株式会社浅田可鍛鋳鉄所 株式会社浅田可鍛鋳鉄所 - 中小企業魅力

http://www.asada-katan.co.jp/
“ワクワクする3
“ワクワクする3K
K企業”
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
2010年版
魅力発信レポート
はじめに
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
“ワクワクする3K
“ワクワクする3K企業”
当社は、様々な工業製品に用いられる素形材 これからも“顧客が求める価値”を追求しなが
のなかで、鋳造品を扱う専業メーカーとして、ら、更なる技術開発や技術革新、経営革新へ取
これまで日本のモノづくりの歴史と共に90 り組んで参ります。
有余年歩んでまいりました。大正5年(19 “鋳物”で表される鋳造は、世間一般では「き
16年)自転車部品の製造に始まり、時代の つい・きたない・きけん」の頭文字を取り3K
求めに応じ様々な素材を取り扱いながら、現 と呼ばれています。ご多分にもれず当社も3K
在では自動車などの輸送用機器の部品製造を です。しかし、ご存知のものとは少し異なるか
も知れません。
行っています。
K:環境に優しい
自動車部品の大半は鉄で出来ています。
2005年自動車リサイクル法が施行され
使用済み自動車から発生するシュレッダ
ーダスト等をリサイクルすることにより
リサイクル実効率を95%に向上させる
取り組みがスタートしました。
このように、鋳造は素材である鉄を有効
に活用する産業であり、我々も“環境に
優しい企業”でありたいと願っています。
廃車リサイクルへの取り組み(資料:トヨタ自動車㈱)
K:希望にあふれている
中国をはじめとした新興国が急速に力をつけ、
多くのものづくりが日本から移転しつつあり
ます。その中にあって鋳造など素形材づくり
の海外移転は、最も苦労している分野の一つ
です。製造技術自体が複雑で高度なことから、
すべてが応用問題となり、その解決には現場
技能者の経験に依存するところが多く、熟練の
技能者を育てることに時間を要するためです。
素材である鉄は数千年の歴史を持つものの、素
材の改良や開発などは留まることを知りません。
ものづくりの面白さと奥深さによって、これか
ら先も“希望にあふれている”企業です。
K:きびしい
優しくありません。これまで90有余年のあい
だ脈々と受け継がれてきた技術のみならず、
最先端の技術や技能を身に付けるため、仕事
ではきびしく接します。社員である、あなた
の成長を願ってのことです。
時にはより高い品質と技術を求め、協力会社に
も優しくありません。人とひとがぶつかりあっ
て、真剣にものづくりを追求する。そのような
人の繋がりであるパートナーシップ、つまり
“絆(きずな)”ときびしさを大切にする企業です。
Weldabie Asada Casting「浅田可鍛の溶接できる鋳物」。当社が、
数年前に独自の技術で開発した製品です。これを略してWAC(ワック)
と名づけました。
鋳物は炭素含有量が多く溶接が困難な素材ですが、様々な試行錯誤の末
に製品化に成功。この技術が平成17年度京都中小企業技術大賞を受賞し
ました。世の中にないワクワクする技術を世の中に提供する。
浅田可鍛鋳鉄所は、“ワクワクする3K企業”です。
代表取締役 浅田 康史
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
2
1.会社データ
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
基本情報
社
名
代 表 者
創
立
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
代表取締役社長
事業内容
自動車、建設機械、産業機械用の球
状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)の製
造ならびに機械加工
本 社 ・
鋳造工場
(長田野)
〒620-0853
京都府福知山市長田野1-29
電話 0773-27-2058
FAX 0773-27-2207
三和工場
〒620-1445
京都府福知山市三和町みわ2-3
エコートピア京都三和団地内
電話 0773-59-2433
FAX 0773-58-2103
浅田 康史
大正5年(1916年)3月1日
資 本 金
