「明⽇の安⼼」対話集会 in 函館 〜社会保障と税の⼀体改⾰を考える〜 ■ 日時 平成24年7月22日(日)10:30~11:45 ■ 場所 亀田福祉センター (北海道函館市) ■ 参加者数 計129名 ■ プログラム(司会:中村 内閣官房社会保障改革担当室室長) ・岡田副総理からの説明 ・会場参加者との質疑応答 ■ 集会の模様 ※一般参加者のお名前については、英文字に置き換えさせていただきました。 ○司会 皆さん、こんにちは。それでは、ただいまから「『明日の安心』対話 集会 in 函館」を始めさせていただきたいと思います。 本日司会を務めます、内閣官房社会保障改革担当室室長をいたしております 中村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 この対話集会は、社会保障と税の一体改革に関して、政府として皆さんの率 直な御意見を伺うとともに、しっかりと皆さんに御説明をしたいということで、 全国各地で開催させていただきます。 ここ函館での対話集会は、一体改革の責任者である岡田副総理が、皆様の率 直な御意見を伺いに参りました。本日は、まず、岡田副総理から御説明をいた だいた後、皆様から御質問をいただく形で進めていきたいと思っています。 1 この対話集会につきましては、報道機関の皆さんに公開するとともに、実施 報告をインターネットに掲載させていただきます。発言される方、参加される 方のお写真、映像、発言内容などがニュースなどを通じまして、報道、配信さ れることをあらかじめ御承知おきください。 それでは、岡田副総理お願いいたします。 ○岡田副総理 皆さん、おはようございます。岡田克也です。今日はありがと うございます。 お見受けしますと、女性の方が非常に多いので喜んでおります。各地でずっ とやっているのですけれども、どうしても女性の出席が少ないという会場が多 くて、今日はかなり来ていただいているので、意見交換できることを楽しみに しております。 さて、私からの御説明をひとつさせていただいて、その後、意見交換という ことにしたいと思いますが、始める前に2点だけ申し上げたいと思います。 まず、今、国会で社会保障・税一体改革、参議院で審議をやっております。 衆議院の方は 150 時間、非常に長い審議をいたしまして、これは戦後の国会で 法案や条約を審議した2番目に長い、一番長いのは日米安保条約の改定、それ に次いで長い時間を審議をいたしました。 最終的には、自民、公明、民主、3党で合意ができて圧倒的多数で衆議院で 可決されたわけです。これを談合だとかいろいろ御批判はあるのですが、私は 本当によく3党合意していただいたと思います。 そういう意味からすると、最初出していた案と比べますと多少の妥協は強い られたわけですが、しかし、参議院で与党だけでは多数がありませんので、そ ういう意味で、自民、公明に賛成していただいて合意ができたことは非常にあ りがたいと思っています。 なぜ、この合意ができたのかなと考えますと、私はやはりそこにこれは何と かしなければいけないという共通の思いがあったからだと思うのですね。ある 自民党の委員の方が、その審議の中でも言われましたが、自分たちもこれだけ の借金をつくってきた責任があるのだ、こういうことを言われた方がいらっし ゃいます。私はそこに尽きているのではないかと思うのですが、やはりお互い この国の財政とか社会保障の将来に責任を持つ者として、与党、野党というこ とを超えてやるべきことはやらなければいけない。勿論、我々は与党ですから 責任があるし、かつて与党として自民党、公明党の皆さんもその責任を感じて いただいて、合意ができたということだと思っております。なかなか前に進ま ない政治ということが言われますが、まさしくこれはそういったものを超えて 合意ができたのだということを、ひとつ御報告しておきたいと思います。 2 もう一つは、これは政府の話というよりも党の話なので、私も余り言うのは 特別ではないのですが、マニフェストの関係というのはよく御質問いただきま す。民主党はこの前の 2009 年の選挙で4年間消費税上げませんと言ったではな いか、ここをどう考えているのだ、こういう御質問をいただくわけです。それ に対して、私なりの考えをあらかじめ申し上げておきたいと思います。 私も、当時幹事長をやっていまして 2009 年の選挙を闘いました。確かに4年 間は上げないということは、多くの議員があちこちで発言したことは間違いあ りません。マニフェストには書いてはいないのですけれども、そういう発言を したというのは事実です。ですから、多くの皆さんが、4年間は消費税は上げ ないのだなというふうに御期待いただたと思います。そういうことから見ると、 今回、実際に上げるのは 2014 年とはいえ、上げることは決めるということです から、本当に申し訳ないことだと思っております。 ただ、私自身に関して言えば、本当はできれば政権交代した最初の4年間は 増税なしでいきたいという気持ちは強かったのですけれども、しかし、二つの ことがあって、私はもう待てないなと判断をいたしました。 一つは、やはりヨーロッパの経済危機です。これは今なお大変深刻な状態に あります。このヨーロッパの経済危機のスタートは 2009 年のギリシャにおける 政権交代。そこからギリシャの財政状況が、それまでの政府が説明していたの と比べてはるかに悪いということが明らかになって、それがヨーロッパ全体に 波及したと、そういうことです。いまだにヨーロッパ全体どうなるか、あるい はそれは世界の経済全体に波及するのではないかということで大変な状況が続 いています。 やはりそういう脆弱な経済の状況、金融の状況にあって、日本もじんわりと 考えると、後で説明しますが、もっと財政は厳しいわけであります。ですから、 そういったリスクというものを早く減らしていかなければいけないと、私は心 底思ったわけであります。 それは野田さんも、それから、勿論この増税の話をスタートさせたのは菅総 理なのですけれども、管さんも同じ思いです、ということであります。 もう一点は、やはりあの東日本大震災です。東日本大震災の対応ということ で、昨年は3回補正予算を組みました。そして、今年度の予算です。全体でも う既に 18 兆使かっているわけですね。ですから、ただでさえ厳しい財政が、さ らにより厳しくなったということです。これからも被災者のために万全の対策 を講じていかれなければなりませんから、さらなる財政的な、追加的な投入は 必要になります。 そういうことが、しかし、結果として日本の財政をさらに厳しくしているこ とも間違いないので、こういう大変な災害があった中で、やはり財政をもう少 3 し何とか強くしないと、少なくともこれ以上の悪化を歯どめをかけないといけ ないと考えたわけです。 こういった中で、もう待てないということで、この社会保障・税一体改革を 進めさせていただきたいと考えているところです。 さて、ちょっとスライドで御説明させていただきます。 まず、これは今年度予算ですね。もうこれを見ると問題状況は一目瞭然です。 右の 90.3 兆の予算ですけれども、半分以上が借金ということになっています。 税収より借金の方が大きいわけですね。こんなことがいつまでも続けられるは ずはありません。それが一つです。借金を続けると、これは次の世代に全部負 担をかぶせているわけですね。 左を見ていただきますと歳出です。そういう借金を続けてきた結果、国債費 だけで 21.9 兆円。つまり 90 兆の予算があってもそのうちの 21 兆はその過去の 借金のツケ、利払いあるいは償還で消えてしまうということです。借金をすれ ばするほどこの金額は膨れ上がっていく。今、この国債の金利は1%切ってい ます。ですから、大変ラッキーなのですが、これが2%、3%、あるいはヨー ロッパだと今、6とか7とかです。そういうふうになれば、もう日本の国は予 算が組めなくなるということを示しております。 そして、地方交付税、地方へ行くお金が 16.6 兆ありますので、残された歳出、 一般歳出は 25.4 兆と 26.4 兆の 52 兆ということになります。 