社会保険山梨病院新病院建設計画

設計
構造
社会保険山梨病院新病院建設計画
株式会社 松田平田設計
免震構造
監理
地上6階、高さ24.74mの鉄筋コンクリート造。B1階床下に免震層を有する基礎免震構
造。3種類のアイソレーターにオイルダンパーを組み合せ、減衰性能を高め、免震層
変形を抑えた。
基準階階高
3.50m
平成22 年 10 月 15 日
1階階高
4.50m
認定番号
MNNN-5303
地階階高
4.00m
認定年月日
平成23 年 1 月 14 日
評価番号
ERI-J10024
評価年月日
*建築物概要
建築場所
用途
敷地面積
基礎底深さ
設計G.L-8.7m、-9.0m
*地盤
山梨県甲府市朝日3丁目144、145、183番
TP+279.4m
設計用 G.L
病院
GL-m
6,007.16 ㎡
設計用地下水位
地層
N地
設計G.L-2.49m
Vs値
(m/s)
極めて稀に発生す
る地震時の液状化
の有無
無
建築面積
3,083.83 ㎡
土 質
0~1.6
埋土
-
-
延べ面積
13,032.61 ㎡
・
1.6~3.8
礫混じり粘土
3~10
130
無
基準階面積
1,176.80 ㎡
N 値
3.8~6.4
砂礫
18~100以上
220
無
地上
6階
・
6.4~10.9
粘土
3~9
220
無
地下
1階
Vs 値
10.9~19.9
粘土混り玉石混り砂礫
24~100以上
580
無
塔屋
1階
19.9~35.24
シルト混り玉石混り砂礫
90~100以上
580
軒の高さ
23.740m
工学的基盤の位置
G.L-15.0m
液状化対策
建築物の高さ 24.740m
最高部の高さ 29.740m
7通り軸組図
1階伏図
日本ERI株式会社性能評価シート -免震構造-
ERI-J10024
無
無
○構造概要
*基礎構造
地業形式
基礎構造
地盤の許容支持力
接地圧
形
状
寸
法
すべり支承
12基
・
数
量
独立基礎形式の直接基礎
基礎下部:深層混合処理工法により地盤改良
長期 411.0kN/m2 短期 822.0kN/m2
長期 397.6kN/m2 短期 559.8kN/m2
*主体構造
地上階:構造種別 鉄筋コンクリート造
骨組形式 X,Y方向共に純ラーメン構造
地下階:構造種別 鉄筋コンクリート造
骨組形式 X,Y方向共に純ラーメン構造
骨組形式
種別
耐力壁
その他
なし
柱
:RC柱
B×D=800×800~1000×850
大梁 :RC梁 2階から上階 B×D=500×750~600×1000
1階 B×D=600×1600~750×1600
750×1400
基礎 B×D=600×1800~800×1800
小梁 :RC梁
B×D=300×500~600×1800
コンクリート:普通コンクリート Fc=30N/mm2
鉄筋 :SD295A(D16以下)、SD345(D19~D25)、
SD390(D29以上)
柱・はり
断面材料
柱・はり接合部
変形限界
認定番号
鉄筋コンクリート造剛接合
RCスラブ
床形式
鉛入り
積層ゴム
42基
形
状
寸
法
・
数
量
天然積層
ゴム
20基
形
状
寸
法
・
数
量
陸屋根 RCスラブ
屋根形式
非耐力壁
ゴムの物性
外壁 RC壁
内壁 RC壁、軽量鉄骨間仕切り壁
本建物は、B1階床下に免震層を有する基礎免震構造としている。免
震クリアランスは600mmとしている。地上の架構形式はX方向、Y方向と
もに純ラーメン構造を採用している。フレーム内に鉄筋コンクリート壁が
取り付く場合は梁際、柱際に構造スリットを配置している。
構造上の特色
基礎は、設計GL-12m付近の砂礫層を支持層とする直接基礎(独立
基礎形式)としている。基礎下端から支持層までの距離を深層混合処
理工法による地盤改良により補間している。
免震層は、鉛プラグ入り積層ゴム支承(G4)を42基、天然ゴム系積層ゴ
ム支承(G4)を20基、弾性すべり支承を、12基、全体で74基設置してい
る。また、免震層変形を抑えるために、オイルダンパーをX,Y各方向に
それぞれ3基配置している。
*免震部材
鉛入り
積層ゴム
42基
1次形状係数:S1
2次形状係数:S2
ゴム面圧(N/mm2)
有効ゴム径(mm)
