特集頑張る撞球人からのメッセージビリヤードを語ろう ! トッププロやアマチュアプレイヤー、ビリヤードショップの店長さんから、協会役員、アマチュアリーグ主宰者に至るまで……。ビリヤードの世界には、ビリヤードが大好きで、自分のため、そして愛するビリヤードのために活動する方々がたくさんいて、今この時も国内外の色んな場所で頑張っています。ここでは、そんな撞球人達に登場していただき、「なぜビリヤードだったのか？」をキーワードに、それぞれのビリヤードライフを語っていただきました。楽しいことや辛いこと、さらには達成したことや目指すもの……。この世界で輝く方達からのメッセージの中に凝縮されているものこそ、ビリヤードの魅力の全てなのです。 Because I like 手権』が開催されれば僕が大会のディレクターに会の社員として働くので、他のスポーツと同様にムのコーチ。もう３年になります。国の五輪委員現在の仕事を改めて教えて下さい。 —— 藤間一男（以下、藤）カタールのナショナルチーも高いでしょう。ぜひ書いておいて下さい。あと、てやろう」とお金を出す人がいれば実現の可能性藤ＡＰＢＵは加盟各国にオファーは出しているが、どこも名乗りを上げないから。日本も「やっアジア選手権といえば、しばらく開催されて —— いませんね。なります。必要応じてトレーナーやスパーリングパートナー韓国で独立して開催しているトーナメントを『ア出国が回、計ヶ国へ行きましたを海外から呼ぶこともします。しかし、仕事はコーがそれぞれ検討の段階です。ジア選手権』として開催する提案も上がり、各所カタールオープンの開催も？ —— カタールもあと３、４年は大丈夫貴金属が贅沢な国。かった。先生と呼んでくれるのはベトナムやイン中心となって尽力されました。選手としても最強でありながら、名人戦など —— 多くのトーナメントを作り、プロ組織結成の際もビリヤードは盛んですか？ —— 藤　国民万人の内、首都ドーハに約万人がいるが、それらしいビリヤード場は数軒。普及してドネシアあたりの選手くらい（笑）。大手商社を退職後に関わったビリヤードが生 —— 涯の仕事になりました。 60 日本での実績で印象深いのは何でしょう？ —— 藤　やっぱり全日本選手権の創設時かな。あの時代は苦労しました。大会を成功させねばならないし、全員がプレイヤーで全員が運営。みんなが苦れない。気持ちは『ポケットを日本全国に広めよ思うものでしょう？　でも海外ではビジネスは少しで、協会的な仕事が多く奉仕精神に近いかもし藤　自分の立場をもっとハイレベルなものに、もっと大きいところで自分の力を発揮したい、と驚きましたが、今年で歳。これからもフル —— 回転ですか？集めたお金を簡単に持っていかれるのはどうか。外勢の『良いマーケット』ではいけない。懸命に今の格式・規模なら「尼崎で誰が勝った」と世界労して協力しあって立ち上げたイベントやった。う』と思った時と変わらんのかもしれん。藤　まだまだできると思うよ。カタールもあと３、４年は大丈夫やろう。て以降、出国が３２０回、計ヶ国へ行きました。 68 現在の協会関係の役職は？ —— 藤ＷＰＡのアシスタント・スポーツ・ディレクター。これはディレクターと地域で担当を決めてくらいの印象だろう。まあ、それもいいか（笑）。手としては知られていないようだ。よう動くヤツ、はプラスになったと思うけど、海外ではあまり選として強かったことは日本で色んなことをする時いる状況。「次はアジアだからフジマがやれ」と。にならないのも面白くないだろうし（笑）。選手 80 ＡＰＢＵはスポーツ・ディレクター。『アジア選 31 中に流れる位のステータスが欲しいね。そして海藤　ずっと海外で仕事をしたいと思っていたから。でも商社時代より間違いなく今の方が語学もあります。ビリヤードでは年にアメリカへ行っ学生の時から海外志向だったとか？ —— 生きている。そして海外での自分の活動に誇りもビリヤード一筋の人生ですね。 —— 藤他に専門知識があるとか、実績やポジションがある訳じゃないから、他の道へ行って思い通り藤結局、好きなんでしょう。国内の魁が海外へ出ようと思ったのは？ —— 藤それぞれが通過点という感じ。思えば僕は日本にはビリヤードの先生もいなければ弟子もいないるとは言えない。スヌーカーとは半々程度かな。お金はあるが酒もギャンブルもないから、車や家、たい、という部分もあるかな？お金は地面を掘れば（石油・ガスが）出てくる国だから（笑）。藤　そう、仕事の内。まあアレは国の強化よりも、カタールのスポーツに対する姿勢を海外へＰＲしチよりも企画やその実現、運営が多いかな？年 31 間の予算を出して通れば、ですが。 320 80 のビリヤード人藤間一男奔走 Pi o n e e r o f J Po o l Kazuo Fujima 京都府出身 .......79 歳 ........WPA アシスタント・スポーツ・ディレクター ........ APBU スポーツ・ディレクター ........ カタールナショナルチーム・コーチ Introduce him to Readers 1929 年 11 月 10 日京都府京都市生まれ。『名人戦』など数々のトーナメントや、プロ組織結成の中核を担った日本ポケット界の源流的存在。ボウラードやダブルヒット・ルールも氏の考案。近年は海外を飛び回り、 WPA、APBU の要職に就く傍ら、現在はカタールのナショナルチームのコーチとして辣腕を振う。著書の『ポケットビリヤード大全』（小社刊）はバイブルとして今も人気。　Why did he choose Billiards? 