ここで、その他歳出というのは、社会保障関係費以外すべてですから、例え ば教育とか、農林水産とか、中小企業とか、防衛とか、公共事業とか、全部ひ っくるめて 25.4 兆円なのです。それよりも社会保障は大きいということです。 社会保障というと何か保険料で賄っているのではないかというふうに思われ る方いらっしゃるかもしれません。勿論、保険料も財源なのですが、こういう 形で税金、一般財源も年金や医療に使われているということであります。 次、お願いします。 先ほどは一般会計だったのですが、今、しているのは保険料も含めて社会保 障給付費というのは成り立っています。 右に 2012 年のトータルの数字がありますが、109 兆円のお金が社会保障費と して使われているということであります。その半分が年金です。年金だけで 53.8 兆円が支払わられているということですね。これは半端な額ではないと思うの です。 それから、医療で 35 兆使い、介護・福祉その他で 20 兆、合計 109 兆という ことであります。ずっとこれ増えてきていますね。これからも毎年1兆円以上 税投入が必要だという予想です。これはなぜ増えるかというと高齢化の進展と いうことですね。高齢者の方の数が増えれば年金にしてもあるいは介護にして 4 も、それから医療も、高齢者医療のウェートは非常に高いですからその社会保 障費は増えていく、そういう構造になっているということです。 こういうことを前提にきちんと持続可能な形をつくっていかないと、これは どこかでお金足りませんということでは済まないわけだし、借金をどんどん増 やしてやっていきますということにもならないかというのは大事です。 次、お願いします。 その背景にあるのは人口構成の変化ですね。もう詳しくは申し上げせん。今、 8,000 万人以上、2009 年でいる 15~64 歳、このグリーンの部分は 2050 年には 5,000 万人になってしまう、3,000 万人以上減るわけです。高齢者の方は勿論増 えるということで、こういう構成になることを前提にいかにして社会保障費の この支出を賄っていくか、きちんと組み立てていかないと、今から準備してい かないと、非常に苦しい状況になっていくということであります。 次、お願いします。 借金も非常に日本は多い、経済の倍あるという後のグラフで一貫してこう増 えていっているということであります。 次、お願いします。 そこで、消費税5%引き上げということをお願いしているわけであります。 一番左に書いてありますとおり全額を社会保障の財源に使うというお約束であ ります。これは法律上も明記してあります。社会保障4経費、年金、医療、介 護、子ども・子育て、そういったことにしか使わないということにしてありま す。 ただし、何に使うのかということで、実は新しいこと1%しかないのですね。 残りの4%は今の制度のために使わせていただきたいということです。本来で あればもっと意欲的に新しいことをやっていきたいのですが、先ほど来説明し ております財政の状況ですから、多くは今の制度を維持していくために使わせ ていただくということであります。 新しいことの話はちょっと後ほど詳しく申し上げますので下のグリーンの方 をごらんいただきたいのですが、4%にすると 10.8 兆円。その中の 2.9 兆円、 1%強は基礎年金国庫負担2分の1のために使わせていただくということです。 これは何かとい言いますと、今、厚生年金、共済年金に入っておられる方は そのうちの基礎年金部分、それから国民年金に入っておられる方は国民年金全 体。従来は3分の1が税金、3分の2が保険料、そういう形で制度は運営され てきました。しかし、こういった高齢化のこともあり、制度的にそれはもう不 可能だということで、たしか坂口先生が厚労大臣だったときだったと思います が、これを半分税金、半分保険料というふうに変えました。それはそうでない ともう制度がやっていけないという中で決めたことです。それは正しい判断だ 5 ったと私は思いますが、ただ、残念ながら財政がきちっと確保できていなかっ たのですね。だから、毎年毎年やり繰りして、あちこちの埋蔵金を掘り出した りとかいろいろなことでやり繰りしてきましたが、もうそれも限界にきてしま いました。 そういう意味で、消費税引き上げのうちの1%強の 2.9 兆円はこの基礎年金 国庫負担のために充てるということで、これもきちんと法律上担保して安定財 源として使っていくということにしました。ですから、もう3分の1に戻ると かそういうことはないということですね。3分の1に戻るということはもう制 度成り立ちませんから、結局、基礎年金の額を下げるとかそういう議論につな がるわけですが、もうそういうことはないということであります。 それから、後代への負担つけ回しということで、今、国債で賄っている部分 についてこれを税に置きかえていくということです。ただし毎年1兆円ずつ増 えてまいりますので、初年度1兆円でも5年後には5兆円になるわけですね。 だから、この財政も何年かしたら使い果たしてしまう、そういう構図ですが、 当面は多少余裕がある、それを国債を減らすことで使っていくということであ ります。社会保障の裏打ちになっている国債を減らすということですね。 最後に書いてあるのは、消費税を引き上げますと物価が上がります。そうす ると社会保障に関係するいろいろな支出も増えるわけですね。例えば年金は物 価スライド制を取っていますので、消費税を入れて消費者物価上がれば年金も スライドして上げるわけです。そういったことのために 8,000 億必要だという ことです。 次、お願いします。 ちょっと別の視点で、実は消費税というのは地方のためにも随分活用されて いるわけですね。5%引き上げる中で国に来るのは 3.46%分なのです。地方に 1.54%行きます。勿論地方も社会保障のために使うということなのですが、都 道府県や市町村にも 4.2 兆円行きます。国は 9.3 兆ということであります。で すから、これは国だけの話ではなくて地方にとっても非常に重要な話であると いうことであります。 次、お願いします。 さて、その1%2.7 兆円の中身はここに書いたような中身になっております。 それでちょっとお話したいと思います。 次、お願いします。 まず、子ども・子育て、これは 7,000 億円、金額の一部なのですけれども、 我々としては非常に力を今回入れたところです。やはり子育てと働くことの両 立が非常に難しい、ほかの先進国に比べて日本が非常にある意味で遅れている ところです。そこをきちんとやろうということで、一方で子ども手当、児童手 6 当に名前戻りましたが、その現金給付の話と、そしてこの施設の話、車の両輪 でしっかりやっていこうという考え方に基づいて、金額的には 7,000 億程度を 使って充実していこうということです。 当初は、我々、幼稚園、保育所とあるのですけれども、それを合体した新し いこども園、今でも認定こども園というのは全国に 1,000 弱の施設があります。 ただ、余りうまく動いていない。何でこども園という発想が出てきたかといい ますと、従来、幼稚園というのは文部科学省、教育委員会。保育所というのは 厚生労働省。全然違うものだという、歴史的にはそういうことで運営されてき たわけですね。それを、しかし、子どもさんのため教育、保育のための施設の ためだと考えればそんなに大差ないではないか。だから、役所の縦割りを廃し て一本化していくべきだ、こういう発想です。 今までは、助成の仕組みも、これを支援する国の仕組みも全然別枠だったの ですね。そういうものを一つにしていこうということで、これは、自民党、公 明党の時代に認定こども園というのがスタートしました。しかし、まだ十分そ れが増えていかなかったので、今回、手を入れて完全に一本化していこうとい うことで、まず、財政支援については厚労省と文科省ではなくて内閣府から市 町村、そして施設という流れに一本化することにいたしました。それから、認 可とか指導監督についても一本化する。一つの仕組みのもとで認定こども園を 動かしていくということにいたしました。 