マークス秋葉原

設計
(有)F&N総合設計
構造
(株)ジェーエスディー
監理
(有)F&N総合設計、
(株)ジェーエスディー
マークス秋葉原
超高層建築
一階梁下と基礎の間に免震層を設けた基礎免震構造
低層部はアーチ構造、上層部は耐震壁付きラーメン構造とし、
さらに、上部構造をPC鋼線を配線させたPRC構造を採用した。
ERI-H07008
評価年月日
平成19 年 9 月 14 日
1階階高
3.2 m
認定番号
HNNN-2534
地階階高
0.0 m
認定年月日
平成19年 11 月 5 日
*建築物概要
建築場所
用途
基準階階高
2.7m,2.8m
評価番号
基礎底深さ
設計 GL−7.45m
*地盤
東京都千代田区神田須田町二丁目19番4
設計用 G.L
設計用地下水位
ビジネスホテル
G.L-m
地盤
N値
0∼-4.21
埋土
2∼2
敷地面積
583.56 ㎡
建築面積
329.85 ㎡
-4.21∼-8.41
シルト質細砂
1∼3
延べ面積
4,824.48 ㎡
土 質
-8.41∼-12.91
シルト
1∼3
188.28 ㎡
及 び
-12.91∼-18.21
細砂
14∼24
地上
25 階
N 値
-18.21∼-25.01
シルト
7∼15
地下
0階
-25.01∼-28.41
細砂
60∼
塔屋
1階
基準階面積
軒の高さ
70.65m
建築物の高さ 71.30m
最高部の高さ 76.35m
免震層伏図
液状化の有無
稀に発生する地震動:無 極めて稀に発生する地震動:無
基準階伏図
軸組図
日本ERI株式会社性能評価シート −超高層建築−
ERI-H07008
○構造概要
*基礎構造
SUPERニーディング工法(三谷セキサン(株)、認定番号TACP-183)
(上杭:高強度SC杭、中杭:高強度PHC杭、下杭:節付PHC杭)
杭 径
1200φ、1100φ
先端長さ(杭長) GL-27.55m(杭長20m)、GL-27.85m(杭長22m)
2
材料
高強度コンクリートFc=105N/mm ,鋼管STK490
許容支持力度 長期 8557kN/m2 短期 18511kN/m2 引抜 -kN/m2
杭加重度
長期 7906kN/m2 短期 12736kN/m2 引抜 -kN/m2
杭種別
免震U型
ダンパー
5基
形
状
寸
法
・
数
量
板厚(mm)
履歴減衰部材料
降伏せん断力(KN)
初期剛性(KN/m)
2次剛性(KN/m)
弾性限界変位(mm)
限界変位(mm)
装置高さ(mm)
アンカープレート
頭付スタッド
*主体構造
地上階 :プレストレスト鉄筋コンクリート造
地下階 :鉄筋コンクリート造
耐力壁・その他 鉄筋コンクリート造
2
2
柱
:Fc=50N/mm (1F∼5F)、Fc=40N/mm (6F∼10F)
2
Fc=36N/mm (11F∼15F)、Fc=30N/mm2(16F∼25F)
梁
:Fc=50N/mm2(1F∼6F)、Fc=40N/mm2(7F∼11F)
Fc=36N/mm 2(12F∼16F)、Fc=30N/mm2(17F∼RF)
耐震壁 :Fc=50N/mm2(1F∼5F)、Fc=40N/mm2(6F∼10F)
柱・梁
Fc=36N/mm 2(11F∼15F)、Fc=30N/mm2(16F∼25F)
断 面
基礎
:Fc=36N/mm2
材 料
鉄筋
:D16以下:SD295A,D19∼D22:SD345,D25以上:SD390
PC鋼線 :21.8φ、28.6φ:SWPR19L
PC鋼棒 :23φB種:SBPR930/1080
本建物においては、以下の特殊な材料が用いられており、法第37条第
二号の認定を受けたものを用いることとしている。
認定番号
骨組形式・種別
・呼び強度45N/mm2を超えるコンクリート
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリート造(Fcは梁のFcによる)
鉄筋コンクリート造(Fcは梁のFcによる)
ALC,完全スリット付鉄筋コンクリート造
軽量鉄骨下地ボード貼り
本建物は免震構造を採用し、1F∼3Fまでは大アーチ架構、4F∼25F
まではPC鋼線を配線させたラーメン架構でPRC造として計画している。
1F∼10F部分はスラブ厚280mm、350mm、大アーチフレームの厚さ
