流体力学Ⅰ - 埼玉工業大学

埼玉工業大学期末再試験問題用紙(流体力学Ⅰ)
解答上の注意:解答にあたっては,思考の過程が明確にたどれるように配慮すること.結果だけの答案は採点しない.数値
を用いる問題の場合,計算式中には単位を明記し,結果の単位を計算によって導くこと.ただし,記号の問題においては単
位は不要である.
1.図1に示すような状態(AB, BC, CD 間の高度差は 2.00m,5.00m,1.00m)で,
B,C,D 点におけるゲージ圧を有効桁数に注意して求めよ.ただし,油の比重
は 0.920,水銀の比重は 13.6,重力加速度 g は 9.81m/s2,A 点における圧力は大
気圧とする.
2.円管内の流れが層流で,流れが充分に発達した領域においては,半径 R の円管
内の流速分布は,管軸に沿って z 軸をとった円柱座標を用いて,vz = U (1 – r2/R2)
図1
と表される.ここで,U は中心軸上の最大流速である.このとき,(1) 体積流量 Q はいくらか.(2) 管
内平均流速 v はいくらか.
3.質量 M の物体を比重 s の油に入れたところ,物体は完全に沈み,見かけの質量は m になった.水
の密度をρw,重力加速度を g として,以下の設問に答えよ.
(1) この物体に働いている浮力 B を,与えられた記号を用いて表せ.
(2)
(3)
物体の体積を V として,浮力 B を V を含む記号を用いて表せ.
(1)と(2)の結果を利用して,物体の密度ρを求めよ.ただし,B と V を用いないこと.
4.図2のように一部がくびれた水平な円管内を密度ρの流体が流れている.断面①および②における管径
をそれぞれ d1, d2,中心軸上における圧力を p1, p2,管内平均流速を v1, v2 とする.断面①および②にお
ける圧力は,液柱計(マノメータ)の中心軸から測った水位 H1 および H2 によって測定する(H1 – H2 =
H とおく)
.このような装置はヴェンチュリ管と呼ばれ,断面①と②における圧力差を測定して流量 Q
を求める装置である.密度は一定で,粘性による摩擦は無視してよいとして,以下の手順で流量 Q を
求めることを考える.
(1) ①における流量 Q を d1, v1 を用いて表せ.
(2) 流れが定常であるとして,断面①と断面②に連続の
法則を適用し,d1, d2, v1, v2 の間の関係式を求めよ.
(3) 管の中心軸上を流れる流体に対してベルヌーイの
定理を適用して,圧力差 p1 – p2 をρ, v1, v2 のみを用
いて表せ.
(4) 圧力差 p1 – p2 を液柱計の水位差 H を使って表せ.
ただし,重力加速度を g とする.
図2
(5) (3),(4)の結果から流速 v1 を g, H, d1, d2 のみを用いて表せ.
(6) 流量 Q を g, H, d1, d2 のみを用いて表せ.
2009 年 9 月 4 日(金) 所要時間 50 分
科目
担当者
学科名
年次
流体力学Ⅰ
小林 晋
機械工学科
2
注意 筆記用具と電卓以外の持ち込みはいっさい許可しない。不審な挙動はしないこと。試験中に
近所の答案を参照したり、他人に参照させることは不正行為に相当し、厳しい態度で処置します。