東海リサーチ・リンケージニュース - 愛知県

地域・全国・世界に開かれた次世代の拠点=東海地域研究学園都市
2001年3月
編集・発行
東 海 地 域 研 究 学 園 都 市 構 想 推 進 連 絡 会 議
[中部通商産業局・岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市]
東海リサーチ・リンケージニュース
中部TLOについて
大学等における研究成果を産業界に移転することに
より、新規産業の創出及び産業技術の向上を図り、産
業構造改革を推進し産業経済の活性化を図ることを狙
いとして、「大学等技術移転促進法」が平成10年8月
に施行されました。
中部地区におきましては、財団法人名古屋産業科学
研究所が、事業主体としての承認を受け、
「中部TLO」
を平成12年4月に設立しました。
大特
学許
発
技研
術究
情
報
ラ技
イ術
セ相
ン談
シ
ン指
グ導
研
究
者
会
員
・
〈最近の活動状況〉
事業としては、研究成果の知的財産権の取得及びラ
イセンシングを行う技術移転を主業務とし、技術移転
に伴う技術相談・指導等を行うコンサルティング及び
大学の研究室の先端技術等の情報提供を実施しています。
これらは、シーズを提供する名古屋大学等中部地区の
国立大学の研究者とニーズを有する多くの地元大企業
をはじめ中小企業からの参加を得て会員制度のもとで
運営しています。
研究成果の積極的な発掘活動により、現在出願特許
は18件で、企業会員に優先開示している段階であり、
数件がライセンス交渉中です。一方企業会員が有する
技術課題等に対する技術相談・指導は15件が実施また
は手続中です。
このほか、研究者と企業会員の交流を図る為の会員
交流会とか広報誌「CTLO Today」等を発行するとと
もに、密な産学連携を実現するための種々の方策を検
討中です。
産学環流インフラ
・
〈中部TLOの概要〉
中部TLOの理念は、産業界のニーズを的確に捉え、
大学の研究成果を迅速かつ効果的に移転する産学環流
インフラ(産業創造と知的創造のブリッジサイクル形
成)を確立することです。(中部TLOのイメージ図参照)
中部TLOの特徴は、中部全域を対象とした地域連携
型TLOであり、かつ医学・農学系等を含む総合的TLO
であることです。
〈今後の活動予定〉
q研究者会員の知的財産に関する意識の向上と産業
界の研究開発上で大学を活用する等産学連携に対する
意識改革、w研究成果の有用性に関する技術評価手法
の模索、新産業創出に向けた実効ある支援体制の確立
等多くの課題があります。
いずれにしても、技術移転の実績を着実に積み重ね
ながら,時代・社会の要請にタイムリーに対応できる
日本版技術移転の仕組みを産学が協力して構築する為
の種々の活動を推進します。
技 術 移 転
企
業
会
員
中 部 T L O
応 ニ ロ コンサルティング
用ーイ
開ズヤ
発対ル
研応テ
究技ィ
斡術還
旋発元
掘
情 報 提 供
ニロ
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ズヤ
情ル
報テ
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中部TLOのイメージ図
【連絡先】
財団法人名古屋産業科学研究所 中部TLO
(本部)〒460−0008
名古屋市中区栄二丁目10−19
商工会議所ビル9F
052−223−6639
【愛知県】
「研究成果活用プラザ」について
文部科学省の「研究成果活用プラザ」施設が、愛知県に整
3 東海3県の連携
備されることに決定しました。
愛知県に「研究成果活用プラザ」施設整備を行い、岐阜県・
三重県では、今後当プラザの事業を既存施設を活用しつつ実
1 施設設置場所
施していく予定です。
名古屋市南区阿原町23番地
(旧名古屋高等技術専門校跡地)
研究成果活用プラザ設置場所案内図
2 プラザの概要
(1)建設・運営主体
科学技術振興事業団
山線
地下鉄東
(2)
目的
名
古
屋
研究開発活動の活発な大学や研究機関等の近隣をはじめ
研究開発ポテンシャルの高い各地域において、産学官及び地
栄
名古屋市
域との連携を図りつつ、戦略的な研究開発コーディネートの下、
科学技術振興事業団の諸事業を集中的に実施することにより、
地下
鉄鶴
金山
舞線
基礎的な研究成果の掘り起こし、権利化から企業化に至るま
での研究成果の育成・活用・社会還元を戦略的に行うこととし
ています。
(3)施設イメージ
「産学官連携による研究開発コーディネートスペース100m2程度」
本星崎
研究成果活用
プラザ設置場所
「多目的連携スペース等
「研究開発実施スペース1,000m2等」
500m2程度」からなる延べ床面積2,700m2程度の施設です。
