景気低迷時はクマグッズが売れる? 1310249 * * * * 2009 年 10 月 21 日付の日本経済新聞消費面に「景気低迷時はクマがうれる?」という 記事が掲載された。キャラクター業界では景気低迷時にはクマの商品が売れる、という通 説があるとのことだ。 現在、リラックマ、スージーズー、ダッフィー、くまの学校などのクマキャラクターグ ッズが女性を中心に人気を集めている。雑貨屋に行けば、店頭にはクマのキャラクターば かり目に入るように感じられる。ストラップ、パスケースなど、多くの商品が発売されて いる。過去にクマブームが起こったのは、1930 年の世界恐慌時にテディベアの流行、バブ ル崩壊時にはくまのプーさんの流行であった。いずれも不況と呼ばれる時期である。 ではなぜ不況時にクマが流行するのだろうか。 クマには大きくて暖かいイメージがある。それが私たちに安心感を与えてくれる。人は 不安になると心のよりどころを求める、ということである。何か頼りがいがあって自分を 包んでくれる、癒してくれる雰囲気を持った存在を必要としているのではないだろうか。 どのキャラクターも優しく温和な表情をしている。 朝のニュース番組では「赤ちゃんの可愛らしさ(表情)と中高年男性の頼れる雰囲気(体型)、 その二つを持ち合わせているのがクマだ」という分析があった。やはり、癒しとなる心の よりどころを求めているということがクマ人気の理由なのかもしれない。 私自身、クマキャラクターのリラックマが好きな一人である。携帯電話のトラップ、マ グカップやバスタオル、手帳など身の回りはリラックマだらけである。この話題を取り上 げたのは報道当時、テレビを観ていた私の妹が「景気悪いとクマ売れるらしいよ」と何気 なく言ったことが、私の頭に残って気になっていたからだ。その時私はクマグッズに囲ま れた生活をしていた。流行の裏には、人気のある芸能人が好きだからと真似したことから 火がつくこともあるだろう、程度にしか思わなかった。あまり深く理由を考えなかった。 私がなぜクマキャラクターが好きなのか、決定的な理由はないのだが、癒しを求めている ということが一番大きいように思う。最近に見られる、緩い雰囲気のキャラクター、 「ゆる キャラ」の流行も同じ理由であるといえる。 辞書でベア(bear)を引いてみると、経済用語で「株式で弱気筋」とあった。ベア(不景気) にはベア(クマ)が流行する、ということか。それでは好景気には牛(ブル)が流行するかもし れない。 1/1
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