飲料水媒介の細菌は強毒化する 病原性腸内細菌の毒性は、細菌の 感染

飲料水媒介の細菌は強毒化する
病原性腸内細菌の毒性は、細菌の
感染のしかたと密接に関係している。
Ewald(1991) は9種の腸内細菌による
過去の流行例 1000 件ほどについて、流
行が飲料水媒介によって起こったか、
人と人の直接接触によって起こったか
を調べ、各細菌の感染による致死率を、
図 1: 腸内細菌の毒性の強さと、その病原
その細菌が飲料水媒介によって流行し
体が水媒介感染する傾向との関係 (Ewald
1991)。病気の流行が水媒介によって引き
果、飲料水媒介に依存する割合の高い 起こされる割合が大きいほど、その病気の
病原体ほど、その致死率(毒性)は加速 致死率は高い。 (図は S. Freeman and
度的に高くなることが分かった(図)。 J. C. Herron, “Evolutionary Analysis,
Third Edition”, Prentice Hall より改変)
た割合に対してプロットした。その結
接触感染する病原体では、毒性を高
くすることは感染宿主の活動性を弱
め、未感染個体への接触の機会を低下 のだと解釈されている。同様に、接触
させる。これに対して、飲料水経由で 感染する伝染病よりマラリアやデング
広がる病原体では、感染宿主を疲弊さ 熱など昆虫媒介の伝染病の致死率の方
せても遠くの未感染個体に容易に到達 が高くなる傾向がある。
できため強毒の病原体が有利になれる
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