Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012 - 大和ハウス工業

Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
CONTENTS
トップコミットメント・会社概要
01
取引先とのかかわ り
07
大和小田急のCSRの考え方
02
従業員とのかかわり
08
コーポレート・ガバナンス
03
地域とのかかわり
09
コンプライアンス
04
事業活動と環境とのかかわり
10
お客さまとのかかわり
05
環境報告
13
社会とのかかわり
06
01 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
トップコミットメント
140 年の安心と信頼をもとに、
「大和ハウス」
・
「小田急」
両グループの
ブランド力を活かして、本業を通じた CSR を展開していきます。
2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災において被災さ
今後も、
「大和ハウス」
と
「小田急」
という2 つのグループの
れた皆さまには、改めて心よりお見舞い申し上げます。私たちは、
スケールメリットを活かし、企業としてあらゆるステークホル
この大災害を契機に、人と人の絆の強さ、そして困難に前向き
ダーから評価していただける仕事をすることが、いまある障害や
に立ち向かう勇気の大切さを教えられてきたのではないかと
問題を乗り越える最善の方法だと考えます。当
「CSRレポート」
は、
思います。
当社の CSR 活動を記載しております。ご一読いただき、お気
当社も微力ながらその復興事業の一端を担い、本業を通じて
付きの点など、広くステークホルダーの皆さまからの忌憚の
社会に貢献してまいりたいと、改めて強く認識しています。
ないご意見、
ご指導を何卒宜しくお願い申し上げます。
ステークホルダーの皆さまへの社会的責任を果たすため、
事業活動を支えるBCP
(事業継続計画)
を策定し、2008 年には
BCP マニュアルを完 成させ、
「 災 害に強 い 建 設 会 社 」
として
活動をしております。さらに、当社ではあらゆるリスクに対する
備えを万全に、
より一層の努力をしてまいります。
環境保全にも貢献すべき工事現場では、それぞれの工事の
大和小田急建設株式会社
代表取締役社長
特性を踏まえた環境負荷軽減活動や地域の小学生を対象と
した見学会、現場周辺地域の清掃活動など積極的に社会貢献
活動に取り組んでまいります。
■会社概要
■業績の推移
創 業
1869 年 10 月 1 日
会社設立
1939 年 1 月 26 日
資 本 金
10 億 86 百万円
代 表 者
金久保 篤司
従業員数
780 名
(2012 年 3 月 31 日現在)
40,000
本社所在地
東京都新宿区西新宿 4-32-22
20,000
事業内容
総合建設業
建設業許可
国土交通大臣許可
(特 -24)
第 1310 号
宅地建物取引業免許
国土交通大臣
(12)
第 1723 号
一級建築士事務所
東京都知事登録第 289 号
大和小田急建設
(株)
一級建築士事務所
売上高の推移・予想
(百万円)
100,000
営業利益の推移
4.6%
80,000
60,000
0
72,252
59,329
62,243
2.9%
4
3
2
0.2%
’
10.
3月期
経常利益の推移・予想
(%) (百万円)
5
3,500
’
11.
3月期
0.4%
’
12.
3月期予
1
0
3,000
(%)
60
3,262
50
2,500
34.3%
2,000
1,500
1,000
500
0
配当性向の推移
15.7%
124
5.6%
’
10.
3月期
’
11.
3月期
40
30
20
235
’
12.
