平成2 平成22年度 研 究 報 告 書 第 5 4号 平成2 平成23年3月 宮崎市教育情報研修センター 宮崎市教育情報研修センター は じ め に 宮崎市は九州一の教育創造都市を目指し、郷土に誇りと愛着をもつ「みやざきっ子」の育成の ために、平成22年度の教育施策の重点として「地域教育の推進」を柱にしています。この重点 施策は「確かな学力の向上を図る教育の充実」「社会を生き抜く心と体を育てる生徒指導の充実」 など、10の施策に具体化しています。 また、宮崎市は中核市として、学校教育の充実を図るために、これまでにICT利活用による 情報教育、国際理解教育等の充実を始めとして、学校図書館教育の充実、市単独での非常勤職員 の配置、学校への専門職員の派遣の拡充等を積極的に推進しています。さらに、本年度より授業 改善のための実物投影機とデジタルテレビを市内小中学校の全学級に配備しました。 教職員研修についても、宮崎市教育情報研修センターを平成14年に設置し、教職員研修に関 する事業や国際理解教育、各種相談等に応じ、教育の今日的な課題の解決を図るなど成果を累積 してきています。この研究事業の一環として、宮崎市教育情報研修センター研究員の制度が位置 づけられ、市の教育施策の具体化や教育的な課題に関連したテーマを設定し、鋭意、研究を推進 しております。 本年度は「教育の教育化研究班」「算数・数学教育研究班」「英語活動・英語教育研究班」の3 班で、小中学校の新しい学習指導要領に対応した新たなテーマを設定して小中一貫教育も含めた 学力向上に関する研究に取り組んでまいりました。 「教育の情報化研究班」は、実物投影機やデジタルテレビの導入に伴い、授業の活性化に向け た ICT 機器の活用のあ在り方をテーマに、活用方法の拡充推進の具体化や授業改善に焦点を当て た研究を進めました。 「算数・数学教育研究班」は、大学発教育支援コンソーシアム推進機構と連携して「協調学習」 という新たな考え方による学習方法で、授業づくりを進めています。これは、児童生徒一人一人 が仲間とのかかわりの中で、自分の考えを確認・吟味することで内容理解が深まるとともに、多 様な個性を持つ児童生徒みんなに学習への参加を保証するというものです。その具体化について 研究を深めました。 「英語活動・英語教育研究班」については、次年度からの小学校外国語活動実施に伴う指導の 充実を図るために中学校英語教育へのスムーズな移行に向けた小・中一貫した指導や英語ノート の活用、評価の在り方など、具体的な手立てについて研究を進めました。 各研究班ごとに委嘱された18名の研究員は、学校における授業研究、調査研究を中心に、確 かな学力を育む学習指導の在り方について、実践に生かすべく研究に取り組んでまいりました。 まだ課題も多く、解明しなくてはならない点も多々ありますが、各学校の実践に資するものとし て活用していただければ幸いです。 最後になりましたが、日々の学校での教育活動の充実を図りながら、研究に携わっていただき ました先生方、並びにご支援いただきました研究員所属の小・中学校の校長先生をはじめ、調査 ・研究にご協力いただきました関係各位に対しまして、心より感謝を申し上げます。 平成23年3月 宮崎市教育情報研修センター 所 長 齊 藤 良 和 目 次 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 1 1 2 教育の 教育の情報化研究班の 情報化研究班の取組 Ⅰ 研究主題と副題 Ⅱ 主題設定の理由 Ⅲ 研究目標 Ⅳ 研究仮説 Ⅴ 研究構想 Ⅵ 研究組織 Ⅶ 研究内容 1 ICT 活用に関する実態調査 2 ICT 環境研究 3 授業での ICT 機器活用 Ⅷ 成果と課題 ~引用・参考文献、研究同人~ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 3 3 3 4 4 4 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 4 5 7 11 12 算数・ 算数・数学教育研究班の 数学教育研究班の取組 Ⅰ 研究主題と副題 Ⅱ 主題設定の理由 Ⅲ 研究目標 Ⅳ 研究仮説 Ⅴ 研究構想 Ⅵ 研究組織 Ⅶ 研究内容 1 算数・数学科に対する児童生徒の実態調査 2 協調学習の実践 3 協調学習を取り入れる単元一覧作成 Ⅷ 成果と課題 ~引用・参考文献、研究同人~ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 13 13 13 13 14 14 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 14 16 21 22 22 英語活動・ 英語活動・英語教育研究班の 英語教育研究班の取組 Ⅰ 研究主題と副題 Ⅱ 主題設定の理由 Ⅲ 研究目標 Ⅳ 研究仮説 