第4章 地域情報化計画(2013~2015) の基本的な考え方 17 Ⅰ 計画策定の目的 第1章「地域情報化計画について」で述べたように、少子高齢化社会の 進展、先行き不透明な経済情勢、更には、東日本大震災による安全・安心 な市民生活に対する要請の高まりなど、社会経済環境が大きく変化してい ま す 。 更 に 、 行 政 に お い て は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト な ど の ICT を 活 用 す る な かで市民同士、市民と行政、市民と事業者などを「つなぐ」という役割が 必要となっています。行政が保有している情報を積極的に市民に提供し、 人やモノなどの地域資源をつなぐなかで、行政サービスと暮らしの質を向 上させるための情報化施策を推進していかなければなりません。 本 市 に お い て は 、 平 成 18 年 度 に 「 第 五 次 甲 府 市 総 合 計 画 ~人がつど い 心 が か よ う 笑 顔 あ ふ れ る ま ち ・ 甲 府 ~ 」( 計 画 期 間 : 平 成 18 年 度 ~ 平 成 27 年 度 ) を 策 定 し , 市 民 生 活 の 利 便 性 の 向 上 や 地 域 産 業 の 活 性 化 に 資する各種施策を推進してきたところです。 このような状況のなか、第五次甲府市総合計画におけるまちづくりの基 本目標を踏まえ、市民生活や地域において情報を共有する住民情報化と、 ICT の 利 活 用 に よ る 行 政 情 報 化 に よ り 市 民 サ ー ビ ス の 向 上 を 図 る と と も に 、 効 率 的 ・ 効 果 的 な 行 政 運 営 を 目 指 す た め 、「 甲 府 市 地 域 情 報 化 計 画 ( 2013~ 2015) を 策 定 す る も の で す 。 18 Ⅱ 計画の位置づけ 本計画は,上位計画である「第五次甲府市総合計画」に掲げる基本目標 の実現に向け、本市の地域情報化施策を計画的かつ横断的に推進するため の基本的な計画であります。 Ⅲ 計画期間 本 計 画 は 、「 第 五 次 甲 府 市 総 合 計 画 」( 計 画 期 間 は 平 成 18 年 度 ~ 平 成 27 年 度 ) に お け る 実 施 計 画 の 計 画 期 間 ( 3 ヵ 年 ) や 、 ICT の 進 展 の 著 し さ を 踏 ま え 、 計 画 期 間 を 平 成 25 年 度 ( 2013 ) か ら 平 成 27 年 度 ( 2015) ま での 3 年 間 と し ま す 。 Ⅳ 計画スローガン ICT がつなぐまちづくり ~ 魅 力 と 活 気 の あ る ま ち ・ 甲 府 を つ く る 東日本大震災後、これまで希薄であった人と人との絆やつながりが、改 めて重要視されはじめています。地域のコミュニティが見直され、防災に 対する意識も一変しました。国民がいなくては国が成り立たないように、 安心して暮らす市民がいなければ地域社会は成り立ちません。防犯対策・ 環境対策・産業振興への対策などは、市民の安心な暮らしを創出するため には必要不可欠な要素であると考えられます。 19 こ れ か ら の 地 域 社 会 に お け る ICT 戦 略 で は 、 利 用 す る 側 同 士 の 新 た な 出会いやつながりを創出し、住民同士の人間関係構築を目指す「ソーシャ ル戦略」が重要であると言われています。 ICT は 目 的 を 達 成 す る た め の 手 段 で あ り 、「 人 が つ ど い 心がかよう 笑顔あふれるまち・甲府」を実現するための道具であります。多くの市民 がこの道具の適切な使い方を習得することでその恩恵に与かることができ ます。そして市民生活を構成するさまざまな要素をつなぐ手助けをし、魅 力 と 活 気 の あ る ま ち づ く り を 行 う た め に ICT を 利 活 用 し て い く こ と か ら 、 計 画 ス ロ ー ガ ン を 「 ICT が つ な ぐ ま ち づ く り ~ 魅 力 と 活 気 の あ る ま ち ・ 甲 府をつくる」としました。 ICT利用 安心 市民 行政 コミュニティ ICT が つ な ぐ ま ち づ く り 防災・防犯 ~魅力と活気のあるまち・甲府 産業 環境 事業者 リテラシー ICT利用 20 Ⅴ 基本方針 第五次甲府市総合計画において、まちづくりの基本目標として「互いに 支 え 合 い 健 や か に 暮 ら せ る ま ち」、「 夢 に あ ふ れ 心 豊 か に 人 と 文 化 が 輝 く ま ち 」「 次 代 に 引 き 継 ぐ 快 適 で 美 し い 安 ら ぎ の ま ち 」、「 に ぎ わ い と 豊 か さ を 創 り だ す 風 格 の あ る ま ち」、「 魅 力 と 活 気 の あ る だ れ も が 住 み た い 楽 し い ま ち」を掲げています。 この目標の実現に向けて、市民生活や地域において情報を共有する「住 民 情 報 化 」 と ICT の 利 活 用 に よ る 「 行 政 情 報 化 」 に よ り 市 民 サ ー ビ ス の 向上を図るとともに、効率的・効果的な行政運営に取組みます。 