平成15年9月12日認定(PDF形式:26KB) - 経済産業省

経済産業省
産業再生課
トヨタファイナンシャルサービス株式会社の
産業活力再生特別措置法に基づく
事業再構築計画のポイント
トヨタ自動車㈱の新規事業として開始した自動車販売金融事業は、順調に
拡大している。
この自動車販売金融事業の事業基盤を強固にするため、増資による経営
基盤の強化を図るとともに、新商品の投入やIT活用等による取り組みにより、
生産性の向上を目指す。
支援措置
トヨタ自動車㈱
①増資(150億円)
登録免許税
の軽減 ①
トヨタファイナンシャルサービス (認定事業者)
登録免許税
の軽減 ②
②増資(150億円)
トヨタファイナンス
(関係事業者)
③新商品の投入やIT活用等により、営業収益
を向上
【生産性の向上】
・従業員一人当たり付加価値額を約64%向上。
【財務内容の健全性】
・有利子負債/キャッシュフロー 10倍以内
・経常収支比率 100%以上
【事業革新】
・自動車クレジット取扱高の伸び率を、過去三事業年度における当該業界
の自動車クレジット取扱高伸び率56%に比べて、18%ポイント向上。
【従業員の推移】
・1475名→2113人(638人増)(新規採用は901名)
・出向・解雇の予定はない。
様式第三
認定事業再構築計画の内容の公表
1.認定した年月日 平成15年9月12日
2.認定事業者名
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
3.認定事業再構築計画の目標
(1) 事業再構築に係る事業の目標
わが国の自動車産業は、生き残りをかけたグローバル規模での厳しい競争に直面している。
平成12年7月にトヨタ自動車(株)の金融統括会社として設立した当社は、トヨタの自動車販売
金融分野を強化・効率化することにより、一層の自動車販売の促進を図ることをその目的として
いる。
当社設立後、トヨタ自動車(株)の新規事業として平成13年4月に開始したクレジットカード事
業(トヨタティーエスキュービックカード)
は、平成15年6月末現在で会員数376万人と順調に拡
大している。このカード事業の基盤固めの為、500万人会員の早期達成に向けて取組んでい
るが、加えて、損益基盤強化の為に、トヨタファイナンシャルサービス㈱においては、競争力の
ある新商品・新サービスの開発導入やトヨタ販売店に対しマーケティング支援の一環として共
同取組みを展開し連携強化を推進、また、トヨタファイナンス㈱においては業務効率の抜本的
な改善、カスタマーサービスの改善、商品性の見直しと利用率の向上等グループ一体となった
取組みが必要と考えている。
また既存の自動車販売金融事業においては、厳しい金融環境の下、重要度を増すキャプ
ティブとしてのミッション貫徹と利益体質の再強化及び販売店、トヨタグループ各社における多
様化ニーズへの「
ファイナンシャル・サポート」提案力の一段の強化による事業構造の活性化、
強化が必要と考えている。これら国内の金融事業のより一層の成長・強化の為には、資本の増
加によるトヨタファイナンス(株)の財務基盤をより強固なものとしておく必要がある。
(2) 生産性の向上を示す数値目標
平成17年度には平成14年度に比べて従業員1人当たり付加価値額を約64%向上させる。
4.事業再構築の内容
(1)事業再構築に係る事業の内容
①中核的事業
自動車販売金融事業
②選定理由
平成12年7月にトヨタ自動車(株)が国内外の販売金融子会社等の株式を特定現物出資す
ることで設立した当社は、「トヨタのお客様を中心に健全な金融サービスを提供し、豊かな生活
に貢献する」ことをミッションと考えている。
この実現の為、国内においては、トヨタファイナンス(株)が平成13年4月に国内自動車メーカ
ー直系企業として初めて自前化クレジットカードである「トヨタティーエスキュービックカード」を
発行した。また、従来の自動車販売金融事業においても、競争力のある新商品・サービスの開
発による割賦全体の底上げ、トヨタ販売店の個別ニーズに対応する提案型ビジネスの推進、リ
ース・住宅ローン・
保険等自動車以外のビジネスの発展による事業の拡大が必要と考えている。
この様に、トヨタ自動車(株)の自動車販売事業を支援するカード事業を含めた自動車販売金融
事業を中核的事業と位置づける。
③事業再構築に係る事業の内容
厳しい金融環境の下、重要度を増すキャプティブとしてのミッション貫徹と利益体質の再強化
及び販売店、トヨタグループ各社における多様化ニーズへの「
ファイナンシャル・サポート」提案
力の一段の強化による事業構造の活性化のため、当社の株式の100%を保有するトヨタ自動
