第5学年 平和教育(総合的な学習の時間)学習指導案

第5学年
平和教育(総合的な学習の時間)学習指導案
平成14年6月28日(金)5校時
第5学年3組 男子18名 女子15名 計33名
授
業
者
高
尾
晃
授
業
者
吉田
由美子
授
業
者
松 本
直 道
1.単元名
「平和について考えよう」
2.単元設定の趣旨
本 学 年 の 児 童 は ,こ れ ま で , ビ デ オ や 被 爆 体 験 の 話 な ど を 通 し て , 平 和 学
を進めてきている。その中心は原爆に関わることであり,児童は「原爆は恐
し い 。」「 戦 争 は い け な い 。」 な ど の 意 識 は も っ て い る 。 し か し , な ぜ , ア メ
カが原爆を落としたのか,なぜ,日本は戦争をしたのかというような背景に
いては,ほとんど知らない状況である。
そこで,日本が戦争に至るまでの歴史的背景や長崎・広島に原爆が投下さ
た地理的背景を学習していくことで,原子爆弾の恐ろしさだけにとどまらず
戦争に突き進んだ歴史的事実を正しく追求し,さらに第2次世界大戦後の世
の現状に目を向けていくことができると考える。
また,実際に被爆体験者の話を聞いたり,原爆資料館見学や平和ウォーク
通 し て , 平 和 の 大 切 さ を 学 ぶ と 共 に ,「 平 和 と は ど う い う こ と か 」「 平 和 に
るために自分たちにできることはなんなのか」ということを自分の生活にふ
返って考えさせたい。
<単元開発の視点>
○
豊かな体験活動
実際に原爆資料館見学
目で見ることで,原爆が
がもたらしたものは何か
を忘れないために「平和
り強いものとさせたい。
○
き
テ
こ
る
○
い
由
高
り
ー
○
争
国
ろ
ま
や
残
を
キ
平
し
考
ャ
和
た
え
ン
ウ
傷
,
ド
ォ
跡
多
ル
ー
を
く
作
ク
き
の
り
を
ち
人
」
行
ん
々
な
い
と
の
ど
,
受
犠
の
自
け
牲
活
分
止
の
動
た
め
上
を
ち
さ
に
行
で
せ
今
い
歩
た
の
,
き
い
平
平
,
。
和
和
自
ま
が
の
分
た
あ
願
た
,
る
い
ち
戦
こ
を
習
ろ
リ
つ
れ
,
界
を
な
り
の
争
と
よ
社会の人々との交流の設定
被爆体験者の話を聞くことにより,身近に住む人が想像を絶する体験をして
たことを知ると共に,原爆資料館や遺構めぐりをする際も長崎大学のボラン
ィ ア の 方 や 近 く に 住 む 人 ,見 学 を し て い る 人 な ど に 説 明 を し て い た だ い た り ,
ちらからインタビューしたりすることによって,たくさんの人の平和に対す
思いや願いを感じることができるようにする。
発信する場の設定
平和集会での発表を大きなめあてとして,自分の思いを伝える活
く。方法としては,グループごとに自分が調べたことや思い・考
に討論し,学習を自分たちで深めさせていく場を設ける。
また,被爆遺構を残そうとしている人々の努力や戦争体験者,被
齢化や減少の問題について考えるとともに,平和について自分た
の人や後世に伝えていく必要があることに気づかせる。さらには
ジなどを使っての自分たちの思いを伝える場を設けていきたい。
学び方の習得への援助
原爆に関わることを中心としながらも,原爆を投下したパイ
に突き進んだ歴史的背景,日本の加害責任に触れる機会をも
であるという意識だけでなく,戦争は人の心を変えてしまう
しいものであるということを知ることができるようにする。
戦争という問題を多様な視点をもって見つめ直し,真実を追
れることを期待したい。
3.単元の目標
82
動を行って
えなどを自
爆体験者の
ちの手で周
,ホームペ
ロットの話や戦
つ。日本は被害
もので本当に恐
究する態度が育
○原爆及び原爆をもたらした戦争の原因やそのころの生活,戦後の日本と世界
の現状に関心をもち,意欲的に調べることができる。
○見学や被爆者の話を通して原爆や戦争についての学習課題を見つけ,友達と
協力しながら課題を解決することができる。
○原爆の被害の状況や今でも残る被爆遺構を調べ,核兵器の廃絶や平和の尊さ
を自分なりの考えをもって表現することができる。
