KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL 再燃前立腺癌の臨床的観察 鈴木, 和浩; 中村, 敏之; 加藤, 宣雄; 鈴木, 孝憲; 今井, 強一; 山中, 英寿 泌尿器科紀要 (1991), 37(6): 595-600 1991-06 http://hdl.handle.net/2433/117209 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 泌 尿 紀 要37=595-600,1991 595 再燃前立腺癌の臨床的観察 館林厚生病院泌尿器科(部 長=加藤宣雄) 鈴木 和 浩,中 村 敏 之,加 藤 宣雄 群馬大学医学部泌尿器科学教室(主 任:山 中英寿教授) 鈴木 CLINICAL 孝 憲,今 STUDIES Kazuhiro ON Suzuki, 井 強 一,山 RECURRENT Toshiyuki Nakamura 中 英寿 PROSTATIC and Nobuo CANCER Kato From the Department of Urology, Tatebayashi Kosei Hospital, Gunma Takanori Suzuki, Kyoichi Imai and Hidetoshi Yamanaka From the Department of Urology, School of Medicine, Gunma University Between 1977 and 1989, we treated 114 new patients with prostatic cancer, and 99 of them responded to initial hormone-based treatment. Recurrence was seen in 28 of the 99 responders. The age at first admission ranged from 56 to 84 years, with a mean of 72.4 years. The mean interval between the start of follow-up and resurrence was 21.0±15.4 months (M±SE). The interval was 33.3 months for patients in stages B2 and C at initial treatment, 34.3 months for those in stage D1, and 15.6 months for those in stage D2. Stage D2 patients showed significantly earlier recurrence than the other patients (p<0.05). Patients with well, moderately, or poorly-differentiated adenocarcinoma at initial treatment developed recurrence after 62.5, 14.8, and 23.0 months, respectively, and there was no significant difference due to histological grade. As the mode of recurrence, the appearance of new lesions and the elevation of tumor marker levels were more frequently seen than local progression in patients with progressive disease at initial treatment. Pathological examination showed the tendency of recurrence for higher grade tumors. In comparison with those without recurrence, patients with recurrence had more advanced disease (p<0.05). Only 11% of the patients showed partial response (PR) and 14.3% showed no change (NC) with multimodal therapy. The actual survival rates following initial treatment were 51.5% and 31.2% at 3 and 5 years, respectively, while those after recurrence were 49.3% and 12.5% at 1 and 3 years. (Acta Urol. Jpn. 37: 595-600, 1991) Key words: Prostatic cancer, 緒 Recurrence 病 院 に てlI6症 例 が 前 立 腺 癌 と診 断 され,こ の うち病 言 前 立 腺 癌 の 治療 はHugginsの 期Alの1例,診 報 告1)以来,内 分 泌 断 時 に全 身 状 態 の 悪 か った1例 を 除 く114例 に 治療 を 施 行 した 。治 療 は,全 例 に 内分 泌 療 法 の 有 効 性 が 確立 され て きた.し か し,そ の 経 過 中 療 法 を 施行 し,化 学 療 法 を14例,放 に ホル モ ン不 応 性 と な り再 燃 して くる 症 例 が経 験 さ 手術 療 法 を1例,化 射 線療 法 をll例, 学療 法 お よび 放 射 線療 法 を1例 に れ,こ れ らは,種 々 の治 療 に 抵 抗す る こ とが 多 い.当 併 用 した(Tablel).こ 院 で も1977年 以来lI6例 の 前 立 腺癌 新 来 患 者 が あ り, の うち,局 所 所 見 の 悪 化,腫 瘍 マ ー カ ーの 上 昇,新 病 114例 を 治療2)し,28例 が 再 燃 を きた した,こ 変 の 出 現,癌 性 疹 痛 の 出 現 の いず れ か を示 した症 例 を の28例 に つ き臨床 的 に 観 察 した. 再燃 と した,再 燃 例 に つ いて,診 期,お 対 象 お よび 方 法 19774月1日 か ら1989年12月31日 れ らの 治 療 に反 応 した99例 断 時 の,年 齢,病 よび 組 織学 的 分 類,再 燃 ま での 期 間,再 燃様 式,再 燃 時 の 病 期,組 織 学 的 分 類,再 燃 例 と非 再 燃 例 ま で,館 林厚生 につ い ての 比 較,再 燃 時 治 療 法,治 療 効 果 お よび 予 後 泌 尿紀 要37巻6号199i年 596 Tab夏eL初 Table2,再 回治 療 内容 DES 局 60例 十UF1' 5 十Endoxan 1 十pelvicirrad 所 燃 様 式(重 複 を 含 む) マ ーカー 10 十UF'1'5 癌性疹痛 2(67%) 5(63) 1(33) 11(79) B21(33%)1(33%) C5(63)6(75) Dl1(33)2(67) D23(21)11(79) LH-RHanalogue16 新 病変 その他 1(33)1(33%) 5(63)0 01(33) 9(64)2(25) 新病変部位(重 複 を含 む) 十MTX,ADM,CPM十pelvicirrad1 骨14(67%) CMA 6 肝4(19) 貰 tpdvicirrad Castration リ ンパ 節2(9.5) 月図1(4.5) 6 Estracyt 3 DESdiethylstilbestrol,pelvicirrad:骨 盤 腔 照 Table3.再 射 燃 時 治療 方 法 と治 療 効 果 治療効果 治 と 生 存 率 に つ い て 検 討 した. 組 織 学 的 お よ び 病 期 別 分 類 は 前 立 腺 癌 取 扱 い 規 約3) に 従 っ た.治 療 の 効 果 判 定 は,前 立 腺 癌 臨 床 効果 判 定 基 準 研 究 グル ー プ 判 定 基 準4)に した が っ た.生 Kaplan-Meiyer法 xon-testで 存率は の 検 定 はx2検 内 容 PRNCPD 1 DES 定 に よ っ た. 1 十CDDP,VP-16 類5)に 従 っ た.