車株式会社を引受先とする増資を実施し財務基盤の強化を図る。
(事業の構造の変更:増資)
・増資
トヨタファイナンシャルサービス㈱はトヨタ自動車㈱の全額引受による増資を受ける。
増資額:150億円(うち75億円を資本金へ組み入れ)
増資前の資本金:675億25百万円
増資後の資本金:750億25百万円
増資の方法:トヨタ自動車㈱の全額引受
増資予定日:平成15年9月下旬
また、自動車販売金融事業の拡大を図るため、当社が100%の株式を保有するトヨタファ
イナンス㈱に対し当社を引受先とする増資を実施し財務基盤の強化を図る。
・増資
トヨタファイナンス㈱はトヨタファイナンシャルサービス㈱の全額引受による増資を受ける。
増資額:150億円(うち75億円を資本金へ組み入れ)
増資前の資本金:90億円
増資後の資本金:165億円
増資の方法:トヨタファイナンシャルサービス㈱の全額引受
増資予定日:平成15年9月下旬
(事業革新)
1.新商品の積極投入
お客様の利便性を考慮したオリジナルな商品の開発を積極推進し、他金融機関に比べ、
競争力のあるクレジット、リースあるいは融資商品等を提供することにより、トヨタ販売店およ
び日野自動車・ダイハツといったグループ会社との取引シェアをさらに拡大し、自動車の販
売促進をよりサポート出来るようにしていく。また、オートリース等に於いても先行的なシステ
ム投資を行い、多様な顧客の嗜好に対応できる商品ラインアップとし、現在の扱いへの上積
みを図っていく。
特に平成17年立ち上げ予定のレクサス店に対しては独自の金融商品を開発・
提供するこ
とによりレクサス店のブランドイメージ構築に寄与すると共に顧客にとって一段と高い利便性
を提供する。
2.I
T活用による利便性と効率の向上
販売店からの自動車ローン申し込みを現在のファクシミリからWEB に変更、併せてオート
スコアリングによる自動審査化を推進することにより審査回答の迅速化、夜間受付対応化等
を実現。これにより顧客、販売店の利便性向上と当社内オペレーションの効率化を図り、サ
ービス性の向上による競争力の向上、扱い高の増大を期す。
また、取引先販売店に対しても WEB にて各種情報を提供、重要情報や詳細データをア
ップツーデート化し当社営業マンの営業活動の効率的なサポートを行うことにより、扱い高の
向上を図る。
3.カードビジネスと販売金融の連携強化
お客様のカード利用(
ポイント蓄積)
が、販売店の車両販促へと繋がることの理解活動を強
力に推進する。具体的には、販売店マーケティング支援の一環として、カード利用明細書の
活用(
販売店チラシの封入、「販売店独自メッセージ」
挿入)や販売店への各種利用データ
の提供(
高ポイント蓄積の会員リスト、カード決済比率 等)等、販売店との共同取組を展開す
る。最終的には、カード利用による車両販促が割賦取扱の増強に寄与するとともに、販売店
とのさらなる連携強化の実現を目指す。
4.抜本的な改善活動の推進
一段の体制強化を狙い、全社BPR(
ビジネス・プロセス・リフォーム)プロジェクトを発足。大
きなテーマとしては、①全国7支社/センター間業務の全体最適化 ②東京/名古屋両セ
ンター間の機能集約・再編 ③回収業務の再構築、を掲げ、品質・
効率の追求に向け、全社
一丸となった改善活動を展開する。
以上の施策より、平成14年度に比べて平成17年度にはクレジット取扱高を74%増加させ、
過去3事業年度の業界全体の伸び率(56%)を18%ポイント上回る予定である。
(2)事業再構築を行う場所
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
愛知県名古屋市中区錦二丁目18番19号
トヨタファイナンス株式会社
東京都江東区東陽6−3−2
(3)関係事業者
トヨタファイナンス株式会社
当社が発行済株式の総数を所有するため関係事業者に該当する。
(4)事業再構築を実施するための措置
別表のとおり
(5)事業再構築に伴う設備投資
なし
(6)営業譲渡に伴う不動産の譲渡
なし
5.事業再構築の実施時期
開始時期:平成15年9月
終了時期:平成18年3月
6.事業再構築に伴う労務に関する事項
(1)事業再構築の開始時期の従業員数 (平成15年8月1日現在)
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
トヨタファイナンス株式会社
計
99 名
1,376 名
1,475 名
(2)事業再構築の終了時期の従業員数(
平成18年3月31日)
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
トヨタファイナンス株式会社
計