しかし、我々が最初に提案した、政府が提案した法案では、保育所は 10 年で もうなくしてしまう。全部こども園にするということを考えていたわけですが、 ここは自民党、公明党さんと調整した結果、それはちょっと急ぎすぎだろうと いうことで、選択制と言いますか保育所でずっとやりたい方、幼稚園でやりた い方はそれはそれでいい。しかし、認定こども園に移りたいという人にはこう いう道をきちんとつくる、こういうことにしたところであります。若干中途半 端感残ったかもしれませんが、この辺は3党で話し合った結果ですのでやむを 得ないかなと思います。 もう一つは、地域型保育給付というのがありまして、今まで国の助成の枠か ら外れていたもの、例えば小規模保育、過疎地に行けば保育所はどうも無理だ、 幼稚園も無理だ、しかし、より小規模の方がこれをやっていける、そういう小 規模保育とか、あるいは家庭的保育、例えば保母さんが自分の自宅で子どもさ んを見るとか。それから、事業所内保育というのは働く場所、例えば企業が保 育の施設をつくって、子どもさんをそこに預けてお母さんが働く、そういうも のが基本的には国の助成から外れていたのですね。一定の基準を満たすものは 国で助成の対象に全部しますということで、そういう施設がこれからさらに充 7 実していくということが期待されるわけです。そういうことで、お母さんが働 きやすい環境をつくっていくということです。そういったことが一つ。 もう一つは、一番下に書いてありますが、放課後児童クラブ、これも3年生 までだったのですね。それを小学生全体を対象にしようということで、トータ ルで 7,000 億円。3党で話し合った結果、7,000 億では足らぬ、1兆円ぐらい要 るということになりまして、それに向けて努力していく。消費税の中で 7,000 億をきちっと出す、プラス 3,000 億を何とかつくり出してこの子ども・子育て のところをしっかり充実していこうということになっております。 次、お願いします。 先ほど、子ども・子育てもいろいろ申し上げましたが、これで法律が3本あ るんですね。子ども・子育てで3本。ここの年金では2本の法案が準備されお ります。この2本の法案の中にこの四つのことが書いてあるのですが、一つは、 先ほどの基礎年金の国庫負担2分の1を法律で恒久化する。それから、低年金・ 無年金対策の強化ということで、所得の少ない高齢者の方、障害者の方に対し て、最初は年金を少しかさ上げしようと思っていたのですが、これも3党で話 し合う中で年金制度の外で、福祉的給付ということで、支援を強化しようとい うことが決まりました。ただ、詳細はまだこれからです。 受給資格、今までは年金は 25 年間入っていないと年金もらえなかったのです ね。例えば自分は 20 年間年金加入していたから年金もらえるだろうと思ってい たら、いや、あなたはゼロです。それはやはり厳しすぎるということで、10 年 入っていれば年金は受け取れるということに制度を変えました。ただ、ときど き誤解する方がいらしゃって 10 年入っていたら全額もらえるのだと。世の中そ う甘くはありませんで、10 年入っていれば 10 年分の払った保険料に応じた年金 しか勿論もらえません。しかしゼロではないよと。今までは 25 年入っていない とゼロだったわけですから、条件を緩和したということです。 パートで働いておられる方に厚生年金を適用拡大する。今までは週 30 時間以 上働く方は厚生年金の加入を認められていたわけですね。しかし、パートで働 いておられる方もできるだけ厚生年金の道を広げるべきだと基本的には考えて います。働き方によって年金制度が分かれるのはおかしい、というふうに考え ているわけですね。 今、国民年金に加入しておられる、例えば週 20 時間働いておられるパートの 方が、厚生年金に移れば保険料は安くなり年金が増えるという可能性があるわ けですね。なぜこんないいことがあるかと言いますと、それは事業主が半分負 担するからですね。国民年金は全額自己負担。厚生年金だと半分会社が持つと いうことになりますから政府の負担は減ります。トータルとしては保険料の事 8 業主分と本人分合わせれば本人だけが払っていた部分に比べて増えますから年 金額も増える、こういう話なのですね。 我々はもうちょっとこれ拡大したかったのですが、これも3党で話し合った 結果、少しスピードを緩めることにしました。つまり会社側から見ると、これ は負担が増えてしまう話ですから、つまり人件費負担が増えるのですね。それ は余り急激にやらないでくださいということで、今回週 30 時間を 20 時間にす るのですが、500 人以上の大企業に限って、しかもパートの方のそのパート収入 も少し上げて、慎重なスタートを切るということにはいたしました。ただ、こ の流れはこれから順次拡大していくということにしたいと思っております。 最後、公務員と会社員で年金制度が違うのおかしいではないか、何か公務員 の方が優遇されているのではないか、そういう議論がときどきあります。これ をもう一本化することにいたしました。公務員の方もこれからは厚生年金に加 入していただく。同じ制度の中で同じ所得なら同じ保険料、同じ保険料なら同 じ年金額、こういうことになるわけであります。これはかなり大きな改革なの ですが、こういったことを今回2本の法案でやろうということになっておりま す。 これは主として自民党御提案で、今回議員立法で社会保障制度改革推進法と いう法律を3党で決めまして、これも同時に成立させようとしています。その 中に国民会議を設置するということが書いてあります。国民会議は設置後1年 以内に必要な法制上の措置を取らなければいけないということになっているの です。 国民会議で何議論するかというのは下に書いてありまして、年金とか医療と か介護、少子化について委員数 20 人ないし有識者がしっかり議論をして、そし て各党も協議をして、それぞれについて、将来の改革についてしっかり答えを 出すということになっています。 したがって、例えば年金制度の抜本改革。これは民主党の方は最低保障年金 とか所得比例年金、今の年金制度を基本的に大幅に変えることを提案している わけです。自民党や公明党は今の年金制度を改善、改良することで十分ではな いか。その意見の違いがありますので、この場でこれを調整していくというこ とになります。どちらがいいかということをきちんと議論していったらいいと 思っているわけです。 もう一つは、後期高齢者医療制度の廃止ということを民主党は主張していま す。それは必要ないではないかというのは自民党、公明党の意見。これもこの 場できちんと議論をしていきたいと考えています。 従来の主張に余りこだわらずに何が一番いいかということを、しっかりと専 門家の意見も交えて議論すればいいではないかと思いますが、いずれにしても、 9 そういったことを議論する場をつくり1年以内に答えを出す。法制上の措置ま で1年以内にやるということですから、かなりこれは忙しいと言いますか急が なければいけないのですが、そういうことをきちんとやるということを3党間 で合意をしたということです。 次、お願いします。 さて、もう 30 分経ちましたので急ぎますが、議論の中でいろいろ出る話がこ の逆進性ですね。消費税はやはり所得の少ない方により厳しくなるという面が あります。所得が少ない方は全額それを使う、所有する。所得の多い方は貯蓄 をするわけですから、そういう意味では、より所得の少ない方に消費税という のは厳しいということは言えます。 それに対して、三つ申し上げたいのですが、一つはこれ税金をいただくこと だけ考えればそういう今、申し上げたようなことなのですが、それを何に使う か。これ社会保障費だけに使うということですね。社会保障、何使うというこ とは、例えば年金も医療も介護もそうですが、所得が多い、少ないで中身が変 わるということは基本的にないわけです。 例えば医療や介護サービスを考えていただきたいのですが、所得の多い人は いい医療とかいい介護サービス受けて、少ない方は悪い医療サービスなのか、 介護サービスなのかというそんなことは勿論ないわけです。