今後、施設の建築設計が行われ、平成14年度中に竣工の
予定です。
【名古屋市】
先端技術連携リサーチセンターにおける
「愛知県・名古屋市地域結集型共同研究事業」の概要
地域結集型共同研究事業は、科学技術庁(現・文部科学省) (ガス化)反応が起こります。その結果、水素と一酸化炭素リッチ
が指定した地域において、先端的な研究開発を国(科学技術振
な生成ガスが回収できるわけです。下の写真は、平成13年2月に
興事業団)、地方自治体、大学および国立試験研究機関、R&D
完成した処理量10kg/hの高温ガス変換試験装置の外観写真
型企業が共同で推進していくものです。そして、「愛知県・名古
で、
プラスチック等の原料供給系とDTF(Drop Tube Furnace)
屋市地域結集型共同研究事業」は、
(財)科学技術交流財団を
型高温ガス変換炉、
ガス処理系で構成されています。この試験
中核機関として平成11年度から5ヵ年計画でスタートし、愛知県、
装置では原料をガス化して得られる生成ガスの組成、
およびガス
名古屋市、
ならびに名古屋大学、国研、公設研究施設と企業が
化の効率等を測定することによって、
ガス化メカニズムの解析と
連携し研究課題に取り組んでおります。本事業プロジェクトにお
実炉設計のために必要なデータを蓄積しています。
ける研究課題は、21世紀の新しい都市形態として、都市の廃棄
2つめの研究テーマは、
プロセス廃熱の高度利用技術の研究
物を循環して再利用するとともに、都市内・近郊の森林等の自
です。ここでは、従来利用価値が少ないとされていた100℃以下
然活力を取り込んだ「循環型環境都市」を構想し、
これを具現化
の低温廃熱を高度に利用す
するものであります。様々な研究課題に対してコア研究室を設
る技術として、吸着式ヒートポ
置して研究を推進しておりますが、今回は先端技術連携リサー
ンプの研究を推進しています。
チセンター内で研究しております有機廃棄物の再資源化技術の
このプロジェクトで得られた
研究について紹介します。
成果が地域企業の技術力蓄
ここでの研究テーマは大きく分けて2つあります。
積と地域の活性化に貢献し、
1つめは、
プラスチック等の有機廃棄物を高温ガス変換し、回
循環型環境都市構築のため
収ガスを用いて高効率発電を目指すものです。通常、有機物は
のコア技術として社会全体に
理論酸素比以上では完全燃焼し水と二酸化炭素になりますが、
普及することを期待していま
理論酸素比以下では有機物の一部が燃焼し、
その熱で熱分解
す。
ガス変換装置全体図
【三重県】
(財)国際環境技術移転研究センター
(ICETT)
が設立10周年
財団法人国際環境技術移転研究センター
(ICETT)は、1990年
特に、
この10年の間に地球環境に対する意識は一段と高まって
3月に三重県と四日市市が中心となって、発展途上国・地域を対
おり、各国が協調して地球環境問題に取り組む必要性が強く認
象にした人材育成のための研修機関である「財団法人環境技術
識されている一方で、経済成長に伴う急激な工業化や都市化に
移転センター」として発足し、同年12月に中部経済連合会をはじめ、 よって生じる発展途上国の環境問題は依然深刻な状況にあり、早
設立の趣旨に賛同いただいた多くの企業の参画を得て、通商産
急な解決が求められてきていますが、
こうした環境問題は発展途
業大臣の認可団体となり、1991年2月から現在の名称に変更し、
上国にとっては自力で解決することは困難な課題であり、ICETT
名実ともに国際機関として活動を開始しました。
の果たす役割は今後ますます大きくなるものと考えられます。
その後、1992年10月には、三重ハイテクプラネット21構想の中核
ICETTは、21世紀を迎え、今後さらに、
これまで蓄積してきた技
的施設の第1号として、鈴鹿山麓リサーチパーク内にセンター施設
術や経験を発展させ、
きめ細かく、ニーズに合った効果的な技術
も完成し、現在に至っています。
移転を進めることにより、
より一層、実効ある地球環境保全に貢献
ICETTは、発足以来この10年間に、発展途上国などから多くの
していくことが期待されています。
研修生を受け入れるとともに、海外環境調査や研究開発事業を
積極的に展開し、
日本の国際協力の一躍を担ってまいりました。
人材育成の分野では、発展途上国を中心に52カ国、2,357名を
数える研修終了者を輩出し、
また環境調査の分野では、
アジアを
中心とした国や地域を対象に、技術移転を円滑に進めるための環
境実態調査を実施してきています。
さらに研究開発分野では、二
酸化炭素の固定などの地球環境保全のための共同研究を実施
するなど、着実に事業の展開を図ってきており、
こうしたこれまでの
活動により、ICETTは近年着実に評価を高めるとともに、
その名を
(財)国際環境技術移転研究センター