Ⅴ 研究構想 Ⅵ 研究組織 Ⅶ 研究内容 1 宮崎市の実態調査の実施及び分析 2 授業の実際 Ⅷ 成果と課題 ~引用・参考文献、研究同人~ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 23 23 24 24 24 24 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 25 27 32 32 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 全体研究主題 全体研究主題設定の理由 全体構想図 Ⅰ 全体研究主題 「豊かな人間性と確かな学力を育む教育活動の在り方」 ~学びの共有化とコミュニケーション能力の育成を通して~ Ⅱ 全体研究主題設定の理由 宮崎市は九州一の教育創造都市を目指し、本年度は【地域教育の推進】を柱にし、10の教育 施策の具体化に向けて動き始めている。また、第四次宮崎市総合計画の重点目標に「未来を担う 人を育てるまち」、「生きがいを持って学び楽しめるまち」、「思いやりのあるまち」を掲げ、郷土 宮崎市に誇りと愛着を持ち、地域社会、我が国、そして国際社会の平和と発展に寄与することを 願っている。そのような考えのもと、 【確かな学力の向上を図る教育の充実】が重点課題の1つに 挙げられ、子どもたちの学力に関し、「学力の向上と基礎的・基本的な学習内容の確実な定着」 、 「教育の情報化及び国際理解教育の充実」が求められている。これは宮崎県教育委員会が推進す る「第2期 明日の宮崎を担う子どもたちを育む戦略プロジェクトー学力向上対策の推進」とも 合致し、宮崎県の大きな課題でもある。 平成 24 年度からの新教育課程への全面実施を見据え、昨年度から数学や理科で先行実施がは じまり、道徳教育や外国語教育などのなお一層の充実を図ることも求められている。今回の改訂 の基本方針は「教育基本法改正等で明確になった教育理念を踏まえ、 『生きる力』を育成すること」 、 「知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視すること」、 「道徳教育 や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成すること」である。すなわち、生きる力 という理念は、知識基盤社会においてますます重要であり、生きる力を支える確かな学力、豊か な心、健やかな体の調和のとれた児童生徒を育成することが大切である。 そこで、本年度から「教育の情報化研究班」、 「算数・数学教育研究班」、「英語活動・英語活動 研究班」を組織し、実践的な研究に取り組むことにした。学習活動の中で学んだ様々な情報を共 有し合い、自分の考えを確かなものにしていく過程を大切にしていくことや、コミュニケーショ ン能力を高める工夫をすることで、学びの共同体という意識を高め、共に伸びていこうとする態 度を身に付けさせたいと考える。そして、これらのことの具現化を目指した授業を展開すること が「豊かな人間性」の育成や「確かな学力」の向上に波及し、ひいてはこれらの取組が、生きる 力の育成につながると考え、本主題を設定した。 1 Ⅲ 全体構想図 生きる力 きる力 「豊かな人間性 かな人間性と 人間性と確かな学力 かな学力を 学力を育む教育活動の 教育活動の在り方」 ~学びの共有化 びの共有化と 共有化とコミュニケーション能力 コミュニケーション能力の 能力の育成を 育成を通して~ して~ コミュニケーションを コミュニケーションを学びに生 びに生かす 児童・ 児童・生徒 学びを共有 びを共有し 活用ができる 共有し活用ができる 児童・ 児童・生徒 コミュニケーション能力 活用力 教育の 教育の情報化研究班 算数・ 算数・数学教育研究班 英語活動・ 英語活動・英語教育研究班 研究主題 研究主題 研究主題 「確かな学力 かな学力の 学力の向上につな 向上につな 「 児童・ 児童 ・ 生徒が 生徒 が 学 び 合 いの 「英語に慣れ親しみなが がる ICT 活用の 活用の在り方」 中 で 確 かな学力 かな 学力を 学力 を 身 に 付 け ら 、 コミュニケーションを コミュニケーション を る 算数・ 算数 ・ 数学科の 数学科 の 学習指導 図 ろうとする児童生徒 ろうとする 児童生徒の 児童生徒 の 育 の 在り 方」 成」 研究副題 ~ICT 環境を 環境を整え、主体的 研究副題 研究副題 に 学 び 合 う 学習指導を 学習指導 を 通 し ~協調学習の 協調学習の考え方を取り ~小中一貫した 小中一貫した評価 した評価の 評価の在り て~ 入れた学 れた学習指導を 習指導を通して~ して~ 方の工夫を 工夫を通して~ して~ 2
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