地域情報化計画においては、福祉・健康への支援として「安心な暮らし を 実 感 で き る ICT の 利 活 用 の 推 進 」、 教 育 ・ 文 化 の 振 興 と し て 「 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 性 化 と ICT リ テ ラ シ ー の 向 上」、 生 活 ・ 自 然 環 境 の 向 上 と し て 「 ICT を 利 活 用 し た 防 犯 ・ 防 災 対 策 の 充 実 並 び に 地 球 温 暖 化 に 関 す る 情 報 発 信 の 推 進」、 産 業 の 振 興 と し て 「 地 域 産 業 の 活 性 化 に 向 け た ICT 利 活 用 の 推 進」、 都 市 基 盤 の 整 備 と し て 「 行 政 運 営 の 効 率 化 ・ 高 度 化 の 推 進」、 「 市 民 ニ ー ズ を 踏 ま え た 市 民 サ ー ビ ス の 向 上 」「 ICT 推 進 体 制 の 強 化 」 を 施策の方針としています。 21 Ⅵ 計画目標 施策の柱(方針) 基本 目標 人 が つ ど 笑い 顔 あ心 ふが れか るよ まう ち ・ 甲 府 計画 目標 甲府市地域情報化計画 ( 2013~ 2015) 第五次甲府市総合計画 互いに支え合い健やかに 暮らせるまち ~福祉・健康への支援 ・ 安 心 な 暮 ら し を 実 感 で き る ICT 利 活用の推進 夢にあふれ心豊かに人と 文化が輝くまち ~教育・文化の振興 ・ 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 性 化 と ICT リテラシーの向上 次代に引き継ぐ快適で美 しい安らぎのまち ~生活・自然環境の向上 にぎわいと豊かさを創り だす風格のあるまち ~産業の振興 ・ ICT を 利 活 用 し た 防 犯 ・ 防 災 対 策 の 充実 ・ 地球温暖化に関する情報発信の推進 魅力と活気のあるだれも が住みたい楽しいまち ~都市基盤の整備 ・ 行政運営の効率化・高度化の推進 ・ 市民ニーズを踏まえた市民サービス の向上 ・ ICT 推 進 体 制 の 強 化 ・ 地 域 産 業 の 活 性 化 に お け る ICT 利 活用の推進 市民サービスの向上、 効率的・効果的な行政運営を目指す 22 甲府市地域情報化計画(2013~2015)概略図 第五次甲府市総合計画 第7次実施計画より 基 本 構 想 構想推進の考え方 都市像 市民と行政の 役割の明確化 基本目標 行財政改革 の強化 施策の基本区分 互いに支え合い健やかに暮らせるまち 人 が 笑つ 顔ど あい ふ心 れが るか まよ ちう ・ 甲 府 協働型社会 の構築 実 施 計 画 事業 社会福祉/子育て支援/高齢者支援/障害者支援/健康づくり 医療・救急・救助/国民健康保険/介護保険/国民年金 ―福祉・健康への支援― 推進の視点 少子化 義務教育等/高等学校教育/大学教育等/生涯学習 スポーツ・レクリエーション/文化・芸術/青少年/男女共同参画 国際化への対応 夢にあふれ心豊かに人と文化が輝くまち ―教育・文化の振興― 高齢化 安全・安心 自然環境保全/講演・緑地緑化の推進/景観形成/住宅・住環境 ・定住環境/上水道/下水道/河川・水路/循環型社会の構築 環境保全/防災対策/消防/防犯対策/消費生活/交通安全対策 次代に引き継ぐ快適で美しい安らぎのまち ―生活・自然環境の向上― 地域再生 循環型社会 にぎわいと豊かさを創りだす風格のあるまち 人づくり 商業/工業/農業/林業/観光/生鮮食料品流通機構 山間地域/勤労者 ―産業の振興― 高度情報化 実 施 計 画 事 業 人口問題 魅力と活気のあるだれもが住みたい楽しいまち 公平・透明な 行政運営 都市拠点整備・再開発/市街地の整備/交通/幹線道路 生活道路/地籍調査/地域情報化の推進 ―都市基盤の整備― 住民参加 ・参画 協働の推進/持続可能な行財政運営/地方分権への対応 目標とする将来像 ICTを利活用 最新の情報技術 の動向等 地域情報化計画は、総合計画の基本目標を横断的に推進する ことになる。ICT(情報通信技術)はあくまでもツール (道具)であり、手段であり、方法である。各部の各種施策 を実現するためにICTを利活用するのである。串刺しのイ メージになる。 甲府市地域情報化計画(2013~2015) 役割・位置付 本市における各種地域情報化施策を計画的かつ横断的に推進するための基本的な計画 基本方針 甲府市総合計画における5つのまちづくり基本目標 を踏まえ、 ①市民生活や地域において情報を共有する ②ICTの利活用による 住民情報化 IT推進本部 情報システム管理委員会 行政情報化 パブリックコメント 住民情報化・行政情報化は 目標を達成するための手段 計画目標:市民サービスの向上、効率的・効果的な行政運営を目指す。 計画スローガン:ICTがつなぐまちづくり~魅力と活気のあるまち・甲府をつくる 地域情報化計画における施策の方針 福祉・健康への支援:安心な暮らしを実感できるICT利活用の推進 施策 教育・文化の振興:地域コミュニティの活性化とICTリテラシーの向上 施策 生活・自然環境の向上:ICTを利活用した防犯・防災対策の充実 地球温暖化に関する情報発信の推進 施策 産業の振興:地域産業の活性化に向けたICT利活用の推進 施策 都市基盤の整備:行政運営の効率化・高度化の推進 市民ニーズを踏まえた市民サービスの向上 ICT推進体制の強化 施策 統合型GIS(地理情報システ ム)利活用の推進 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の 利活用に向けた調査研究 携帯情報端末(タブレット)等の 利活用に向けた取組み 23
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