-100- 2) 都市施設整備方針 (1) 交通施設 都市計画道路垂水 - 稲美町

2) 都市施設整備方針
(1) 交通施設
都市計画道路垂水志方線及び都市計画道路二見稲美三木線を、広域交通を分担する路線と
して位置づけ、この 2 路線と現都市計画路線及び新たな構想線によって、将来の道路交通ネッ
トワークの形成を図る。
地域の高規格道路に関しては、稲美町の西を通過する東播磨南北道路の計画は、稲美町北
西部から山陽自動車道や加古川バイパスへのアクセスを容易にし、東播磨と北播磨地域の南
北方向の連携の強化に役立つものであり、関係市町と協力して整備を推進する。また、新た
な東西方向の広域幹線道路である播磨臨海地域道路網構想の推進に努め、臨海地域諸都市の
相互連携を強化する。
今後整備する幹線、補助幹線道路については、豊かな歩行空間と十分な街路緑化空間を考
慮した断面形態とし、都市環境、景観及び防災上の機能を高めるものとする。また、近隣市
町とも連携し、広域的にも整合性のある道路ネットワークの形成を図る。
①都市間幹線道路
東播磨地域の都市間交通を形成する都市間幹線として、都市計画道路垂水志方線と、都市
計画道路二見稲美三木線を位置づける。特に、二見稲美三木線は、早期整備を図り、都市間
交通の利便性を高めるとともに、稲美町内の骨格道路として活用する。なお、二見稲美三木
線が天満大池を通過する部分については、特に水質保全を含めた環境・景観への配慮を十分に
行った形態とする。
②幹線道路
都市間幹線道路とのネットワークを形成し、かつ市街地の形態形成に役立つ稲美町内の幹
線道路として、都市計画道路役場南線、本荘加古線及び百丁場中村線を位置づけ整備を図る。
また、長期的には百丁場中村線から二見稲美三木線に至る市街地東部の町道を交通幹線「市街
地東部幹線」として位置づけるとともに、周辺に集積する文化・教育施設、レクリエーション施
設及び公園緑地等の連結軸としての役割
高砂北条線
を与え、緑豊かな歩行者空間を確保する。
加古川北I.C.
東播磨南北道路へのアクセス、県立新
山陽
自動
車
加古川病院へのアクセス及び町外への通
道
ひょうご情報公園都市
勤通学に係るアクセス道路についても広
三木小野I.C.
垂水志方線
域道路として位置づけ、早期に開通する
よう関係機関に対して一層強く働きかけ
加古川バイパス
広域防災拠点
日岡山
新産業創造
公園都市構想
<三木>
三木工場公園ゾーン
三木
総合防災公園
<加古川>
<稲美町>
稲美町内幹線道路から分岐し、地域サー
播磨臨海地域道路
(構想)
(構想線)
明石西I.C.
<播磨>
第二神明道路
(R2号)
大久保I.C.
<明石>
二見稲美三木線
ビスの集散のもととなる補助幹線道路の整
図Ⅱ -55 稲美町周辺将来広域道路網図
備を図る。長期的には、現在の都市計画
道路以外にも、新たな構想線を検討し整
備を図る。
-100Ⅱ . 全体構想 / 4. 都市整備方針 / 2) 都市施設整備方針
三木東I.C.
三木山ゾーン
東播磨南北道路
県立新加古川病院
る。
③補助幹線道路
R175号
Ⅱ . 全体構想 / 4. 都市整備方針 / 2) 都市施設整備方針
加古川方面
加古川方面
神野ランプ
〈
八幡南I.C.
〈
〉
線
加古
本荘
-101〈役
明石西I.C.
〈垂水志方線〉
〉
線
場南
︿
百
丁
場
中
村
線
﹀
(仮)県立加古川病院ランプ
南
磨
播
東
北
〉
路
道
︿
市
街
地
東
部
幹
線
﹀
〈第二神明道路〉
宗
佐
土
山
線
〈播
神戸加古川姫路線
︿
二
見
稲
美
三
木
線
﹀
磨臨
海地
域道
路〉
(構
想
線)
N
〈
加
大久保I.C.