国内外に広く知られるようになってきました。
【中部経済産業局】
経済産業省の発足について
平成13年1月6日の省庁再編に伴い、経済産業省が発足し
ました。以下に、地域・技術関係の組織編成のポイントを
【工業技術院を再編し、
産業技術政策機能を産業技術環境局へ一元化】
御紹介いたします。
工業技術院を、研究の現場である全国15の研究所と、本
【地域経済産業審議官を設置し、
全国8経済産業局をネットワーク化】
省の技術政策企画部門とに分けました。前者の「産業技術
総合研究所」は、平成13年4月に独立行政法人化します。後
者は内局に移管して、従来内部部局にあった技術政策関連
地域が役割を強化し、個性を発揮できるように地域の経
部局と一元化しました。また、環境問題も技術によるブレ
済産業を振興します。全国各地の経済社会情勢をつかみ、
ークスルーの要請が高いので、これらをまとめて「産業技
本省と地域、地域相互間が密接に連携するよう、「地方経
術環境局」を創設しました。
済産業局」の本省でのとりまとめ役として「地域経済産業
○産業技術環境局
審議官」を設置しました。
局長・審議官
産業技術政策課、技術評価調査課、
○経済産業政策局 地域経済産業グループ
大学連携推進課、技術振興課、
地域経済産業審議官
研究開発課、基準認証政策課、
地域経済産業政策課、立地環境整備課、
標準課、認証課、知的基盤課、
産業施設課、地域技術課
環境政策課、リサイクル推進課、
○地方経済産業局
参事官
中部経済産業局 等 8経済産業局
○産業技術総合研究所
名古屋工業技術研究所 等 15研究所
【岐阜県】
世界初のマイクロ波による
陶磁器焼成技術の開発
東濃研究学園都市内の核融合科学研究所と岐阜県セラ
ミックス技術研究所は、共同でマイクロ波による陶磁器
焼成技術の開発に世界で初めて成功しました。
この研究開発は、核融合科学研究所が有する最先端の
マイクロ波加熱技術と、セラミックス技術研究所の伝統
的な陶磁器固有技術との融合によって成し遂げられました。
マイクロ波加熱は、家庭用の電子レンジとしてよく知
られた技術であり、工業的にも食品、木材等の広い分野
で加熱・乾燥のエネルギーとして利用されています。マ
イクロ波によるセラミックスの焼成は、アルミナや窒化
珪素等のファインセラミックスを中心に研究が進められ
てきましたが、陶磁器においては原料や焼結過程が複雑
なためマイクロ波による焼成は不可能とされてきました。
マイクロ波焼成炉で焼いた製品例
この度、両研究所では新しく考案した断熱手法等の採
用により、家庭用電子レンジと同じ2.45GHzのマイクロ波
による陶磁器の焼成を初めて可能にしました。その上、
試作したバッチ式マイクロ波焼成炉で数百個の陶磁器(湯
呑み)が一度に、通常法と遜色無く焼成できることを実
証し、それを基にしてエネルギー効率が良い連続式焼成
炉の設計を完了しました。ここに、実用化に向けての一
歩を踏み出したと言えます。
また、ガス・重油等を用いるのが一般的であるエネル
ギー多消費型の従来の陶磁器焼成方法と比較して、これ
らのマイクロ波焼成技術ではエネルギー的に数分の一程
度にまで削減できます。その意味でも環境負荷低減に大
きく貢献する技術として、陶磁器業界等から注目を集め
ています。
マイクロ波焼成炉
〈東海地域研究学園都市構想推進連絡会議 構成員連絡先一覧〉
中部経済産業局
●総務企画部企画課
●産業企画部産業企画課・産業技術課
〒460-8510 名古屋市中区三の丸2-5-2 (052)951-2694
(企画課) http://www.chubu.meti.go.jp/
岐阜県
●地域県民部地域計画政策課
●農林商工部新産業労働政策課
〒500-8570 岐阜市薮田南2-1-1 (058)272-1111
(代表) http://www.pref.gifu.jp/
愛知県
●企画振興部地域振興課(事務局)
●産業労働部産業技術課
〒460-8501 名古屋市中区三の丸3-1-2 (052)961-2111
(代表) http://www.pref.aichi.jp/
三重県
●地域振興部地域振興課
●農林水産商工部新産業創造課
〒514-8570 津市広明町13 (059)224-2193
(地域振興課) http://www.pref.mie.jp/
名古屋市
●総務局企画部企画課
●市民経済局産業部サイエンスパーク事業推進室
〒460-8508 名古屋市中区三の丸3-1-1 (052)972-2422
(サイエンスパーク事業推進室) http://www.city.nagoya.jp/
企画・発行/東海地域研究学園都市構想推進連絡会議
東海リサーチ・リンケージホームページ http://www.shatchy.ne.jp/trl/
再生紙を使用しています。
(古紙配合率100%)