世界に誇る日本の至宝「能登の里山里海」 - 北陸財務局

世界に誇る日本の至宝 「能登の里山里海」
平成24年2月
北陸財務局
~世界の“NOTO”へ~
【 「能登の里山里海」が先進国初の世界農業遺産に認定 】
「世界遺産」は、1972年に創設され、遺跡、歴史的建造物などを対象に、現在、世界で936箇所が登録されているのに対し、
「世界農業遺産」は、2002年に創設され、伝統的な農法や農業に関わって育まれた文化、景観などを対象に、8つの地域が認定
されている。昨年6月、「能登の里山里海」、「トキと共生する佐渡の里山」(新潟県)など4地域が新たに認定された。
しろよね
③ あえのこと
① 白米千枚田
急斜面に作られた棚田(1,004枚)が幾何学模様
を描く。
平成19年より、「棚田オーナー」制度が実施され、
棚田の一部を毎年約80名(うち約半数が首都圏
在住)が管理している。
昨年から新たに、独立型ソーラーLED12,000個
で彩る「あぜのきらめき」を開催。
【春の千枚田】
【あぜのきらめき】
奥能登地方で行われ
る農耕儀礼。
「田の神」を迎えて、自
宅で風呂に入れ、ごち
そうを振舞う。
昭和51年、国の重要
無形民俗文化財に指
定、平成21年、ユネス
コの無形文化遺産に
登録。
30軒の農家民宿群。閉校となった小学校を改
装した宿泊施設も併設し、観光客や修学旅行な
どを受入れ。
能登の原風景、循環型農業を体験できる里山
として脚光。過疎・高齢化が進む中、行政に頼ら
ず、若者回帰を目指す。全国の自治体のほか海
外からの視察も多い。
白米千枚田入込客数
(8月~12月)
300
①
倍増
(千人)
250
④
246
200
119
150
100
④ 塩づくり
海水を人が担いで
塩田まで運ぶ「揚げ
浜式」による塩づくり。
400年続く製塩法で
国内で唯一残ってい
る。
平成20年国の重要
無形民俗文化財に指
定。
② 春蘭の里
【誘 客 効 果】
認定後、入込客が
倍増!!
⑤ キリコ祭り
豊漁や豊作を祈願し、
「キリコ(切籠)」と呼ばれ
る高さ数mから十数mの
巨大な御神灯を人が担
ぎ、夜道を照らしながら
練り歩く祭り。
集落ごとに7月から10
月にかけて行われる。
このほか、あわびなどを素潜りで採る「海女漁」、
波が岩に激しくぶつかることにより現れる「波の花」
などの伝統・景観が多数。
※写真提供:石川県、輪島市、春蘭の里
50
③
0
H22
3000
⑤
H23
春蘭の里宿泊客数
(8月~12月)
②
(人)
倍増
2500
2,663
2000
1500
1,381
1000
500
0
H22
H23
地域の文化・伝統を次世代へ!
他の農村地域と同様に過疎・高齢化が進み、後継者不
足という現実もあるが、認定をきっかけに、地域住民の普
段の暮らしの中にある素晴らしい文化的価値が再認識さ
れている。
また、棚田オーナーや農家民宿での農業体験などを通
じて、他地域にも認知されてきている。
「輪島塗」の伝統に加えて、地域に根ざした文化や伝統
を活用した地域の活性化が期待され、県では、今春から
13回にわけてモニターツアーを企画するなど、世界農業
遺産の認定を活用し、農林水産業の持続、生業の創出、
多様な主体の参画推進に取り組むことで、元気な里山づ
くりによる地域の活性化につなげていくこととしている。