基本的には同じサ ービスですね。ですから、消費税で御負担いただいて社会保障に充てるという ことは、それ自身が所得再分配機能があるということです。これが第一点です。 第二点は、先ほどもちょっと言いましたが、今回のこの法案の中で、例えば 介護保険や国民健康保険の保険料の低減とか、先ほどの受給資格の短縮とかそ ういった対策はいろいろと入っているということです。 三番目に、そうは言ってもやはりもう少し必要だということで、今、二つの 案が言われています。二つの案、一つは軽減税率、複数税率ということで、こ れは特に公明党さんが一番熱心に主張されています。自民党の中にもそういう 意見は多いです。つまりヨーロッパのように消費税を税金と二つに分けるべき で、必需品は安い税率、例えば食料品とかですね。そして、そうではないもの は 10%でいいではないか、こういう議論が一つあります。 我々政府、あるいは民主党は、いやいや、給付付き税額控除の方がいいとい う主張なのですね。給付付き税額控除というのはわかりにくいのですが、消費 税収の一部を所得の少ない方にお金でお返しするという仕組みなのですね。よ くヨーロッパなどでやっているわけです。 どちらがいいのかというのは公平に言ってそれぞれ一長一短あります。給付 付き税額控除はより少ないお金で本当に困っているところにきちんと手当でき 10 る、そういうメリットはあるのですが、本当に所得が少ない人かどうか見極め がやはり 100%はできませんから、そういう不公平感が出る可能性がある。 複数税率の方はわかりやすいというメリットありますが、よりお金かかって しまうのですね。だから、消費税 10%上げても、例えば食料品全部5%とか、 あるいは年金みたいにゼロにしてしまったら、そのために消費税の 10%分の何 割か消えてしまうわけです。そうすると 10 では足りないという話にもなりかね ないわけです。 もう一つは何が安い税率で何が高い税率にすべきかというところで、これは 大議論になることは間違いありません。陳情合戦になると思うのですね。食料 品だけという意見もありますが、例えば新聞・雑誌は低い税率で、こういう声 は既に挙がっていますね。どこまでが低い税率にするのかということは常に議 論になるわけですね。 それはある意味では大きな政府というか政府の権限は非常に強くなるという ことで、つまりあなたのところは安い税率でいいよとか高い税率で、そう言え ばそれはそうだなと。そういうことを考えると弊害もあるのではないかなとい うことで、ここは3党でこれからまだ議論することにいたしまして、消費税は 実際上げるのは 2014 年4月ですから、まだ時間は多少ありますので、ここでし っかり議論して決めようということにしていてございます。国会でもここの部 分の議論が今、かなり出ています。 次、お願いします。 よく出る議論は、あとは景気対策が先ではないかということです。これは勿 論景気、経済は大事です。とんでもない不況の中で消費税を上げることはでき ません。今回の法案の中にも最終的に総合判断して先送りできるという規定は 入れました。つまり 2012 年4月から上げるということになりますと、その半年 ぐらい前に最終判断するということになると思います。先送りすることもそれ はゼロではないということです。 しかし、景気論があるからということで先送りしてきて気がついたらこれだ けの借金を抱える国になってしまったわけで、私は余り時間は残されていない、 だから、やはり景気回復のための努力と、そして消費税、社会保障・税一体改 革とは並行してやっていくというのが基本だろうと思っています。 政治家は身を切るべきではないか。よく会場で出るのは国会議員の歳出減っ ていないではないか、あるいは議員年金はどうしたというのも私の地元でも出 ました。まず議員年金、国会議員の年金はなくなりました。今はもうありませ ん。そういうことを私申し上げて、歳費の方は今年は 270 万円カットというこ とになっております。これはカット率でいうと大体 13%ぐらいです。そういう ところからきちんとやっているということです。 11 あとは議員定数がまだ大議論中で、我々は比例をどうしても減らそうという ことで提案しているのですが、少数政党からは比例を減らすのは困る。選挙区 ではなくて比例だけで当選者を出している党も多いものですからまだ話がまと まらないということですが、これは何とかまとめなければいけないと思ってい ます。 最後に行革です。ここお時間ありませんので次、お願いします。 ぱっと見てください。例えば国家公務員の人件費 7.8%2年間削減ということ を決めました。これは本当は大変なことなのですね。日本の公務員の賃金水準 というのは民間準拠で人事院勧告に従って決めるということになっています。 それはどうしてそうなっているかというと公務員には団体交渉権が認められて いないのですね。労働条件が非常に制約されているわけです。それに対しての 代償措置として民間の賃金の伸びを人事院が計算をして、それと同じだけのも のを公務員も増やす、あるいは減らすという仕組みになっているわけです。 今回は~聴き取れず~しまったわけですね。7.8%2年間減らしますよという ことで、これで 2,900 億円ぐらい出てくるのですが、特に人事院総裁からはこ れは憲法上疑義があると言われましたし、今、一部の労働組合からは憲法違反 だということで裁判ざたになっているのですね。国が訴えられている。しかし 我々もこれは必要だと思ってやるわけですが、そういう大きいのはここでやっ ているということも理解していただきたいと思います。 その他。これも私がやって非常に戸惑った点ですが、新規採用 56%削減とい うことも決めました。それから、これから国家公務員の総定数どうするかとか、 いろいろなことを一つひとつしっかりとやっていきたいと考えております。 次、お願いします。 独立行政法人の改革。 次、お願いします。 特別改革の改革、これはそれぞれ法案を国会に今、出しています。なかなか 審議が進んでいないのは残念ですが、今までにないような行革をやっておりま すので、もし御質問あればより詳しく教えていきたいと思います。 最後、あとは函館の夜景が出てきて、これでおしまいでございます。ありが とうございました。(拍手) ○司会 岡田副総理、ありがとうございました。 それでは、質疑応答に移りたいと思います。本日、副総理から御説明申し上 げましたテーマは多岐にわたりますので、いただいた御質問について副総理か らある程度まとめて分野ごとに、お答えをいただくこととしたいと思います。 できるだけ多くの方から御質問をいただきたいと思っておりますので、御質問 はお一人当たり1~2分ということでお願いできればと思っております。それ 12 から、御質問いただく際にお名前を名乗っていただいた上で御質問をお願いし たいと思います。 それでは、御質問ある方、挙手をお願いいたします。どなたか。 はい、そちらの男性の方、どうぞ。 ○参加者 Aと申します。 本当にたくさんあるのですけれどもかいつまんで言いますが、まず質問の時 間は短すぎるのではないかと思います。 中身に入りますけれども、資料にしたがって2ページ目で、この下のグラフ の表現よく政府がお使いになるのですが、これでは長生きするお年寄が迷惑と いうふうに捉えられるので絶対使ってほしくないなと思います。60 歳や 65 歳で 定年過ぎてもずっと頑張って、そして、知識、技能頼りにされている高齢者の 方々はたくさんいらっしゃいますし、それから、少子化だということで、少子 化の部分、学校の統廃合を進められてその分の経費が社会保障にも回せるわけ で、こういう表現では絶対していただきたくないなと思います。 ○司会 次の方。 はい、そちらの男性の方、お願いします。 ○参加者 Bと申します。中小零細業者の団体の職員しております。 消費税はやはり中小零細業者においては非常に負担が重い、転嫁できない消 費税の税金だと考えております。特に、この函館は消費税は新規滞納税額の7 割が滞納しているというような現状です。