予 下PS)は 小 山 ・斉 藤 班 の 分 後 調 査 は,死 か っ た も の に つ い て は,電 の 時 の 状 況 と,カ 亡 以 前 に外 来 通 院 が な 話 に よ り生 死 を 確 か め,そ ル テV`よ i 十spotirrad -tVP 果 に つ い て は,年 布 し,平 均74.1歳 1 あ り,高 分 化 型30例,中 粘 液 腺 癌1例,分 か ら88歳 に 分 織学 的 には 全 例 腺 癌 で 分 化 型55例,低 分 化 型27例, 類 不 明 が3例 で あ っ た.病 期 はAll で あ っ た. 例 の 初 診 時 平 均 年 齢 は72.4歳,初 診 時 病 期 はB23例, C8例,Dl3例,D214例,初 診時 組 織 学 的分 類 は 不 明 が1例 分 化 型 が14例,低 で あ っ た.再 15.4ヵ 月(M±SE)で 33.3±12.1ヵ Cよ あ り,病 再 燃 様 式 は,病 期D2は 病 期 上 昇,新 分 化 型 が14.8±2.7ヵ 分 化型 月,低 分 1 十VP・16,peMcurad 1 1 UFI'十pelvicirrad 1 3 DES:diethylstilbestrol,pelvicirrad:骨 4 21 盤 腔 照 射,spot ポ ッ ト照 射 は 局 所 再 発,腫 ble2)・ 新病 変 は,骨 転 移 の 出 現 あ るい は 増 悪 が14例 と最 も多 く,肝,リ ンパ 節 が つ づ い た.そ の他 の 症 状 と して は,DICが2例 に,腹 痛 お よび 発 熱 が1例, 浮 腫 が1例 に み られ た. 再 燃 時 の病 期 は28例 中24例 で 検 索 され た.初 診 時 病 月 で あ っ た. 期Cで 十MTX た が,病 期D2で は,局 所再 発 が少 な く腫 瘍 マ ー カ ーの 上 昇,新 病 変 ・癌 性疹 痛 の 出 現 が 多 か った(Ta・ 月,Dl34.3±15.8 り有 意 に 再 燃 ま で の 期 間 が 短 か っ た(p<0.05). 化 型 が23.0±5.5ヵ 1 irrad=ス 期 別 に み る と,B2 再 燃 ま で の 期 間 を 組 織 学 的 分 類 別 に 見 る と,高 月,中 1 tVP-16,pelvicirrad 計 分 化 型 が9例, 月 で あ った.病 が62.5±16.7ヵ tVP-16 燃 ま で の 期 間 の 平 均 は2LO± 月,C33.3±11.6ヵ カA.D215.6±3.2ヵ 董 LH-RHanalogue VP-16 初 回 治 療 に 反 応 し た99例 の うち28例 が 再 燃 し た 。28 高 分 化 型 が4例,中 I i ,pelvicirrad Castration 例,A211例,B14例,B2]9例,C32例,DIg 例,D240例 z l -16 十UFT,spotirrad 齢 は54歳 で あ っ た.組 1 十CMP,spotirrad Estracyt -TUFT 新 鮮 例116例 i 十UFT り死 因 を 推 定 した. 結 1 i 十CDDP,VP-16,pelvicirrad performancestatus(以 6 1 十UFT 十pelvicirrad で 算 出 し,generalizedWilco- 検 定 した.他 療 瘍 一r一 カ ー の 病 変 ・癌 性 疹 痛 の 出 現 と も に 多 い 傾 向 に あ っ 期B2の3例 時病 期Cの8例 は,2例 は,i例 が 病 期D2,1例 が 病 期C,5例 は未 検,初 診 が病 期D2, 鈴木,ほ か:前 立腺 癌 ・再 燃 2例 が 未 検,初 診 時 病 期Dlの3例 Dl,1例 が病 期D2,1例 が病 期 Table4・ 再 燃 例 と非 再 燃 例 の 比 較(1) が 未 検,初 診 時 病 期D2の 14例は す べ て病 期D2で 再 燃 時,5例 は,1例 597 非再燃例 あ った. に前 立 腺 生 検 が施 行 され,初 診 時 高分 PSI以 上27%36% 化型 の2例 は,す べ てが 低 分 化型 に,初 診 時 中分 化 型 合 併 症 あ り47%68% の2例 は1例 が 中分 化 型,1例 排 尿 困 難 あ り91%86% が 低分化 型に変 化 し 癌 性 疹 痛 あ り6%11% た.