科研特定領域事後評価ヒアリング資料 平成24年9月4日 ホームページ http://tritium.nifs.ac.jp/ 事後評価に係わるヒアリング 出席者 田辺 哲朗 (領域代表) 深田 智 (計画研究B01班代表) 山西 敏彦 (計画研究C01班代表) 科研特定領域事後評価ヒアリング資料 平成24年9月4日 発表内容 (1) 研究領域の目的及び概要 (2分) (2) 研究領域の設定目的の達成度 (2分) (3) 研究成果 (7分) (i) 主な研究成果(発明及び特許を含む) (ii) 研究成果の取りまとめの状況 (iii) 研究成果の公表の状況(主な論文等一覧、ホームページ、公開発表等) (4) 研究組織と各研究項目の連携状況 (1分) (5) 研究費の使用状況(設備の有効活用、研究費の効率的使用を含む)(省略) (6) 当該学問分野及び関連学問分野への貢献度 (1.5分) (7) 研究計画に参画した若手研究者の状況 (1分) (8) 総括 (0.5分) トリチウム資源は有限、増殖・回収が必要 (発電と両立) 核融合炉 燃焼効率が悪く、莫大な量のトリチウムを循環 巨大な非密封トリチウム取り扱い施設 経験不足、未知 少量の使用経験からの外挿の可否 同位体でできることできないこと 透過漏洩による汚染 2次汚染、3次汚染、4次汚染まで要考慮 国際熱核融合実験炉(ITER)は仏国、原型炉は日本に!! トリチウム研究者・使用経験者の育成が急務 ( 法規制に則した閉じこめ) ( 物理的閉じこめ) トリチウム化水およびトリチウム化炭化水素 (有機トリチウム)が多量に生成 トリチウム安全閉じこめ (1) 研究領域の目的及び概要 放射性安全を確保した上で経済的にも成立する核融合炉燃料システムを構築する トリチウム科学ともいうべき学問分野を打ち立てるとともに、トリチウムに対する正し い理解を社会に広める 科研特定領域事後評価ヒアリング資料 平成24年9月4日 班名 総括班 A01 A 班 A02 B01 B 班 B02 研究代表者 研究課題 核融合炉実現を目指したトリチウ 田辺 哲朗 ム研究の新展開 達成目標 ♦ トリチウム燃料システムの設計(A,B,C班 の結果統合) ♦ 水素同位体の理解、トリチウム学創成 ♦ 国際的人材育成 上田 良夫 核融合炉内複雑環境におけるトリ ▶ 蓄積T量の評価と除去法を開発し、ITERの チウム蓄積挙動の実験的研究 (大阪大) 運転シナリオ策定へ 核融合炉のトリチウム蓄積・排出 ▶ JT‐60SAの壁材料選択と運転シナリオ策定 大宅 薫 評価のための理論およびシミュレー ▶ 周辺プラズマ・材料相互作用統合コードの (徳島大) 作成 ションコードの開発 核融合炉ブランケット材中のトリチ ウム移動現象解明と新規回収プ ◀ ブランケットによるTの増殖、回収システム (九州大) ロセス開発の研究 における増殖比1.05以上の実現 核融合炉ブランケット材料中のト ◀ 安全な排ガス回収、不純物除去、トリチウム分 寺井 隆幸 リチウム-材料相互作用に関す 離・再利用 (東京大) る研究 深田 智 山西 敏彦 トリチウムの閉じ込めに関わる高 C01 (原子力機 濃度トリチウム水及び有機物の化 ♣ ITERのトリチウム処理施設高性能化 C 学的現象の解明 構) ♣有効な透過抑制法の開発(1/1000を実現) 班 トリチウムの透過漏洩と汚染・除 C02 波多野雄治 染 (富山大) 燃料供給 1014Bq/s(1021 Bq/Year) 炉内におけるトリチウム挙動の把握 • DT燃料供給最適化 • トリチウム蓄積 • トリチウム除去(回収) 透過・漏洩 計画研究 A班 中性子 排気 1~9 x 1013Bq/s 回収・精製 同位体分離 T 増殖>1.07 106~10Bq/s ブランケットにおけるトリチウム増殖と熱取りだしの両立 • トリチウム増殖とエネルギー変換の両立 • 未燃焼トリチウムとブランケットで精製されたトリチウム回収 • 精製と同位体分離 計画研究 B班 透過・漏洩 103~7Bq/s 安全閉じ込めと軽量管理 • 物理的な保持と安全な閉じ込め • トリチウム除去と除染 • 安全な廃棄 放出可能上限 1011 Bq/y 計画研究 C班 許容表面汚染濃度 ~10Bq/cm2 (2)研究領域の設定目的の達成度(当初の予想との対比) 2007 2012 ・ ・ ・ ・ 2020 2010 科研費研究期間 ITER本体建設 2030 H‐D運転 D‐T運転 デザイン見直しへ寄与 T管理システム高性能化 DEMO設計・建設 データ取得 実機実験 実験室実験 モデル化 コード整備 総合化 システム デザイン 統合コード 蓄積量評価、除去法開発 統合コード作成 高効率燃料循環システム ブランケットシステム(増殖比1.05) T閉じ込め(12桁の濃度管理) 透過抑制(1/1000) 除染法確立 12名が研究職に 要素研究としては 当初目標を達成 育 成 人 材 の 活 躍 トリチウム学創成 啓蒙書・教科書 現在作成中 国際ワークショップ (3回開催 中間評価 A評価 当初計画通り遂行 国際会議 トリチウム国際会議+若手向きチュートリアルレクチャー(半日)開催) LHDおよびJT‐60SAのDD実験でのトリチウムの諸問題解決へ 継続中 トリチウムの正しい理解への啓蒙活動、核融合炉の社会受容性を高めるための活動 継続中) (放射線への啓蒙活動、福島原発事故での計測活動、除染活動に参加、Cs挙動に対する助言) http://tritium2010.nifs.ac.jp/ Submitted papers have been published in Fusion Science and Technology, Vol.60 (2011) Topics in Oral Sessions ITER ICF Analysis Interaction with Materials Facility and Activity OBT Isotope Separation Satellite Program Tutorial Lectures for Young Scientists and Students 出席50名(内30名は海外から) Topics in Poster Sessions Environment Biology ITER Contamination & Waste Detritiation & Isotope separation Concept & Facility Interaction with Materials Analysis Blanket & Breeding Materials Storage Isotope Application 科研特定領域事後評価ヒアリング資料 平成24年9月4日 (1) 研究成果 (i) 主な研究成果(発明及び特許を含む) (ii) 研究成果の取りまとめの状況 (iii) 研究成果の公表の状況(主な論文等一覧、ホームページ、公開発表等 計画研究A01班:主要成果 T分布・C再堆積の結果からJT-60U全体へのC堆積・T蓄積速度導出 放電中温度 (H+D)/C タイル側面(第一壁・バッフル板) タイル表面 (内側ダイバータ) 700 0.1 タイル表面 (外側ドーム) 1000 0.013 タイル側面 (ダイバータ部) 800 0.08 700 0.1 ダイバータ底部 423 0.8 炭素堆積速度 第一壁タイル側面 (700)K 水素蓄積速度 0.5 (3 %) 1.3 ダイバータ底部 (423K) (8 %) 4.0 (26 %) Total 15.8 4.3 (33 %) 6.7 (42 %) x1020C/s 3.3 (21 %) 外側ドームタイル表面 (800K) 外側ドーム タイル表面 (800K) 0.8 (7 %) Total 13.0 2.6 (20 %) x1019 H+D/s 内側ダイバータ タイル表面 (1000K) 0.9 (10 %) 4.0 (31 %) 第一壁タイル側面 (700K) ITER(総炭素壁)を600 Kで運転した場合のトリチウム蓄積量評価 Estimation by Roth T/C=0.4 (~RT) タイル表面温度を800K適度にすればさらに減少 Full carbon machine A02班“核融合炉内トリチウム挙動を予測する シミュレーションコードの統合化に成功”” ★炭素ダイバータには、 “SOLDOR/IMPMC/EDDY, TOPICS/SONIC” ☆タングステンダイバータには、 “SOLPS/IMPGYRO/EDDY” 優れた総合性能: 実機の磁場配位、第一壁、ダイバータ板、 ドーム等構造物の幾何学的形状を忠実に模擬 トリチウム・不純物のプラズマ輸送と 壁損耗・再堆積を自己無撞着に、 時間・空間発展を解析可能 SOLPS プラズマ不純物 輸送 周辺プラズマ IMPGYRO SOLDOR Wn+ Be T C “プラズマ化したトリチウムと不純物の流れを知る” 炉内トリチウム蓄積・排出量の 従来より精度の高い評価が可能 TOPICS, TASK 周辺プラズマ 理論モデル及びコードの性能評価: TEXTOR, PISCES実験およびEROコードとの ベンチマークによる素過程モデルの検証 JT60U, ASDEX-U等、実機での プラズマ・不純物輸送, 不純物堆積分布 解析による総合性能評価 コアプラズマ IMPMC C+ W EDDY MD simulation 実機複雑環境下のプラズマ対向壁 (損耗/再堆積, 材料混合, ダスト, タイルギャップ) B01班 核融合炉ブランケット材中のトリチウム移動現象解明と新規回収プロセス開発の研究 ブランケット内におけるT挙動を、ミクロスケールからマクロスケールまで総合的に観察 (研究)、そのモデル化に成功、 もって ブランケット回収システムでの増殖比1.05以上 の実現に見通し (大規模化はITERで実現)、 500 1400 c +c TF=19% 技術目標 c HT=81% 1200 temperature 400 T回収条件(T濃度~1ppm) 1000 300 T安全条件(T蒸気圧~1Pa) トリチウム移動 800 を同時達成した。 600 200 ブランケット TF T,cal Temperature [oC] 中性子 Tritium radioactivity [Bq/cm3] HT 400 100 200 炉心 0 T溶解 T-T 0 1 2 3 4 0 5x104 Time from start of Ar+H2 purge [s] ブランケット材からのトリチウム放出曲線の ITER-TBM, IFMIFへの設計デー 数値予測と実験的証明に成功 ター供給により核融合炉実現へ •Li, Li17Pb83, FlibeのH-D-T拡散· 溶解同位体効果比を解明した •HF処理Y によりLi中0.1ppmT回 収(T回収目標)を達成した 安全な排ガス回収、不純物除去、トリチウム分離・再利用 新規トリチウム回収装置の研究開発(例えばプロトン 導電性分離膜を使った新規トリチウム回収装置実測) C01班: トリチウム(T)の閉じ込めに関わる高濃度T水及び有機物の化学的現象の解明 :環境との境界を形成するITERのT処理施設高性能化、 T閉込めに係わる現象解明 1)高濃度トリチウムの線による影響を実際に調査、整理(平和利用としては世界初) ・高濃度トリチウム水が金属腐食に及ぼす影響を明らかに 高濃度になるほど溶存酸素による自然不動態化が阻害され、腐食が進行 ・高濃度トリチウム水に曝される有機膜への影響 γ線、電子線照射データがT水浸漬にも適用可、 放射線による高分子結合断裂が支配的 2.2 kBq cm-3 2)核融合炉燃料システムの非効率さ故に要求される トリチウムの大量循環に備え水同位体分離システム の高性能化開発に成功 触媒充填方法改良、 解析モデル開発 10 00000 5 圧力:101.3 kPa 温度:70℃ 反応塔:内径2.5 cm, 充填長100 cm 触媒充填割合:30 % 104 10000 1000 103 100 102 4 5 6 7 8 水素ガス流量 [L/min] H‐T系の化学交換塔分離 係数(約20000を達成) 9 通常水では生じる自然不動態化がト リチウム水ではなく腐食が進行 ・Tの酸化のための触媒開発 無機多孔質疎水性白金触媒の開発により、室温でのT酸化 を実現 13 13 C02 トリチウム(T)の透過漏洩と汚染・除染 (1) 過酷事故時のトリチウム漏洩防止 懸念:中性子照射で第一壁中に導入される欠陥が大量のTをトラップ ⇒冷却水喪失事故時に崩壊熱による 温度上昇で脱離し外部へ放出 D W中の照射欠陥によるT捕捉の機構解明と 除染技術 A班 コールド実験と計算 中性子照射W試料, 200 oCでプラズマに曝露 2 非照射試料, 200 oCでプラズマに 1 曝露 0 • PSI2012 招待講演 W中の水素同位体蓄積と脱離に • IAEA会議 口頭発表 及ぼす中性子照射(0.025 dpa)の 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 脱離温度 (oC) 影響 プラズマ 第一壁 中性子照射は壁 全体に渡るので Tインベントリーへ の影響大 (2) 定常運転時のトリチウム漏洩防止 懸念:高温配管中の透過 -3 10 -4 -2 -1 3 中性子照射に より蓄積量が 著しく増大 (~0.3 at%) ⇒同位体交換 による除染法 を提案 n 10 2 4 中性子照射W試料, 500 oCでプラズマに曝露 18 -2 -1 D脱離速度 (10 m s ) 5 連携 協力 欠陥生成 He Permeation rate (mol H m s ) C02班 中性子照射材とTを使った ホット実験(世界で唯一)と計算 捕捉 T 10 ■ Pd/SUS430 -5 -6 10 -7 フェライト鋼上に ゾルゲル法で ZrO2薄膜を形成し、 透過を1/104に! ○4回, 50nm 10 -8 10 ●20回, 80nm -9 10 ●50回, 120nm -10 10 PFMC‐13 招待講演 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 -1 1000/T (K ) 特願2009‐166165 審査請求準備中 ZrO2膜を形成したフェライト鋼中の水素透過速度 核融合炉における燃料サイクルと燃焼バランス 燃料供給率を 10% 、 燃焼率を 3 %と 仮定 D 50 T 50 燃焼 プラズマ 1 1 3 5 5 D 46 中性子 ブランケット 真空容器 Retention rate Ne /Ar Cooling 燃料貯蔵 システム 燃料供給 (1014Bq/s) T 3.6 燃料貯蔵 システム T 46 同位体分離 H 4 残留ガス Ne Ar 46=44+2 D 4 3 44+2=46 H He T 排気 透過と漏洩 << 10-10 精製(He灰、 不純物除去) CH, Ne, Ar プロセスシ ステムでのT の損失 (3)‐ii 成果とりまとめ プラズマ・核融合学会誌、 第88巻(2012)9月号 出版予定全61頁 教科書(編纂中) “Tritium ‐ fuel of fusion reactor “ 1. Introduction of fusion reactor. 2. Characteristics of tritium. 3. Tritium flow in a fusion reactor system. 4. Burning plasma. 5. Introduction of plasma‐wall interaction. 6. Simulation of phenomena in plasma‐wall interaction. 7. Application of Molecular dynamics. 8. Tritium fueling system. 9. Tritium measurement. 10. Permeation and permeation barrier. 11. Contamination and Decontamination. 12. Isotope separation system. 13. Estimation of tritium breeding ratio. 