0 100
500
1000
現市街化区域の範囲
m
2000
将来市街化区域の範囲
補助幹線道路
幹線道路
都市間幹線道路
広域幹線道路
[構想線]
補助幹線道路
幹線道路
都市間幹線道路
広域幹線道路
[計画道路]
補助幹線道路
幹線道路
都市間幹線道路
広域幹線道路
[現況道路]
凡例
神戸方面
図Ⅱ -56
道路網整備方針図
〉
ス
パ
イ
バ
川
古
④自転車歩行者道
自動車に依存せずに稲美町内を安全に移動するためのひとつの手段として、町全域を縦横
に結ぶ自転車歩行者道を整備する。整備すべき自転車歩行者道は下記の A、B、C の 3 つの系
統に区分される。
・A 系統は、主として稲美町内を東から西または西北に向かって流れる主な河川や水路の流れ
に沿うように配置される 3 本の経路である。これらは概ね、稲美町の地形勾配と同じ方向で
あり、これらに沿った移動は、稲美町の大きな地形を体感することにもつながる。
・B 系統は、A 系統に対して概ね直交し A 系統を相互に接続するように配置される 5 本の経路で
ある。これらに沿った移動は、高低差が比較的少ないものとなる。
・C 系統は、上の 2 つの系統に含まれない小学校及び中学校の主要な通学路に沿って配置される、
比較的短い多数の連絡経路である。
これらの自転車歩行者道は、通学その他の日常生活における移動経路としてはもちろんの
こと、健康づくりのためのウォーキングやサイクリング等にも利用される。
なお、図Ⅱ -60 の「自転車歩行者道整備方針図」における各系統の経路は、稲美町全域に
わたるネットワーク形成の概要を示すものであり、各所における具体的な経路については、
集落ごとの土地利用計画の策定や、市街地における様々な環境改善のための取り組み等を行
う機会に、どのような整備手法を適用するのかと合わせて、さらに詳細な検討を行ったうえで
決定するものとする。
自転車歩行者道の整備方針について
自転車歩行者道の具体的な整備方法は、以下の 4 種類に区別される。既存の道路網を生かすこと
によって整備費を抑制しつつ、稲美町の特色ある風景が見られる場所を経由する新設の専用道を
加えることによって、自転車歩行者道のネットワーク化と地域資源の活用を推進する。
a. 既存歩道の活用
整備済みの歩道を、そのまま自転車歩行者道のネットワークに組み入れる。歩道端部に段差のあ
る場合には、その解消を図る。
b. 既存道路の拡幅または車道とのレーン区分による自転車歩行者道の付設
歩道が無い既存道路を拡幅し、または交通量に比べて十分な広さがある道路の一部を自転車歩行
者用として区分することで、専用レーンを確保する。
図Ⅱ -57
既存道路への付設
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c. 既存の生活道路の歩車共存化
図Ⅱ -58
歩車共存化
図Ⅱ -59
専用歩道の新設
集落内の生活道路等で通過交通の排除
が可能な道路については、路面舗装材料
の変更、ハンプやクランクの設置等の手
法を用いて、道路空間全体を歩車共存型
の「くらしのみち」として再整備する。
d. 専用道の新設
河川や水路、ため池の堤防上、農地間
の通路、歴史的資源の所在地など、稲美
町ならではの風景が見られるところを経
由する専用道を新設する。
⑤公共交通
高齢社会の到来を迎え、公共交通の利便性を高めマイカー以外の移動手段を確保するため、
バス等の公共交通機関の充実に努め、LRT(ライト・レール・トランジット)の活用を含めた
神戸市営地下鉄延伸の実現に向けて、引き続き関係機関及び団体に働きかける。
-103Ⅱ . 全体構想 / 4. 都市整備方針 / 2) 都市施設整備方針
N
0 100
-104-
1000
m
2000
自転車歩行者道C系統
自転車歩行者道B系統
自転車歩行者道A系統
自転車歩行者道整備方針図
500
(既設)(未設)
凡例
図Ⅱ -60
(2) 公園緑地
①総合公園の早期完成
稲美中央公園は、住民がスポーツセンターやレクリエーション活動を通じて、健康づくり
や憩いふれあいの場として利用者が著しく増加しているため、未整備の公園施設について完
