第 9号 - 久留米信愛女学院

 平成23年1月31日発行
第
なかじ の
週
第41回博報賞受賞記念
九
刊
号
信愛女学院合唱部発行
英国遠征日誌
○3月25日(木)遠征第2日 ロンドン(London)
ピーターボロー(Peterborough)
19:30 "SHARED
VOICES"
Concert 待ちに待った合同演奏がようやくやってきた。 すでに時間は10時半近い! 辛そうにしてはいて も、ステージに出るときはシャンとするし、歌も しっかり歌う。我が生徒たちながら感心である。 リハーサル通りの丁寧な『Jerusalem』だった。ベ ンは指揮もたいへん繊細で、ピアニストがてれば Singersの演奏もまた違ったものになっていたかも しれない。聴衆はアンコールを催促するが、用意 していないので、ご挨拶とプレゼント交換でコン サートの幕を閉じた。ベンとリンダさんのお2人 合同演奏の"Jerusalem"を前に聴衆に礼をするBen氏
に日本からの記念品を渡し、こちらのメンバー全員(随行の大人たちまで全て)にピーターボロー
のキーホルダーが配られた。帰り支度を急ぐ私たちに、聴衆は一人また一人と賛辞をかけていく。
演奏や声の素晴らしさを褒める人、翌日以降のツアーの
日程を訊ねる人、日本の歌がエキゾチックで好きになっ
たという人、などいろいろである。その中でお一人、年
配の女性の方が「CDやDVDは売っていないの?」とおっ
しゃる。記録用のものはあるが売っていないと言うと、
「じゃあここへ送ってくださる?」とさっさとチケット
の裏にアドレスを記し、熱烈に握手をして去っていかれ
た。日本に帰ったら送らねばなるまい。(後になって彼
10:45演奏会終演! とにかく寒かった1st.
Concert 先生の手には記念のKey
Holder!!
女は Juli a Mi l l erさんと判明した!) 23:00 Peterborough
Marriott
Hotelに到着 4度目のツアーになるが、これほど時差ボケの辛さと イギリスの寒さを実感したのは初めてだった。上着を持 たない生徒たちにジャケットを貸し、体を寄せ合うよう にしてバスに乗り込んだ。バリーは車内を暖かくしてく れていたので、ほっと一安心である。眠そうな生徒たち に明日の朝の起床・朝食・荷物出し・出発のことを連絡 し、やっとの思いでマリオット・ホテルに帰り着いた。 フロントではまともに食事をとれなかった生徒たちのた ライトアップされた大聖堂正面。静かに私た
めに、軽食のセットが一人分ずつに仕分けして用意され ちを見送ってくれました。おやすみなさい。
ていた。有難いことだ。しかしおそらく生徒たちはバ
タン・キューだろうと想像しながら、垣沼さんや小池
さんたちと、とにかく初演奏会を終えた祝杯をあげ、
乱入した洋子さん(久留米映像の小田さんの奥様)と
楽しく騒いで2日目を終えた。おやすみなさい。 ← お世話になったMarriott
Hotel。3日目はお天気!
