第2章 三木市水道事業の概要

■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
第2章 三木市水道事業の概要
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■ 第2章
第2章
三木市水道事業の概要 ■
三木市水道事業の概要
1 三木市の概況
三木市は兵庫県の東南部、神戸市の北西に位置し、地形は南西か
ら北東に細長く、市の中心部を流れる一級河川加古川の支流である
美嚢川沿いに拓けた歴史と自然が豊かなまちです。まちのほぼ中心
部を東経 135 度の日本標準時子午線が通過しており、
南に神戸市、
東に三田市、北は加東市と小野市、西は加古川市と稲美町の5市1
「日本
町と隣接した人口約8万4千人、面積 176.58km2 の市で、
三木市の位置図
一美しいまち三木」をめざしています。
三木地方は古くから開け、播磨風土記には億計、弘計2皇子の古代ロマンの物語が記
されています。戦国時代には、東播 8 郡 24 万石を領した別所氏の居城があり、羽柴
秀吉の中国攻めの中に出てくる「三木合戦」の舞台ともなりました。この合戦によって
荒廃した町は、秀吉の復興策により商工業が活発化し、今日の三木の金物業の発展に重
要な役割を果しました。
市の産業としては、地場産業である「三木金物」が全
国ブランドとして高く評価されており、毎年秋に開催さ
れる「金物まつり」には、全国から多くの方に来場して
いただいております。また、酒米の王者「山田錦」の主
生産地として知られており、毎年3月に催される「山田
錦まつり」には、灘五郷ほか、全国の酒蔵からこの山田
錦で醸した銘酒が集まり、市内外からの多くの人々でに
ぎわっています。
三木金物まつり
三木ホースランドパーク
一方、交通については、中国自動車道、山陽自動車道、
神戸淡路鳴門自動車道及び舞鶴若狭自動車道が縦横に走
る全国的にも数少ない交通の要衝となっています。市内
には、西日本一(25 箇所)の数を誇る「ゴルフ場」が立
地するほか、
「三木ホースランドパーク」や日本一の炭酸
泉「よかたん」などの観光資源やスポーツ施設、温泉な
ど、多彩なものがあり、各地から多くの方に訪れていた
だいています。
よかたん
また、優れた交通立地を生かし、近畿圏の防災拠点「県立三木総合防災公園」や「ひ
ょうご情報公園都市」の建設が進められており、北播磨地域の中核的な都市として発展
しています。
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■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
2 三木市水道事業の沿革
本市水道事業は、昭和 29 年の市制施行の 6 年
後となる昭和 35 年 3 月に、計画給水人口 30,000
人、計画 1 日最大給水量 6,000m3 とする創設認
可を得たことに始まります。
その後、同年 12 月から工事に着手し、翌昭和
37 年 6 月には旧三木町の一部において給水を開
始しており、着工から 5 年後の昭和 40 年 12 月
三木山浄水場創設期
に竣工しました。
創設期が終わると、昭和 30 年代後半から 50 年代にかけて、高度経済成長に続く阪
神都市圏周辺都市へのドーナツ化現象が始まり、本市においても人口が急激に増加し水
需要が増大したため、給水能力の不足が問題となってきました。
これに対応するため、昭和 49 年 3 月に第 1 次拡張事業認可を取得して以降、平成
10 年 3 月に第 3 次拡張事業認可を取得するまで事業拡張を実施し、計画 1 日最大給
水量を 53,800m3 に増量して市内全域に安定給水できる体制を整備してきました。
その後、平成 17 年 10 月には隣接する吉川町との合併にともない、吉川町水道事業
の全部譲り受けの変更届出を行い、現在、計画給水人口 103,700 人、計画 1 日最大
給水量 60,800m3 の事業規模で運営しています。
三木市水道事業のあゆみ
事 業 名
(認可)
年月
計
画
給水人口
三木市水道事業
創 設 認 可
S35 年 3 月
30,000 人
三木市水道事業
第 1 次拡張認可
計画 1 日
最大給水量
6,000m3
S37 年 6 月
三木市上水道の給水開始
S40 年 12 月
三木市上水道工事が竣工
S49 年 3 月
56,200 人
26,100m3
S50 年 3 月
三木市水道事業
第 2 次拡張認可
S61 年 3 月
西部浄水場および配水池が完成
97,500 人
49,300m3
細川・口吉川・志染簡易水道事業
を廃止
S63 年 3 月
東部配水池(1 期)が完成
S63 年 4 月
県水の本格受水を開始
H8 年 10 月
三木市水道事業
第 3 次拡張認可
三木市水道事業
変 更 の 届 出
記事(事業その他)
東部配水池(2 期)が完成
H10 年 3 月
93,700 人