3月期予
10
0
●編集方針
CSRレポート2012の作成にあたって、ステークホルダーの皆さまにわかりやすい
情報開示ツールとなるよう心がけ、大和ハウスグループCSR方針、当社のコンプライ
アンス行動基準ならびに刊行方針などに基づき取り組んだ活動、および当社が取り
扱う環境商材、保有する環境技術を併せてご報告しています。
●報告対象期間
原則として2011年4月~2012年3月を対象としています。掲載項目によっては一部、
2012 年4月以降の活動内容も含みます。
02 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
大和小田急の CS R の考え方
大和小田急建設は、大和ハウスグループの一員として
CSR
マネジメント
理念体系および CSR 指針を共有しています。
大和ハウスグループ 理念体系
大和ハウスグループの理念体系は、企業理念
(社是)
、経営ビジョン、社員憲章の 3 つで構成されています。
その理念体系をもとにCSR 指針を策定しています。
■企業理念(社是)
一 . 事業を通じて人を育てること
一 . 企業の前進は先づ従業員の生活環境の確立に直結すること
ろうどう
一 . 近代化設備と良心的にして誠意にもとづく労 仂の生んだ商品は社会全般に貢献すること
企業理念(社是)
一 . 我々の企業は我々役職員全員の一糸乱れざる団結とたゆまざる努力によってのみ発展
グループの根幹を成す
考え方であり、将来にわたって
私たちが共有していくものです。
すること
一 . 我々は相互に信頼し協力すると共に常に深き反省と責任を重んじ積極的相互批判を通
経営ビジョン
時代に必要とされる存在となるために
打ち出したグループの方針であり、
各々の事業において実践すべきものです。
せいせい
だいどう
まいおう
じて生々発展への大道を邁往すること
■経営ビジョン
心を、つなごう
私たちは「人・街・暮らしの価値共創グループ」として、お客様と共に新たな価値を創り、
社員憲章
活かし、高め、人が心豊かに生きる社会の実現を目指します。
私たちの行動の指針であり、
日々の活動において常に意識しているものです。
そして、
お客様一人ひとりとの絆を大切にし、生涯にわたり喜びを分かち合えるパートナー
となって、永遠の信頼を育みます。
■社員憲章
私たちは、「人・街・暮らしの価値共創グループ」の社員として
一 . 品質、
技術、
情報力の向上に努め、環境に配慮した安全で確かな商品、安らぎとくつろぎの空間を提供します。[企業の視点]
一 . 誠意をもってお客様と向き合い、感動と喜びを分かち合います。[お客様の視点]
一 . 社会規範に基づく公明正大な行動により、社会的評価を高め、企業価値の向上に努めます。[株主の視点]
一 . 感謝の気持ちを忘れず、公正であることに努め、取引先と共に成長・発展を図ります。[取引先の視点]
一 . 仕事を通じて自らの成長と幸せを追求します。[社員の視点]
一 「共創共生」を基本姿勢に、
.
心豊かに生きる暮らしと社会の実現を目指します。[社会の視点]
大和ハウスグループ CSR指針
社会性・環境性・経済性の 3 つの側面から、
バランスのとれた事業活動を意識するとともに、
ステークホルダー(利害関係者)
と
誠実に向き合い、企業市民として社会の要請に応え続ける。
1. 独自技術・ノウハウにより事業を通じて社会に貢献する。
2. ステークホルダー(利害関係者)
との関わりや対話を通じて当社に対する要請を理解し、企業市民としてそれに応えるよう努める。
3. 企業倫理・コンプライアンスの確立に努める。
社 会
との共 創 共 生
共 に 創 る 。共 に 生 き る 。
私たち大和ハウスグループは、事業を通じて社会と共にあること、
従業員
との共 創 共 生
そして商品やサービスを通じ、暮らす人と共にあること。
この
「共創共生」
の姿勢を持ち続け、
誠実に社会と向き合うことが大切であると考えています。
環 境
との共 創 共 生
取引先
との共 創 共 生
大和ハウスグループシンボル
エンドレスハート
「お客さまとの絆、永遠の信頼」
お客さま
との共 創 共 生
「大和ハウスグループの連帯感と絆」
を意味します。
また、
「メビウスの輪」
を想起させるとともに、
この正円は原点である
“和”
を表現しています。
株 主
との共 創 共 生
03 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
コーポレート・ガバナンス