初 診 時 低 分 化 型 の1例 は悪 性 所 見 を 認 め な か っ た. 再 燃 まで の平 均 期 間 は21.0ヵ 月 で あ った の で,わ れ 他病 死 した3例,計34例 診 時 年 齢,入 院 時PS,合 (循環 器 障害,脳 血 管 障害,糖 尿病),主 癌 性 疹痛),組 常 値83%73% 常 値39%61% 血 沈 く10mm/h78%71% 以上 経 過 後 に を 非 再 燃 例 と して,再 燃 例28 例 と比 較検 討 した.初 PAP異 ACP異 Hb<12g/dl24%29% われ の治 療 した114例 の前 立 腺 癌 新 来 患者 の うち2年 以 上再 燃 を認 め ない 生存 例31例 と,2年 再燃例 初 診 時 年 齢74.3歳72.4歳 併症 訴(排 尿 障害, 治 療 が 施 行 で き な か っ た.27例 療 法 単 独 が7例,化 法 が9例,内 が1例,内 性 フ ォス フ ァ タ ーゼ,前 立 腺 酸性 フ ォス フ7タ ー ゼ), ble4).治 初 診時 検 査 値(血 色 素 量,血 沈),初 NC(nochange),6例 類 お よび病 期 に つ いて 比 較 検討 した(Table3,Fig.1). se)で これ らの うち初 診 時TNM分 類 のMと 病 期 で有 意 差 response)で が認 め られ,再 燃 例 で は,初 診時 に,遠 隔転移 の あ る,進 行 した病 期 が 多 い傾 向に あ った(p〈0.05). 再 燃例28例 中,入 院 時 に 全 身 状態 の悪 か った1例 に 学 放 射線 療 法 分 泌 化 学 放 射 線 療 法 が6例 療 効 果 は,内 学 療 法 単 独 の1例 あ っ た.内 がNC,8例 がPDで 3例 は,1例 がPR,2例 療 法 の6例 で あ っ た(Ta- 分 泌 療 法 単 独 の7例 は ,1例 はPD(progressivedisea- あ っ た.化 射 線 療 法 の1例 分泌 分 泌 化 学療 分 泌 放 射 線 療 法 が3例,化 織学 的 分 化 度,治 療 前 腫 瘍 マ ー カ ー(酸 診時TNM分 の 治 療 内 容 は,内 学 療 法 単 独 が1例,内 あ っ た.内 あ っ た .化 あ っ た.内 がPR,2例 は ,1例 分 泌放 射 線 療 法 の はPDで はPDで は,1例 はPR(partial 分 泌 化 学 療 法 の9例 学放 分 泌 化 学 放 射線 がNC,3例 がPD で あ っ た. 3(43) 2(21) T 4(36) 1(6) 1990年3月1日 ち112例 現 在,予 で 判 明 し,再 再 燃 例 は,8例 後 は 全 前 立 腺 癌116例 燃 例28例 が 生 存,20例 の う で は 全 例 が 判 明 した. が 死 亡 し,全 例前立腺癌 死 で あ った 。 0(14)1(11)2(18}4(11) 初 診 時 よ りの 実 測 生 存 率 は 全 前 立 腺 癌 で は3年,5 不 明(46) 年 で そ れ ぞ れ60.7%,48.4%0で 1(3) N 0(21)2(12) れ ぞ れ51.5%,31.2%で 不 明(64》 あ っ た.再 燃例ではそ あ っ た(Fig.2). 初 診 時 病 期 別 の 再 燃 後 実 測 生 存 率 は,1年,2年, 3年 で,病 i 0(50) 0%,病 M* i 期B2は100%,100%,0%,病 33・3%,33.3%,33.3%,病 ocis) 期Cは 期Dlは66.7%0,0% 期D2は47、6%,ll.9%,0%で , あ っ た. 各 病 期 間 で 有 意 差 は 認 め られ な か っ た(Fig.3). 考 察 D1(11) 8(11)C(29) 80∼90%の D2(49) 病 期* 血 中 テ ス トス テ ロ ン値 を 低 下 させ る治 療 法 が 前立 腺 癌 D1(9) C(29) A(12》8(29) D2(21) *pく0.05 Fig,1.再 燃 例 と非 再 燃 例 の 比 較(2) 初 診 時TNM分 前 立 腺 癌 は ア ン ドロゲ ン依存 性 で あ り6) 類,病 期(0) (各 グ ラ フ,再 燃 例 上 段,非 再 燃 例 下 段) に 対 す る 主 流 で あ る7,8).