14. Recovery of bred tritium. 15. Safety confinement system. 16. Recovery of tritium from water. 17. Behavior of tritium released to environment トリチウムマニュアル(編纂中) 第 1 部データ集 1 章 トリチウムの物性 2 章 トリチウムと金属 3 章 トリチウムと非金属材料 第 2 部 トリチウム取り扱い 1 章 トリチウム取り扱い設備 2 章 トリチウム実験法 (3)‐ii 研究成果公表の状況 学会発表、論文発表、取得特許等の状況 計 学会発表(国内) 学会発表(海外) 招待講演 招待講演 918 11 784 37 発表論文 (査読有) 発表論文 (査読無) 総説/解説 書籍等 特許等 628 64 45 (書籍11) 3 (特許2) 公開シンポジウム等の開催状況 (1) (2) (3) (4) 24回の国際的に広く認知された国際研究集会等での発表・主催・共催・協力 8回の公開シンポジウムを企画・開催。 領域をまたがった1つのテーマについて公開ワークショプ等を開催し徹底討論。 原子力学会やプラズマ核融合学会等で特別シンポジウムを5回開催。 ホームページの設置と充実 2007年9月にホームページを開設(http://tritium.nifs.ac.jp/)、随時(月2回前後)更新。研究会や 各班会合の開催案内を「カレンダー」として掲載。また最新の研究成果報告資料は「プロジェクト資 料」として、議事録と共に、公開可能な報告資料はすべて公開。 ニュースレターの発行 現在までに31号のニュースレターを発行した。ニュースレターでは、各研究班の研究紹介、シンポ ジウム等の概要等を掲載すると共に、総括班からの研究進展に関してのコメント、要望を伝えた。ま た年度末には、評価委員の評価を掲載し、領域全体にその周知をはかっている。ホームページでも 公開すると共に、原子力学会・核融合工学部会及び核融合ネットワークのメーリングリストを利用し て広く送付している。 ITER での必要量 ~ 20kg 8 x1018 Bq 宇宙線等による生成 1.5 x 1017 Bq/year 自然界の平衡存在量 3 x 1018 Bq T 1g (4 x 1014Bq) 1021 1018 1015 1012 109 環境中の残留総量 ~ 1019Bq 1945年から1973年までの核実験 による生成量 3 x 1020 Bq 核製造施設等からの放出量 4~8 x 1016 Bq/y 106 103 規制が必要な レベル 0 Bq (6) 当該学問分野及び関連学問分野への貢献度 学術としての核融合炉におけるトリチウム理工学 10keV A班 プラズマ B班 プラズマ・壁 非線形・複雑系 相互作用 非平衡熱力学 励起状態 C班 温度 高温ガス 水素・材料相 互作用 表面反応 T 化合物 T水、有機T生成 水処理 T分離 希薄状態 RT 10Bq 10‐10 T取り扱い量 T濃度 1017Bq 50%(D/T=1) 超ワイドスケールの物理・化学(エネルギー変換)現象 マルチスケールのシミュレーションが必須 材料強度 弾性エネルギー 10‐12eV 10‐9eV 106s 103s 分子回転 10‐6eV 10‐3eV 100s 10‐3s 材料特性 ミクロ組織 拡散過程 変化 組成変化 外殻電子遷移 100eV 10‐6s 熱的過程 内殻電子遷移 103eV 106eV 10‐9s 10‐12s 質量変換 109eV 1012eV 10‐15s 衝突過程 イオン化過程 化学反応 10‐18s 核反応 低濃度のトリチウム挙動は (水(HTO)になるため)きわめて複雑 汚染/除染のためにはきわめて重要(トリチウム科学) 福島原発から放出されたCs 様々な場所でほっとスポット形成 水の蒸発跡 吉田(大内)浩子氏(東北大)による T測定と同技術 -> 計測/除染等で活躍 (6) 当該学問分野及び関連学問分野への貢献度 核融合の認知、およびトリチウム(放射線)に対する正しい理解を社会に広めるために 高等学校への出前授業 大学のオープンスクール 開放講座での講義、展示等 核融合炉についての広報、あるいは対話 ホームページ開設 http://www.qpn.kyushu‐u.ac.jp/lab8/activity_qanda.html http://www.qpn.kyushu‐u.ac.jp/lab8/activity.html 国際的な位置づけ 日本 トリチウム基礎研究で世界を主導、特に学術面での寄与は多大 ただし大量使用の経験者は少ない。 