700mmとして重量を大きく、11F以上をスラブ厚180mmとして重量を小さく
することによって建物全体の重心位置を低い位置に抑える構造計画を
行っている。その結果、地震時の転倒モーメントから求まる建物の高さ方
構造上の特色
向の重心位置は33.7mとなり、建物高さの半分以下の高さに重心が位置
する計画となった。また、重心コントロールに加えて、柱数本の集約化を
図り、免震層に引抜対策に有効となるように、アーチ脚部のスタンスを大
きくするために、アーチ架構は建物外周に計画している。
4F以上の上部構造フレームにはPC鋼線を配線させることで、ひび割
れが少なく、耐久性の高い構造計画を行った。
柱梁接合部
床形式
屋根形式
外壁
非耐力壁
内壁
耐火被覆
*免震部材
天然ゴム
積層ゴム
8基
ゴムの物性
変形限界
認定番号
形
状
寸
法
・
数
量
950φ
2
31.8
5.1
15
950
1100φ
1
31.5
5.1
15
1100
7.1mm×26層 8.3×26層
1200φ
5
31.7
5.1
15
1200
9.0×26層
PL-4.5×25層 PL-4.5×25層 PL-4.5×25層
407.1
438.3
456.5
5
5
5
基数
1次形状係数:S1
2次形状係数:S2
2
ゴム面圧(N/mm )
有効ゴム外径(mm)
ゴム層厚
内部鋼板(mm)
装置高さ(mm)
被覆ゴム(mm)
フランジプレート(mm) PL-32×1250φ PL-32×1400φ PL-32×1500φ
アンカープレート(mm)
PL-32
PL-32
PL-32
アンカーボルト( )
12-M30
12-M36
12-M36
頭付スタッド
24-22φ
24-22φ
24-22φ
天然ゴム、充填材等
材料
0.39
せん断弾性率(N/mm2)
600%以上
破断伸び(%)
引張強度(N/mm2)
1
歪みγ=400%
MVBR-0300(昭和電線デバイステクノロジー(株))
免震鉛
ダンパー
5基
形
状
寸
法
・
数
量
鉛径(mm)
降伏せん断力(KN)
初期剛性(KN/m)
2次剛性(KN/m)
限界変位(mm)
装置高さ(mm)
フランジプレート
アンカープレート
アンカーボルト
頭付スタッド
認定番号
NSUD50×8
40
SN490B
464
16600
288
27.9
750
415
PL-40×900×900
16-22φ
MVBR-0274
新日鐵エンジニアリング(株)
NSLD2426
φ260
220
30000
0
800
924
PL-38×750×750
PL-25×850×850
8-M36
8-22φ
MVBR-0111
新日鐵エンジニアリング(株)
*荷重
積載荷重
積雪荷重
2
床用(N/m )
1000
1800
2900
最深積雪量 300mm
単位積雪量 20N/m2
最上階
基準階
最下階
架構用(N/m2)
600
1300
2600
地震用(N/m2)
400
600
1600
*設計風圧力
設計風圧力
建築基準法施行令第87条による
基準風速 34m/sec
地表面粗度区分 Ⅲ
アスペクト比 4.1
*耐震設計
1次
2次
1.67
0.66
1.58
0.61
予備解析による分布形状
設計用
最下階
基準階
せん断
X方向
0.1
0.17
力係数
Y方向
0.1
0.17
ラーメン 100%(アーチ架構)
57.2%
地震 X方向 耐力壁
0.0%
42.8%
力分
86.0%
担率 Y方向 ラーメン 100%(アーチ架構)
14.0%
0.0%
耐力壁
地域係数 Z
1.0
地下部分の水平震度K 0.4
地盤種別 第2種地盤 Tg=0.54(秒)
上部構造設計
用固有周期
T(秒)
日本ERI株式会社性能評価シート −超高層建築−
方向
X方向
Y方向
分布形
ERI-H07008
3次
0.42
0.39
最上階
0.23
0.23
55.0%
45.5%
19.5%
80.5%
*振動系モデル
*応答結果
入力レベル
上部構造
地震動レベル
下部構造
免震装置
レベル1
短期許容応力度以内
稀に発生する
地震動
耐震性能目標
層間変形角1/300以内
極めて稀に
発生する地
震動
振動モデル
一次
固有
周期
短期許容応力
度以内
短期許容応力度以内