し か し,は じめ か ら内 分泌 療 法 に 抵 抗す る症 例 や,い った ん は 内分 泌 療 法 に よって 制 癌 され て も,あ る時 期 を お い て再 燃 す る症 例 な ど, 問 題 点 は 多 い.わ れ われ は,開 設 以 来116例 の前 立 腺 癌 新 鮮例 を 経 験 し,診 断時 の特 徴 に つ い ては 報 告2)し た.今 回わ れ わ れ は,こ れ らの 症 例 の うち,再 燃 した 泌尿 紀 要37巻6号1991年 598 1.0 - ■ 0.8 a =. o.s 二・1; 覧 、『 1-1 o.a ・'.; コ ロロ 再 燃 例1. 112例 全 体 ≒ o.z ●.願"・ 唖.・ 123456789101112131415年 Fig.2.ll2例 全 体 お よび再 燃 例 の 初 診 後生 存 率 i.o ;L, 0.6 82 D1 0.8 嵐. Lさ i 『1 o.a i., ! 1 o.s ic … D2 t._._ 2 1 67 345 rig・3・ 910年 病 期 別再 燃 後 生 存 率 判定 点 と して 前立 腺,骨 転 移 巣,軟 部 組 織 転移 巣,前 28例 に つ い て の 検 討 を 行 っ た. 再 燃 の 定 義 に つ い て は,大 8 立 腺 酸 性 フ ォス フ ァタ ー ゼ,自 覚 症 状 の5点 を 明記 し 塚9)は,stageB,Cに お い て は 治 療 に よ り制 癌 さ れ て い た も の が,局 所所見 て い る.こ れ らを総 合 す る と,前 立 腺 局所 の増 悪,転 の 増 悪 ま た は 血 清 酸 フ ォス フ ァ タ ー ゼ の 新 た な 上 昇 か 移 巣 の増 悪 あ るい は新 た な転 移 巣 の 発 生,前 立腺 癌 由 転 移 巣 の 出 現,Dに お い て は 酸性 フ ォス フ ァタ ーゼ の 一 度下 降せ る もの の再 上 昇 また は転 移 巣 の進 展を み た 来 の 自覚 症 状,酸 性 フ ォス フ ァタ ー ゼの 上 昇 に ま とめ も の と し て い る.滝 が,時 代 に よ り腫 瘍 マ ー カー は進 歩 す るた め,酸 性 フ 川 らmは,制 癌 され た 状態 を 診 断 後 盈 ヵ 月 の 時 点 で 病 勢 の 進 行 が な い 状 態 と し,a)酸 性 フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ の 上 昇,b)前 c)骨 立 腺 局 所 の 増 悪, 転 移 巣 の 発 生 あ る い は 増 悪,d)骨 発 生,d)前 以 外 の転 移 の 立 腺 に 起 因 す る 自 覚 症 状 の 増 悪,の5項 目 と し て い る.欧 米 で は,NPCP11)で 判 定 基 準 のobjectiveprogressionと は,治 療効果 し,Stoncら12) は,BritishProstateGroupのobjectiveprogres・ sionの ォス フ ァタ ー ゼに 限 らず,腫 瘍 マ ー カ ーの 上 昇 と して 検 討 した.ま た,転 移 巣 の 増 悪 お よび 発 生 は,新 病 変 の 出 現 と して ま とめ,部 位 は 別記 した.自 覚 症 状 は, 癌 性 疹 痛 を代 表 させ,排 尿 症 状 は,局 所 所 見 の 増 悪 を 伴 って い た の で その 中 で 考 え た.ま た,内 分 泌 療 法 を 原 則 的 に 全経 過 を とお して 継 続 した症 例 の み を 対 象 と し,治 療 の 中 断 に よる増 悪 と判 断 され た 症 例 は 含 め な 一 項 目を 満 た す 症 例 と して い る,1987年 前 立 腺 癌 臨 床 効 果 判 定 基 準 研 究 グ ル ー プ4)に 効 果 判 定 基 準 が 発 表 さ れ て い る が,こ られ る.わ れ わ れ も原 則的 に この 定 義 に 従 い 検討 した に は, よ っ て, こで は個 別効 果 か った. 