組織化と人材養成に寄与 ITERのため仏国のトリチウム規制対応の実務等に大きく貢献 欧州・ロシア トリチウム取り扱いには豊富な実績(非公開) T研究者のほとんどがITERの実務に、 → 基礎研究への余力無し 米国 トリチウム取り扱いには豊富な実績(非公開)、 T研究者は減少 ITERの最大の利用者になろうと画策(国内は物理に重点) 中国・韓国・インド 急激な研究の立ち上がり。実力不足は否めない 日本の貢献甚大 トリチウム理工学を確立、国際的にトリチウム理工学を先導 実用炉を日本に建設へ 核融合炉の受容性高揚のためトリチウムの正しい理解への啓蒙 (7) 研究計画に参画した若手研究者の状況 表1. 博士課程への進学者数 年度 東北大 H19 1 1 1 2 H20 H21 H22 東大 慶応大 1 6 計 名大 富山大 阪大 九大 その他 合計 1 1 1 3 2 6 8 4 3 3 2 26 2 1 3 2 1 H23 H24 静岡大 3 1 3 1 1 2 1 1 5 1 1 1 1 3 表2. 関連する研究分野の研究職への就職状況 日本原子力研究開発機構 研究員 任期付き研究員 3 核融合科学研究所 東京大学 玉川大学 徳島大学 助教 助教 助教 プロジェクト助教 2 4 表3. 博士研究員への採用状況 1 富山大学 合計 年度 H19 6 1 7 H20 H21 H19 H20 5 7 H22 H21 H23 H23 11(3) 10(1) 3(1) 12 1 表4.学生・院生・博士研究員の国際会議での報告数(第一著者) 日本原子力研 究開発機構 表5. 若手受賞 1 合計 H23 H24度 計 学部 修士 博士 博士研究員 計 0 2 9 5 7 0 23 12 20 14 33 29 2 110 15 15 8 11 17 3 69 0 0 3 5 1 4 13 27 37 34 54 54 9 215 若手研究者のみによるシミュレーション・モデルについての学会誌特集記事 科研特定領域事後評価ヒアリング資料 平成24年9月4日 (8) 総 括 1.各計画研究とも、当初設定した研究目標はほぼ達成することができた. 2.これにより領域全体としての期待される成果として当初掲げた (ⅰ) 核融合炉におけるトリチウムの挙動を定量評価できるようにし、ITERお よび引き続く核融合炉の燃料サイクル設計建設に大いに資する (ⅱ) 核融合炉におけるトリチウム挙動の解明により、安全かつ合理的な燃料 (トリチウム)サイクルを確立、 (ⅲ)その総括として新しいトリチウム科学ともいうべき学問分野を打ち立て るとともに、トリチウムに対する正しい理解を社会に広め、核融合炉の社会的受 容性を高める のうち、(i)および(ⅱ)はほぼ達成されたが、(ⅲ)のトリチウムに対する正しい理 解を社会に広め、核融合炉の社会的受容性を高める部分については、福島事故の 影響もあり、今後も継続した努力が必要である. 一方では、個々の持つ計測技術が、福島事故における放射線計測や、除染に役立 てられた. 3.若手の育成には大きな成果を上げた。将来のITERでトリチウムシステムを実際 に動かす際の人材(源)としての国際的な期待に添うこともできている. 4.領域発足当時、核融合領域でやや立ち後れ感のあったシミュレーション研究の 組織化、若手の人材育成に成功したことは、特記出来る成果である.
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