製 品 安 全 デ ー タ シ ー ト - 武藤化学株式会社

製 品 安 全 デ ー タ シ ー ト
会 社 名 武 藤 化 学 株 式 会 社
住
所 〒113-0033 東京都文京区本郷2-10-7
担当部門
学術課
緊急連絡先/受付時間:月曜日~金曜日、9:00~17:00
電話番号:03-3814-5511
FAX:03-3815-4832
MSDS番号
改訂作成
アンモニアック銀液
製品名
2010年9月21日
Ammoniacal Silver(Nitrate) solution
PRTR法対象品
物質の特定
単一製品、混合物の区別:混合物
含有成分
化学名
硝酸銀
含有量(100ml中)
化学式
官報公示整理番号
(化審法)
(安衛法)
CAS No.
約 2g
AgNO 3
1-8
7761-88-8
水酸化カリウム
アンモニア水
精製水
約 0.4 g
KOH
1-369
約 0.8ml
NH 4 OH
1-391
約99ml
H 2O
1310-58-3
7664-41-7
国連分類
特化則第3類
国連番号
1493
1813
1005
注:本品の原料成分は上記の4種類だが、本液中の主成分は下記化学反応式のごとく
銀アンモニア錯体(Silver diamine)(H 3N-Ag +-NH 3)である。
AgNO 3 +
KOH → AgOH↓ + KNO 3
2AgOH → Ag 2O↓ + H 2O
Ag 2O + 4NH 3 + H 2O → 2H 3N-Ag +-NH 3 +2OH -
危険有害性の分類
分類の名称:腐食性物質、爆発性物質
有害性:皮膚に触れた場合、皮膚を腐食し、その部分は灰色を呈する。
眼に入った場合、結膜や角膜が激しく侵される。
本液の液性ないしpHは弱アルカリ性であり、そのアルカリによる
腐食性は弱い。しかし銀イオンの一般的な腐食性が考えられる。
また保存のさい、光等により爆発性の雷銀が形成され、爆発の危険
がある。
応急処置
目に入った場合:直ちに清浄水で十分に洗い流す(まぶたを親指と人さし指で広げ、
眼をあらゆる方向に動かす)。
皮膚に付着した場合:直ちに汚染された衣服やくつをぬがせる。直ちに付着部位又は接触
部を石けん水で洗浄し、多量の水で十分に洗い流す。
飲み込んだ場合:直ちに口をすすぐ。
火災時の措置
本液は引火の危険性はない。が、周辺火災の場合、容器が破損しな
いよう速やかに容器を安全な場所へ移す。
漏出時の措置
腐食性が強いので、作業のさいは必ず保護具、ゴーグル等を用意す
る。必要があれば漏れた場所の周辺にロープをはるなどして立入り
を禁止する。
少量のこぼれ:漏れだした本液を多量の水で希釈して洗い流す。
多量のこぼれ 塩化ナトリウム水溶液を加え、塩化銀として沈殿させ、生成した塩
化銀を回収する。
取扱い及び保管上の注意
冷暗所密栓保存を厳守する。
本品は保存条件が悪いと爆発性の雷銀(Silver nitride or Silver azide)を形
成し爆発の危険がある。その爆発性の雷銀の形成は光により、また容器の汚れ(銀
が容器の壁に銀鏡状に析出したもの)により促進されるので、本品は必ず遮光して
冷暗所かつ密栓して保存する。密栓しないと液が蒸発し、液の濃縮により、爆発性
の結晶(雷銀)が生じやすくなる。
本液を使用するさい清浄な容器へ移し替えること。また一旦他の容器に移し替えて
使用した液は保存せずに、適切な方法により廃棄すること(雷銀の形成を防ぐため)。
暴露防止措置
(硝酸銀について)
ACGIH許容濃度 TWA(mg/㎥):0.01Ag
日本産業衛生学会許容濃度(mg/㎥) :0.01Ag
設備対策:洗眼施設及び身体洗浄施設を設置する。
保護具:保護眼鏡、保護手袋、保護長靴、保護衣
物理/化学的性質
外 観:無色の液体
pH :中性~弱アルカリ性
水溶解性:水溶性。水と任意の比率で混和する。
用 途 :本液は主に組織切片、特に好銀性の細網線維の染色に使用される
危険性情報
発火の危険性はないが、爆発の危険性がある。
爆発性については「取扱及び保管上の注意」の項を参照。
有害性情報
本品についての直接の有害性情報はなし。
硝酸銀についての有害性情報を記す。
急性毒性:マウス、腹腔内、LD 50 23.783 mg/kg
マウス、経口、LD 50 50 mg/kg
慢性毒性:知見なし
がん原性(微生物、染色体異常):知見なし
生殖毒性:知見なし
催奇形性:知見なし
環境影響情報
分解性、蓄積性、魚毒性についての知見なし
廃棄上の注意
塩化ナトリウム水溶液を加え、塩化銀として沈澱させ濾過回収する。
都道府県知事の許可を得た廃棄物処理業者に委託処理する。
輸送上の注意
「取扱い及び保管上の注意」、「漏出ときの措置」の項を参考にして注意して
輸送する。
適用法規
PRTR法:第1種指定物質(政令82「改定前:政令第64号」)
労働安全衛生法:施行令第18条の2名称等を通知すべき危険物及び有害物
(政令第137号)
毒劇物取締法:非該当
危険物船舶運送及び貯蔵規則には規定されていないが、腐食性の銀が含まれるの
で、本規則に準じての取扱が望まれる。
引用文献
1)化学物質安全性データブック、化学物質安全情報研究会編、オーム社、1994年
2)危険物データブック(第2版)東京消防庁警防研究会監修 丸善 1993
3)Titford M.;Safety Considerations in the Use of Silver Stains,The Journal
of Histotechnology Vol. 19, No.3, 197, 1996
危険、有害性の評価は必ずしも十分ではないので、注意してご利用ください。
記載内容の問い合わせ先
武藤化学株式会社
学術課
TEL:03-3814-5511