チラシ - 日本弁護士連合会

全国冤罪事件弁護団連絡協議会第23回交流会
-第一審無罪判決に対する控訴審の事実取調べの限界について本交流会では,平成22年2月23日,大分地方裁判所が無罪を言い渡した住居侵入・窃盗・殺人事件につき,平成
25年9月20日,福岡高等裁判所が第一審を破棄し,有罪を認定した上で,被告人を無期懲役に処するとの判決を言
い渡した「清川村事件控訴審判決」をテーマとします。
事件を担当した弁護人から報告を受け,また,刑事法研究者の視点から,三島聡大阪市立大学法学部教授をお招きし
てご意見やアドバイスをいただく予定です。
弁護士・研究者等はもちろん,本交流会が冤罪に関心を持つ多くの方々の経験交流の場となるよう,多くの皆様のご
参加をお待ちしています。
本交流会の趣旨
◆本件は,公判前整理手続に付されたため,第一審における証拠調べ請求は制限されており,控訴審では,
さらに証拠の取調べ請求が制限されているにもかかわらず,控訴審において,延べ54名の証人の取調
べが行われた。
◆控訴審において,検察官の請求する証拠を全て採用し,事実を徹底的に調べ直すことが許されるとすれ
ば,第一審の事実認定の当否の審査を超えた事実審理の完全なやり直しに他ならず,被告人は文字どお
りの二重の危険に晒されることとなる。
◆最高裁第1小法廷は,平成24年2月13日,第一審・裁判員裁判による無罪判決を破棄し自判して有
罪を言い渡した控訴審判決を破棄し,検察官の控訴を棄却した(チョコレート缶事件上告審判決)
。
同判決は,控訴審における事実誤認審査につき,最高裁判所として,論理則,経験則違反を採用するこ
とを明らかにしたが,控訴審において許容される事実取調べの範囲については,特に言及しておらず,
同判決が控訴審における事実取調べを制限的に解しているかどうかについては,見解が分かれている。
◆しかし,いずれの見解に立つにせよ,清川村事件について控訴審が行った事実取調べは,事後審として
の限界をはるかに超えていると言うべきではなかろうか。
◆本件控訴審判決のみならず,控訴審における弁護活動,捜査弁護活動,第一審の弁護活動を含めて検討,
意見交換し,誤った有罪判決を防ぐ弁護活動について学びたい。
日
会
時 2014 年 9 月 2 日(火)13:00~17:00(12:45 開場予定)
場 弁護士会館2階 講堂「クレオ」A
TV会議中継での参加を希望される会員は,所属弁護士会に御連絡ください。
なお,当日の質疑応答は東京会場のみとなります。
報告者
福
船
吉
三
島 康 夫 清川村事件控訴審国選弁護人(福岡県)
木 誠一郎 清川村事件控訴審国選弁護人(福岡県)
田 知 弘 清川村事件控訴審国選弁護人(福岡県)
島
聡 大阪市立大学法学部教授
主
催
参加対象
日本弁護士連合会
会員・研究者・マスコミ・一般
参加費無料・事前申込不要
※当連合会では,本シンポジウムの内容を記録し,また,成果普及に利用するため,会場での写真・映像撮影及び録音を行っております。撮影した写真・映像及び録
音した内容は,当連合会の会員向けの書籍のほか,当連合会のホームページ,パンフレット,一般向けの書籍等にも使用させていただくことがあります。また,報道
機関による取材が行われる場合,撮影された映像・画像はテレビ,新聞等の各種媒体において利用されることがあります。撮影をされたくない方は,当日,担当者に
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お問い合わせ:日本弁護士連合会人権部人権第一課 TEL03-3580-9503