4,500万円
従業員数
100名(男性94名・女性6名)
/平成22年12月末現在
企業理念
「小さくともキラリと光る企業」
~ 社員の生きがいとやる気と幸せにつながる経営の実践 ~
行動規範
「シンプル・スリムに徹し、見える化の追求と仕事の楽しさを創造する」
沿革
大正 5年 大阪市東成区にて「白心可鍛鋳鉄」製造創業
昭和12年 「黒心可鍛鋳鉄」製造開始
昭和23年 株式会社組織に改組
昭和33年 「パーライト可鍛鋳鉄」製造開始
昭和35年 本社を八尾市恩智に移転
昭和49年 福知山工場竣工 「球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)」製造開始
昭和51年 鋳造部門を福知山工場に集約
昭和52年 本社工場、機械加工部門を福知山工場に移転(全機能を福知山に集約完了)
昭和61年 本社事務所、厚生棟俊工
平成 7年 新本社事務所、技術棟新設、社員クラブ開設
平成13年 環境マネジメントシステム ISO14001取得
平成14年 品質マネジメントシステム ISO9001取得
平成17年 三和工場竣工 機械加工専門工場として操業開始
平成21年 浅田 章介が会長へ、浅田 康史が代表取締役に就任
創業時の工場 (大阪 東成)
現在の本社工場(京都 福知山)
受賞歴
平成17年(2005年) 京都中小企業技術大賞
平成19年(2007年) 京都中小企業優良企業表彰
平成21年(2009年) 京都府産業功労者として浅田章介が表彰
国/経済産業省からの受託事業
平成18年(2006年) 鋳造トレーサビリティ・ソリューションによる品質保証システムの開発
平成21年(2009年) 個体マーキングによる鋳鉄の革新的品質保証システムの開発
平成22年(2010年) EBWによる自動車部品の軽量化を実現する鋳鉄高度熱処理技術の開発
平成21年(2009年) 密閉中空鋳鉄部品の販路拡大[補助事業]
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
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2.事業内容と取扱製品、サービスの特長
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
事業概要
当社は金属材料を鋳造により様々な部品に加
工する、鋳物専業メーカーです。当社の製品
ラインナップは、高い耐久性が求められる自
動車や建設機械などの輸送機に用いられてい
主な製品群
*生産能力 鋳造素材:1600t/月
■世界初の鋳造技術「密閉中空鋳鉄」
従来の鋳造法では不可能とされてきた、完全密閉
中空鋳鉄の新技術を開発。「高強度・軽量化」
「保温・断熱」「防振・制振」などの多くの機能
を持つ新しい技術です。
新技術・軽量化
密閉中空鋳鉄
量産品
ます。主に、ダクタイル鋳鉄の製造および機
械加工(一部Assy加工まで)を行っており、
中・小物品(1~3kg)の量産を得意として
います。
WAC
小ロット
量産受託
ダクタイル鋳鉄
従来技術
■ダクタイル鋳鉄の「量産受託」
自動車、建設機器、電力、鉄道など「あらゆる
分野のメーカー様から直接受託生産」による製
造を行っています。
① デフケース
⑤カラー
④ナックルス
テアリング
② オイルポンプ
③ ブラケット
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
■新開発鋳鉄「WAC」
一般には困難だとされる鋳物溶接を特別な段取り
やノウハウなしに実現する。鋳物固有の複雑形状
の一体化メリットをさらに向上させることができ
る画期的な鋳鉄です。
溶接できる鋳物
「WAC」を、
建設機械キャビ
ン根元に使用し
た実用例です。
鋳物のメリット
である複雑形状
を一体化し、さ
らに溶接接合さ
れています。
4
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
一貫生産
鋳造のみならず、その後の機械加工までを自
社内で内製化しています。「次工程はお客
様」を合言葉に、業界でいち早くトレーサビ
リティ(生産履歴) の確立に取り組むなど、品
質管理から更に“品質保証”まで踏み込み、
顧客の求める価値を追求し続けています。
【鋳造製品の完成までの流れ】
図
面
形
状
決
定
鋳物砂の調整
模型製作
鋳造方案の決定
塗装
鋳型の製作
