平成 24 年度 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業 第4回「全国権利擁護支援フォーラム」 報告 去る 2013 年 2 月 8 日(金)、9 日(土) 、國學院大學常磐松ホール(東京::渋谷)に於い て第 4 回全国権利擁護支援フォーラムが開催されました。全国各地から延べ 260 人の方の参 加がありました。 フォーラムは、「意思決定支援と成年後見」というテーマで法政大学の菅富美枝さんによ る基調講演で始まりました。本人の自己決定を基本とするイギリスの意思決定能力法の解説 を通して、代行決定を基本とする日本の 成年後見制度の課題と示唆していただ きました。中でも、あくまでも本人のベ スト・インタレスト(Best Interests = 最善の利益)を追求する内容は権利擁護 支援のツールとして成年後見制度を活 用しようとする私たちに大きなインパ クトを与えました。 続いては、困難な支援の代表格とも言 える「セルフネグレクト」や「ごみ屋敷」 の問題について、帝京大学の岸恵美子さ んと当ネットワーク副代表の竹内俊一 さんの対談が行われました。すり鉢型やミルフィーユ型というゴミ屋敷の類型についても紹 介しながら、 「人と人が出会う」支援の関係性を作ることの重要性を示していただきました。 1 日目の最後として、第2回 AOY(ア ドボカシー・オブ・ザ・イヤー)の授賞 式が行われました。今回は「ぜんち共済 株式会社」が受賞しました。多様な情報 の収集と発信を続ける地道な取り組み に大きな感謝と尊敬が寄せられました。 また岡山県の未成年後見支援センター 「えがお」の全国初の取り組みに特別賞 が贈られました。 2日目は、「権利擁護と自治体」をテ ーマにしたパネルディスカッションが 日本福祉大学の共同研究の報告を合わせた形で行われました。南富良野町(北海道)の東啓 二さん、横浜市の金井国明さん、明石市長(兵庫県)の泉房穂さん、厚労省の中島修さんを パネリストに迎えて、日本福祉大学の平野隆之さんのコーディネートにより力強いディスカ ッションが行われました。南富良野の小さい町での迫力ある実践、横浜市の「後見的支援」 という独自の実践が報告されました。社会福祉士・弁護士でもある泉市長の地方自治体にお ける今後の展開にも注目が集まりました。国はそれをどう後押しするか、中島さんからは新 たな国の取り組みも示していただきました。 最後に、本フォーラムの開催にご協力いただきましたすべての皆様に厚く御礼申し上げます。 全国権利擁護支援ネットワーク事務局 特定非営利活動法人 PAS ネット 上田美智子
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