ゴム層(mm)×層数
内部鋼板(mm)
鉛プラグ径(mm)
装置高さ(mm)
被覆ゴム(mm)
形
状
寸
法
・
数
量 フランジプレート(mm)
アンカープレート(mm)
アンカーボルト
頭付スタッド
1次形状係数:S1
2次形状係数:S2
形
2
状 ゴム面圧(N/mm )
有効ゴム径(mm)
寸
法 ゴム層(mm)×層数
天然積層ゴム
内部鋼板(mm)
20基
・
装置高さ(mm)
被覆ゴム(mm)
数
フランジプレート(mm)
量
アンカープレート(mm)
アンカーボルト
頭付スタッド
650φ
38.7
4.1
10.0
650
4.2×38
3.1
130
342.3
10
27
22
12-M30
650φ
34.5
4.1
10.0
650
4.2×38
3.1
342.3
10
27
22
12-M30
-
750φ
39.1
4.7
12.0
750
4.8×33
3.9
150
359.2
10
31
22
12-M30
750φ
35.4
4.7
12.0
750
4.8×33
3.9
359.2
10
31
22
12-M30
-
800φ
40.0
5.0
15.0
800
5.0×32
3.9
160
366.9
10
36
22
12-M30
800φ
36.5
5.0
15.0
800
5.0×32
3.9
366.9
10
36
22
12-M30
-
850φ
39.4
5.2
15.0
850
5.4×30
4.3
170
372.7
10
36
22
12-M30
-
形
状
寸
法
すべり支承
12基
・
数
量
ゴムの物性
変形限界
認定番号
日本ERI株式会社性能評価シート -免震構造-
500φ
600φ
800φ
24.3
24.0
27.7
14.3
16.7
22.9
12.8
13.9
15.0
500
600
800
400
500
700
5.0×7
6.0×6
7.0×5
2.5
2.8
3.9
164.4
172.4
199.0
10
10
10
フランジプレート(mm)
30
32
40
アンカープレート(mm)
22
22
22
アンカーボルト
8-M30
8-M30
8-M30
頭付スタッド
天然ゴム
材料
せん断弾性率
0.392(鉛入り・天然積層ゴム)
0.588(すべり支承)
(N/mm2)
600以上(鉛入り・天然積層ゴム)
破断伸び(%)
500以上(すべり支承)
18以上
引張強度(N/mm2)
568mm γ=355%(鉛入り・天然積層ゴム)、600mm(すべり支承)
オイレス工業(株) 鉛入り積層ゴム:MVBR-0355
天然積層ゴム:MVBR-0305
すべり支承:MVBR-0399
650φ
750φ
800φ
850φ
1次形状係数:S1
36.9
38.7
39.2
40.5
2次形状係数:S2
4.00
4.60
4.80
5.06
10.5
13.0
13.0
13.0
ゴム面圧(N/mm2)
有効ゴム径(mm)
650
750
800
850
ゴム層(mm)×層数 4.4×37
4.85×34
5.1×33
5.25×32
内部鋼板(mm)
3.1
3.1
4.4
4.4
鉛プラグ径(mm)
130
150
160
170
装置高さ(mm)
330.4
323.2
373.1
368.4
被覆ゴム(mm)
8
8
8
8
フランジプレート(mm)
22
22
24
24
アンカープレート(mm)
22
22
22
22
アンカーボルト
12-M30
12-M30
12-M30
12-M30
頭付スタッド
650φ
750φ
800φ
1次形状係数:S1
36.1
37.9
38.2
2次形状係数:S2
4.0
4.5
4.8
9.7
12.1
13
ゴム面圧(N/mm2)
有効ゴム径(mm)
650
750
800
ゴム層(mm)×層数 4.4×37
4.85×34
5.1×33
内部鋼板(mm)
3.1
3.1
4.4
装置高さ(mm)
330.4
323.2
373.1
被覆ゴム(mm)
8
8
8
フランジプレート(mm)
22
22
24
アンカープレート(mm)
22
22
22
アンカーボルト
12-M30
12-M30
12-M30
頭付スタッド
400φ
500φ
600φ
