消費者庁の役割について - 経済産業省

消費者庁の役割について
平成21年10月
消費者庁 消費者安全課
村上智信
1 消費者庁の設立までの経緯
2007年
食品偽装が発覚(年間52件)
例 土産品
10月 福田首相(当時)施政方針演説
「消費者保護のための行政機能の強化に取り組みます」
2008年
1月 農薬入り冷凍餃子事件
4月 福田首相(当時)による基本方針
・2009年度に消費者庁を発足
・消費者庁を消費者行政全般の司令塔に
・取引、安全、表示などに対応
2009年
5月 消費者庁設置関連法案の成立
9月 消費者庁の設置
2 消費者庁の概要
組織
構成;
長官、次長、2審議官、2参事官、8課、3室
常勤職員;
約200名
非常勤職員; 約60名
役割
担当法令; 消費者安全法、消費生活用製品安全法、
家庭用品品質表示法、景品表示法、JAS法など
キーワード;
情報の一元的収集
消費者行政全般の司令塔に
すき間事案への対応
3 新しい消費者行政
内 閣 総 理 大 臣
消費者事故について公表・注意喚起、
広報、消費者教育
*内閣府本府に設置
処分
・指導
情報
(重大事故は直ちに)
勧告・命令、立入り
指導啓発・取組支援
重大事故の報告
問い合わせ
事 業 者
庁
相談員への研修
・
分析結果等の報告
建議・
資料要求等
省
国民生活
センター
*内閣府の外局として設置
各
(重大事故は直ちに)
消費者委員会
○独立して職権を行う
○重要事項について建議等
○内閣総理大臣に対し勧告・報告要求
︵内閣総理大臣から各省大臣に措置要求等︶
○関係行政機関に対して資料要求等
情報
建議・
勧告等
消費者庁
○情報を一元的に集約し、調査・分析
○消費者行政の司令塔として、各省庁に対する
勧告、措置要求、すき間事案への対応
○消費者に身近な諸法律を所管
報告、提案
商品テスト
・
裁判外紛争解決等
・
連携
保健所、警察
消防、病院 等
(総合調整等)
支援
地(方公共団体︶
助言
あっせん
啓発
﹁誰もがアクセスしやすい一元的な相談窓口﹂
消費生活センター
消 費 者
相談
・ 苦情
消費者基本政策室
支援
措置要求
・勧告等
内閣府特命担当大臣(
消費者)
4 事故情報の一元的収集と原因究明等
行政機関、自治体
(消費生活センター
含む)等からの消費
者事故情報
(消費者安全法)
製造・輸入事業者からの
重大事故情報
(消費生活用製品安全法)
消費者からの
事故情報
※他省庁において、原因究明に取り
組む事故について、消費者庁は
情報提供を求める。
※消費生活用製品の原因究明は
経済産業省等と共同で取り組む。
原因究明
消費者庁
タスクフォース
公表
・消費者安全法に
係る事故情報
【毎週水曜】
・消費生活用製品
安全法に係る
事故情報
【毎週火曜、金曜】
一元的収集
事故情報データバンク
緊急な事案
の場合
職員による立入調査、
報告徴収
必要に応じて緊急
対策本部を設置
緊急事案への対応
学識経験者、企業の品質管理担
当者等の専門家が
①原因究明すべき事案を
選定し、
②試験研究機関の調査
結果を評価
急迫した危険
他省庁の事案
消費者委員会の
意見を聞いて、
事業の禁止等を
する。
(消費者安全法
第18、19条)
担当する省庁
に対し措置の
実施を要求
(消費者安全法
第16条)
試験研究機関
(機関の例)
国民生活センター、
NITE(製品)、
食品分析センター(食品)等
(試験の例)
X線分析機等を用いた
実験により原因を究明
すき間事案
事業者が必要な
点検等を行うよう
勧告、命令
(消費者安全法
第17条)
再発防止・未然防止策の実施
その他
事故を起こさ
ないための
生活上の注意
などについて
消費者教育
5 今後の消費者行政
従 来
今 後
事故の発生
〇事業者や業界団体等からの連
絡を受けて、担当省庁が把握。
事業者に報告義務を課している
分野もある。
〇行政機関、自治体等が把握した
事故情報は、一元的に消費者庁
に集められる。
原因究明
〇担当省庁において、必要な場合
に原因究明に取り組む。
〇担当省庁において原因究明し
ない事故があっても、消費者庁が
対応することができる。
対応
〇例えば、製品に起因する事故で
あれば、担当大臣が事業者に
対して当該製品の回収等を命
じることができる分野もある。
〇個別の法律によって、事業者を
処分できない場合でも、消費者
安全法により処分が可能。
6 消費者庁の主な課題
Ⅰ 事故情報の一元的収集、原因究明、発信
○事故情報データバンク
年度内を目途に国民向け運用開始予定
○公表について
個人情報保護等に配慮した開示範囲、方策を検討
Ⅱ 消費者の自立・被害者の救済
○消費者教育
新たな消費者教育の体系の検討に向け研究会を開催
○被害者救済制度
違法収益のはく奪制度の創設を含めた検討(3年後を目途に必要な措置を講じる)
○多重債務者対策
消費者庁の関与、対策の在り方を含め、内閣一体としての取組が可能となるよう検討
Ⅲ 地方消費者行政の充実支援・環境整備
○地方消費者行政の充実
全都道府県に創設された地方消費者行政活性化基金(平成20年度2次補正で創設:150億円、21年
度補正で上積み:110億円)を活用し、地方消費者行政・消費生活相談体制を充実する予定
○消費者ホットライン
消費者からの相談窓口となる消費生活センター等につながる電話番号(tel 0570-064-370)のこと
11月上旬を目途に全国で本格実施