4.活動計画(42時間)
過程
月
ふ
5
月
上
旬
れ
活動の流れと内容
○数字=予定時数
原爆資料館の見学に行こう
教師の支援・備考
□アンケートを実施し,児童の実
態を把握する。
横尾小の「平和に関するアンケート」
①
倉富先生の原爆に関する話を聞く
①
「倉富先生の話を聞いて原爆について考えよ
う!」
□倉富先生が祖父から聞いた被爆
体験の話をし,原爆資料館見学
に対する興味・関心を高める。
□ワークシートを用意し,感想や
これから知りたいことを記入す
るよう伝える。
□各クラス4班で編成する。
る
原爆資料館を見学する。
②
「原爆資料館を見学して,原爆の被害の様子
やその悲惨さを知り,これから平和学習を
進めていくきっかけとしよう!」
□各クラス担任1名,TT1名,
ボ ラ ン テ ィ ア の 大 学 生 2 ∼ 3 名
が各班につき,見学の際のアド
バイザーとなる。
□ ワ ー ク シ ー ト を 用 意 し ,「 熱 線
に よ る 被 害 」「 爆 風 に よ る 被 害 」
「 放 射 能 に よ る 被 害 」「 核 兵 器
について」の4つの項目で調べ
ることを伝える。
原爆資料館を見学した感想を発表する。
⑤
つ
原爆の被害や戦争について調べよう
5
月
被爆体験講話を聞く
②
中
「実際に被爆した人の話を聞いて原爆の恐ろ
し さ や 被 爆 者 の 悲 し み を 感 じ 取 ろ う 。」
旬
か
太平洋戦争に至るまでの歴史的な背景につい
て知る。
②
【
・
・
・
・
・
む
つ
キ
軍
満
国
真
太
ー
国
州
際
珠
平
ワ
主
国
連
湾
洋
ー
義
の
盟
攻
戦
ド
と
独
か
撃
争
】
民主主義
・満州事変
立
・南京大虐殺
らの脱退と孤立化
・教育(国内)
・ 教 育( 他 国 に 対 し て )
5
□被爆者である池田早苗さんに講
話を依頼する。
□保護者にも参加を呼びかける。
□話を聞いた感想をノートにまと
めるよう助言する。
□軍服を着た幼児の写真から当時
の社会情勢をつかませる。
□ワークシートを用意しておき,
児童が歴史的な流れや出来事を
つかみやすいようにする。
□キーワードとなる史実をいくつ
かにしぼり,説明していく。
□ 「 映 像 の 世 紀 J A P A N ( N H K : 編 集 )」
を上映し,視覚的に児童がとら
えやすいようにしておく。
□ 原 爆 投 下 目 標 都 市 ,「 新 潟 」
83
月
下
旬
長崎への原爆投下に至るまでの地理的な背景
について知る。
①
【
・
・
・
・
か
キ
太
軍
三
三
ー
平
事
菱
菱
ワ
洋
施
長
製
ー
戦
設
崎
鋼
ド】
争
造船所
所
・ポツダム宣言
・人口密集地
・三菱兵器工場
□ワークシートを用意しておき,
なぜ投下されたのかの予想や地
理的な背景についてつかみやす
いようにする。
自分なりの課題を見つける
①
む
これまでの学習を終えて,これから自分がど
のようなことを知りたいか,調べていきたい
かをまとめる。
6
月
上
旬
「 京 都 」「 広 島 」「 小 倉 」「 長 崎 」
を提示する。
□広島と長崎の原爆投下日時を確
認する。
□キーワードとなる史実をいくつ
かにしぼり,説明していく。
アンケートをもとに個々の課題を明らかにす
る。
①
課題別のグループ作りをし,調べ学習の計画
を立てる。
①
・どのように調べていくか。
・調べる手段にはどのようなものがあるか。
・必要な資料,ホームページの検索。
□見学,講話,授業をおえて自分
なりの考えを自由にまとめさせ
る。
□今後の課題に関しては,いくつ
も書いてよいことを伝える
□前時に児童が記入したものを
師の方でいくつかにまとめ,
童の希望調査を行う。
□希望調査をもとに,各クラス
とに,グループの編制をして
く。
□ワークシートに記入する際,
体 的 に 「 何 を 」「 い つ ま で に
「どのように」まとめていく
を明確にするよう助言する。
□今後の学習計画が立てやすい
うに,調べ学習の日程,発表
の日程を知らせる。
教
児
□大まかに4
班ずつ)に
予定してい
は,大きな
したグルー
る。
(例)
原爆について
2
を
て
れ
あ