鋳込み
中子製作
溶解
後処理
出荷
機械加工
鋳造トレーサビリティの対象工程
VE提案会議の様子
製品検査の様子
すべての部署から担当者が集まり、製品図面
をもとにVE提案が検討されます。用途や機
能を低下させることなく、コストダウンに結
びつく提案が検討されます。一貫生産ならで
はの蓄積されたノウハウが、提案へと活かさ
れます。
京都福知山 本社工場内部
品質管理から“品質保証”へ
平成18年(2006年)から国の受託事業とし
て「鋳造トレーサビリティ・ソリューション
による品質保証システムの開発」に取り組み
ました。牛肉などでご存知のトレーサビリ
ティは、製品の生産・流通履歴を明確にする
ことで、その製品の安全性を証明したり、あ
るいはより正確な在庫管理を行なうことを指
す取り組みです。
当社では、業界に先駆けて鋳造トレーサビリ
ティに取り組み、製品1個単位で品質管理が
行える先進的な生産管理システムを擁し、お
客様の高い要求にお応えしています。
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
鋳造トレーサビリティの体制イメージ
(出典:財団法人 素形材センター)
5
株式会社浅田可鍛鋳鉄所

自社の強み「知的資産」
当社は創業以来90数年に亘り鋳造に関
わる事業展開により、経営理念を柱とす
る「人材力」「高度な技術力と長年のノ
ウハウ」「ネットワーク力」などの知的
資産を蓄積してまいりました。現在では、
これまで不可能とされた完全密閉の中空
鋳鉄、ろう付けを可能とする鋳鉄
“WAC”などの新技術についてお客様か
ら高い評価を得ています。
その結果、環境問題などにより輸送機等
で更なる軽量化やコスト削減を願うお客
様の部品開発に、設計段階から参画する
など、特注仕様の鋳造品を開発する案件
が増えています。
モノづくりからコトづくりへ、「顧客が
求める価値」を追求しながら、当社の事
業価値は益々厚みを増しています。
当社鋳造技術に対するお客様からの高い評価と信頼
中空、軽量化、量産部品なら一貫生産の浅田可鍛鋳鉄所へ
経営理念
人材力
・多能工化による少数精鋭の現場と
平均年齢32歳の職人の若い力(派
遣社員ゼロ、すべて直接雇用)
・VA/VE提案や新製品開発を行い易
い組織と企業風土
・ISO9001に基づく品質管理体制
高度な技術力と
長年のノウハウ
・90年以上に亘り蓄積してきた鋳物
製造・加工におけるノウハウと研究
データ
「小さくともキラリと光る企業」
社員の生きがいとやる気と
幸せにつながる経営の実践
ネットワーク力
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
・高品質な原材料を供給する仕入先や
協力先との関係(親子二代の付き合
い10社以上)
・自動車メーカー等との信頼関係
(ティアワン)
・大学との産学連携、他社との共同開
発、行政や協会団体との支援体制
6
株式会社浅田可鍛鋳鉄所

自社の強み【人材力】
工場見学へ訪れた方が驚く、少人数で運
営される工場は多能工化が図られ、当社
の行動規範である「シンプル・スリムに
徹し、見える化の追求と仕事の楽しさを
創造する」考えが活かされています。
平均年齢32歳の若い力が、様々な作業
を習熟できるのは、「要員別能力一覧表
(スキルマップ)」や「個人目標シー
ト」等体系的な育成の仕組みが理由です。
「要員別能力一覧表(スキルマップ)」
により、各部門で求められる能力と個々
人のスキルを4段階で見える化し、それ
ぞれの適性に応じた能力開発や配置転換
が行われます。
「個人目標シート」では、各部門と個人
の目標を明らかにし、目標の達成度を公
正に評価しています。この他、月次の業
績を工場内へ掲示するなど開かれた経営
により、社員の経営への参画意識とモチ
ベーションの向上が図られています。
(イメージ図)
鋳物業界
平均年齢40歳
当社
平均年齢32歳
要員別能力一覧表(スキルマップ)
個人目標シート
鋳物業界平均は2004年度
厚生労働省の資料から作成
人材力を高めるための取り組み
鋳造は工程が多岐にわたり、溶解金属を鋳
型に鋳込む前後の工程は、特に鋳物の品質
や生産性を大きく左右します。鋳物の形状
や肉厚は多種多様であり、どのような場合
でも通用する共通の欠陥防止策は存在しま
せん。いわゆる「暗黙知」を必要とする場面
が多く、スタッフが技術を身に付け「一人
前になる」まで長い年数を必要とします。
