライ ンをクランプ
1件
吸着施行 中の吸着筒入 口圧低 下
脱 血不足
1件
開始直前 の吸着 筒入 口圧上 昇
誤 って血 菜分離 ポ ンプM A Xで作動
1件
表3
自作圧 力計 を使 用 した方法 と専用装置の使用比 較
吸着筒お よび血祭成分分離器
圧
範
力測
囲 定 アラーム機能
(
mmHg)
(
自己保持
機能含む)
KM- 8900
EX ∼5
10
00
+自作圧力計
ACHJUN- 0
500
7S
- 4 00
表示 灯
用途
価格
ポアラーム
発
ンプ連動
生時
○
○
_○
腹水漉過濃縮
CH
CHD
HF
PE FDH
PP
DFPP
EC
F UM
P
7
定価
万円
00
○
○
×
CHD
CH
HF
PE FDH
PP
F
DFPP
EC.
P
UM
90
円0 0
-1
0
6-