ご
お
具
」
か
よ
会
⑧
ふ
6
月
中
旬
調べ学習をする。
⑩
☆原爆について
か
☆ 戦 争 に つ い て (太平洋戦争を中心として)
め
つ
つ
る
テ
プ
の
い
が
ー
編
内
て
,
マ
制
容
の
実
か
の
(
追
態
ら
可
各
究
に
枝
能
内
活
よ
分
性
容
動
っ
か
も
原爆の被害について
被爆遺構について
☆戦争中の人々の生活
る
☆太平洋戦争後の日本と世界について
【活動内容】
①∼④時:・学習計画の具体化
・各グループごとの課題解決に向
けて調べ,まとめる。
6
月
下
旬
⑤∼⑥時:・中間報告会(6/28)
⑦∼⑩時:・調べ学習を深める。
⑩
84
□追究活動に必要な情報を収集さ
せ,行き詰まっている場合は,
共に考えたり情報を提供したり
する。
□T・Tも調べ学習の支援に
る。
□各班で調べる内容に応じて
当を決め,効率よくまとめ
けるよう支援する。
■発表は,個人がまとめたプ
トと口頭による発表とし,
が軽くなるよう配慮する。
■お互いの学習を認めあえる
気作りに心がける。
(座談会形式)
あた
,担
てい
リン
負担
雰囲
ま
調べたことを深めよう
7
月
上
旬
平和
・
・
・
と
ウ
原
城
被
ォ
爆
山
爆
ー
資
小
遺
ク
料
学
構
の
館
校
め
計
の
の
ぐ
画を立てる。
見学
見学
り
等
□事前に各被爆遺構,記念館を視
察し見学コースをいくつか考え
ておく。
②
□調べ学習の班で行動することを
伝える。
□地図をもとにコースの確認をす
る。
め
平和ウォークで原爆や戦争,平和について再
確認する。
⑥
□被爆資料や被爆遺構がなぜ大切
に保存され現在に残されている
のかを考える1日であるように
したい。
る
⑧
ひ
平和集会でみんなに伝えよう
7
月
中
旬
ろ
平和集会の発表に向けて,これまでの学習を
まとめ準備をする。
⑤
□各クラスの実行委員を中心に計
画を立てる。
平和のキャンドル,ポスター,標語作り
□自分たちが調べてわかったこと
みんなに伝えたいことを心から
表現できるよう助言していく。
げ
②
る
学年での発表会をする。
②
平和集会での発表
①
□発表時間を考えさせ,効果的な
発表ができるように指導する。
□発表方法についてもいろいろな
表現方法を紹介し,幅広いまと
め方を心がけるよう助言する。
8
月
□8月9日の平和祈念集会で発表
する。
□これまでの学習をふ
爆や戦争,平和につ
らの自分は,どのよ
行動していくかを自
葉でまとめさせる。
これからの自分にできることについて考えよ
う
①
⑪
5 . 本 時 の 活 動 ( 6 /1 0 )
り
い
う
分
返
て
に
な
り
こ
考
り
,
れ
え
の
原
か
,
言
全体19/42
(1)本時の目標
自分が選んだ原爆や戦争に関するテーマについて調べたことや,調べながら
自分が感じたり考えたりしたことを,友達に伝えることができる。
(2)前時∼本時の展開
前時5/10
場所:図書室
過程
ふ
学
習
内
容
○前時までの学習をふり返りながら,
本時の学習のめあてをつかむ。
教
師
の
支
援
○これまでの学習内容を想起させ,本時の学習課題を
つかませる。
れ
【学習のめあて】
る
85
10
分
/
つ
か
戦争や原爆について,調べたことや調べて感じたことを友達に伝え,語り合
おう
○グループごとに報告活動をし,意見
交換をする。
<班編制>
・1∼3班で編制する。
・各班にABCDの調べ活動グループ
がそれぞれ2,3名ずつ入る。
○B,Dグループが発表する。
む
<図書室での場作り>
1
班
11名
30
分
移
動
黒
板
高
尾
2
班
11名
松
/
○報告活動・意見交換がスムーズに進むように児童に
助言する。
<発表する児童に対して>
・発
て
・調
え
・必
る
表
話
べ
た
要
こ
原
を
た
こ
に
と
稿
す
内
と
応
。
は
る
容
を
じ
で
こ
だ
伝
て
き
と
け
え
資
る
。
で
る
料
だけ見ずに,相手の方を向い
なく,自分が感じたことや考
こと。
や写真を提示しながら発表す
<発表を聞く側の児童に対して>
・友達の報告に対して真剣に聞き,自分なりの言