今 回 の 検討 で は,初 回 治療 に よ りい った ん制 癌 され た99例 中28例(28.4%)が 再 燃 と判 断 され た が,99例 599 鈴 木,ほ か:前 立 腺癌 ・再 燃 の 中に は,治 療 の 中 断 のあ る例 が認 め られ,再 燃 す る った.わ れ わ れ の 治 療 効果 はPRlO.7%,NC14.3%, 割合 を 正 確に 議 論す る ことは で きな い.こ の 点 で は ど PD75%で の報 告 も同様 で あ る と思 うが,布 施 ら13)は,302例 得 られ た が,こ の うち2例 は,エ 65例(21.5%0)に 中 再 燃 の 時 期 を あ き ら か に で きた と し,滝 川 ら10)は,563例 中84例(14.9%)に 再 燃 を認 た化 学 療 法 を施 行 した.エ に トポ シ ドを 基 本 と し トポ シ ドの治 療 効 果 は最 近 報告23・24)が 散 見 され る が,比 較 的 副作 用 も少 な く施 行 しや す い治 療 と考 え てお り,わ れ わ れ も今 後 そ の効 果 めた と報告 して い る. 初 診時 の病 期 と再 燃 まで の期 間 は,28例 %)を あ り,や や 成績 は悪 か った.PRが3例 しめ る病 期D2で は,病 を症 例 を 重 ね て 検 討す る予 定 で あ る. 中14例(50 期Cに 比 べ 有意 に再 再 燃 例 と非再 燃例 につ い て,今 回は 各 項 目の初 診 時 燃 まで の期 間 が 短か く,15.6±3.2ヵ 月 で あ った.大 に お け る所 見 で比 較 検 討 した が,TNM分 塚9)は 病 期Dで27.4±3.6ヵ 川 ら10)は21.0± 子 と,病 期 で 有 意 差 が認 め られ た.大 塚9)は,同 月,滝 類 のM因 様な 12,4ヵ 月 と報 告 して お り,や は り他 の病 期 よ りも再 燃 比較 で,病 期,酸 までの期 間は 短 か った.初 診 時 の組 織 分 類 と再燃 期 間 が認 め られ た が,有 意 差 は 認 め られ なか った と述 べ て につ い て は,28例 中14例(50%)を フ ォス フ ァ ター ゼ,水 腎,血 沈 で差 しめ る 中 分 化 型 い る.最 近 は 前 立 腺癌 の予 後 因 子 に 関す る検 討 が盛 ん 月 と 最 短 で あ った.高 分 化 型 は に な され て お り,今 井 ら25)はこれ までに 検 討 され て き 62.5±16.7ヵ 月,低 分 化型 では23.0±5.5ヵ 月 で あ り, た 予 後 因子 を(1)病期,(2)病 理 組 織学 的 悪 性 度,(3)年 齢 中分 化型 と差 は あ る が有 意 差は 認 め られ な か った. (4)腫瘍 マ ー カ ー.(5)全 身状 態,⑥ 既 往 歴 また は合 併 症 滝 川 ら10)は低 分 化型 が 最 短 で あ った が,他 の組 織 型 と (7)内分 泌環 境,(8)治 療 法 あ るい は 治療 へ の 反 応性,⑨ はほ とん ど差 が認 め られず,わ れ わ れ の結 果 と異 な っ 症状,⑩ そ の 他,の10項 て いた.内 分 泌 療 法 に反 応 す る期 間 と組 織 学 的 分 化 度 行癌 に お け る予 後 因 子 も 検 討 さ れ て お り,正 井 ら26) に関 係 を認 め な か った とい う報 告12)もあ り,今 後 われ は,骨 われ も症 例 を重 ね,再 検討 す る必要 が あ る. が,内 分 泌 療 法 の反 応 性 が 重 要 で あ る と述 べ て い る. 腺 癌 が14.8±2.7ヵ Solowayら27)は 再 燃様 式 に つ い ては,局 所再 燃 は,病 期Cで63%に 認 め られ たが 病 期D2で 疹 痛,貧 血,組 は21%に 認 め られ たに す ぎ なか った.他 の 報告9,10)で も病 期 が進 む に した が い 局 目に 整理 してい る.ま た,進 織 学 的 分 化 度,骨 転移 の 拡 り 治療 前 テス トス テ ロ ン値,骨 転移の 程 度 が 重 要 で あ る と述 べ て い る, 予 後 お よび生 存 率 は,28例 中20例 が 前 立腺 癌 死 し, 所再 燃 の 割合 が 減 少 してい くと され て い る.