短期許容応力
度以内
層間変形角1/200以内
設計許容変形
(0.20m,γ=109%)以内
レベル2
積層ゴム支承の引張
応力度0.0N/mm2以内
設計許容変形
(0.40m,γ=217%)以内
最大
せん断力係
数
積層ゴム支承の引張
応力度1.0N/mm2以内
微小変形時
レベル1 *1
レベル2 *2
2
18.5
37
積層ゴムのせん断歪
11%
100%
200%
X方向(s)
2.24
4.12
4.90
Y方向(s)
2.20
4.11
4.86
上部構造:トリリニア(PSモデル)
免震材料:天然ゴム系積層ゴム:線形弾性
鋼製ダンパー:バイリニア、鉛ダンパー:バイリニア
減衰定数
免
震
層
面圧
(N/mm2)
26質点系等価せん断型モデル
免震層変位(cm)
復元力特性
最大相対変
位(cm)
頂部最大
絶対加速度
(cm/sec2)
上
部
構
造
最下階最大
せん断力係
数
上部構造:内部粘性減衰(一次振動数に対してh1=3%)
免震材料:h1=0%として、ダンパー部材の履歴減衰のみ
レベル2
レベル2
レベル1
レベル2
レベル1
レベル2
レベル1
最大
層間変形角
レベル2
*採用地震波
採用地震波
最大加速度
2
(cm/s )
・速度(cm/s)
レベル1
地震波
レベル1 *1
レベル2 *2
EL CENTRO1940NS
255.4(25.0)
510.8(50.0)
TAFT 1952 NS
242.8(25.0)
485.7(50.0)
HACHINOHE 1968 EW
127.7(25.0)
255.4(50.0)
ART-KOBE-L1(神戸以相)
103.0(11.3)
ART-HACH-L1(八戸位相)
95.1(10.8)
ART-RAMD-L1(乱数以相)
86.1(9.7)
ART-KOBE-L2(神戸以相)
440.0(55.5)
ART-HACH-L2(八戸位相)
444.0(57.8)
ART-RAMD-L2(乱数以相)
445.0(57.5)
方向
最大値
階
地震動
X方向
11.2
−
HACHINOHE 1968EW
Y方向
12
−
HACHINOHE 1968EW
X方向
26.4
−
ART-KOBE-L2(神戸位相)
Y方向
26.7
−
ART-KOBE-L2(神戸位相)
X方向
0.048
−
HACHINOHE 1968EW
Y方向
0.049
−
HACHINOHE 1968EW
X方向
0.071
−
ART-KOBE-L2(神戸位相)
Y方向
0.071
−
ART-KOBE-L2(神戸位相)
圧縮
26
−
ART-RAMD-L2(乱数位相)
引張
0.4
−
ART-RAMD-L2(乱数位相)
X方向
172.9
−
TAFT 1952 NS
Y方向
161.3
−
HACHINOHE 1968EW
X方向
201.7
−
TAFT 1952 NS
Y方向
185.3
−
ART-KOBE-L2(神戸位相)
X方向
0.049
−
HACHINOHE 1968EW
Y方向
0.052
−
HACHINOHE 1968EW
X方向
0.073
−
ART-RAMD-L2(乱数位相)
Y方向
0.073
−
ART-KOBE-L2(神戸位相)
X方向
1/338
20F
TAFT 1952 NS
Y方向
1/429
15F
TAFT 1952 NS
X方向
1/299
21F
TAFT 1952 NS
Y方向
1/355
12F
ART-KOBE-L2(神戸位相)
偏心の影響
免震層において、建物重心位置と免震部分の剛芯位置の偏心
率を0.03以内となっているため、上部構造の偏心の影響はほと
んど無いと判断した。
上下動の影響
長期荷重の0.3G相当を上下動の変動軸力として、その影響を
考慮し、積層ゴム支承の面圧が設計目標値を満足していること
を確認している。
極めて稀に発生する地震動において、上下動の変動軸力も考
免震材料の引抜き
2
に対する検討 慮して、積層ゴム支承が1.0N/mm 以下の引抜面圧になってい
ることを確認している。
*1:稀に発生する地震時の大きさとしてレベル1を想定した。
*2:極めて稀に発生する地震動の大きさとしてレベル2を想定した。
日本ERI株式会社性能評価シート −超高層建築−
ERI-H07008