刈 谷 市 食育 推進計画 平 成23年 度 ∼ 平 成32年 度 刈 谷 市 平成23年3月 概要版 1 計画策定の趣旨 3 計画の期間 「食」 は人が生きていくためには欠かせないものです。健全な食生活は生涯にわたって、健やかな 本計画の期間は、平成23年度から平成32年度までの10年間とし、計画期間中に状況の変化な 身体を育むとともに、 その地域の文化や価値観を次の世代へ伝える役割も果たしています。 どが生じた場合には、必要に応じて見直すこととします。 近年、私たちの食生活は、 ライフスタイルの多様化などにより、大きく変化してきています。 「食」 に対する関心・感謝の気持ちの低下や食生活の乱れ、 「食」 の安全性に対する信頼の喪失、 さ 平成 23年度 平成 24年度 平成 25年度 平成 26年度 らには、日頃の食生活における栄養の偏りや不規則な食事の増加など、健全な食生活が失われつ 平成 27年度 平成 28年度 平成 29年度 平成 30年度 平成 31年度 平成 32年度 計 画 の 見 直し つあります。 また、 これらに起因して、肥満や生活習慣病の増加など、食生活の正しい認識を持たないことに よる、 さまざまな問題が生じてきています。 このような状況の解決に向け、国は平成17年6月に国民運動として食育を強力に推進していく ため 「食育基本法」 を制定し、平成18年3月 「食育推進基本計画」 を策定しました。愛知県において も、平成18年11月に県の食育推進計画である 「あいち食育いきいきプラン」 が策定されています。 刈谷市は、企業の立地が多く、若年層の単独世帯を多く抱えています。また、総人口は増加の傾 向がみられるものの、全国的な傾向と同様に少子高齢化が進んでいます。 これらを踏まえ、 すべての市民が食育を通じて豊かな人間性を育み、 いきいきと暮らすことができ るよう、 「食」 に関する取り組みを総合的に推進するため 「刈谷市食育推進計画」 を策定します。 4 基本理念 食育を推進することで、 すべての世代が、健康・栄養について認識し、食べることの意味の理解を 深めます。 また、農産物の生産や料理など、豊かな体験を通じて、 「食」 への感謝の心や食文化の伝 承、環境への関心を高めます。 食育の第一歩は、市民の食に対する関心と意識を高め、 「食」 に関する理解を深めることであり、 特に子どもの食育については家庭が重要な役割を有していることを認識し、 その意識を高めていく ことが必要です。 これらのことから、食育を推進するためには、子どもとその家族を中心とした食育の推進や、 「食 2 計画の位置づけ 育」 を実現しやすい環境、人と人との関わりを広める仕組み・ネットワークづくりが重要になります。 そのため、 「食」 や 「食育」 に関して、子どもとその家庭を中心に、 さまざまな経験や機会を通じ、個 本計画は、食育基本法の目的・基本理念を踏まえ、同法第18条第1項に基づく市町村食育推進 人だけでなく家庭、学校・園、生産者・販売者、行政など地域全体のつながりを深めることで市全体 計画として位置づけます。 の食育を進めていくことが大切です。 刈谷市として食育に関する基本的な考え方を示し、具体的な取り組みや指標を掲げて、関係施 それらを踏まえつつ、市民それぞれが、楽しみながら 「食」 を形づくり、 「食」 によってつくられる丈 策を総合的かつ計画的に推進していくために必要な事項を定め、行政はもとより、市民、 それを取り 夫な体や豊かな心によって、笑顔がもたらされるように、取り組んでいくことをめざし、基本理念を 巻く地域・団体などがそれぞれ役割に応じて連携・協議して食育に取り組んでいくための基本とな り、掲げます。 以下のとおり、 るものです。 なお、国の 「食育推進基本計画」 、愛知県の 「あいち食育いきいきプラン」 、市の上位計画である 「第7次刈谷市総合計画」 や関連計画との整合を図りつつ、食育に関する取り組みを実施するもの とします。 1 2 5 基本目標 6 数値目標 (1) 「食」を通じたコミュニケーションを楽しむ (2) 「食」への感謝の気持ちを育てる 1.「食」で豊かな 心をはぐくむ (3)体験を通して「食」への関心を深める (4)伝統食などの食文化を継承する (現状値) 平成22年度 (中間目標値) 平成27年度 (目標値) 平成32年度 小学生(5年生) 78. 1% 85% 90% 中学生(2年生) 63. 5% 70% 80% 59. 5% 65% 70% 76. 3% 80% 85% 55. 5% 60% 70% 指 標 ●食事を楽しいと思う 児童・生徒の割合 3. 環境にやさしい 「食」をすすめる ●夕食をほとんど毎日、家族と食べる人の 割合 ●食事のあいさつをしている 小学生(5年生) 児童・生徒の割合 中学生(2年生) (1)正しい食事や栄養についての知識を得る 2. 「食」で元気な 体をはぐくむ (3) 「食」の安全性についての理解を深める (現状値) 平成22年度 (中間目標値) 平成27年度 ●自分に適した1日の食事の量と バランスがわかる人の割合 50. 1% 60% 70% ●食事バランスガイドの認知度 54. 5% 60% 70% 小学生(5年生) 3. 5% 2% 0% 中学生(2年生) 7. 3% 5% 3% 30. 9% 25% 15% 指 標 ●朝食を欠食する人の割合 20歳代男性 (目標値) 平成32年度 (2)地産地消を推進する 指 標 ●学校給食における 愛知県内産食材の使用率 (現状値) 平成22年度 (中間目標値) 平成27年度 (目標値) 平成32年度 48. 9% 55% 60% 86. 2% 90% 95% 73. 7% 75% 80% 66. 