そこで鋳造法については鋳造方案、造型、
鋳物砂の調整、溶解技術などの技術や技能
の習得と工場管理者、技術者など人材の養
成を目的に「鋳物教室」「訓練道場」を定
期的に開催しています。
①「鋳物教室」全社員を対象に、半自動
の鋳物製造機を用いて鋳物に関する基礎技
術の習得と知識の向上を図っています。将
来的には地域の子供達を受け入れ、地域社
会への貢献活動へ展開する計画です。
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
②「訓練道場」鋳造の過程は常に危険と
隣り合わせです。災害の抑制を目的に、
全社員を対象として工場内で使用される
様々な機材を用いた、安全への配慮や品
質の作り込み、鋳物の基礎知識などの研
修を実施しています。
鋳物教室
訓練道場
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株式会社浅田可鍛鋳鉄所

自社の強み【人材力】
【月毎の業績情報を全社員に開示】
【客先へのVA/VE提案を検討】
社長
(組織図平成22年12月末現在)
製造部
製造課
技術課
管理部
品証課
営業課
総務部
総務課
全
年体
2会
回議
)
【迅速な意思決定を目的に幹部を対象】
)
)
営業系 R 会議
会議(月2~4回)
課
週単
1位
回会
議
(
(
技術系 K 会議(週1回)
会議
(
【改善(営業・品質等)提案を検討】
社
長
年ヒ
2ア
回リ
ン
グ
【改善提案を目的に全社員を対象】
VE提案や新製品開発を行い易い組織と企業風土
企業理念、行動規範にもとづき会社方針「お
客様目線でものづくり! 全員で拡販、全員
で原低!!」を中期三カ年計画のテーマとし
て掲げています。
社内外の情報共有と原価低減や生産性の向上、
環境に配慮したものづくりを実施するための
場を設け、客先や市場のニーズを現場へとダ
イレクトに伝わる仕組みを構築しています。
ISO9001に基づく品質管理体制
2002年に品質管理の国際規格である
ISO9001を取得し、お客様への流出不具合
のゼロ化、工程内不具合の半減など徹底した
品質管理体制を構築しています。
先輩に聞く“仕事の魅力”
管理部品証課
2007年入社
高校 特進科卒業
自社製品の信頼性向上の為、
「図面上で要求されているス
ペックを満たした製品となって
いるか」を中心に、常に適切な
判断で合否を判定するほか、製
品に不具合が発生した場合の原
因解析や対策を製造部門と一緒
に進めています。
〝不良品の対策に直接たずさわ
ることが出来る〟のが仕事の
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
醍醐味です。
まだまだ経験は浅いですが、社
内外で検出された不具合に対し、
製造部門を巻き込んだ小集団活動
で解決策を見出し、採った対策の
効果が出た時は、嬉しさと共にや
りがいを感じる瞬間でもあります。
我社の魅力を一言でいうならば
「〝やりがい〟を持って働ける会
社」でしょうか。
8
株式会社浅田可鍛鋳鉄所

自社の強み【高度な技術力と長年のノウハウ】
90年以上に亘り蓄積してきた鋳物製造・加工におけるノウハウと研究データ
世界初の鋳造技術
「密閉中空鋳鉄」を製品化
自動車や建機など
輸送機用部品を量産化
トラックや自転車
用部品を量産化
ろう付けができる新開発鋳鉄
「WAC]を製品化
◆1977年(昭和52年)福知山工場へ全面移転
パーライト可鍛
黒心可鍛
ダクタイル鋳鉄
白心可鍛
◆1973年 第一次オイルショック
◆ 1947年 ダクタイル(球状黒鉛)鋳鉄の発明
◆ 1945年 終戦
◆ 1997年 京都議定書発効
第1転換期
1916年
大正5年
1932年 1953年 1969年
昭和12年 昭和33年 昭和49年
第2転換期
2005年
平成17年
第3転換期
2010年
平成22年
第1転換期
第2転換期
1916年(大正5年)創業当初は、「白心可
鍛」を主な素材としてトラック用部品や自社ブ
ランドによるスポークといった自転車用部品な
どを鋳造していました。当社の社名にもある
「可鍛」鋳鉄(白心・黒心・パーライト)は、
銑鉄の中でも強化された素材で、溶接が可能、
薄肉形状が得意、鋳造性に優れる等の特徴があ
り、この当時の製造技術や経験が、のちに新し
い鋳造技術を産み出すことへ繋がりました。
終戦後となる1947年(昭和22年)業界の
みならず、当社にとっても画期的な素材である
