『教育効果測定』の基本の基本

標準化と品質管理全国大会2013
『教育効果測定』の基本の基本
2013年10月
NPO法人 人材育成マネジメント研究会 副理事長 堤
宇一
2013/10/04
本セッションの学習目標
教育効果測定の考え方のイメージをつかむ
Ⅰ 教育効果とは何か・・・。
自分の言葉で“教育効果を説明できる”ようになる
Ⅱ なぜ、教育効果を測定するのか・・・。
自分の言葉で“教育効果測定の実施目的を説明
できる”ようになる
教育効果測定の基本の基本
2
自己紹介 (堤)
Ø 専門テーマ:
教育効果測定&インストラクショナルデザイン
Ø 著書など:
Implementing Training Scorecards:SQC Problem-solving Training
Program – Toyota Industries Corporation ASTD 2003
はじめての教育効果測定(編著) 日科技連出版社 2007年
教育効果測定の実践(編著) 日科技連出版社 2012年
コミュニティの変革とデザインの心理学(共著)(仮) 新曜社 2013年予定
Ø 所属:
株式会社日立総合経営研修所 企画G 部長代理
NPO法人人材育成マネジメント研究会 副理事長
3
教育効果測定の基本の基本
演習1:友達をつくりましょう
折角、外に情報収集に来ているので
すから、同じ問題意識を持つ方々との
輪を広げましょう。
お近くの方々、5~6名程度で名刺
交換し、チームを作りましょう。 名刺交換タイム・・・4分
教育効果測定の基本の基本
4
演習2:互いの認識を共有しましょう
教育効果とは、一体なんですか? お互いのイメージする教育効果や教育
効果を表す現象をシェアしあいましょう。
チーム共有・・・4分
教育効果測定の基本の基本
5
■教育効果とは
教育効果測定の基本の基本
6
■教育効果レベル <レベル4フレームワーク>
レベル
定義名称
1
Reaction
概
要
プログラム参加者の反応を測定
◇参加者はそのプログラムを気に入ったか
2
Learning
プログラム参加者の知識やスキル習得
状態を測定
3
Behavior
プログラム参加者の学習内容の活用状
況を測定
4
プログラム参加者の行動変容によって得
られた組織貢献度を測定
Results
◇参加者は目的の能力を身につけたか
◇参加者は実際に職場で活用しているか(行動変容)
◇参加者(学習内容を活用し)はビジネス成果を向上させたか
Donald Kirkpatrick “Four Levels of Learning Evaluation” 教育効果測定の基本の基本
7
演習3:話しあいましょう
教育効果は何の為に、測るのですか? 教育効果測定の実施目的について話し
合い、意見をまとめましょう。
チーム討議・・・4分
教育効果測定の基本の基本
8
■効果測定の目的
教育効果測定の基本の基本
9
■データの収集方法と活用目的
レベル
1
2
3
4
定義名称
データ収集法
データ活用目的例
Reaction
・リアクションアンケート
・インタビュー
など
・プログラムの改善
・標準値や基準値の設定
・フォローアップ方法の検討
など
Learning
・理解度確認テスト
・インタビュー
・行動観察
・パフォーマンステスト
・シュミレーション ・個人へのフィードバックの提示
・トレーニング・プログラムの改善
・インストラクターの評価
など
Behavior
Results
など
・フォローアップアンケート
・アクションプランの立案
・インタビュー
・行動観察
・フォーカス・グループの追跡
・360度診断テスト
など
・職場問題点の把握
・フォローアップ状況の把握
・知識&スキル等の職場活用度合の把握
・業績向上施策としてのトレーニング・プロ
グラムの改善
・金銭的インパクトの算定データ
など
・トレーニングプログラムの評価
・フォローアップアンケート
・職場単位のトレーニング効果評価
・フォーカスグループの追跡
・金銭的インパクトの算定データ ・実験群と統制群の使用
・トレンドライン分析
など・金銭的価値の見積り
教育効果測定の基本の基本
10
など
■代表的な測定方法一覧-1
No
方 法
内 容
1 (アンケート)
研修受講に関する感想や意見を収集する。
応用範囲が広く、態度変容の調査から行動発揮の障害要因や改善事項など、
あらゆるものを測定できる。
質問の形式も多肢選択、空欄埋め方式、自由記述など多様で幅広い。
一度に多くの人から、多くのデータ収集が可能です。
理解度確認
2 テスト
学習内容の理解を測定する。
馴染み深い方法で、特にレベル2の測定に欠かせない。
学習目標に合わせて講師や専門家と相談し、一つひとつ開発する。
質問紙調査
パフォーマ
3 ンステスト
シュミレー
4 ション
学習したスキルを演習やロールプレイングなどで実際に披露させ、そのスキル
の習熟度を判断する方法(理解度確認テストは知識、これはスキルや行為の
習熟度を測定)。
実際に行動してもらうだけでなく、テーマに沿った課題作品を作成させ、作品
の出来具合を評価などスキルの習得レベルを判断する際にも使用可能。
レベル2の測定に有効な手段。
実際の仕事を模してデザインされ、実務を再現したテスト方法です。
研修の最中でも、最後でも、フォローアップとしてでも実施できるという柔軟性
がある。レベル2、3の測定に活用。
利点は、状況の再現性です。何度でも再現でき、繰返し練習が可能。ただ、開
発に莫大なコストが必要となる。
教育効果測定の基本の基本
11
■代表的な測定方法一覧-2
No
方 法
5 行動観察
360度診断
6 テスト
内 容
実際の行動を最も正確に知るための方法。観察者が観察していることを相手
に気づかれないような状況では、より一層の効果が期待できる(例:覆面調査)。
行動を具体的に明示したガイドや、行動の質を確認するためのチェックリストの
準備が必要。また、観察者には、観察すべき行動を正しく見分ける力やそれが
どの程度観察されたかを正確に把握し、報告するスキルが不可欠。他方法に、
実際の作業状況をビデオ録画して行う観察法などもある。
上司や同僚、部下といった複数の人から多面的に評価を受ける仕組み。
行動観察を、あらゆる角度(上司、同僚、部下など)から行う方法。
学習者本人に強み弱みをフィードバックし、気づきや能力開発の必要な視点
を明らかにする。自社で開発するには複雑で難しいツール。
7 (面接法)
関係者の情報を正確に理解する方法の一つである。この方法の良い点は、ユ
ニークなエピソードや個々人の有能性を把握できる点。微妙な気持ちや思考
の変化さえもキャッチすることも可能です。
目的に応じてレベル1~4までの対応が可能。ただし、多大な時間や労力、経
費を必要とし、収集したデータ・情報の解釈や分析が難しい。
改善計画・
8 アクションプ
ラン
学習したスキルや知識の活用イメージの鮮明化や研修終了後のフォローアッ
プツールとして効果が期待できる。
適切な記録フォーマットの開発、また運営では、現場の実態を反映し、改善活
動に同調したデータ収集を進めていくことが重要となる。
インタビュー
教育効果測定の基本の基本
12