(3)事業再構築に充てる予定の従業員数(
平成18年3月31日)
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
トヨタファイナンス株式会社
113 名
2,000 名
2,113 名
113 名
2,000 名
計
2,113 名
計
6 名
895 名
901 名
(4)(3)中、新規採用される従業員数
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
トヨタファイナンス株式会社
(5)事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
トヨタファイナンス株式会社
別表
事業再構築の措置の内容
措置事項
出向及び解雇の予定はない
出向及び解雇の予定はない
実施する措置の内容及びその実施する時期
期待する支援措
置
事業の構造の変更
資本の相当程度の増加に・トヨタファイナンシャルサービス㈱
租税特別措置法
よる中核的事業の開始、当社は、この度株式の100%を保有するトヨタ自 第80条の2
拡大又は能率の向上
動車株式会社より増資を受け、新商品、新サービ (認定事業再構築
スの開発やトヨタ販売店に対するマーケティング 計画等に基づき行
支援の一環としての共同取組みの展開による連 う登記の税率の軽
携強化等を行なう。
減)
増資前資本金:675億25百万円
増資予定金額:150億円
(うち資本金組み入れ額は75億円)
増資時期:平成15年9月下旬
増資の方法:トヨタ自動車㈱の全額引受
・トヨタファイナンス㈱
当社は、この度株式の100%を保有するトヨタフ
ァイナンシャルサービス株式会社より増資を受
け、実施3年目に入ったクレジットカード事業及び
従来からの自動車販売金融事業の拡大を図る。
増資前資本金:90億円
増資予定金額:150億円
(うち資本金組み入れ額は75億円)
増資時期:平成15年9月下旬
増資の方法:
トヨタファイナンシャルサービス(株)の全額引受
事業革新
第2条第2項第2号○
ハ
1.新商品の積極投入
(新たな需要の相当程度
お客様の利便性を考慮したオリジナルな商
の開拓)
品の開発を積極推進し、他金融機関に比べ、
競争力のあるクレジット、リースあるいは融資商
品等を提供することにより、トヨタ販売店および
日野自動車・ダイハツといったグループ会社と
の取引シェアをさらに拡大し、自動車の販売促
進をよりサポート出来るようにしていく。また、オ
ートリース等に於いても先行的なシステム投資
を行い、多様な顧客の嗜好に対応できる商品ラ
インアップとし、現在の扱いへの上積みを図っ
ていく。
特に平成17年立ち上げ予定のレクサス店に
対しては独自の金融商品を開発・提供すること
によりレクサス店のブランドイメージ構築に寄与
すると共に顧客にとって一段と高い利便性を提
供する。
2.I
T活用による利便性と効率の向上
販売店からの自動車ローン申し込みを現在の
ファクシミリからWEB に変更、併せてオートスコ
アリングによる自動審査化を推進することにより
審査回答の迅速化、夜間受付対応化等を実
現。これにより顧客、販売店の利便性向上と当
社内オペレーションの効率化を図り、サービス
性の向上による競争力の向上、扱い高の増大
を期す。
また、取引先販売店に対してもWEB にて各
種情報を提供、重要情報や詳細データをアッ
プツーデート化し当社営業マンの営業活動の
効率的なサポートを行うことにより、扱い高の向
上を図る。
3.カードビジネスと販売金融の連携強化
お客様のカード利用(ポイント蓄積)が、販売
店の車両販促へと繋がることの理解活動を強力
に推進する。具体的には、販売店マーケティン
グ支援の一環として、カード利用明細書の活用
(販売店チラシの封入、「販売店独自メッセー
ジ」
挿入)や販売店への各種利用データの提供
(高ポイント蓄積の会員リスト、カード決済比率
等)等、販売店との共同取組を展開する。最終
的には、カード利用による車両販促が割賦取扱
の増強に寄与するとともに、販売店とのさらなる
連携強化の実現を目指す。
4.抜本的な改善活動の推進
一段の体制強化を狙い、全社BPR(ビジネス・
プロセス・リフォーム)プロジェクトを発足。大きな
テーマとしては、①全国7支社/センター間業務
の全体最適化 ②東京/名古屋両センター間の
機能集約・再編 ③回収業務の再構築、を掲げ、
品質・
効率の追求に向け、全社一丸となった改善
活動を展開する。
以上の施策により、平成14年度に比べて平成17
年度にはクレジット取扱高を74%増加させ、過去
3事業年度の業界全体の伸び率(56%)を18%
ポイント上回る予定である。