国が5割ですので、やはり地方ほど 増税感が大きい。しかも払えない、転嫁できないという状況です。 今日の説明の中身はその転嫁対策が全くなかったので、その点は消費税上げ てからやるのではなくて是非上げる前に資料そろえていただいて、その上で論 議をしていただきたいと思います。 ○司会 ありがとうございました。 消費税のことについて出ましたけれども、関連してあるいは税の方について 何か御質問がある方ございましたら、どうぞお願いします。 はい、そちらの男性の方。 ○参加者 Cと申します。いつもこういうお話があるときに5%の上積みの部 分の使い方、増える部分があるのですが、当然既に入っている5%の部分で、 社会保障に使われている部分があるわけで、ひょっとするとこの5%は社会保 障に使われるけれども従来使われていた5%から引き抜かれる部分があるので はないか。ですから、やはりこの5%引き上げの使い道という説明も勿論必要 だと思いますけれども、この 10%全体を見て、それでの使い道、消費税全体像 を見た形の説明がもう少しあってもいいのかなと思います。 ○司会 それでは、お願いします。 13 ○岡田副総理 2人の方からいただきました。まず最初のこれですね。これは 事実ですので、別に、だから高齢者の方が長生きされることについて否定的な ことを言っているわけでは勿論ないのですね。こういう事実を前提に、では、 それを乗り越えるためにはどうしたらいいかということを申し上げているわけ です。 例えばこのグリーンの範囲に入っておられる方の中にも、今、働いておられ ない方もいらっしゃいますね。一例を挙げれば子育てと働くこと、その両立が できなくて、働く意欲はあるのに働けない、そういう人たちがいらっしゃる。 そういう方が働けるようにする。先ほどの子ども・子育ての支援策ですから、 ということで働き手は増えます。 それから、ブルーのところの 65 歳以上の方の中にも、現に、今、働いておら れる方たくさんいらっしゃるし、そして働く意欲があれば働いていただける社 会をつくっていくということも非常に重要なことなのです。 ですから、この数字は事実の数字なのですけれども、その中でももっと働き 手を増やすことでそういう影響を緩和することはできます。それは非常に重要 なことなのですね。ただ、事実は事実としてきちんと認識した上で話をしてい かないといけないということだと思います。 それから、Bさんのところは転嫁対策。これは私先ほど説明しようかと思っ たのですが時間の関係で飛ばしましたけれども、国会でもこの問題は先ほどの 逆進性の話と並んで非常に大きなテーマになっています。 いろいろなことを今、政府は考えています。というのは、従来と比べても5% 上げるわけですからそれだけ影響大きいわけですね。ゼロから3、3から5と いうのと比べて一挙に5%上げる。2段階とはいえ短期間に5%上げるわけで す。 そこで、一つはきちっと政府は広報をしなければいけない。消費税上がった 部分は最終的に値段を上げるということは当然のことであるということを、し っかり政府が PR するということが一つ。 もう一つは、にもかかわらず、いや、それはおたくでのみ込んでよというこ とで、力のないところにしわ寄せが行くということがないようにしなければい けません。消費税上がった分を、いや、それをおたくでかぶってくださいとい うことになれば、これは独禁法上、不公正な取引方法に当たる可能性が高いの です。だから、独禁法や下請法、既存の法律がありますが、法律自身も5%に 上がったときよりもかなり法律は強化されていますが、さらに法的な修正、改 正をして、それを強化しなければいけないのではないかということも議論して います。少なくとも、きちっと違法行為が、違反行為がないように、それをチ 14 ェックできる体制を整えようということで、それは今、準備を進めているとこ ろです。 そういった転嫁がきちんとできる体制をつくり上げていくということは非常 に重要なことで、そのことは十分に知った上で、まず担当で、あるいは政府が しっかりと知恵を出していかなければいけないと考えております。 それからCさんの従来の5%はどうなのかということですが、これは国費、 国が使う分については、従来から社会保障のために使うということになってい まして、そこはほかに流用されるということは勿論ありません。したがって、 これ全体 10%分のうち国に来る部分については、社会保障4経費のために使う ということはきちんと担保されております。 ちょっと微妙なのは地方に行く分で、地方に行く分については、今後の5% は社会保障に使うということですが、今までの5%のうちの地方に行く分、そ こについては別にそういう色分けをしてこなかったのですね。ただ、地方交付 税という形で市町村や都道府県に行くお金、これは別に色を付けてないわけで すね。それぞれ市町村や都道府県が自分の判断で決めるというのは地方交付税 ですから国もそこは強制はできないのです。 新たな今回5%引き上げた分、交付税でいくなら 0.34%なのですが、これは 地方市町村会や知事会によって散々議論して、ここは社会保障に使うというこ とで、そういう歯どめを入れることについて認めていただきました。でも、す ごい議論あったのです。やはり地方交付税というものは地方は自由に使えるよ うにすべきではないか、そういう地方自治という観点からも議論があるわけで すね。 ですから、新しい部分は社会保障のために全額使うということは決まってい ますが、今の5%のうちの地方に行く分についてはそこまでたがははめられて いない、そういうふうに申し上げるとそういう部分は残ります。 しかし、それは地方も良識を持って、いや、少し地方にお金、消費税が回っ てきたからそれをほかのことに、従来の5%分に使おうとかそういうことには ならないようにしていただきたいと思っているところです。 ○司会 それでは、引き続き御質問を受けたいと思います。御質問のある方。 はい、そちらの男性の方。 ○参加者 Dと申します。今日はありがとうございます。 ちょうど今月1歳の息子がいるので子育て支援の方で少し疑問がありまして、 もうすぐ2~3年後、幼稚園か保育園か選択すると思うのですけれども、先ほ どのお話ですと、10 年間かけて本当はこども園。でも、さらにそれを妥協して 何年か後ということでしたが、例えば僕の子ども現在1歳ですが、2~3年後 15 は実際こども園は身近にあるのかどうか。もしかしたら変わっていないのでは ないかなという疑問がありまして、ちょっと伺いたいと思います。 ○司会 今、子ども・子育て関係が出ましたけれども、関連してございました ら。そちらの女性の方、どうぞ。 ○参加者 Eと申します。職務心理カウンセラーをしているのですけれども、 例えば最近ママ友の中でもいじめとかもすごくて、そういう世界に入りたくな いから出産をちゅうちょするという女性もすごく多くて、例えばカウンセラー の目から見ると、お遊戯会で赤ずきんちゃん 10 人にするというのは、先生と、 教師と保護者の間で円滑に進めるための方法であって、子どものためではない のですね。ですから、例えば第三者を入れるとか、その辺の対策をもうちょっ としていただければと思います。 ○司会 ありがとうございました。 ほかに関連して、あるいは社会保障、子ども・子育ても含めましてございま したら。 そちらの男性、前の方の方。 ○参加者 はじめまして。Fといいます。 社会保障、医療費のことなのですけれども、私の父が今、70 歳以上で今まで は1割負担ということでずっと生活していたのですが、来月から3割負担にな るというふうな話をちょっと聞きまして、父親のところにきたらしいんですよ。 今、税金が上がるのも勿論ですけれども、こういうことがすごく生活に直結し てきますので、今後、再考していただけないかなというのは正直な話です。 ○司会 一般並の所得のある高齢者の方は3割負担という制度があるので、そ ちらのお話かと思います。 ○岡田副総理 すみません。