「他の道へ行って思い通りにならないのも面白くないだろうし（笑）」取材・文／高田明 President of Awajitei 重鎮なビリヤード人前田明朗 Akio Maeda 東京都出身 .......75 歳 ........ 日本ビリヤード商工連合会（BCJ）会長（株）淡路亭社長 ......... Introduce him to Readers 明治の終わりからビリヤードビジネスに 1934 年 1 月 3 日東京都生まれ。関わってきた日本でも有数の老舗、（株）淡路亭代表取締役社長。大学時代に会計学を学び、昭和 32 年、卒業と同時に家業であった淡路亭に入社。昭和 37 年に社長就任。以来、テーブルの製造、販売、組み立てをメインに幾度か訪れたビリヤードブーム、そして冬の時代を乗り越え 1999 年に発足した BCJ でも、現在まで会長を務め、日本ビリヤード界において確固たる地位を築く。ビリヤード場に向けたキャンペーン企画や、プロ・アマチュアの各種大会への協賛など、日本ビリヤード界の発展のために、その責任者として常に力を尽くしてきた。テーブルが飛ぶように売れて税金にビックリする時期もあった淡路亭はビリヤード界の中で、老舗 —— 中の老舗として知られる存在ですが、創業はいつ頃だったのでしょうか？前田明朗（以下、前）株式会社になったのは昭和年の７月。私の親父がビリヤード関連の仕事を始めたのは明治の終わり頃です。すでに１００年ですか……。その頃 —— にビリヤードに関わったきっかけは何だったのでしょうか？前　当時、東京でビリヤードは相当儲かっていて、北海道から出てきた親父がそれに目を付けた。まずビリヤード場の会計用の伝票を作って売り始めて、それが当たったんですよ。以降ビリヤード全般を手がけるようになり、神田淡路町に販売部門の事務所とビリヤード場も構えた。では、前田さんご自身がこの仕事を —— されるようになったのは？前　大学卒業後の昭和年です。まあ学生の頃も、家業だからもちろん手伝ってはいましたが。つまり、自然にビリヤードと関わる —— ようになられた。前　大学では会計学を専攻していて、卒業の頃にはいい会社を推薦してもらったんだけどね（笑）。今になって思えば、やっぱり「のれんを潰しちゃいかん」という思いが大きかったんでしょう。その頃の淡路亭はどんな仕事を？ —— 前　主に玉台ですね。戦後間もなくＧＨＱからの注文で米軍キャンプに大量のポケット台を入れることになったり、朝鮮戦争時は韓国米軍向けに大量の注文を受けたりした時期もあって、私が会社に入った頃も、何とか息を継ぎながらやってま取材協力：（株）淡路亭 23 32 Why did she choose Billiards? 「のれんを潰しちゃいかん」したよ。それ以降は？ —— 前　その頃と言えば、台を入れたお店に、サービスの一環として選手を連れてエキビリヤード業界の発展は私の生涯の目的の一ついけど、経理畑から見たビリヤードの世界では、業界全体のために少しは貢献できたと思っています。囲内ではありますが、妥当な活動をしてきたかなと思います。ＢＣＪの存在は今後も日本のビリ —— ヤード界にとって大きなものだと思います。前田さんは今後もこちらの活動を？そうだったのですか。 —— 前　まあ、年寄りは静かにしていた方がいいんですよ（笑）。あらゆるものの流れ前　もちろん協力は続けていきますが、会長という立場は３月で退きます。ビリヤード業界と言えば、前田さん —— には淡路亭社長の他にもう一つ、ＢＣＪの会長としての顔があります。て良くはない。しかし、今でもプロになろうと思う人は多いし、ビリヤードに関わる方達は皆しっかり頑張っています。後はそれをどうまとめるかでしょう。に関わらず、関係者が一堂に会して協議して、進歩していくための場をもっと広げていくべきだと思います。ここ数年、日本のビリヤードを取り巻く状況は決し来られたお立場から、今後日本ビリヤード界がより良くなっていくために必要だと感じられること、提言を頂けますか？前　これはＢＣＪの務めでもあるんですが、協会、業者、ビリヤード場、プレイヤーそれでは最後に、長らく業界を見て —— が早くなってきた現在、ビリヤードも世代交代をした方がいいということです。してはどのような感想をお持ちですか？前　ＢＣＪも発足から今年で年。ここまでを振り返ると、色んな所にアプローチしながら、ビリヤードキャンペーンやオリジナル商品の開発など、業界発展のための企画を推進したり、プロやアマチュア協会への協賛を続けたりと、できる範ヤードを見続けてきた一人として、できるかどうかはわからないけれども、少しでもそのために役立てたらと考えて続けてきました。発足当時から現在まで、こちらに関 —— 前　ビリヤード業界の発展は、私にとって生涯の目的の一つ。もちろんこれはビリヤードに関わるあらゆる人間に共通しているはずです。だから長年日本のビリシビションをやりに行くこともありましたが、基本の仕事は変わらず、台の販売・製造と組み立てでした。その後社長になられたのは？ —— 前　親父が亡くなった昭和年です。ということは今年で年！　本当に —— 日本のビリヤード界をずっと見てこられたんですね。前　ちょっと長過ぎだね（笑）。この間、日本にも何度かビリヤードブームが来て、テーブルが飛ぶように売れて税金にビックリする時期もあったし、逆に厳しい時期もありましたが、うちは一貫して誠心誠意、アフターサービスまで含めた品質と信頼で何とかやって来ましたよ。まあ、今の時代には合わないのかもしれませんが（笑）。ではご自身、家業として長年付き合っ —— てこられたビリヤードに対してはどのような思いをお持ちですか？前　やっぱりうちの生命線だから大事に思ってきましたよ。ビリヤードの腕はな 10 37 47