神経内科学

医療系研究科医学専攻博士課程
学
群:臨床医科学群
授業科目:神経内科学 (Neurology)
担 当 者:西山和利・飯塚高浩・滝山容子
教育目標
脳・神経系には多彩な機能があるが、そのメカニズムには未知の部分が多い。しかし、近年の脳科学研究に
はめざましいものがある。神経系の障害により生ずる疾患の病態についても徐々に明らかにされてきており、
神経疾患の研究が逆に基礎的研究全体を進歩させることも少なくない。これまで治療法がないといわれてきた
神経疾患の治療薬が開発されてきたことも研究の大きな成果である。
神経内科学の講義目標は、近年進歩の著しい分野を中心に解説し、脳神経系の機能と異常についての理解を
深めることにある。
教育内容
脳虚血、神経の変性、ニューロトランスミッターの異常、免疫の異常、ミトコンドリアの機能障害をきたす
疾患として、神経変性疾患、片頭痛、パーキンソン病、自己免疫性脳炎、MELAS 等を紹介する。それらの病態
がどのように研究され、どこまで解明されてきたか、さらには治療効果とメカニズムにつき解説する。講義は
interactive な形式で、実際の症例を提示しながら、臨床面からも病態を探る。
到達目標
神経内科で遭遇する様々な疾患の病態を理解する。神経系における解剖、生理、薬理、病理、生化の概念と、
疾患におけるこれらの動向とを対比しながら各種の病態を理解する。
講義テーマ
1 回目 急性期脳血管障害の治療総論(西山和利)
脳血管障害の急性期治療の動向を総括し、将来展望を考察する。
2 回目 脳血管障害の予防医学総論(西山和利)
本邦における脳血管障害の実際と課題、今後の展望について予防医学の観点から解説する。
3 回目 文化神経生理学(西山和利)
ヒトに特有の大脳機能の不思議さをいくつかのトピックを挙げて解説する。
4 回目 意識とその障害(西山和利)
意識とはどのように定義されるのか、またその障害を神経内科学の観点から解説する。また左右脳の
個別の意識の問題を検討する。
5 回目 認知症(西山和利)
認知とは何かを医学的に解説し、認知症総論を講義する。
6 回目 辺縁系と情動(西山和利)
ヒトの辺縁系について、その機能を解説する。
7 回目 錐体路とその障害(西山和利)
運動系システムの一つである錐体路について解説し、その障害を講義する。
8 回目 頭痛の基礎的知識と臨床(飯塚高浩)
頭痛における痛みの発生源はどこか、なぜ痛みを感じるのかを解剖も含め解説する。
9 回目 ミトコンドリア脳筋症の臨床と病態(飯塚高浩)
脳卒中様発作を特徴とする MELAS の病態と治療法について解説する。
10 回目 錐体外路とその障害(西山和利)
運動系システムの一つである錐体外路について解説し、その障害を病態論的に講義する。
11 回目 小脳とその障害(西山和利)
運動制御系である小脳とそれが関与する系について解説し、その障害を講義する。
12 回目 神経内科臨床における検査(西山和利)
神経内科の臨床の場で使われる様々な検査について解説する。
13 回目 パーキンソン病における DBS と最新治療(滝山容子)
パーキンソン病の病態と DBS の実際と臨床上の問題点について解説する。
14 回目 抗 NMDA 受容体脳炎の臨床と病態(飯塚高浩)
近年明らかになった抗 NMDA 受容体脳炎の病態と治療法について解説する。
15 回目 眼球運動のみかた(飯塚高浩)
一般臨床で役立つ異常眼球運動の診方、病態について解説する。
準備学習
神経内科学に関して医学部卒業に準じるレベルの知識を有するように準備することが必要である。特に図書
を指定しないが、神経内科学に関連する解剖、生理、薬理、病理、生化の知識を網羅することが望ましい。
成績評価基準
評価は面接と授業への積極的な参加との総合評価とする。なお欠席は減点とする。