成をめざし整備に努める。
②水辺空間の整備
稲美町の特色である県内最大の加古大池や県内最古と伝えられる天満大池などのため池や
河川、水路を自然とふれあう水辺空間として整備し、堤防の緑化に努める。また、ため池等
の利活用を積極的に進めながら、今後も個性ある景観の形成に努める。
③緑地の保全、育成
愛宕山、天神社 ( さくらの森 )、住吉神社、高薗寺等の周辺は、稲美町でも恵まれた緑地
環境地区であるため、地元関係者の協力のもと緑地の保全に努める。特に、住民の安らぎと
憩いの場の確保並びに動植物保護の観点から、稲美町の中央に位置する愛宕山の自然環境を
守りつつ、稲美中央公園 ( 万葉の森 ) を中心とした緑地ゾーンの保全に努める。さらに、公
共施設を中心とした緑化推進とともに、住民参加による花と緑のまちづくりを進める。
④近隣公園、街区公園等の整備とネットワーク形成
各地区における緑と交流の拠点となる近隣公園の整備を進めていくとともに、地域にとっ
て身近な憩いと交流の場である街区公園やふれあい広場を整備し、地域コミュニティによる
積極的な利用を促進していく。さらに、これらの公園と稲美中央公園や緑地、水辺などを緑
道などでつなぐことにより、水と緑のネットワークを形成し、それぞれのレクリエーション
機能を高めるとともに、非常時における避難路や避難場所として配慮した整備にも努める。
-105Ⅱ . 全体構想 / 4. 都市整備方針 / 2) 都市施設整備方針
図Ⅱ -61
公園緑地配置方針図
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(3) 下水道及び河川
①下水道
a. 公共下水道
汚水については、兵庫県による加古川流域下水道事業にあわせて、稲美町では計画区域内
の市街地や集落を 4 つの処理区分に分け整備を進める。
雨水については、計画区域を 7 つの排水処理区域に分け、曇川、国安川及び喜瀬川のそれ
ぞれの流域に応じた排水路等の整備を図る。
b. 集落下水道等
公共下水道事業対象区域外については、「稲美町生活排水処理基本計画」を基にした農業集
落排水事業による集落ごとの下水道整備が平成 16 年に完了しており、その適正な維持管理と
機能強化に努める。
また、上記 (a、b) 以外の区域については、小型合併浄化槽による生活排水処理を促進する。
②河川
草谷川、曇川 ( 国安川を含む ) は加古川市区域の下流から上流の稲美町区域へと順次整備
をする必要がある。喜瀬川についても整備を図るものとする。
(4) 保健・医療・福祉
すべての住民が健康で暮らしていけるため、良質で安全な医療サービスを受けることが求
められる。今後も、行政、関係団体等の連携のもと、多様化・高度専門化する医療に対し、
適切な対応を図るためにも、稲美町、加古川市及び播磨町の1市2町が連携して進めている
加古川地域保健医療情報システム事業を活用し、保健医療情報の提供や、ニューメディアを
活用した保健・医療・福祉の情報ネットワーク化を進めるものとする。
(5) ごみ処理場
稲美町清掃センターでは、ごみ量増大やごみ質の変化に対し処理施設の更新によって対処
している。しかし、長期的な市街地の拡大と人口増加を考慮すれば、現状の施設規模では処
理に限界があることから、近隣市町と連携し、広域的施設の検討を図る。また、環境にやさ
しい循環型社会への転換をめざして、ごみの発生抑制と分別による再資源化のための取り組
みを推進し、ごみの減量化に努めるものとする。
(6) 斎場・墓園
平成 3 年に完成した「稲美斎場ひじり苑」は、稲美町と播磨町の共同施設であり、加古郡
衛生事務組合によって運営されている。両町の人口増加動向を見定めつつ、次期斎場建設に
ついては、近隣市町との広域的な対応も視野に入れて検討する。
墓園も同様に、人口の増加の動向を見定め、必要に応じて整備するものとする。
-107Ⅱ . 全体構想 / 4. 都市整備方針 / 2) 都市施設整備方針
図Ⅱ -62
稲美町流域関連公共下水道計画図
資料:水道課
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