まずちょっと私、先ほど保育所のところの説明が わかりにくかったかもしれませんが、保育所については 10 年以内に全部なくし てしまう、全部こども園にすると当初は決めていたのですけれども、それをや めましたということです。ただ、やはりこども園になるといろいろなメリット が運営される側にもありますので、私は多くの方が幼稚園や保育所からこども 園に移行されるのではないかと思っています。それは最後はそこの経営者の方 の判断ですね。ですから、函館で現にある幼稚園あるいは保育所の方、経営者 の皆さんがどう判断されるかということで、こちらからは決められません。 ただ、今まで例えば保育所はお母さんが働いている場合ですね。幼稚園だと 専業主婦の方が多い。そういうこともこども園になるとなくなるのですよ。だ から、例えば働いていなかったお母さんが働くようになられ、その逆、それに よって保育所と幼稚園変わらなければいけないとか、そういうこともこれでな くなりますので、いろいろな意味でこども園というのは援助があるということ 16 で、我々としては必ずこども園に移行していただくことがいいのではないかな と思っています。 ただ、私のところはもうずっと幼稚園で 100 年やってきたから、これも絶対 嫌だという声もありますので、最終的には経営者の方にゆだねるということで あります。 それから、赤ずきんちゃん 10 人いるのですか。それはちょっとショックです ね。そうするとオオカミは何人ぐらいいるのですかね。 いずれにしても、まず国がどこまでやるのかという話ではあると思うのです けれども、基本的にはそれは当事者同士で話し合っていただくことではないか とは思うのですが、そうですね、なかなかお答えに窮しますね。そういう問題 があるということは認識をいたしましたので、ここに例として挙げられている と思いますができる限りよく考えてみたいと思っています。 しかし本来、子育て、子どもを産み育てることは楽しいことのはずですね。 そういうことでためらってしまうということだと本当に残念なことだと思いま す。そういうことのないように、そういう社会にしたいものだと思います。 最後のFさんの話は私の知識が足りなくて中村さんにちょっと知恵を借りた のですが、所得の多い方の場合には現役並みの3割負担ということで、全員そ うなるわけではちょっとないのですね。 これはなかなか難しい問題なのですけれども、私は高齢者の方というのは病 気にもなりやすいし、その3割というのはかなりきついとは思いますが、基本 的にこれから、一つは世代間の公平の問題というがありますね。やはり若い世 代、数が減ってきていますから、従来に比べて負担がそこに増えるということ に対して、もう少し高齢者の方にも御負担いただこうという大きな流れ。例え ば消費税などというのはその一つですね。従来の所得税とか保険料だと、やは り基本的には働く世代の負担なのですね。保険料にしたって所得税にしたって 働く世代の負担。消費税になると高齢者の方にも負担が広がるということにな ります。いい面、悪い面ありますが、先ほどの人口構造の変化などを見ても、 やはり高齢者の中でも一部御負担いただくということにせざるを得ないですね。 もう一つは、世代間の負担の公平ということで、高齢者の方の中にも資産を 持ち、所得のある方もいらっしゃるわけですね。基本的に高齢者二極分化がす ごいですね。だから、所得のある方、資産のある方と、基本的に年金だけでか なりきちきちの生活しておられる方々。だから、負担力のある方にある程度御 負担いただくというふうにしないとこれからは成り立たないということで、そ ういう方向にあるということも御理解いただきたいと思います。 国の、国民の持っている資産の分布を見ますと、やはり 65 歳以上の方はかな りのウェートを持つのですね。働く世代はやはり子育てとか住宅ローンとかい 17 ろいろなことでお金かかりますので結構汲々なのですが、高齢者の中には比較 的余裕のある方もいらっしゃる。あるいは現役に準ずるような御負担をお願い するということも大きな流れとしてあるということも御理解いただきたいと思 います。 ○司会 それでは、引き続き受けたいと思います。先ほどから手を挙げていら っしゃる前の背広の男性の方。 ○参加者 Gと申します。よろしくお願いいたします。 今回の消費税率のアップについては自分なりには理解しているつもりなので すが、片方では今回の 10%ではなくてさらに 17 というものも必要になってくる のだろうと私自身もそう思っているのですけれども、その辺が何となく、国会 の中継などを見ていますと、触れてはいけない部分として印象を受けるのです が、もっとオープンにこれだけのものをするからこれだけのものは必要なのだ というものを、今から是非、そうであれば訴えていただきたいなと思うのが1 点でございます。 それと、人事院勧告という部分、私もよく聞くのですが、基準になっている のは 1,000 人以上の大企業ですかね。本当の2%ぐらいの企業を参考にいろい ろなことが決められているのが、それは高度成長時代はよかったのですが、今 のこの時代になったときに本当にそういう物差しが国民と一体になるための基 準なのかというのを考えていただきたいなと思う。多分 98%はそういう範ちゅ うに入っていない人なのですね。是非よろしくお願いしたいと思います。 以上です。 ○司会 ほかに。では、そちらの後ろの男性の方。 ○参加者 Hといいます。年金生活に入っています。 1ページのところです。歳入のところ、公債金約半分占めていますけれども、 そこの部分が将来的に減っていくかという見通しについて一切触れられていな いです。今日の説明会は5%の使い道をどう使うかは一生懸命論じられている けれども、将来どういうふうに今の他の疑問、将来十何%、もっと上がるのか ということに関して全く見えない。 そして、国会通しましたから今さらという感じはしますけれども、我々の、 市民の税収を取ることで社会保障というものを本当によくしていくのだ。もっ とほかに削る部分あるはずだという多くの国民の声をどこまで聞いていらっし ゃるのか。 例えばオスプレイというものが来ているのはもう買ってしまってから、持ち 込まざるを得ないとか、無駄なものが、国土を崩壊するような大型企業とか、 例えば新幹線だとかそういういろいろありますが、もっとほかにこの公債を減 らすための努力があってしかるべき、そこの論議が見えないのは残念です。 18 ○司会 ○参加者 もうお一方。では、そちらの奥の男性。 Iと申します。 国税の中で滞納が多いのが消費税だと新聞報道で見ました。さらにそれを 5%上げる。そうすると、また消費税の滞納が増えるのか。国税の中で 35%と か 55%と聞きます。それで、僕、基幹税の所得税ですとか法人税ですとか、そ ういうものが中心にならなくてはいないと思うのですけれども、非正規の労働 者が3分の1超えたり、年収 200 万以下の人が 1,000 万人超えたりすると、基 幹税と考えなければいけない所得税が増えるだろうか。その辺をこれからどん なふうにしていこうとしているのかをお伺いしたいなと思います。 ○岡田副総理 ありがとうございます。 まず、これから消費税どうなるか。10%、先はどうなるのかという御質問だ ったと思います。もう一つは人事院勧告ですね。人事院勧告の話は実は 1,000 人以上ではなくて今、50 人以上になっています。変えました。そういうことも あって実は退職金の官民格差が 400 万円もあるということが明らかになったの ですけれども、今は 50 人以上ということです。 まず、消費税が将来どうなるのか、これお答えはなかなか難しいですね。下 手に言ってしまうとそれだけがひとり歩きしたりするので、将来所得税はこん なになるとか、もうメディアのえじきになってしまうものですから、ちょっと 慎重に私も最近言うようにしていますが、2人目の方の御質問にも関係するの ですけれども、国のこの財政の赤字、今、我々はプライマリーバランスという 考え方を使って対応しようとしているのですね。 5%上げるとプライマリーバランスの赤字は半分になります。