食品開発センター 食品開発部 - 宮崎県工業技術センター

平成25年度第3四半期報告
食品開発センター
1
●
食品開発部
技術支援業務
各業務件数(H25.10.1~12.31)
項
目
第3四半期の件数/累計
工業相談・技術指導
273件/計903件
依頼試験
47件/計138件
設備利用
40件/計145件
研修生受け入れ
0名/計
<0名/計
企業巡回訪問
37件/計 66件
●
延
8名>
考
378日/計1,169日
47検体/計140検体
9名
<インターンシップ>
<内
備
延
0日/計
47日
<延
0日/計
46日>
訳>
主な工業相談・指導例
内容
結果・成果
① 栗の渋皮煮の保存性向上
渋皮煮の糖度を調整し乾燥することによって水分
活性を低下させ、年末のふるさと便常温発送を可
能にした。
② パプリカゼリーの食味改善
自家生産のパプリカを使ったゼリーのレシピ改善
により評価の高いゼリー完成。現在、フードビジ
ネス相談ステーションの支援によりパッケージブ
ラッシュアップ中。
③ 多感覚センサーを利用した味覚・嗅覚・視覚評
価試験
●
県内外公設試、県内企業が訪れ様々な食品材料に
ついて評価試験を実施している。
依頼の多い試験
試験名
① 放射線量測定(γ線シンチレ
内容
食品中の放射線量を測定
件数
46件/計123件
ーションスペクトロメータ
ー)
② 定性:赤外吸収分析
食品中の異物を赤外線吸収により非破壊
1件/計
7件
分析
●
利用の多い設備
設備名
用途例
件数
① スプレー式高温高圧調理殺
常温流通可能な食品を加工するための殺
8件/計18件
菌装置
② FT-IR 顕微鏡
菌
食品中の異物を赤外線吸収により非破壊
7件/計28件
分析
③ 生物顕微鏡
食品中の異物観察
6件/計20件
2
●
研究開発業務
現在実施している研究の件数
件数
種別
県単経常研究
5件
県単共同研究
8件
外部資金研究
0件
<内
●
備考
訳>
主な研究内容
事業名
:1-1
農林畜水産物を用いる食品開発に関する研究
研究課題名・担当者:1-1-1
柑橘類未利用資源からの香気成分有効利用技術の開発・高橋克嘉、柚木
崎千鶴子
今年度計画:日向夏果汁の分析を行う。日向夏およびヘベスの残渣より香気エキスの抽出を行う。抽出
した香気エキスを利用した柑橘リキュールや柑橘フレーバーティーの試作を行い、香気の変化・保持に
ついて検討を行う。
結果及び進捗:日向夏、柚子およびヘベスから水蒸気蒸留により香気成分を抽出し、その違いを比較し
た。新規に導入した味センサーにより、柑橘類(特に果汁)の味の違いを評価可能か試験を実施し、あ
る程度人の官能評価と相関があることを確認した。
事業名
:1-1
農林畜水産物を用いる食品開発に関する研究
研究課題名・担当者: 1-1-2
機能性を付与した新規干したくあんに関する研究・上原
剛、野上麻美
子、柚木崎千鶴子
今年度計画:下漬け液・調味液の成分分析、保存性確認、回収・濃縮試験
結果及び進捗:センター所有の脱塩装置で脱塩した下漬け液のGABA含量を測定したところ、GAB
Aが著しく減少していた。脱塩に用いる溶離液、脱塩用フィルター洗浄液について、GABAを測定し
たところ、両方からGABAが検出されたことから、脱塩の際にGABAも取り除かれてしまっていた。
事業名
:1-1
農林畜水産物を用いる食品開発に関する研究
研究課題名・担当者:1-1-3 県産果実を利用した加工技術に関する研究・野上麻美子、福山明子、柚木
崎千鶴子
今年度計画:県産果実を使ったドライフルーツの加工方法検討及び加工現場への技術移転
結果及び進捗:冷凍したマンゴーを使い、ドライフルーツの試作試験を行った。はじめ、完全解凍した
原料を使用した。結果、ドリップの発生と果実の崩れで歩留まりが悪くなった上に、乾燥したものは薄
く、色むらがあった。この問題点を解決すべく、次に凍結状態の原料で試作を行った。なお、このとき、
解凍果で 1.0cm 幅にスライスして乾燥させたのに対し、2.0cm 幅で且つ皮付きのまま試作を行った。結
