月刊「近代建築」2014年1月号

ベイシア 千葉流通 センター
千葉県東金市
設計・監理/日立建設設計
施工/古谷建設
Beisia Chiba Distribution Center
Hitachi Architects & Engineers
トラックヤード夜景
出荷場
空撮
北面外観
出荷場
断面図 縮尺 1/800
134
倉庫
倉庫
135
概要
ることは 、 夏 季 の 日 中 の 温 度 上 昇、 結 露、
れのリスクを 軽減している。 また 万 が 一 ジョ
ベイシア 千葉流通 センター は 、千葉周辺地
雨 漏 れ の 心 配 等、 敬 遠 さ れることが 多 い 。
イント部分 から雨水 が 侵入した 場合 でも 、内
区 の 店舗配送 をメインとした 配送 センターで
今回採用した 製品 は 折版専用 のトップライト
樋 の 設置 により室内 に 漏 れることなく雨水 を
ある。 施主 はショッピングセンター チェーン
で あり鉄骨下地 の 不要 な 工法 で ある。 採光
排水 することが 可能 である。本製品を出荷場
の 経営 を 営 み 、北関東地区・中部地区 を 中
部分 は「 ガラス+中空複層板」の 組 み 合 わせ
エリアと倉庫 エリアに 全面的 に 採用したこと
心 として 100 店 舗 以 上 の 事 業 展 開 をして い
により光 の 拡散 を 行 い 室温 の 上昇 を 防ぐとと
により、日中 においても 照明 をつけることな
る。敷地 は 北関東自動車道 の 山田 I.C. から 5
もに、空気層 が 表面温度 の 低下 を 抑 え 結露
く、非常に明るい 作業空間を提供 できた 。
分程度 の 好立地条件 にある。 敷地 は 残地森
の 発生 を 防止している。取付に関しては 、ガ
林 の 制限 がかかっており、緑 が 多く働 きやす
ラス部以外 はエンドレスの 部材 を 用 いて 雨漏
(梅原純一/日立建設設計)
い 環境にある。
配置計画
敷地 は 台形 のように 変形した 敷地形状 で あ
り、幅員 13.5 m の 道路 に 敷地一辺 の みで 接
道して いる。 敷地内 では 残地森林 を 避 けた
形 で 、構内周回道路 を 設 けず 、建物形状 を
敷地形状に習う形 で 台形とすることで 無駄 の
吹抜
な い 配置計画 とした 。 また 、敷地 の 高低差
は 約 2 mほどあり、建物外周 の 構内道路に緩
やかに 勾配 を 持 たせることにより、高低差 を
吸収している。
平面計画
配 送 セ ン タ ー 部 分 に 関 し て は 、 11.2 m×
物入
22.4 mを 基本グリッドとした 平屋建 ての 構成
吹抜
会議室
とし、 出 荷 場 エリア で 商 品 を 仕 分 けるソー
ター 部分 は 極力柱や 壁 のない 空間(約 180 m
休憩室
×60 m)として いる。 また 建物 の 一部 には 、
事 務 所 エリア を 2 層 にコ ン パクトにまとめ、
現
現
現
10シール
10シール
10
シール
350
事務 エリア 内 の 執務動線 を 短くするように 配
慮している。
2 階平面図 縮尺 1,500
N
立面計画
上/西面外観 左下/ エントランス夜景 右下/休憩室
大 きな 建物 であるため、 ボリュームの 大 きい
壁面を、3 色 の 色使 いにより壁面を分節化し、
圧迫感を軽減している。 ベースカラーは 、周
ベイシア 千葉流通センター データ
建ぺい率 53.76%(許容 60.00%)
備 排煙/避難安全検証法 による その 他/非常照明設
辺 の 緑豊 か な 環境 に 馴染 むよう、 また 、外
所在地
容積率
備、誘導灯設備、自動火災報知設備、消防水利 40t×3 基