大和小田急建設は、迅速かつ適正な意思決定、透明性が高い効率的な経営、法令遵守の確保を目的に、
CSR
マネジメント
内部統制システムを確立し、コーポレート・ガバナンスを強化していきます。
ガバナンス強化への取り組み
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
大和小田急建設は、
コーポレート・ガバナンスを経営の最重要
課題として認識し、経営の効率化、意思決定の迅速化を図るとと
スグループ企業倫理綱領」
および
「コンプライアンスマニュアル」
(どちらも次ページで参照)
によるリスクへの迅速な対応、コン
もに、法令遵守および経営の透明性を確保することを基本方針と
プライアンス体制の強化、および情報開示委員会の検証に基
しています。
づく適正な情報開示による経営の透明性の確保に取り組んで
この基本方針に基づき、内部統制システムの整備、
「大和ハウ
います。
内部統制システムに関する基本的な考え方
内部統制システムは、会社業務の適
株主総会
法性、効率性を確保し、
リスクを管理す
選任
取締役・取締役会
選定
代表取締役
す。この考えに基づき、2010 年 4 月
に常勤役員会を廃止し、経営会議を設
置するのと併せて、業務組織の一部改
正を行 いました。 また、2011 年 4 月
に執行役員制度の導入に伴う所要の改
定を行いました。
リスク管理委員会
報告
監査部
経営会議
提言・報告
監査
コンプライアンス委員会
連携
監査
選任
連携
会計監査人
社を取り巻く環境の変化に応じて見直
しを行い、その改善、整備を進めていま
選任
監査役・監査役会
る重要なシステムであると位置づけ、会
監査
本部・事業本部・事業部・支店等
リスク管理委員会の活動
不祥事が起こりにくい職場環境を目指して
大和小田急建設は、ステークホルダー(利害関係者)から
大和小田急建設では、不祥事の発生防止のため、全従業員を
の様々なお申し出に対して、適正かつ迅速な対応を行い、ま
対象として、倫理的ジレンマへの対応をテーマとした社内研
たそのお申し出の内容を全社で共有することで、業務改善の
修を実施しています。実際に起こりうるケースを取り上げ、
提案につなげていくことを目的として、2008 年 10 月に「リ
自分が登場人物だったらどう行動するのかをグループディス
スク管理委員会」を設置しました。
カッションする受講者参加型の研修を行っています。
現在は、大和ハウスグループのリスク管理体制の一環と
(2011 年度実施状況 計 22 回/ 751 名参加)
して、当社の「リスク管理委員会」を位置づけ、グループでの
また、全役職員を対象に、e-ラーニングによるコンプライ
リスク情報の共有、具体的な対策の決定から全社への水平展
アンス研修を実施しています。取り上げるテーマは年によっ
開、業務改善の検討、リスク事案の未然防止などに取り組ん
て変わりますが、
「コンプライアンスの概要」「建設業法遵守」
でいます。
「個人情報保護」
「インサイダー取引規制」
「独占禁止法・下請
建設事業のほか、兼業事業として不動産開発事業、市街地
法遵守」「安全管理」
再開発事業、環境事業に取り組むなど、事業の拡大に伴い、
な ど 多 岐 に わ た り、
直面するリスクも、年々多様化、複雑化していますが、今後も、
コンプライアンスに
「リスク管理委員会」を中核にして、リスク管理体制のさら
なる強化を図っていきます。
関する基本的知識の
習得・実践を推進し
ています。
研修風景
04 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
コンプライアンス
CSR
マネジメント
コンプライアンス規範
コンプライアンス・ホットライン
大和小田急建設は、大和ハウスグループの一員として、大和
大和小田急建設および子会社の役職員が利用できる内部
ハウスグループ企業倫理綱領が定める、基本原則に基づき業務
通報窓口を総務人事部に設置しています。さらに、社外の弁護
を遂行しています。さらに、
この基本原則の考えをよく理解し、
士事務所に外部通報窓口を設置することで、社内外のいずれの
日々の業務において正しく実践できるよう、基本原則を具体的
窓口にも相談することができ、コンプライアンス上の問題や
に解説した
「大和ハウスグループ行動指針」を全役職員に配付
問い合わせに対し早期に対処する体制を整えています。なお、
しています。
相談・通報した人が不利益を被ることがないように、不当な
また、業務を遂行するにあたり、さらに個人として行動する