53,800m3
H17 年 10 月
103,700 人
60,800m3
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簡易水道事業をすべて上水道事業
に統合
吉川町との合併により吉川町水道
事業を全部譲り受け
■ 第2章
三木市水道事業の主な施設位置図
3 施設の概要
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三木市水道事業の概要 ■
■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
(1) 水源
水源は自己水源と県営水道(浄水)受水に大別されます。
このうち、自己水源については深井戸(深層地下水)
、表流水(河川水)
、貯水池貯留
水(湖沼水)がありますが、主となる深井戸水源は 83 井が存在します。
また、県営水道は 4 地点で受水しています。
水源の種別と施設数
水源種別
規
深 層 地 下 水 深井戸
自己水源
模
83 井
河
川
水 河川表流水
2 箇所 (内 1 箇所予備)
湖
沼
水 貯水池貯留水
2 池
県営水道受水
受水点
4 地点
深井戸(深層地下水)
深井戸構造図
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■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
(2) 浄水施設
自己水源から取水した原水を、
安全な水道水に処理する浄水施設は 9 箇所あります。
各々の施設概要を次表に示します。
浄水施設の施設概要
浄水施設
施 設 概 要
滅菌室
着水井
三 木 山 浄 水 場
緩速ろ過池
塩素混和池
RC 造
RC 造
RC 造
RC 造
床面積
容量
面積
容量
20m2
15m3
333m2
48m3
−
−
−
−
1棟
1池
4池
1池
薬注室
三 木 山 浄 水 場 系 フロック形成池
第 7 水源(貯水池) 薬品沈澱池
ポンプ井
RC 造
RC 造
RC 造
RC 造
床面積
容量
容量
容量
31m2
12m3
207m3
37m3
−
−
−
−
1棟
4池
2池
2池
滅菌室
西 部 浄 水 場 浄水池
ポンプ室
RC 造 2 階建 床面積
RC 造
容量
CB 造
床面積
48m2
799m3
38m2
−
−
−
1棟
1池
1棟
滅菌室
浄水池
RC 造
RC 造
床面積
容量
浄水池操作室
浄水池管理室
ポンプ室
RC 造
RC 造
RC 造
床面積
床面積
床面積
12m2
108m3
119m3
41m2
12m2
37m2
−
−
−
−
−
−
1棟
1池
1池
1棟
1棟
1棟
滅菌室
ポンプ室
CB 造
CB 造
床面積
床面積
3m2
40m2
−
−
1棟
1棟
滅菌室
自 由 が 丘 配 水 場 急速ろ過機
ポンプ室
RC 造
SS 製
RC 造
床面積
内径
床面積
12m2
4.2m
41m2
−
−
−
1棟
1基
1棟
広 野 配 水 場 ポンプ室・薬注室
RC 造
床面積
77m2
−
1棟
滅菌室
ポンプ室
CB 造
S造
床面積
床面積
2m2
21m2
−
−
1棟
1棟
ポンプ室
薬注室
凝集池
RC 造
RC 造
RC 造
床面積
床面積
容量
薬品沈澱池
RC 造
容量
天日乾燥床
排水池
急速ろ過機
RC 造
RC 造
SS 製
浄水池
RC 造
容量
容量
内径
内径
容量
18m2
17m2
18m3
11m3
125m3
63m3
161m3
3m3
2.1m
3.0m
270m3
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1棟
1棟
1池
1池
1池
1池
1池
1池
3基
1基
1池
緑 が 丘 浄 水 場
城 山 配 水 場
小 林 配 水 場
脇 川 浄 水 場
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■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
三木山浄水場
三木山浄水場系 第 7 水源(貯水池)
西部浄水場
緑が丘浄水場
城山配水場
自由が丘配水場
広野配水場
小林配水場
脇川浄水場
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■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
(3) 配水施設
① 配水区域
本市の地形は全体的に北東から南西に長く、配水区域内の標高差は北東部の高地から
南西部の低地まで約 200mにも及んでいます。
そのような地形環境において、現在、次図に示すとおり市内を 11 の配水区域に分割
してお客さまに配水しています。
配水区域図