ダクタイル鋳鉄が発明されました。これまで取
り扱ってきた可鍛鋳鉄のメリットそのままに、
コスト性に優れるダクタイル鋳鉄は瞬く間に、
自動車や建設機械などの部品として採用されま
した。こうして新しい素材や技術へ、果敢に挑
戦し続ける当社の基礎が形づくられました。
1973年(昭和48年)頃から始まったオイ
ルショックの最中、大阪にあった生産機能の
すべてを、1977年(昭和52年)福知山へ移
管しました。経済が低迷するなか、新工場の
船出は荒波を受けての厳しいものでした。
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
第3転換期
1997年(平成9年)京都でCOP3が開催
され、我々の地球環境について議論されまし
た。現在は、当社の顧客である自動車や建機
を扱う輸送機メーカーも環境負荷低減を目的
とした、軽量化が最大の関心になっています。
創業以来90数年間にわたり、様々な素材
を扱ってきた当社は、ろう付けができる鋳鉄
「WAC」や世界初の鋳造技術「密閉中空鋳
鉄」などの新技術開発にも積極的に取り組み、
顧客が求める価値を追求し続けています。
9
株式会社浅田可鍛鋳鉄所

自社の強み【高度な技術力と長年のノウハウ】
90年以上に亘り蓄積してきた鋳物製造・加工におけるノウハウと研究データ
急
部品点数の削減
破
軽量化/新技術
世界初の特許技術
密閉中空鋳鉄
京都中小企業技術大賞を受賞した
溶接できる鋳鉄WAC
溶接できる鋳鉄
WAC
トレーサビリティ・システム
による品質保証
高い品質と信頼の技術
量産受託 ダクタイル鋳鉄
基礎技術
序
技術力を高めるための取り組み
・知財関連(平成22年12月末現在)
特許出願 4件 特許登録 1件
・技術の伝承
鋳物教室、訓練道場の開催
先輩に聞く“仕事の魅力”
製造部技術課
2001年入社
短大生産技術科卒業
新規受注した製品の図面から形 来る時や失敗する時がある中で、
状を考え、方案を組んでいます。1番の「案」で良い製品ができ
平面に描かれた形状データを複 た時の喜びはひとしおです。
雑な立体形状にするという難し ものづくりが大好きな私。和気
くて責任重大な仕事ですが、新 あいあいとした社風に加え、良
しいことを教わりながら毎日が い仲間にも恵まれて一人でなく
勉強です。自分たちが考えたア 会社全体で一つのものを造って
イデアがすぐ形にできるところ いる、私にとって最高の職場、
がやり甲斐のひとつ。うまく出 会社だと思っています。
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
10
株式会社浅田可鍛鋳鉄所

自社の強み【ネットワーク力】
不足する経営資源を補完するため、大学
との産学連携、他社との共同開発、行政
や協会団体からの支援を受け、外部のナ
レッジを活用しています。世の中にない
製品を生み出す源は、これらの関係者に
よるネットワーク、つまり連携により生
み出されています。
中小企業等数社と連携し、鋳物の品質保
証技術を「鋳物のトレーサビリティ・シス
テム」として確立するなど、中小企業基盤
整備機構から、サポーティング・インダ
ストリーとして、自動車等の産業を支え
る基盤技術を有するものづくり中小企業
として様々な研究を受託しています。
顧客との連携
大学・異業種との連携
ダイハツ工業(株)
甲南大学
「ティアワン」として共同して
製品開発へ取り組む
クオリカ(株)
コベルコ建機(株)
ほか
ほか
浅田可鍛
鋳鉄所
協力会社との連携
創業90有余年 現在は七代
目の代表取締役を数える当
社では、二世代でお付き合
いを頂く協力会社が10社
以上、三世代が数社と永い
お付き合いを頂いています。
。
協力会社との“絆”をもと
に、新しい技術や高品質な
製品が次々と生み出されて
います。
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
行政機関等との連携
国/経済産業省
(独)中小企業基盤整備機構
サポーティングインダストリー
として研究開発を実施
(財)素形材センター
(財)京都産業21
11
3.業界分析
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
【業界概観と自社のポジション】
銑鉄を主な材料とした鋳造品を扱う鋳物製造業では、業種がら、得意先となる完成品メー