取り扱いを禁止した
「コンプライアンス・ホットライン規則」
うえで遵守すべき基本的事項を定めた「コンプライアンスマ
を制定しています。
ニュアル」を制定し、
全役職員に配付しています。
また、取引先の方が利用できるコンプライアンス・ホットラ
インとして、2010 年 1 月に
「パートナーズ・ホットライン」を
大和ハウスグループ企業倫理綱領
開設しており、当社の取引上の不当行為等の問題に対し早期に
対処する体制を整えています。
以下の基本原則と 7 条からなる行動指針で構成されます。
●基本原則
人権の尊重 法令の遵守 環境保全
●行動指針
第一条 お客様の信頼を得られる行動
第二条 調達先等との適切な関係構築
第三条 働きやすい職場環境づくり
第四条 倫理観の向上
第五条 公正な事業競争
第六条 反社会的勢力との関係遮断
第七条 環境への取り組み
コンプライアンスマニュアル
反社会的勢力排除への取り組み
大和小田急建設は、「大和ハウスグループ企業倫理綱領」
および「コンプライアンスマニュアル」において、反社会的勢
力との絶縁および毅然とした態度で組織的に対応すること
を明記し、その周知徹底を図っています。
大和ハウスグループのCSR推進組織体制
取締役会
取締役会
大和ハウス工業
会長 社長
大和小田急建設
社長
以下の基本方針と 11 項目からなる行動基準で構成されます。
●基本方針
私たちは、
法令を遵守するとともに、
社会通念に則った行動
をします。
大和ハウス工業
連 携
CSR 担当役員
情報交換
大和ハウス工業
連 携
CSR 推進部
情報交換
大和小田急建設
CSR 担当役員
(経理管理本部長)
●行動基準
1 お客さまへの安全・快適な商品・サービスの提供
2 お客さまへの商品・サービスに関する適切な情報の提供
3 個人情報の適正な管理・活用
4 トラブル発生の未然防止
5 公平・公正な取引
6 反社会的勢力との絶縁
7 環境問題への積極的な取り組み
8 よき企業市民としての行動
9 働きやすい職場環境の整備
10適時、適切な情報の開示
11大和ハウスグループの一員としての適正な行動
CSR
推進委員
社会貢献
推進委員
全事業所において
「CSR推進委員」
「社会貢献推進委員」
を選任
大和小田急建設
CSR 推進責任者
(総務人事部)
大和小田急建設
事業所 CSR 推進員
05 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
お客さまとのかかわり
建築物がそこに住む人、働く人の安全を守るものであるように
社会性
報告
お客さまの立場に立った設計・施工を行っています。
お客さまの立場で、最適な建築物を考えること
大和小田急建設の設計部門が最も大切にしているのは、常にお客さまに満足していただける建築物を創り出すことです。
お客さまが建物を建築する目的は様々であり、決して建築することそのものが目的ではありません。
建築物はそれを使う人々やかかわる人々によって長期にわたって評価されるべきもの。
私たちは、お客さまの様々な目的やニーズを十分に理解したうえで、お客さまの立場に立って設計を行うことを第一に考えます。
経済性、社会性、環境への配慮、関係法令への適合などはもちろん、設計として企図することや技術的に考慮すべきことなどを
総合的に検討し、お客さまにとって最適な建築物を導き出すことが私たちの使命です。
免震構法
近年、都市部を中心に超高層ビルが数多く建設されています。
地震の多い我が国において、お客さまの大切な生命と財産を守
るため、
さらには安心なまちづくりのために、
大和小田急建設では
免震構法の技術を用いた設計・施工を推進しています。
免震装置
免震構法とは、建物を積層ゴム
(アイソレータ)で支え、ダン
激しく揺れ、
揺れが増幅する
パーの働きによって地盤から建物に伝わる揺れを限りなく小さく
ゆっくりと
平行に揺れる
小
大
する方法です。また、免震構法を用いることで、設計や機能面
での自由度をあげ、建築物の総合的な資産価値向上につなげる
ことができます。
代表的な施工例として、高層タワーマンションである
「オーセン
ティアタワー 平塚」
においてこの免震構法を採用しています。
積層ゴムなし
オーセンティアタワー 平塚
積層ゴムあり
環境配慮設計が次世代建築のベーシック 〜“建築”と“環境”を一対で考える時代〜
今日、地球環境負荷低減に寄与する建築物を創り出すことは社会的使命です。