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■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
② 配水池の施設概要
11 の配水区域に整備している配水池の施設概要を次表に示します。
配水池の施設概要
配水区域
三木山配水区域
配水池名
施設概要
容量
2,076m3
RC 造
容量
117m
3
NO.1 PC 造
容量
2,035m3
容量
3
三木山配水池
RC 造
加佐配水池
西 部 配 水 区 域 西部配水池
東部配水池
合計容量
NO.2 (PC 造
1,020m
5,000m
NO.1 PC 造
容量
NO.2 PC 造
容量 10,000m3
NO.1 RC 造
容量
17m3
NO.2 RC 造
容量
63m3
大二谷配水池
RC 造
容量
28m3
番谷配水池
RC 造
容量
70m3
城山配水池
PC 造
容量
2,945m3
与呂木配水池
RC 造
容量
65m3
NO.1 RC 造
容量
822m3
NO.2 SUS 造
容量
255m3
NO.1 PC 造
容量
670m3
NO.2 RC 造
容量
400m3
自 由 が 丘 配 水 区 域 自由が丘配水池
広 野 配 水 区 域 広野配水池
小 林 ・ 興 治
小林配水池
配
水
区
域
NO.1 SS 造
容量
216m3
NO.2 PC 造
容量
560m3
脇 川 配 水 区 域 佐野配水池
PC 造
容量
500m3
NO.1 (RC 造 容量
260m3
北部低区配水池
北 部 配 水 区 域
(吉川第 1 受水系) 北部高区配水池
みなぎ台配水池
南部低区配水池
みなぎ台配水区域
(吉川第 2 受水系)
南部高区配水池
15,178m3
3,010m3
1,077m3
1,070m3
776m3
500m3
休止中)
3
NO.2 PC 造
容量
NO.1 RC 造
容量
150m3
NO.2 RC 造
容量
120m3
RC 造
容量
600m3
高区
PC 造
容量
360m3
低区
PC 造
容量
1,360m3
NO.1 (RC 造 容量
130m3
休止中)
NO.2 (RC 造 容量
130m
3
休止中)
NO.1 (RC 造 容量
140m
3
休止中)
NO.2 (RC 造 容量
140m3
休止中)
中部配水池
1,000m
建設中)
容量
東田配水池
RC 造
容量
36m3
金会配水池
RC 造
容量
30m3
SUS 造
容量
1,040m3
合
計
注)建設中および休止中の配水池容量は、合計容量には含まない。
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1,870m3
2,436m3
3
NO.3 RC 造
畑 枝 配 水 区 域
畑枝配水池
(吉川第 3 受水系)
650m
2,035m3
3
東 部 ・ 緑 が 丘
法輪寺配水池
配
水
区
域
城 山 配 水 区 域
2,193m3
1,040m3
31,185m3
■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
三木山配水池
西部配水池
東部配水池
城山配水池
自由が丘配水池
広野配水池
佐野配水池
北部低区配水池
みなぎ台配水池
畑枝配水池
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■ 第2章
三木市水道事業の概要 ■
(4) 管路施設
水道管(導水・送水・配水管)の管種別延長は、次表に示すとおりとなっており、ダ
クタイル鋳鉄管(36.3%)
、塩化ビニル管(37.2%)
、耐衝撃性塩化ビニル管(19.4%)
の比率が多く、この 3 種で全体の 92.9%を占めています。
これらの管種の主な特徴は次のとおりです。
ダクタイル鋳鉄管は、管体強度が大きく靱性に富み衝撃に対して強いもの
の、重量が比較的重い
塩化ビニル管および耐衝撃性塩化ビニル管は、ダクタイル鋳鉄管に比べて
管体強度が小さいものの、耐腐食性や耐電食性は良好で、重量が軽く施工
性および経済性に優れている
水道管の管種別延長
平成 19 年度
管
種
延長(km)
鋳鉄管
比率(%)
1.8
0.3
248.4
36.3
35.5
5.2
0.6
0.1
塩化ビニル管
254.0
37.2
耐衝撃性塩化ビニル管
132.9
19.4
鋼管
3.7
0.5
ポリエチレン管
1.5
0.2
石綿セメント管
5.2
0.8
683.6
100.0
ダクタイル鋳鉄管
ダクタイル鋳鉄管(耐震型)
ステンレス鋼管
合
計
ポリエチレン管
0.2%
鋼管
0.5%
石綿セメント管
0.8%
鋳鉄管
0.3%
耐衝撃性
塩化ビニル管
19.4%
ダクタイル
鋳鉄管
36.3%
塩化ビニル管
37.2%
ダクタイル鋳鉄
管(耐震型)
5.2%
ステンレス鋼管
0.1%
水道管の管種別延長比率
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