800φ
1次形状係数:S1
30.1
30.3
31.8
30.0
2次形状係数:S2
9.62
12.5
14.5
20.5
15.0
15.0
15.0
15.0
ゴム面圧(N/mm2)
有効ゴム径(mm)
360
450
540
720
すべり材径(mm)
360
450
540
720
ゴム層
3.2×13
4.0×10
4.6×9
6.5×6
内部鋼板(mm)
2.2
2.2
3.1
3.1
装置高さ(mm)
155
152.9
173.2
165.5
被覆ゴム(mm)
8
8
8
8
フランジプレート(mm)
16
22
22
24
アンカープレート(mm)
22
22
22
22
アンカーボルト
8-M24
8-M30
8-M30
8-M30
頭付スタッド
材料
天然ゴム
せん断弾性率
0.385(鉛入り)
0.392(天然積層ゴム・すべり支承)
(N/mm2)
600以上
破断伸び(%)
17以上
引張強度(N/mm2)
558mmγ=349%(鉛入り・天然積層ゴム)、600mm(すべり支承)
(株)ブリヂストン 鉛入り積層ゴム:MVBR-0380
天然積層ゴム:VBR-0295
すべり支承:MVBR-0395
1次形状係数:S1
2次形状係数:S2
ゴム面圧(N/mm2)
有効ゴム径(mm)
すべり材径(mm)
ゴム層(mm)×層数
内部鋼板(mm)
装置高さ(mm)
被覆ゴム(mm)
400φ
24.1
11.1
15.0
400
350
4.0×9
2.5
170.4
10
30
22
8-M24
-
ERI-J10024
800φ
650φ
750φ
31.7
31.5
31.3
1次形状係数:S1
4.9
2次形状係数:S2
4.0
4.7
形
2
13.5
12.9
11.0
ゴム面圧(N/mm )
状
800
有効ゴム径(mm)
750
650
寸
6.0×27
4.9×33
5.7×28
法 ゴム層(mm)×層数
天然積層ゴム
内部鋼板(mm)
4.5
3.2
4.5
20基
・
装置高さ(mm)
369
365.1
348.1
5
5
被覆ゴム(mm)
5
数
28
25
25
フランジプレート(mm)
量
アンカープレート(mm)
22
22
22
12-M30
12-M30
アンカーボルト
12-M30
頭付スタッド
天然ゴム
材料
せん断弾性率(N/mm2) 0.39
ゴムの物性
600以上
破断伸び(%)
2
引張強度(N/mm ) 14.7以上
変形限界
600mmγ=375%
認定番号
昭和電線デバイステクノロジー(株) 天然積層ゴム:MVBR-0405
※鉛入り積層ゴム、すべり支承は上記2社の中から採用し使用する。
天然積層ゴムは上記3社の中から採用し使用する。
オイルダンパー
免震材料の種類
180
120
ロッドの外径(mm)
形
状 アウトシリンダーの外径(mm)
426
406
寸 免震材料の長さ(中立位置)(mm)
3050
2900
法
最大減衰力(kN)
1000
1000
粘性減衰装置
6基
1.5
1.5
限界速度(m/s)
・
バイリニア
バイリニア
速度依存タイプ
0.35
降伏速度(m/s)
0.32
数
量 初期減衰係数(k/N・s/m)
2500
2500
限界変形(mm)
±600
±650
±600mm
変形限界
ナカバシステムマシナリー㈱ ㈱日立製作所
認定番号
MVBR-0407
MVBR-0326
※オイルダンパーは上記2社の中から採用し使用する。
*荷重
積載荷重
積雪荷重
最上階
基準階
最下階
最深積雪量
単位積雪量
床用(N/m2)
1800
1800
3900
50cm
20N/m2/cm
2
2
架構用(N/m ) 地震用(N/m )
1300
600
1300
600
2700
1600
*振動系モデル
地震動
レベル
微小変形時
*耐震設計
上部構造設計
用固有周期
T(秒)
設計用
せん断
力係数
地震
力分
担率
X方向
Y方向
方向
X方向
Y方向
分布形
X方向
Y方向
ラーメン
耐力壁
ラーメン
耐力壁
採用
地震波
最大
加速度
(cm/s2)
・速度
(cm/s)
地域係数 Z Z=1.0
地盤種別 第2種地盤
地下部分の
水平震度K
Tg=0.25(秒)
0.35