カーの需要動向によって業績が大きく左右される側面があります。
当社では創業以来これまで、主力顧客の要請に応えながら、高品質の製品づくりに取り組ん
できました。中・小物品(1~3kg)の量産を得意とし、輸送機部品等を主な製品として
製造しています。近年はホームページや展示会への出典を通じて、軽量化などを目的とした
新技術のPRを積極的に実施し、密閉中空鋳鉄など当社の独自技術をもとに、独自のポジ
ションを築いています。
【機会】
【自社の強み】
①電機自動車用EV技術でも現在の
基盤部品は使用が継続される
②車体本体への環境負荷低減と軽量
化ニーズの高まり
技術力
ノウハウ
人材力
ネット
ワーク力
③グローバル化の進展により部品の
共通化が進み品質保証(トレーサ
ビリティ)を求めるニーズが増加
【経営理念】
「小さくともキラリと光る企業」
社員の生きがいとやる気と
幸せにつながる経営の実践
【脅威】
【製品・サービス】
①代替品(アルミ製部品等)の存在
②消費嗜好の変化による自動車市場
の縮小
③同業他社との価格競争が激化
④中国や韓国勢の追い上げ(品質,
価格等)
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
12
4.ビジネスモデルと自社のこだわり
株式会社浅田可鍛鋳鉄所

鋳物業界におけるバリューチェーン(価値連鎖)
組立製品
【完成品】
【モジュール部品】
宇宙・航空
【鋳造部品】
電気・電子
自動車・建機
【素材】
【原材料】
産業・一般機械
基盤工程
技術レベル・高

当社のビジネスモデル
サービス【人材力・技術力】
・トレーサビリティによる品質保証
製造【高度な技術力と長年のノウハウ】
・素材特性を熟知した新技術開発力
仕入調達【ネットワーク力】
・長年の付き合いによる安定的で高品質な原材料供給
企画開発【開発力】
・顧客の要求にもとづく自社内での製品開発体制
・ R 会議によるコスト削減等のVE提案
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
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5.将来に向けた事業展開
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
《 今後のビジョン(方針・戦略)》
顧客のビジネス・ソリューションを追求する高付加価値企業
《 ビジネス・プロセス 》
“モノからコトへ”お客様に対して製品だけでなく
製品がもたらす真の便益を提供することで顧客満足度を高める
《 成功要因 》
高品質な製品の開発・製造
単位:万
提案型営業によるCSの向上
当社製品(デフケース)の市場シェアの推移
700
工場見学来場者の推移
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
600
500
400
300
200
100
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
新車登録車合計(軽自動車含む)
当社製品(デフケース)出荷数
1台1ケの場合のシェア
街なかで見かける車の3~4台に1台は、
当社で鋳造した部品(デフケース)が使用
されています。
*上記条件による試算(シェア平均は30%)
*資料出典:(社)日本自動車販売協会連合会
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
(イメージ図)
将来予想
90社
50社
40社
2008年
2009年
2010年
国の受託事業による実績をもとに、当
社を訪問されるお客様が増えています。
品質保証を目指したトレーサビリ
ティ・システムやシンプルに配置され
た工場レイアウトへの評価を頂いてい
ます。今後は、鋳物教室の門戸を広げ、
積極的お客様や地域の子供達を迎え入
れる計画です。
14
6.人材育成方針
株式会社浅田可鍛鋳鉄所
人材育成方針
平均年齢32歳の若い力に溢れる当
社では、新入社員の皆さんに対し、体
系的に技術習得が行えるよう、以下の
ような人材育成の仕組みがあります。
製造業にありがちな派遣や請負労働者
は一切活用せず、すべて直接雇用にも
とづく正社員で構成されています。
“人”こそが、すべての基礎であり、
我々の原点だと考えてのことです。
一方、“きびしさ”もあります。技
術や技能を身に付けたあなたの成長