新 病 変 の 8例 は 生 存 中 で あ り,再 燃 後の 実 測 生 存 率 は1年 出現 は,病 49.3%,3年 で67%,病 期D2で79%と 期Cで63%と 最 多 で あ るが,病 期B2 比 較 的 高い 割 合 を示 し,再 燃 が12.5%と が きわ め て不 良で あ った.滝 川 らlo)も再 燃 後 実 測生 存 率 が1年 で55.4%,3年 で16% 時に は 局所 再 燃 よ りも新 病 変 の 出 現が 多い 傾 向 に あ っ と述 べ て お り,再 燃 時 の治 療 効果 の低 さ と と もに,再 た.腫 瘍 マ ー カ ーに つ いて は,以 前 は酸 性 フ ォス フ ァ 燃 後 生 存 率 の低 さが 目立 つ 結果 で あ った.今 後,再 燃 タ ー ゼ,そ の 後 前 立腺 酸性 フ ォス フ ァタ ー ゼ(PAP), 前 立 腺 癌 に対 して 治療 効 果 が 高 く,奏 効 期 間 の長 い治 最 近 で は ガ ンマ ーセ ミ ノプ ロテイ ン,前 立 腺特 異 抗 原 療 法 の 開 発 が の ぞ まれ る. な どが 測定 され て お り,そ の 組 み合 わ せ に よ り再 燃 時 文 の マ ー カーの 変 化 は よ り早 期 に と ら え られ る 可能 性 が あ り,今 回わ れ われ は,PAP以 外 の マ ー カ ー も考 慮 に いれ て 検 討 した.病 期B2で33%と たが,病 期Cで75%,病 期Dlで67%,病 期D2で prostaticcancer.CancerRes1:293-297, 1941 2)鈴 再燃 時 の組 織 学的 検 索 は28例 中5例 に な され た.5 例 中3例(60%)は,よ 1)HugginsCandHodgesCV:Studieson やや 少 なか っ 79%と 多数 の 症 例 に認 め られ た 。 か1前 立腺癌 の臨床的観察 西 日 泌 尿53:181-185,1991 3)泌 尿 器 科 ・病 理,前 立 腺 癌 取 扱 い 規 約.日 木 和 浩,中 本 泌尿 器 科 学 会,日 り低 分 化 に変 化 して い た.安 藤 ら14),高 橋 ら15)は,診 断 時 の 生 検 豫 と剖 検 時 の組 織 像 4)赤 座 英 之,宇 5)小 山 善 文,斉 定 基 準,厚 れ らを総 括 した か た ち で 前 立 腺 癌 臨床 効 果 判 定 基 準 グル ー プに よ り化 学 療 法 の 効果 が 報 告22)され,PR19%,stable27%,pD54%で あ 藤 宣 雄,ほ 本 病 理 学 会 編.金 原 出 版,東 京, 佐 美 道 之,古 武 敏 彦,ほ か ●前 立 腺 癌 の 薬物 療 法 に お け る 臨 床 効 果 判 定基 準 に つ い て.泌 尿 紀 要33:894-904,1987 再燃 癌 に 対 す る 治療 は,抗 癌 剤 に よる化 学療 法 が 主 療 され て きた16-2Uこ 村 敏 之,加 1985 を 比 較 し,よ り低 分 化 な もの に 変化 した と述 べ て い る. 体 で あ り,こ れ まで 各施 設 で 多 種 多様 の レジ メ ンで治 献 京,1980 中 英 寿:前 6)山 1984 藤 達 雄1が ん化 学 療 法 の 臨 床 効果 判 生 省 が ん 助 成 金 に よ る 研 究 報 告,東 立 腺 と 内 分 泌.臨 泌38=931-937, 600 泌 尿 紀 要37巻6号1991年 7)高 安 久 雄,小 川 秋 実,小 磯 謙 吉,ほ か1前 立 腺 癌 か:前 立 腺 癌 18)LoeningSA,BecklyS,BradyMF,etal.; Comparisonofestramustinephoshate,metho- の 治 療 成 績 。 日 泌 尿 会 誌69:42b-435,1978 8)藤 目 真,鈴 木 の 治 療 成 績:日 明,sL野 9)大 塚 燃 lO)滝 十,ほ 泌 尿 会 誌77:711-715,1986 蒸:前 立 腺 癌 の 抗 男 性 ホ ル モ ン療 法 と 再 trexateandcis-platinuminpatientswith prostaticcancer.JUrol129:1001-1006,1983 19)布 施 秀 樹,座 間 秀 一,秋 元 晋,ほ 日 泌 尿 会 誌7011210-1220,lg7g 川 浩,香 グ ル ー プ.