詳細はこちら - 国土交通省・関東地方整備局:港湾空港部

横浜港南本牧地区MC-3岸壁の計画・設計が日本港湾協会技術賞を受賞
大水深岸壁における鋼板セルを用いた設計、施工技術(横浜港南本牧大水深バースの計画・設計)
関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所は、京浜港湾事務所、横浜市港湾局と
ともに、横浜港南本牧地区MC-3岸壁の計画・設計において平成 20 年度日本港湾
協会技術賞を受賞しました。この賞は、港湾の整備及び海岸保全の計画、設計、施工
に関して顕著な功績をおさめた個人又は団体に贈られるもので、平成20年度におい
ては、『大水深岸壁における鋼板セルを用いた設計、施工技術』として、北陸地方整
備局の事業とともに、『横浜港南本牧大水深バースの計画・設計』が受賞しました。
本施設は、スーパー中枢港湾の中核的な施設として国際競争力強化を図るために計
画された、南本牧地区の国際海上コンテナターミナルです。供用は平成24年度を予
定しており、平成20年2月に着工されています。
生活や経済に必要なものの大半を海外からの輸入に頼っているわが国では、海上コ
ンテナ輸送は経済活動の維持においてとても重要な役割を担っていますが、近年にお
ける原燃料価格の高騰もあり、その輸送コストの縮減は強く求められています。世界
の主要な船会社は船舶大型化によるコスト縮減をますます進めており、ターミナル整
備においても、大水深の施設整備が急務となっています。MC-3岸壁の完成によっ
て横浜港への大型コンテナ船の就航が増強され、物流コストが抑制されるなど国際競
争力強化および背後圏経済の活性化が見込まれます。
MC-3岸壁の設計においては、平成 19 年 4 月に大幅に改定された「港湾の施設
の技術上の基準」を先駆的に適用し、性能設計の考え方に基づいて岸壁に求められる
性能を適切に整理しました。さらに、非常に深い現地水深、軟弱地盤という厳しい条
件を克服しつつ早期施設供用に対応するために「鋼板セル方式」を採用し、きわめて
経済的な世界最大級の岸壁構造を成立させました。このことが技術的に高い評価を受
け、技術賞という栄誉を得ることが出来ました。この設計は新しい基準を適用した先
駆的なものであり、以降に続く耐震強化施設検討手法の好例となることも期待されま
す。
施設完成イメージ(提供:根入れ式鋼板セル協会)