そこで私たちが出した答えは、新しい環境配慮設計への取り組みです。太陽光発電の採用や自然環境との調和を目指した設計、効率的な
エネルギー利用による建物の長寿命化など、
私たちが展開している環境配慮設計の建築物は多種多様。
私たちはイニシャルコストとライフサイクルコストを常に比較検討しながら、
お客さまにとって最適な選択ができるようにご提案しています。
環境配慮設計
● CASBEE 事例
小田急プラウディア栗平Ⅱ
CASBEE 川崎
建築物の環境品質・性能
Q
小田急プラウディア栗平Ⅱ
●環境配慮設計事例 小田急バス吉祥寺営業所建替え計画
快適なオフィス空間を得ながら省エ
ネルギーを実現するために「建物とし
ていかに優れたエネルギー効率を実現
できるか」をコンセプトに環境に配慮
した項目を提案し、建物維持のランニ
ングコストを低減させ、お客さまから
高評価を得られました。
BEE=3.0
100
小田急バス吉祥寺営業所
S
58
BEE=1.5
A
17
B−
50
0
BEE=1.0
B+
BEE=0.5
C
34
0
50
建築物の外部環境負荷 L
100
環境性能評価
(BEE=1.7)
環境性能表示
(A ランク)
環境配慮項目
採用項目
高断熱・高気密部材の採用
高断熱外壁材、複層ガラス
太陽エネルギー・
クリーンエネルギーの採用
太陽光発電システム、
オール電化
環境建材利用
外壁部分に光触媒の塗装仕上げ
高効率・環境配慮型設備の利用
環境配慮型機器、VWV、
VAV、
タスクアンビエント照明
生態系の保全
地上・屋上・フェンス緑化、
保水浸透性舗装、浸透枡
06 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
社会とのかかわり
地域社会を構成する一員である企業市民としての役割を果たすため、環境美化や社会安全に
つながる社会貢献活動を展開しています。
社会性
報告
事業継続計画(BCP)の策定と実績
災害発生時の体制
BCPの活動内容
大規模災害やその他甚大な被害をもたらす危機が生じた場合
BCP 策定のため、2007 年度に社内のワークショップを立ち
のお客さまや地域社会と大和小田急建設の関係、当社と協力
上げ、現状確認、事前対策、災害発生時の対応策等の検討を
会社の関係を下図のように位置づけています。
重ね、2008 年度に BCP マニュアルを完成し、国土交通省から
これらの災害や被害が生じた場合は、災害対策本部を中心に
認定を受けました。
して被害の早期復旧に努めます。
2010 年度は前年度に行った訓練をもとに問題点を洗い出し、
より実際の災害に近い状況で防災訓練を実施。災害発生時の対
応手順の確認を行い、BCP マニュアルを社内に周知しました。
重要業務
また、2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災において、
お客さま
竣工済物件
当社では初めて BCP を発動しましたが、過去の訓練やマニュア
ルに基づき冷静に行動し、素早い情報収集や対応をすることが
できました。
インフラ復旧
に関する
協定締結先
小田急
グループ
災害状況確認
復旧支援
近隣や
地域社会
大和ハウス
グループ
インフラ復旧支援
情報公開・相互扶助
情報交換
相互協力
大和小田急建設
BCM システム
災害対策本部
BCP 訓練の様子
事業継続計画
(BCP)
初動本部
復旧本部
今後の課題
東日本大震災発生における BCP 発動の経験を活かし、現状
安否確認 招集連絡
システム 業務連絡
安否確認
状況報告
従業員や
その家族
安否・被災
状況の確認
人材・資機材等
の状況確認
災害時協定に
基づく協力依頼・
相互援助
協力会社
被災地域物件
対応二次災害
防止復旧支援
支店
作業所
社有施設
の問題点の洗い出しやマニュアル・訓練の見直しを行い、さら
なる対応力の強化を図っています。
また、今後は周辺地域で発生が予想される大規模地震を想定
した計画を作成する一方、震災以外の自然災害にも対応が可能
となるように、各支店レベルでの水平展開を行っていきます。
さらに、あらゆるリスクに対する備えを万全にし、ステーク
ホルダーの皆さまへの社会的責任が果たせるよう、より一層の
努力をしていきます。
07 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
取引先とのかかわり
協力会社との連携を図り、安全衛生環境活動を推進していくため、
様々なことに取り組んでいます。
社会性
報告
( 2012年10月より
「大和小田急建設共栄会」