9% 70% 75% (※21年度実績) ●食べ残しや食品廃棄を少なくするために、 注意している人の割合 小学生(5年生) ●食べ残しや食品を捨てることに関して 「もったいない」と感じている児童・生徒の割合 中学生(2年生) 4. みんなで「食育」 をすすめる (2)健康な体をつくる食生活を実践する (1)食べ物や資源を大切にする食生活を推進する (1)食育推進のための体制を整備する (現状値) 平成22年度 (中間目標値) 平成27年度 (目標値) 平成32年度 ●食育に関心を持っている人の 割合 70. 5% 80% 90% ●食育を何らかの形で実践している人の 割合 49. 6% 60% 70% 34. 8% 40% 50% 33. 0% 40% 50% 指 標 ●食育月間の認知度 食育の日の認知度 本計画では、 「食」 を通じたコミュニケーションや体験を通して “ 「食」 で豊かな心をはぐくむ” 、 正し い食生活や 「食」 の安全を通して “ 「食」 で元気な体をはぐくむ” 、環境に配慮した食生活や地産地消 により “環境にやさしい 「食」 をすすめる” 、 そして “みんなで 「食育」 をすすめる” を基本目標として取り 組みを進めます。 3 4 7 重点プログラム 本計画の基本理念『「食」 を楽しもう!刈谷 「食」 はみんなの笑顔をつくる!』の実現に向けて、 刈谷市の現状や課題を踏まえ、計画を効果的に進める施策を 「重点プログラム」 と位置づけ、推進 重点 3 若年層 (次代の親世代) への 「食育」 の啓発 プログラム 刈谷市は大規模な工場を抱えた企業の立地が多く、男 性の若年単独世帯の割合が高くなっています。若年層 (10 歳代後半∼30歳代前半) は、子育て世代もしくはその一 していきます。 歩前の世代であるにも関わらず、食生活が乱れがちであ り、 「食」 に対する意識も希薄です。 重点 1 子どもに対する栄養バランスについての知識の普及 これらの世代に対する取り組みとして、市内各所や企業 プログラム 生活習慣の基礎を確立していく時期の子どもたちに対 して、正しい食育を行うことが、その後の心身の健康に良 い影響を与えていきます。 保育園・幼稚園の園児が、好き嫌いなくいろいろなもの が食べられるよう、小・中学校の児童・生徒は、食べること 内食堂などにおけるポスター、パンフレットを使った 「食」 に 関する情報提供や啓発、 また、若年層にターゲットを絞った 食育啓発講演会などを実施していきます。 重点 4 連携による食育の普及 プログラム や栄養バランスについての関心を高め、 「食」 に関する知識 現在、愛知県下を中心に、愛知教育大学で考案された 「しょくまるファイブ」 による食育普及活 を深められるように、楽しみながら覚えられる指導・啓発を 動が積極的に行われています。 すすめていきます。 刈谷市でも、 すでに一部の小学校や保育園、市のイベントなどで大学の協力をいただき食育 の普及・啓発を進めておりますが、本計画策定に際し、 より連携を深め、更なる食育の推進につ 重点 2 親子で料理・作物栽培をする機会の創出 ながる取り組みを行っていきます。 プログラム 親子で料理する機会を持つことは、単に料理をする力を 身につけることに留まらず、親子間の 「食」 を通したコミュニ 刈谷で生まれた 「しょくまるファイブ」 による園児・児童を対象とした栄養バランスの知識の普 及・啓発など刈谷市全体に広がる食育をめざします。 ●しょくまるファイブ ケーションを図ることができます。 また、作物の栽培などを通じて、収穫の喜びや命の大切 さを感じることが、豊かな心の醸成につながります。 『しょくまるファイブ』 とは, 食事バランスガイドを子どもたちにわかりやすく説明するために、愛知教育大学の西 村研究室が考案した食育キャラクターです。キャラクターは、食事バランスガイドの主食 (=りきまる) 、副菜 (=ベ ジまる) 、主菜 (=にくまる) 、果物 (=フルーツまる) 、牛乳・乳製品 (=ほねまる) の各部分に由来しています。 親子料理教室や親子農業体験を実施し、楽しみながら 「食」 への関心・理解を深め、食べることへの感謝の気持ち や、 もったいないという気持ちなどを育んでいきます。 フルーツまる (果物) 5 ベジまる (副菜) にくまる (主菜) りきまる (主食) 6 ほねまる (牛乳・乳製品) 8 推進体制 本計画を着実に推進していくためには、計画の進捗状況をチェックし、取り組み内容を修正 するなど、柔軟に対応していくことが求められます。 このため、食育に関する多様な取り組みを推進するとともに、本計画の進捗管理を行ってい きます。 市民、各種団体、行政の 9 協働による推進 市民一人ひとりが食育に関心を持ち、積極的に実践していくことを前提としながら、家庭や 地域、学校・園、生産者・販売者、 「食」 に関わる各種団体、行政などが協働により、つながり合 いながら計画を推進していきます。 そのため、地域で活動している各種団体との連携を強化するとともに、食育活動が活性化 されるよう、食育について広く周知し、啓発を図ります。 家庭 市民一人ひとりが 意識を高める 食育の推進 行政 地域・ 団体等 (学校・園) (生産者・販売者) 家庭・団体などの 取り組みを下支えする 連携を図り、 周知・啓発を進める 刈 谷 市 食育 推進計画 平 成23年 度 ∼ 平 成32年 度 概要版 発行:刈谷市 編集:経済環境部 農政課 〒448-8501 愛知県刈谷市東陽町1丁目1番地 電話/0566-62-1015 FAX/0566-27-9652 7
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