部 サインに 用 いるコーポレートカラーの 赤 が
千葉県東金市山田字下山沢 940 ー 1
主要用途
倉庫業を営む倉庫(自社倉庫)
建築主 株式会社 ベイシア
映 えるよう、 ベ ージュ系としている。 また 事
設計・監理
ドライバー
休憩室
務所 のエントランス部分 は 洗練 された 表情 を
見 せるために、薄 い 庇とガラス面 で 現代的 な
日立建設設計
担当/建築:梅原純一、伏山 徹、浅岡翔太
設備:渡邉義浩、小西 伸 外構:宮田 剛
事務室
監理:原田浩之
現
10
シール
避難計画
現
10
シール
イメージを創出した 。
トラックバース
(20バース)
倉庫
古谷建設 担当/松崎利治
設計期間 2011 年 2 月~ 2011 年 11 月
工事期間 2012 年 3 月~ 2012 年 10 月
近年 の 倉庫 は 建物内 での 作業 が 増加 する 傾
向にある。本建物では、出荷場エリアや 倉庫
施工
[建築概要]
敷地面積 36,946.42 ㎡
ドライバー
休憩室
エリアにおいて 居室相当 の 倉庫として 避難計
建築面積 19,859.35 ㎡
出荷場
画をおこなった。 また、避難安全検証法を採
延床面積 20,582.13 ㎡
トラックバース
(42バース)
用することで、排煙設備 の 免除を受けている。
倉庫総面積
16,760.44 ㎡
事務所総面積 963.65 ㎡
環境負荷軽減
ソーター
トップライト
[主な外部仕上げ]
屋根 二重折板葺き
外壁 ALC
建具
アルミサッシ、スチールドア
外構 AS 舗装他
[主な内部仕上げ]
倉庫 床/コンクリート表面強化材 壁/ALC シーラー
処理 天井/屋根顕し
撮影/㈱エスエス東京
指定無し
電気設備
梅原 純一……うめはら じゅんいち
コンベアの 上部 などは 、照明 の 球交換 は 困
1970 年 東 京 都 生 ま れ。 1996 年 東 京
理科大学工学研究科建築学専攻修了、
難 で ある。 長寿命 で あり、球交換 の 期間 を
同年日立建設設計入社。 現在、同社
設計本部本社設計部設計長
延 ばすことに寄与している。
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地域地区
特殊設備
環境対策
[設備概要]
LED 照 明 の 採 用:階 高 の 高 い 建 物 で あり、
トップライトの 採用:屋根面 に 開口部 を 設 け
55.67%(許容 200.00%)
構造規模 S造、非免震、ラップルコンクリート 地上2階
床耐荷重 1.5t/ ㎡
最高高さ 12.75m
軒高
11.90m
階高
4.2m
天井高さ 7.5m
主なスパン 11.2 m×22.4 m
構成
1 階 両面バース(高床式)
トラックバース数 62 台
駐車台数
35 台
プラットフォーム 高さ 1,000 ドッグレベラー付
奥行き 1.5、2.5
トラックヤード庇奥行 11 m、12 m
道路幅員 13.5m
配置・1 階平面図 縮尺 1/3,500
受電方式/3φ3W6,600V50Hz1 回線 変圧
器容量/3φ3W300KVA、1φ3W300kVA
空調設備
空調方式/空冷 ヒートポンプ 式 パッケージエ
アコン 熱源/電気
衛生設備
給水/市水道引込、直結直圧方式 給湯/貯
湯式電気温水器 排水/屋内・屋外合流、合併処理浄化
槽にて処理
防災設備
消火/消火器、屋内消火栓設備、屋外消火栓設
協力会社
電 気・機 械 設 備 工 事
浸透性 コンクリート強化工事
ト ッ プ ラ イ ト 工 事
照
明
器
具
グ
ン
エ
プ ラ ク テ ィ
スカイプ ランニン
日立アプライアン
イ
ス
グ
ス
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