に改称)の活動
「大和小田急建設災害防止協議会」
事業者安全環境講習会
リスクアセスメント教育
年度の始めに作成する
「労働安全衛生管理実施計画書」
の周
2011 年度は、労働安全衛生マネジメントシステムの定着を
知・徹底を図るため、大和小田急建設災害防止協議会の主催に
図っていくため、当社と協力会社合同のリスクアセスメント教育
より、関東・東北・名古屋・大
の充実を図りました。
阪の各支部にて、協力会社向
けの
「事業者安全環境講習会」
を開催しています。
会報誌『あんぜん』の発行
年 2 回発行される大和小田急建設災害
防止協議会の会報誌『 あんぜん 』では、協
議会で行った様々な行事や各種教育およ
び活動状況など、協力会社の安全・環境に
安全推進大会
関する取り組みを紹介しています。
全国安全週間の準備月間中に開催される
「安全推進大会」
で
は、大和小田急建設災害防止協議会の主催により、関東・東北・
名古屋・大阪の各支部にて、作業所の安全事例発表や、前年度
優 良 安 全 活 動 の 協 力 会 社に
対し事業者および個人表彰を
行っています。この表彰を通
じて安全意識の高揚を図り、さ
らなる安全活動の推進につな
げています。
協議会主催のクリーン活動
2011 年 11 月、大和小田急建設災害防止協議会が主催し、
大和小田急建設本社周辺のクリーン活動を実施しました。協力
会社の方々とともに協力して
清掃を行ったことで、双方の環
境意識向上と地域貢献を図る
ことができました。
合同パトロールの実施
安全活動では、年 4 回当社各事業本部、支店の幹部と協力会
社による合同パトロールを実施し、多面的に安全指導を行うこ
とにより、作 業 所 の 事 故 防 止
体 制 の 向 上とともに、協 力 会
社のスキルアップを図り、災害
発生件数の減少に取り組んで
います。
パートナーズ・ホットライン
パートナーズ・ホットライン
(お取引先様向け通報制度)
は、当
社の従業員が業務発注等の取り引きに際して、下記に類する不当
な行為をした場合、
またはその疑いがある場合、その旨を当社に
お知らせいただき、当社自らがこのような状態を正そうという目
的で開設したものです。
● 個人の生命、
健康に危険を及ぼす行為、またはその恐れ
のある行為
● 各種法令違反
● 大和ハウスグループ行動指針に反するような行為
上記のような行為を取引先の方が見かけられた場合、
または耳
にされた場合は専用の通報窓口へ FAXまたは電子メールでお知
らせしていただく仕組みです。
08 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
従業員とのかかわり
人材育成・キャリア形成支援の取り組み
限られた経営資源である
「人材」が、一人でも多く、1 年でも早く、会社にそして社会になくてはならない
社会性
報告
戦力となる
「人財」
に成長してもらいたい。 そんな気持ちで取り組んでいます。
ブラザー・シスター制度
インターンシップの受け入れ
ブラザー・シスター制度とは、新入社員一人ひとりに、年齢の
「総合建設業」
としての業務内容を理解してもらうために、事務
近い先輩社員
「ブラザー(シスター)
」
を配置し、仕事を離れて
職・技術職ともにインターンシップの受け入れを行っています。
月に1度面談する機会を設け、業務や私生活での悩みに気軽に
2011 年度は、事務職5名、技術職5名のインターン実習生を受
相談に応じアドバイスするという制度です。当社では、
2009年
け入れ、それぞれ5 ~10 日間程度の実習を行いました。当社の
から導入し、後輩の指導育成はもとより、中堅社員の育成にも
業務内容を知っていただくのはもちろんですが、総合建設業が社
つながっています。また、魅力ある職場、働きやすい環境の実
会においてどのような役割を担っているか、実習を通して感じて
現により、社 員 の 帰 属 意 識 が
もらえればと考えています。
高まるとともに優秀な人材確
【総務人事部長の声】
保の効果も期待できます。さ
インターンシップの学生の皆さまには、普段では体験できない
らに離職率の改善や、企業力
「企業人としての業務」
をなるべく多く経験していただくよう努
の向上につながります。
めています。また、就職活動を控え、職業・職種選択に悩まれ
る学生も少なくないようですが、ご自身の将来設計における一
【新入社員の声】
● 先輩の失敗談を聞いたり、
言いづらい相談にのってもらえて
助になればと考えています。 当社にとってもインターンシップ