葉でワークシートにメモしたり,考えをまとめ
たりすること。
・必ず何か一言は発言できるように支援する。
・進んで自分の感想や意見を発表できるようにす
る。
・友達の発表を受けて,発言がつながるようにす
る。
本
3
班
11名
○3つの班にそれぞれ教師が1人ずつ付き,報告活動
や意見交換の補助にあたる。
吉
○あらかじめ,児童の調べた内容を把握し,質問事項
や助言すべき点などを準備しておく。
田
○意見交換後の感想を記入し,発表し
合う。
ふ
か
○報
と
ろ
き
告を聞いたり意見交換をしたりして心に残ったこ
や疑問に思ったこと,友達の思いに共感するとこ
,自分なりにもった考えなどをワークシートに書
込む時間を設ける。
○記入後は,自由に発表させ,その都度称賛したりア
ドバスの言葉をなげかけたりする。
め
る
20
分
○次時の学習について知る。
本時6/10
過程
ふ
れ
る
5
分
/
学
○ 次 時 の 学 習 で は ,報 告 会 の 後 半 を 行 う こ と を 伝 え る 。
場所:図書室
習
内
容
○前時の学習をふり返り,本時の学習
のめあてを確認する。
【学習のめあて】
教
師
の
支
援
○前時の学習内容を想起させ,本時の学習課題をつか
ませる。
戦争や原爆について,調べたことや調べて感じたことを友達に伝え,語り合
おう
○グループごとに報告活動をし,意見
交換をする。
<班編制>
・1∼3班で編制する。
・各班にABCDの調べ活動グループ
がそれぞれ2,3名ずつ入る。
○前時の活動をもとに報告活動・意見交換がスムーズ
に進むように児童に助言する。
<発表する児童に対して>
・発表原稿はできるだけ見ずに,相手の方を向い
て話をすること。
86
○A,Cグループが発表する。
つ
・調べた内容だけでなく,自分が感じたことや考
えたことを伝えること。
<図書室での場作り>
・必要に応じて資料や写真を提示しながら発表す
ること。
か
1
班
11名
移
動
黒
板
む
高
・友達の報告に対して真剣に聞き,自分なりの言
葉でワークシートにメモしたり,考えをまとめ
たりすること。
尾
・必ず何か一言は発言できるように支援する。
25
2
班
11名
分
松
/
ふ
<発表を聞く側の児童に対して>
・進
る
・友
る
本
んで自分の感想や意見を発表できるようにす
。
達の発表を受けて,発言がつながるようにす
。
3
班
11名
○3つの班にそれぞれ教師が1人ずつ付き,報告活動
や意見交換の補助にあたる。
吉
○あらかじめ,児童の調べた内容を把握し,質問事項
や助言すべき点などを準備しておく。
田
○意見交換後の感想を記入し,発表し
合う。
か
○報
問
分
時
告を聞いたり意見交換をして心に残ったことや疑
に思ったこと,友達の思いに共感するところ,自
なりにもった考えなどをワークシートに書き込む
間を設ける。
め
○記入後は,自由に発表させ,その都度称賛したりア
ドバスの言葉をなげかけたりする。
る
15
分
○今後さらに深く調べたいことを考え
る。
(3)評
○まだよくわからないことや調べ方が不十分だったこ
とについて確認し,次の活動計画を思い描かせるよ
うにしたい。
価
○自分の思いを相手にしっかりと伝えようとしているか。
○友達の話を聞き,自分の思いと比べて考えようとしているか。
6
に
背
き
み
え
7
授業実施後の反省
被
強
景
た
ん
付
爆体験講話や原爆資料館見学などの感動や驚きのある出会
く印象づけることができた。自分の課題を決め調べ進めて
・戦争の悲惨さを知り,今の自分たちの生活は平和の中で
ようだ。学習を通して,自分たちにもできることを実践て
なが平和を願い続け行動することで必ず平和な世界は実現
けていくこともとても大切なことであることを実感した。
平成13・14年度市教委指定「平和教育」
87
い
い
支
い
で
に
く
え
こ
き
よ
う
ら
う
る
り
ち
れ
と
と
,
に
て
す
い
平
,
い
る
う
和
戦
る
気
希
や
争
こ
持
望
戦
に
と
ち
を
争
突
に
も
子
を
入
も
芽
ど
子
し
気
生
も
ど
て
づ
え
た
も
い
く
て
ち
た
っ
こ
き
の
ち
た
と
た
心
の
時
が
が
に
心
代
で
,
植