せん断歪167%以内
せん断歪250%以内
極めて稀に発生する
地震動
400
250%
3.757
3.757
地震波
EL CENTRO 1940NS
TAFT1952EW
HACHINOHE1968NS
告示波(KOK-JK)
告示波(KOK-HC)
告示(KOK-RN)
サイト波NS(糸魚川ー静岡断層)
サイト波EW(糸魚川ー静岡断層)
サイト波NS(想定東海・東南海)
サイト波EW(想定東海・東南海)
レベル1 *1
255(25)
248(25)
165(25)
81(11)
97(11)
79(8)
-
レベル2 *2
510(50)
497(50)
330(50)
390(55)
319(59)
371(42)
236(19)
288(20)
171(11)
167(15)
*応答結果
入力レベル
最大相対変位
(cm)
免
震
層
3次
0.155
0.164
最上階(R階)
0.155
0.164
100%
0%
100%
0%
稀に発生する地震動
免震部材
*採用地震波
上
部
構
造
1次
2次
0.636
0.275
0.643
0.286
応答解析による分布系
1次
基準階(3階)
0.636
0.275
0.643
0.286
100%
100%
0%
0%
100%
100%
0%
0%
下部構造
一次 免震層変位(mm)
5
80
固有
積層ゴムのせん断歪
50%
3%
周期
2.821
X方向(s)
1.431
1.430
2.821
Y方向(s)
復元力特性
剛性低減型トリリニア(履歴特性:武田モデル)
減衰定数
瞬間剛性比例型
*設計風圧力
建築基準法施行令第87条による
30m/s
基準風速
設計風圧力
地表面粗度区分 Ⅱ
アスペクト比
1.14
上部構造
短期許容応力度以内
耐震性能
短期許容応力度以内
レベル1
目標
層間変形角1/500以下
弾性限耐力以内
レベル2
短期許容応力度以内
層間変形角1/300以下
振動モデル 8質点等価せん断モデル
最大
せん断力係数
レベル1
レベル2
レベル1
レベル2
面圧(N/mm2)
レベル2
頂部最大
絶対加速度
2
(cm/sec )
レベル1
最下階最大
せん断力係数
最大
層間変形角
レベル2
レベル1
レベル2
レベル1
レベル2
方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
圧縮
引張
X方向
Y方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
X方向
Y方向
最大値
8.7
8.8
28.5
28.4
0.036
0.036
0.061
0.061
18.3(LRB)
-0.4(LRB )
188
177
209
196
0.057
0.056
0.101
0.102
1/1029
1/833
1/577
1/545
階
R階
R階
R階
R階
B1階
B1階
B1階
B1階
4階
4階
4階
4階
地震動
EL CENTRO 1940 NS
EL CENTRO 1940 NS
KOK-JK
KOK-JK
EL CENTRO 1940 NS
EL CENTRO 1940 NS
KOK-JK
KOK-JK
KOK-JK
KOK-JK
TAFT 1952EW
TAFT 1952EW
KOK-JK
KOK-JK
EL CENTRO 1940 NS
EL CENTRO 1940 NS
KOK-JK
KOK-JK
TAFT 1952EW
TAFT 1952EW
KOK-JK
KOK-JK
偏心の影響
微小変形から大地震変形に至るまで3%以下であることから偏心の影
響は小さいと判断している
上下動の影響
水平動による変動軸力と上下動として鉛直震度0.30を単純加算する
方法で検討している。
極めて稀に発生する地震動の水平動による変動軸力と上下動として
免震材料の引抜きに
鉛直震度0.30を評価し、また変動特性を考慮しても免震材料には引
対する検討
張力は生じないことを確認している。
*1:稀に発生する地震時の大きさとしてレベル1を想定した。
*2:極めて稀に発生する地震動の大きさとしてレベル2を想定した。
日本ERI株式会社性能評価シート -免震構造-
ERI-J10024