ということは なお半分残るわけで、2020 年までにプライマリーバランスを黒字化するという ことを政府の目標として掲げていますので、残る半分の部分をどうするかとい う話は引き続きあるわけですね。ただ、一遍にそれを全部できませんので、ま ずは 2015 年 10%にさせていただきたいということをお願いしているわけです。 その段階で、プライマリーバランスを黒字化するために幾つかの要素があり ます。一つはもし経済がデフレを脱してある程度名目成長等が確保できるとい うことになりますと、税収は増える可能性がありますね。それが一つです。 例えば小泉政権の後期はプライマリーバランスの赤字がぐーっと大分縮小し たのですね。そのときは経済が輸出を中心によくなって、ということもあった と思うのです。これが一つですね。 それから、先ほど来議論に出ています歳費削減をどれだけできるか。これ一 遍にはできないものもあるのですね。例えば公務員の全体の数を減らすとか、 そういう話は突然にはできませんから時間かけてやっていかなければいけない 19 ですね。そういう時間をかけながら行革を進めてどのぐらいできるのか。しか し、それでも足らざればやはり増税ということに最後になります。 増税というときに消費税でさらにやるのか、それとも先ほどお話しました例 えば所得税を上げるのかという選択は残ります、あるいはほかの税金もありま す。ヨーロッパなどですと環境税などを上げたりしているのですね。それで社 会保障を賄ったりしています。そういったことについては、今後の議論として 残したということです。まだ一遍にはこれ解決できませんので、10 にまずした 上でもう 1 回国民的な議論が必要だと思っています。 先ほどのお話で、これからの所得税や消費税どう考えているのかですが、ま ず法人税については勿論減税をするということを決めております。これはいろ いろ議論あるところだと思います。何で消費税とか増税するときに法人税減税 なんて言うのかという御意見当然あると思うのですが、しかしやはり周りの国 見ると日本の法人税はかなり高いことは間違いないのですね。やはり産業とい うか企業が日本に残ってもらわないと、あるいは海外から日本にいろいろな企 業が出てきてもらわないと雇用の場の確保ができません。そういう意味で、私 はアジアの国がみんな法人税引き下げ競争みたいになっているのはある意味で は非常に問題だとは思うのですが、やはり現実も無視できませんのである程度 の引き下げはやらざるを得ないと思っています。 所得税については当初の我々の案では、最高税率5%上げるということも提 案させていただきました。しかし、ここは自民党、公明党と協議した結果、年 末までもう 1 回じっくりと練ろうではないかということにしまして、年末の税 制改革の中で議論するということで多少それくらい先送りさせていただきまし た。 私の感じだとやはり今まで所得税ずっとフラット化して税率を下げてきまし たけれども、もう少し税率を上げる必要があるのではないかと思っています。 税率を上げるというのと、あと課税対象を拡大するというのもあるのですね。 そういうことの議論を3党間できちんとやろうということになったということ です。 大概のお話も大体答えたと思いますが、他にやることがあるのではないかと いうのはいつも出る部分で、そういったことについてかなり一生懸命努力させ ていただいていますが、オスプレイの話とか新幹線の話になりますと、オスプ レイは実は米軍のもので別に日本の税金が使われているわけではないのですね。 米軍は自分の装備として今、オスプレイに今までのヘリコプターを入れかえる という中で、非常に不幸なことにいろいろな事故も起きて、安全性について心 配されている方がたくさんいらっしゃる、そういう状況で日本の税金の話では ありません。 20 新幹線は、函館の方々は新幹線必要だという方が多いのではないかと思いま すが、いろいろな議論がある中でやはり北海道新幹線必要だということを政府 として意思決定いたしました。ただし、公共事業の予算を増やすということで はなくて、今の仕組みの中でまず時間をかけて料金収入を使いながら進めてい くということで、税金は基本的には増やさないということですので、そこは御 理解いただけるかと思っております。 私から以上です。 ○司会 それでは、引き続き御質問受けたいと思います。先ほどお手挙げてご ざいました、どうぞ。 ○参加者 Jと申します。 時間が過ぎたので、私代表の定義しますね。岡田さん大変御苦労様でした。 こういう機会に私ちょっと言いたいことがあるのですが、選挙というものは非 常に難しいのでしょう。いつ見てもいい人、いつも基本はいいこと言う、甘い こと言う。岡田さん、この長い国会もありましたけれども絶対選挙に負けない でくだい。今、朝から、先ほど聞きましたこの選挙に負ければやれないのです。 是非お願いして、これでいいというか失敗起こらないように。 ○司会 引き続き御質問受けたい方いますか。 外で今、手を挙げている方。 ○参加者 Kといいます。よろしくお願いします。 私が聞きたいのは、具体的な無年金改革についてです。国民会議で恐らく自 民党さんや公明党さんは通常の範囲内で年金制度を変えて、もしそれに当ては まらなかったら生活保護で、受給とかでやっつけようという意見があるのです けれども、生活保護というのは基本的に申請主義で用紙を渡さないとかの門前 払いがあります。その結果、北海道では札幌で姉妹が生活保護を受けられずに 孤立死したという件は皆様も御存じだと思います。 それでうまくいかない面もあります。不正受給の問題や、小宮山厚生労働大 臣がおっしゃっていた支出の要請案も出ていて厳しい一面もあります。ですが、 先ほど岡田副総理がおっしゃっていた福祉的給付がもしも生活保護に使ったら、 たたでさえ最低賃金とかも絡んで、いわゆる逆転現象がまだ北海道でも起こっ ているのに、福祉的給付すらも、それが一時だとしても低かったら余り意味が ないと思うのです。国民会議に諮るとてまだ言えないという部分もあると思い ますが、もう少し詳しく具体的な無年金、低年金対策を教えていただければあ りがたいと思います。 ○司会 ほかにございますか。 ○岡田副総理 ○参加者 もしなければ最初に質問された方、もう1問。 Aです。すみません、引き続き2回目します。 21 消費税に関しては、国会の審議、報道で見たのですけれども社会保障に回る のは 6.5 兆円で残り7兆円は赤字国債の償還などではないですか。税収減の対 策は以前のように法人税、所得税の最高税率をもっと引き上げるべきであって、 そのころの方が福祉もよかったし、そうするべきだと私は思います。 それから、岡田副総理が否定されたところなのですけれども、私は肩車とい う表現はまずいと思います。 以上です。 ○司会 はい。 ○岡田副総理 まずは最初の御意見はありがたく承っておきたいと思います。 やはり選挙というのは民主主義の一番基本ですが、今回のマニフェスト、2009 年我々つくったわけですけれども、反省もあります。やはり課題であった部分 はあるということは間違いないですね。だから、そういうマニフェストに書い たことはすべてしなければいけないということではないのですが、というか全 部やることはもともとそんなに簡単ではないことはある程度前提にされてはい るとは思いますけれども、もう少しきちんと詰めた上で現実的なマニフェスト をお示しして、そして、それを御判断いただくということを定着させていかな ければいけないと思います。 だんだん日本の認識も下がってきたと言いますが、2009 年の前の 2005 年の郵 政選挙のときもありました。私は当時、民主党の代表だったのですが、小泉さ んの方は郵政民営化すればすべてよくなる、外交まで含めてすべてにいい影響 が出るというふうに選挙されたのですね。あれもかなりのものだと私は思うの ですが、もう少しお互いいい、しっかりとした公約を磨いて、そして選挙をや っていかないといけないと思っております。 それから、Kさんの方から生活保護について、あるいは福祉的給付について 御意見いただきました。福祉的給付はまだ中身は決まっておりません。