が、会社の成長に繋がります。人とひ
とがモノづくりを通じて真剣にぶつか
りあう、そんなきびしさです。
“ワクワクする3K企業”浅田可鍛鋳
鉄所はこのような会社です。
(人材育成のイメージ図)
全社員
全額会社負担により通信教育研修の奨励
人
外部技術研修会への派遣
鋳物教室
事
訓練道場
若手社員
制
2ヶ月間の現場実習
度
1ヶ月間の配属前研修
人材育成、ならびに人事制度
熟練度
高
①製造現場での人材育成については、1ヶ月間の配置前研修と2ヶ月間の現場実
習を柱に座学及び現場OJTを集中的に実施し、熟練者から若手に対する「技術
の伝承」を行っています。
②若手職制には、期間1年の外部技術研修会に派遣し、専門知識習得の機会を提
供しています。
③一般社員には、内部の熟練した技術系スタッフによる「鋳物教室」を開講し、
スキルアップを図っています。
④全社員を対象にした通信教育の受講奨励を会社費用負担で実施しています。
育成・評価方針
①資格要件
経験や学業成績は問わず、コミュニケーション能力・体力・精神的健康度を重
視します
②人事評価
当社は年功序列型の評価制度ではありません。目標管理シートに基づき、実力
があり、向上心の高い人が評価される会社です
”ワクワクする3K企業”【魅力発信レポート】
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株式会社浅田可鍛鋳鉄所
先輩に聞く“仕事の魅力”
総務部総務課
1996年入社
高校 ソフト経済科卒業
社内で発生する産業廃棄物のM
SDS管理と有害化学物質に関
わるPRTR管理。その他庶務
的な業務も含め多種多様の仕事
をしています。日々の現金の出
納から、果ては給食弁当の手配
まで。「社内の何でも屋さん」
と呼ばれることがあるように、
従業員からのありとあらゆる要
望を聞くことが多い部署です。
鋳造部門でのメイン造型ライン
のオペレーターをしており、と
てもやりがいのある仕事です。
製造工程の途中で設備故障やそ
の他の要因にてあらゆるトラブ
ルが発生することがあります。
通常は上司に連絡の上、問題点
などを報告し指示を仰いで修理
に取り掛かるわけですが時には
上司にも原因が解明できない場
管理部営業課
2007年入社
高校 ソフト経済科卒業
時には腹の立つこともあります
が「有難う」「助かった」と
言ってもらった時はやっぱり
やっていて良かったな〝がんば
ろう〟と思います。すべての従
業員が改善を提案できる制度に
なっているので〝やらされてい
る〟のではなく〝自分たちが
やっている〟という実感が持て
ます。
合に私なりに考えた推論や対策
が正しかった場合など「ヨッ
シャー」という気持ちになり、
とても誇らしく思えます。
以前から自動車好きということ
もあり、高校時代に機械科でモ
ノ作りの勉強をし、当社を選び
ました。同僚の平均年齢は若
く、若手でも積極的にものが言
える活気のある会社です。
営業課の事務スタッフをしてい
ます。一般的にOLと言われる
ものです。日々の売上集計や請
求書作成、チェックをしていま
す。社内向けのポスターを作製
したことをきっかけに、社内
ニュースや自社ホームページの
コメント作成などを任されまし
た。私自身にそういうセンスは
無いと思っていたので、褒めら
製造部製造課
2004年入社
高校 機械プランニング科卒業
れた時はとても嬉しかったです
し、それを見られた方から感想を
いただけると尚励みになります。
当社には「改善提案制度」があ
り、その改善度合いにより評価し
てもらえると共に自身の努力が認
められ、モチベーションも上がり
ます。年齢や経験に関係なく、自
分の努力を評価してもらえる会社
です。
採用に関するお問い合わせ
株式会社浅田可鍛鋳鉄所 総務部総務課 採用担当:谷垣
本社 京都府福知山市長田野1-29
電話:0773-27-2058
E-mail:[email protected]
ホームページ: http://www.asada-katan.co.jp/
担当 谷垣
*中小企業魅力発信レポートとは、中小・小規模企業が必要な人材の確保等を行っていくために、魅力ある企業
情報を発信するレポートです。
魅力発信レポート作成支援者:中小企業診断士/篠永卓士
使用したイラスト: 3D Bar Graph Meeting / lumaxart
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