果、解凍果と同様に薄く、色調の悪いドライマンゴーとなった。
事業名
:1-2 農林畜水産物の機能性に関する研究
研究課題名・担当者:1-2-1
農産物の一次加工に伴う成分変化に関する研究・福山明子、上原
剛、
寺﨑三季、柚木崎千鶴子
今年度計画:県産農産物を原料とし、一次加工に伴う栄養成分、機能性成分の変化を調べ、原料の特性
を生かした加工方法の検討を行う。
結果及び進捗: 青果用として出荷終了したへべす(青~黄)を原料に果皮の苦みを抜く処理を行った
結果、10 分ボイル+時間水さらし、又は 4 回ボイルした果皮では苦みはほとんど感じられずフラボノイ
ド総量は生果皮と比較して約 30%含まれていた。ボイル後の水さらし時間が長いほど、フラボノイドが
減少する傾向だった。香気成分については、平成 25 年 1 月に購入したヒュウガナツについて SPME 法と
液打ち法でヒュガナツの主要香気成分 10 種について測定を行った。シス-ネロリドール、トランス,ト
ランス-酢酸ファルネシル、トランス,トランス-ファルネソールの3種の香気成分については今回のサ
ンプルでは検出できなかった。
事業名
:1-2 農林畜水産物の機能性に関する研究
研究課題名・担当者:1-2-2
ブルーベリー葉および茎を原料に用いた食品素材開発・松浦靖、柚木崎
千鶴子
今年度計画:葉エキス末に豊富に含まれるキナ酸の機能性として、日持ち向上効果等を見出す。
結果及び進捗:低 pH を示すエキス末を食品に添加したときの pH 変化等を把握するため、パンを用いて
検討した結果、濃度依存的に低下した。しかしながら、保存性の高いサワーブレッドと
同等の pH を達成するためには添加濃度を高くする必要があり膨化を阻害することがわ
かった。
事業名
:県単共同研究
研究課題名・担当者:県産農産物を利用した新商品開発・福山明子、野上麻美子(食開セ)、森江貴彦
(STESSA)
今年度計画:県産農産物を利用してスープやスムージー、ドライフルーツ等の商品開発を行う。
結果及び進捗:スムージーにおいては、製品の菌数低減のための原料の前処理方法の検討を行い、試作
品の初発菌数は基準以下であることを確認した。また、スープにおいては分離の防止方法について検討
した。ドライフルーツにおいては参考として市販品の特性確認と様々な品目を使っての試作試験を行っ
た。試作試験では前処理方法、乾燥温度等の条件を検討し試作を行った。
事業名
:県単共同研究
研究課題名・担当者:ブルーベリー乾燥葉および茎の品質安定化に関する研究・松浦
靖(食開セ)、
亀長浩蔵、甲斐孝憲(なな葉 Co.)
今年度計画:高品質なブルーベリー葉素材の提供を可能とするため、成分分析を実施する。
未利用茎の有効利用を図るため、現場において茎の加工を実施する。
結果及び進捗:未利用茎を現場で加工し、得られた乾燥茎の有効成分および抗酸化活性を測定した。
乾燥前の前処理や乾燥方法の違いが有効成分および抗酸化活性に及ぼす影響を把握す
ることができた。
事業名
:県単共同研究
研究課題名・担当者:野菜チップスの素材の違い、調味の違い、加工工程の違いに伴う保存性の変化に
関する研究・寺﨑三季、柚木崎千鶴子(食開セ)、和田 優、岩城美知子(デイリーマーム)
今年度計画:シイタケチップスとニンジンチップスの保存試験を行う。
結果及び進捗:製造5ヶ月後のシイタケチップスとニンジンチップスの酸価および過酸化物価の測定を
行った。どちらとも、食品衛生法の基準以下の数値であり、初回の分析値と大差なかった。夏場にカリ
ッとした食感を保つのが課題であるため、乾燥剤を入れて保存試験を行う予定。
事業名
:県単共同研究
研究課題名・担当者:県産果樹を活用した焼き肉のタレの開発・上原
剛、柚木崎千鶴子(食開セ)、
今釜大作(今釜木材)
今年度計画:県産果樹を活用して、化学調味料等を使用しない、常温流通可能な焼き肉のタレを開発す
る。
結果及び進捗:規格外ナシを使用した焼き肉のタレを開発し、常温で4ヶ月間の賞味期限表示可能とな
った。今後は、ヘベスの風味を増強させたレシピを開発予定である。