○3月26日(金)遠征第3日 ピーターボロー(Peterborough)
ノーザンプトン(Northampton)
07:30 起床・朝食 歳のせいが時差ボケがなかなか抜けない私は、05:30に目覚めてしまったが、この日は移動がゆっ
くりということもあり、起床時間もゆとりを持って設定され、2度寝を楽しむことができた。部屋
のカーテンを開けて庭を見渡すと、薄明の中でウサギたちが庭を飛び跳ねている。やはりイギリス
のカントリーはいいものだ。生徒たちも 余裕を持って朝の準備ができたことだろ う。前述のようにポーター不在のため、 各自で08:30までにロビーに出すよスーツ ケースをうにと連絡しておいたが、私が 08:00に食事に向かった時にはすでに多く のスーツケースがロビーに並んでいた。 ところで、朝食会場(このホテルのイン グリッシュ・ブレックファストもとても 美味しくいただけた! ! )やロビーでは、 一つの事件が巻き起こっていた。どうや 紙面中央に本校生の写真を大きく掲載した地元紙The
Evening
Telegraph。David
Lowndes記者撮影の
"Singin'
in
the
Rain"
ら「昨日の写真が地元の新聞に出ている らしい!」というのだ。こういう話題にはいつも素早い神本先生が、新聞をホテル・スタッフから
ゲットしておられたのを見せてもらうと、あの大聖堂前の小雨の中でのパフォーマンスのあと、し
つこくポーズを要求したカメラマンの写真が、一
面裏に大判で載っていた。カラーじゃないのが残
念ではあるが、地元紙"The Evening Telegraph"の
PICTURE OF THE DAYとして、部員たちが大聖
堂をバックに色とりどりの傘を高く掲げたショッ
トで、題して"Singing in the Rain"! かの有名
なミュージカルのタイトルにかけるあたりが流石
である。生徒たちは一様に「どこで新聞買えます
か?」と聞くので、フロントに訊ねてみると「お
ホテルを出発して市内観光へ。各自でとる昼食と
ショッピングも楽しみです。
客様が読まれる分くらいはあるが、販売分は揃え
ていない」とのこと。仕方がないので、あとでピーターボローの街でショッピングの時に売ってい
るスタンドを探すように指示した。 09:50 ピーターボロー市内観光に出発 ゆっくり朝食をとり、ゆっくり支度をし、部屋でもう一杯 紅茶を飲む余裕を持ってバスに集合することができた。清々 しい晴れ模様ながら、なぜか小雨が落ちる変なお天気の中、 生徒たちみんながお互いのスーツケースを運び合ってバスに 乗り込み、いざ出発である。時差ボケ解消のため、こうした 日程をとっていただいた垣沼さんは、一足先に今夜の音楽祭 の会場であるノーザンプトンへ帰っていかれたが、両市の間 駐車場でバスを降り、集合場所まで移
動します。さあ、はぐれないように!
は貸切バスなら1時間強の距離ということで、まずはピーターボロー市内を観光とショッピング、
さらには昼食も済ませ、その後にノーザンプトンへ移動ということになった。ピーターボローの市
街地まではバスで15分。昨夜とは違う駅のそばのバス駐車場に向かう。 10:20 市内観光とショッピング・昼食 例によって移動中に雨は上がり、駐車場でバスを降り
てWest Gat eという目抜き通りを西へ移動。この街の再
興のきっかけとなったQueens Gat e地区の大ショッピン
グ・センターの前で通りを横断し、再び昨夜と同じLong
Causewayを南へ右折した。昨夜も通ったところだが、雨
模様の夕暮れ時と晴れ上がった午前中では同じ場所とい
思わぬところで"The
Evening
Telegraph"の
スタンド発見!! みんなで一部ずつGetだ!
う印象の持てない生徒もいたようだ。ともあれギルド・
ホールと大聖堂前の広場まで移動して解散を宣言したの
が10:20。昼食をとった後に12:30に同じ場所に集合ということにした。ところで、ふと気がつくと
広場の端に新聞スタンドがあり、その看板に"The Evening Telegraph"の文字が! 解散と同時に生
徒たちが殺到し、うずたかく積まれていた新聞は飛ぶ ように売れていく。これには長年スタンドを預かるデ イヴィッド氏も驚いたようだ。しかし、途中何人もに 質問して一面裏の写真を示されてからは彼も納得のえ びす顔! 私が学校に資料として持ち帰る分も含めて 3部買い求めた時には、ちゃっかりそのページを開い て売っている始末。「いやいい生徒さんだね。昨夜の 演奏会を聴けなくて残念だったよ。おかげで今日は午 前中で帰れそうだ!!」とご満悦だった。 (次週につづく) さっそく写真のチェックに余念がない生徒たち