再 川 征,淡 河 洋 一,ほ か:TEKK 燃 前 立 腺 癌 の 臨 床 的 検 討.日 20)吉 本 11)SchmidtJD,ScottWW,GibbonsR,etal. 1946,1980 立腺 癌 に 対 す る の 臨 床31'944-952,1985 22)井 坂 茂 夫,布 施 秀 樹,赤 D:Thediagnosisofoestrogenescapeand theroleofsecondaryorchiectomyinprostat- 施 秀 樹,安 藤 研,原 繁,ほ の 再 燃 と 再 燃 癌 に 対 す る 化 学 療 法.泌 か 『前 立 腺 癌 尿 紀 要31: 281-287,1985 研,布 施 秀 樹,島 崎 淳,ほ か:前 検 時 お よ び 剖 検 時 の 比 較.日 泌 尿 会 誌79=1399一 工405,1988 卓 爾,佐 藤 剖 検 例 の 病 理 学 的 検 討.泌 療 成 績.泌 24)森 山正 敏 仁,ほ か:前 立 腺 癌 対 す る 治 療 効 果 に 関 す 17)MerrinC:Treatmentofadvancedcarcino- 立 腺 癌 の治 燃前立腺癌 泌 尿 紀 要36:777- 井 強 一,鈴 木 孝 憲,林 雅 道,ほ か=前 立腺癌 泌 尿 会 誌81:1217-1224, 日 泌 尿 井 基 之,秋 D2前 元 晋,井 坂 茂 夫,ほ か ・Stage 立 腺 癌 の 長 期 生 存 例 の 予 後 因 子 の 検 討.泌 尿 紀 要36:667-671,1990 27)SolowayMS,IshikawaS,ZwaagRVD,et al.:Prognosticfactorsinpatientswithad- maoftheprostate(stageD)withinfusion vancedprosticcancer.Urology(Supple) ofcis-diamminedichloroplatinum(IINSC 33:53-56,1989 119875):apilotstudy.JUrol119:522-524, 燃 前立 1990 前 立 腺 癌 に る 臨 床 的 検 討.西 法 の 予 後 因 子 の 研 究.日 尿 紀 要32:835-839, グ ル ー プ:Estracytの 42:715-731,1980 か:再 781,1990 26)正 究 尿 紀 要35:57-63,1989 村 井 哲 夫,近 藤 猪 一 郎:再 に 対 す るEtoposide療 25)今 1986 16)Estracyt研 価.泌 尿 紀 要33=1389-1395,1987 岡 正 幸,宮 内武彦 長 山 忠 雄:前 23)丸 立 腺 癌 の 組 織 学 的 検 討.生 橋 康 男,黛 座 英 之,ほ 癌 腺 癌 の新 臨 床 効果 判 定基 準 に よ る 化学 療 法 の 評 iscancer.BrJUrol52:535-538,1980 1978 用療 の 尿 路 性 悪 性 腫 瘍 に 対 す るPhaseIIStudy・ 12)StoneAR,HargreaveTBandChisholmG 15)高 燃StageD前 法.西 日 泌 尿44:418-421,1982 zt)阿 曽 佳 郎:共 同 研 究 に よ るEtoposide(NK171) iscancerprject(NPCP).Cancer45:1937- 藤 純:再 Vincristine,Ifosfamide,Peplomycin併 Chemotherapyprogramsofnationalprostat- 14)安 立 腺癌 1556,1986 泌 尿 会 誌78=1545-1552,1987 13)布 か:前 再 燃 例 に 対 す るcyclophosphamide,adriamycin CIS-platinum併 用 療 法 。 西 日 泌 尿48:1553- (ReceivedonJuly18,19901¥A cceptedonOctober28,1990/
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