これか ら議論しなければなりませんが、生活保護について国会でも度々議論が出ます。 いい加減な不正受給があることは事実で、例えば医療費は無料という中で生活 保護に乗じていたビジネスとか、そういうものも随分あったりすのですけれど も、そういうことはしっかり規制していかなければいけないし、不正受給とい うのはあってはならないことであります。ただ、他方で本当に必要な人が受け られないというのは問題で、生活保護をバッシングするような風潮は私は余り よくないと思います。 その上で、しかし限りある予算ですから、いかに本当に必要な方のところに 届くようにするかという制度改革をしっかりとやっていかなければけない。逆 に言うと必要のない人に生活保護が行くということにならないようにしなけれ ばいけないと思っています。 22 最後、Aさんの話ですが、先ほど言いましたように7兆円は今の制度の持続 可能性のために使うということですけれども、これですね、赤字国債を支払う ために使われる。ですから、問題は両面あるのです。赤字国債減らすことにな るが、その赤字国債は社会保障のために使われてきた赤字国債です。ですから、 社会保障のためにも使うのです。結果的に赤字国債を減らすことにもなるとい うことで、別にそれをほかのことに使うわけではないということです。 いつまでもいつまでも次の世代の負担で、つまり借金をして社会保障を担っ ていくということが私は許されるとは思わないので、なるべく今、使う社会保 障は今の税収でやっていくという形に持っていかなければいけないと思ってお ります。 所得税の最高税率アップとかそういったことは私も同じ意見ですが、ただ、 税収から見るとそう多くを期待できないので、だからやらないというのではな くて、やるべきだと思いますけれども、それで、マンションのデベロップの話 ではないということを申し上げておきたいと思います。 ○司会 大分時間が来ておりますが、今、女性の方お手が挙がっております。 これで大体最後の会議になろうと思いますが、ほかにいらっしゃいますか。 では、最後にひとつお願いいたします。 ○参加者 Lと申します。 今日の説明、お話を聞きまして、将来、本当に明日の安心だという実感はは っきり言って湧きません。消費税をどんどんどんどん上げていっても、その先 には本当にお年寄たちが安心して暮らせるような日本は見えてはきません。 まず一つには今、例えば子どもの問題、子育て新システムの問題、これと関 係してくるし、いろいろな面で税収の問題とも関わってくるのですけれども、 全国的に言って、それから函館も出生率がだんだんだんだん下がっていってい る。子どもを生む前に若い人方が結婚できない、働くところがない、したがっ て結婚できない。結婚できても賃金が安いとか正規で働くところがないために 結婚できない。結婚できないから子どももつくれない。この根本的な問題が解 決されない限り、税収をどんどんどんどん上げたって、どこまで上げたってこ の問題は解決しない、このように思います。 社会保障を今、先ほどの肩車うんぬんと言われましたけれども、ここのとこ ろも改善しない。雇用の問題をどういうふうに考えているのか。これは本当に 企業だけでなくて国全体で考えていかなければいけない問題ではないかなと思 います。今日はそこら辺の話がちょっと出なかったので、もし聞かせていただ ければと思います。 23 それから、先ほども言っているように、やはり問題点いっぱい私たちもある と思うのですね。消費税は一番取りやすい税金なのですね。そこのところをも う一度考え直すというか考えていただきたい、これが今日の私の思いです。 ○岡田副総理 今の最後のお話は堂々巡りの話になってしまうのですね。です から、いろいろな無駄は確かにある。そのことは特段に見直ししてやっていか なければいけない。しかしそれができないから消費税の引き上げを先送りする というのは今までの歴史で、結局それでだれの負担になっているかといえば次 の世代の負担に全部なっているわけですね。それは公平ではないと私は思いま す。 全力を挙げていろいろな無駄遣いについて、政権交代後、新しい試みいろい ろなことをやって相当変わってはきています。しかし、すぐには効果が出ない ものもありますので、それは全力を挙げてやりますが、だからと言って消費税 の引き上げを先送りするということにはならないということは先ほど申し上げ たとおりです。 雇用の問題が先ではないかということですが、まず最近、ここの数年出生率 がちょっと改善しているということは事実として申し上げておきたいと思いま す。いろいろなこういう努力、子どもの施策の努力は確実に出生率を上げるこ とにつながっていくと私は思います。 フランスなどではやはりいろいろなそういう子ども・子育て対策をやった結 果、今、顕著な出生率の改善が見られたわけで、そういったことにさらに力を 尽くしていかなければいけない、あきらめてしまったらいけないと私は思いま す。 同時に、しかしやはり働く場が必要だというのはそのとおりで、そこはある 意味で車の両輪としてやっていかなければならないところです。それはちょっ とテーマが違うのでお話しませんでしたが、政府の方でも今、成長戦略という ことを具体的に日本再生戦略という形でつくっておりまして、間もなく発表で きる段取りになっています。 新しい分野への投資を促進するとか、あるいは規制改革をするとか、つまり 予算を使わなくてもできる部分はたくさんあります。例えば今度自然エネルギ ーに対する固定価格買取制度というのが始まります。これは勿論電気料金が若 干上がるという御負担をお願いすることにはなるわけですが、かなり大きな風 力発電や太陽エネルギー発電、バイオマスの投資がこれでなされることは間違 いないと思うのですね。そこに雇用も発生するわけです。そういった新たな成 長戦略というものを今、政府の中でも間もなく発表できるところへ来ている。 それをしっかりやっていくということも併せて申し上げておきたいと思います。 24 ○司会 それでは、まだまだ御質問なさりたい方あろうかと思いますが、もう 終了の時刻となってしまいました。御質問し切れませんでした点はお手元にア ンケート用紙がいっていると思いますので是非御記入いただきたいと思います。 副総理自ら必ず目を通させていただきますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、最後に岡田副総理から一言お願いをいたします。 ○岡田副総理 今日はどうもありがとうございました。いろいろな多様な御意 見をいただきました。 国会の方も多分今週は総理も出ての特別委員会での審議があると思いますの で、お時間のある方は是非見ていただきたいと思います。 そういった審議を経て、しかしなるべく早くこの社会保障・税一体改革、全 体で8本の法案がありますが、これを成立させて、そして、恐縮ですが消費税 の引き上げを今の予定どおり 2014 年4月に8%、2015 年 10 月に 10%というこ とで進めさせていただきたいと思います。 ただ、これで問題がすべて解決するわけでは勿論ありません。これがある意 味では第一歩ということだと思います。しかし今までのようにどんどん赤字を 増やして、そして次の世代に負担をかぶせてやってきたことから見ると明らか に方向転換になりますので、そのことで私は日本の将来に対して一つの希望が 見えてくると思っております。 我々政治家にとっても増税をお願いすることは厳しいことです。だけど、そ れにひるんでいたのでは結局次の世代にその負担が行くだけでありますので、 ここは最初に申し上げたように民主党だけではなくて自民党、公明党の皆さん も同じ思いの中で何とかこの国会で社会保障・税一体改革成し遂げたい、そう いう思いの中で進めているということを御理解いただきたいと思います。 今日はどうもありがとうございました。(拍手) ○司会 本日はお忙しい中、御来場いただきまして本当にありがとうございま した。どうもありがとうございました。 25
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