銀被覆銅フィラーを用いた導電性接着剤の電気的特性

The Murata Science Foundation
銀被覆銅フィラーを用いた導電性接着剤の電気的特性
Electrical Property of Conductive Adhesives Using Silver Coated Copper Filler
A84121
派遣先 第2回エレクトロニクスシステムインテグレーション技術会議(英国・ロンドン)
期 間 平成20年8月31日~平成20年9月7日(7日間)
申請者 大阪大学 接合科学研究所 准教授 西 川 宏
ルガリア、スロベニア、ベラルーシ、イスラ
海外における研究活動状況
エル、イラン、アメリカ、カナダ、オースト
研究目的
ラリア、ブラジル、日本、シンガポール、台
低温実装用の鉛フリーはんだ代替材料とし
湾、韓国、中国、香港などから多くの研究者
て、導電性接着剤が注目を集めている。一般
の参加がみられた。また会場は、120年近い歴
に金属フィラーとしては銀粒子が用いられて
史をもつグリニッジ大学・グリニッジキャン
いるが、耐マイグレーション性やコストなど
パス(図1参照)でおこなわれ、歴史を感じな
の面から広く使用されるには至っていない。
がらの会議であった。
そこで、金属フィラーに安価な銅粒子を用い
会議自体は、4件のキーノートスピーチと4
ることを目指した研究を行っている。今回は、
件の特別招待セッションを含む、6つのセッ
銅粒子に銀被覆をおこなった粒子を導電性接
ションが平行するような形で一般講演がおこ
着剤に適用した際の導電性接着剤の電気的特
なわれた。具体的には、先進パッケージング
性について評価した結果について発表をおこ
技術、新材料・プロセス、モデリング・シミュ
なった。
レーション・デザイン、パワーエレクトロニ
クス、マイクロ・ナノシステム信頼性、オプ
海外における研究活動報告
トエレクトロニクスなどのトピックス毎に最
今回、2008年9月1日から4日までの4日間
先端の研究成果発表がおこなわれた。私は、
にわたってイギリス・ロンドンで開催された
9月3日午後のNew Materials and Processes:
「2 Electronics System-Integration Technology
Advancements in adhesives, encapsulants,
Conference (ESTC 2008)」に参加した。この
underfills, solder alloys (1) のセッションで、
nd
会議は、まだ第2回の開催であるが、欧州で開
「Electrical property of conductive adhesives
催されるエレクトロニクスパッケージング関係
using silver coated copper filler(銀被覆銅フィ
の最大級の国際会議であり、今回は地元・イ
ラーを用いた導電性接着剤の電気的特性)」
ギリスを筆頭に、フランス、ドイツ、イタリア、
という題目で研究成果発表をおこなった。具
オランダ、ベルギー、デンマーク、スェーデン、
体的には、低温実装用の材料として注目され
ノルウェー、フィンランド、スイス、ルーマ
ている導電性接着剤に関する研究成果として、
ニア、ハンガリー、ポーランド、チェコ、ブ
特に次の2点について発表をおこなった。1点
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Annual Report No.23 2009
は、金属フィラーとして新規の銀被覆銅フィ
いの研究内容について意見交換をおこなうと
ラーを適用した際の導電性接着剤の電気的特
ともに、今後の共同研究立ち上げや学生交流
性とその信頼性評価に関すること、2点目はそ
の可能性についても議論をおこなった。イギ
の特性を大きく支配する金属フィラー表面観
リスにおける大学を取り巻く研究環境などに
察・分析に関することについて発表をおこな
ついても学ぶことができ非常に有意義な一日
い、発表に対しては今後も研究を進めていく
となった。
上で有益な意見等を得ることができた。
末筆ながら、今回の海外渡航に対し助成い
また会議終了の翌日には、これまでから親
ただいた財団法人村田学術振興財団に深く感
交のあるグリニッジ大学の教授・N d y E k e r e
謝致します。
先生のもとを訪問した(図2参照)。彼の研究
この派遣の研究成果等を発表した
室は、グリニッジから車で1時間ほどのミッド
ウェーキャンパスにあり、ここも煉瓦作りの
建物からなる落ち着いた雰囲気のキャンパス
であり、研究活動にはうってつけの場所であ
るように思えた。Ekere先生からは現在進行中
の研究テーマなどについて説明を受け、お互
図1 グリニッジ大学・グリニッジキャンパスの建物
著書、論文、報告書の書名・講演題目
H. Nishikawa, S. Mikami, N. Terada, K. Miyake,
A. Aoki and T.Takemoto: Electrical property of
conductive adhesives using silver coated copper
filler, Proc. of 2 nd Electronics System-Integration
Technology Conference, pp.825-828, 1 st -4 th
September 2008, Greenwich, London, UK.
図2 グリニッジ大学・ミッドウェーキャンパスの図書館
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