貿易物流情報化特集 ソフトの基本コンセプト 接続が可能であること ③システムの拡張性−小さく始めて大きく育て 『DC-24』はNVOの日常業務に必須とされる基本機 る 能に加えて、貨物セキュリティへの対応や外部サ ービス、海外ユーザによるクラウド活用などによ る電子化を実現する拡張機能、をオプションとし て用意している。 基本構成と拡張性 『DC-24』のシステムはNVOCCのShipping Documentation Systemに必要な①輸出業務②輸入 業務③マスター機能、を基本機能として装備して 『DC-24』開発の基本コンセプトは いる。 (下図参照) 1.基本機能の充実と標準価格の低価格化 「ソフトウエアは高い」という既成概念を覆す 従来製品の1/3−1/5の普及価格での提供 2.充実したオプション機能 最新Web技術の利用を含め電子化メリットを活 用する製品であること ①日本版24時間ルール(JP24)に対応する電 子化の環境作りを支援 ②当局(海外セキュリティ含む)とのシステム 一方、システムには三つに大別した拡張性(オプ ション)が用意されている。 (別図参照) 1.基本機能への追加機能 NVOCCの日常業務に必須の基本処理機能に入出 金残高の管理や管理諸表など、Excelでは自動化で きない作表機能などを追加・補強することができ る。また、ユーザが使用する会計システム(外部 パッケージソフトを含む既存システム)のデータ 18 荷主と輸送 2012.11 No.457 IT技術の進化、とくに最新のクラウド技術は業 務処理分野で外部サービスとして活用され、従来、 必要だったハードとソフトというシステム資源が 不要となる。デカルト社やBALのシステム利用は、 国内外で共通の基盤としてユーザが利用できるク ラウドサービスのメリットを最大限に引き出せる 代表的な例と言える。 3.ACEや日本版24時間ルールにも対応 「輸出貨物のセキュリティ対応」では米国など の日本出しHouse B/Lのファイリングについてデカ を『DC-24』と接続することにより、データ入力 ルト社のクラウドサービスを利用すること(有料) 作業の重複をなくして省力化と正確化を実現する。 ができる。 『DC-24』は米国税関国境警備局(CBP) さらに海上貨物に加えて、 『DC-24』を土台とした が要求するデータをB/Lシステムから抽出、さらに DCSの航空貨物システムへの拡張も可能。 ファイリングにのみ必要とされる項目を追加し、 デカルト社のファイリングサービス(Ocean ACE) 2.クラウド技術・環境の活用 『DC-24』ではデカルト社のクラウドサービス と連結(電子化)すれば自動化でき、EU向けの House B/Lのファイリングが可能となった場合や、 を利用することにより、貨物の追跡機能などを同 中国向けも同制度の施行が本格化すれば自動化が 社の専用ネットワークGLNを使用(有料)し付加、 可能。そして、14年3月に開始する日本向け輸入貨 ユーザに新しい価値を提供することも可能。また、 物を対象としたJP24で、NACCSが定める国内での DCSと協業するブレインネッタ社(BAL)が海外 接続方式(国内にあるデータのアップロード)に のユーザ向けに提供しているクラウドの「Export 『DC-24』を使用することができる。加えてNACCS Shipping Documentation System」を使用してB/Lデ は同システムから輸出貨物データの電子的取り込 ータを作成、これを『DC-24』とシステム上で連 みを可能にする機能(ACL)があることから、 結(電子化)することにより、国内の輸入業務に ACLとのデータ接続機能を装備することで、 必要な入力をほぼゼロにすることもできる。 NVOCC業務の電子化と不要な二重入力を省力化す ることができる。 『DC-24』とクラウドを組み合わせることによ り、従来のような海外からのドキュメントをFAX 『DC-24』はドリームカーゴシステムが技術開 やPDFで受信し、そのB/L書面をマニュアルで再入 発・営業販売を、ブレインネッタが海外対応・業 力する必要がなくなるため、一挙に省力化・自動 務企画を、それぞれ担当し、両社が得意分野を活 化して業務の効率化と信頼性の向上を図る事がで かし協業することにより、同種の業務ソフトにな きる。 い特徴と低廉な価格での提供が可能となった。 荷主と輸送 2012.11 No.457 19
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