の実習生を受け入れることは、採用活動を進めていくにあたっ
心の支えになった。
● 日々の業務では若手の先輩とコミュニケーションをとること
て学生の皆さまの就職観や状
況を知ることができる重要な
ができないのでよかった。
● 他部署の社員とも交流ができ、
人間関係を拡大することができた。
機会であると捉え、今後も積極
的に受け入れていく所存です。
【ブラザー(シスター)
の声】
● 普段の業務では、
年の近い後輩と話す機会を作ることが難し
いため、いい機会となった。
● 後輩の相談に答えることで、
自分自身の考え方や仕事の理解度・
力量など見直す機会になり、自分自身の成長にもつながった。
ワークライフバランスの推進
従業員一人ひとりがいきいきと仕事に打ち込むことができ、仕事と家庭を両立できる職場づくりを目指しています。
“くるみん”取得に向けての取り組み
育児休業の取得状況
育児休業について、
2012年11月現在、育児休業中の者が5名
当社は、
「次世代育成支援対策に取り組んでいる企業」
とし
(このうち2名が2度目の育児休業取得者)
、育児休業が終了し、
て厚生労働大臣が認定する
“くるみん”
(次世代育成支援認定
復帰した者が2名います。2度目の育児休業取得者が出たこと
マーク)
の2012年10月の取得に向けて取り組んでいます。
は当社の育児休業に対する取り組みが徐々に従業員に浸透し
今後、さらにワーク・ライフ・バラン
てきたものと考えています。今後は、
さらに育児休業中や復職後
スを推し進めるためには、育児休業後に
の従業員に対するより良いフォローについて検討していきます。
復職する際の職場の受け入れ体制の整
男女を問わず育児休業を取得しやすい職場環境づくりを推
備および女子従業員の職業観の形成が
進し、
ワーク・ライフ・バランスの向上に取り組んでいきます。
【育児休業取得従業員の声】
私は2009 年に第一子を出産し、
現在第二子出産のために再び
育児休暇をいただいています。第一子出産後復帰した際には、
仕事と育児・家事の両立に慌た
ノー残業デーの実施
当社では、時間外労働の削減と従業員の健康保持・増進の
だしい毎日でしたが、家族や職場
施策として、毎週水曜日と金曜日をノー残業デーとして設定し
の方たちの協力をいただき、充
ています。 特に本 社では水 曜日はライトダウンをして、早め
実した日々を過ごすことができま
の退社を促しています。
した。第二子出産後も職場復帰
してがんばりたいと思います。
重要であると認識しています。
(2012 年 10 月 5 日、基準適合一般事業主の認定を受けました)
経営管理本部 経営企画部 経営企画グループ
堀江真実
09 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
地域とのかかわり
全国で事業活動を行う本社、支店、工事作業所では、地域社会を構成する一員である企業市民として期待
される役割を果たし、地域社会との連携と相互理解を深めるために、行政や地域の活動に積極的に参加・
協力するとともに、自発的に環境美化につながる社会貢献活動を展開しています。
社会性
報告
社会貢献活動・工事現場周辺とのコミュニケーション
絵本の寄贈
現場見学会
東日本 大 震 災で被 災した、子どもたちの 心 の 支えになり、
2011 年9月 27 日に、中武蔵台浄水所第2配水池耐震補強
元気を取り戻していくために必要な支援が実施できたら、と
工事の作業所にて地域の小学生を対象とした現場見学会を
いう想 いから、次 世 代を担う被 災 地 の 子どもたちに、想 いを
開催しました。
込めたメッセージと本を届ける
「 本に元 気を込めて送ろう!
!」
水道局の方から、私たちが日ごろ使っている貴重な水のお話
プロジェクトに参加しました。 従業員が家庭で読み終わった
があり、施設や工事の説明、見学会の注意点などを真剣に聞く
絵本や児童書の一冊ずつに、子どもたちに向けたメッセージ
生徒たちの姿が印象的でした。 次の世代を担う子どもたちに
を挟み、全社で 137 冊の寄付を行いました。
とって、
この見学会が自分たちの住む地域や生活の仕組みにつ
いて、また、建設現場という職
場への理解を深めてもらえる
ものと思います。
将 来、この 子どもたちの 中
から建設業を目指す若者が出
てきてほしいと願っています。
新宿打ち水大作戦
2010 年より新宿区が行っている
「打ち水大作戦!」
に参加して
います。「打ち水」
は夏の節電の一環として、涼しく過ごすため
に新宿区内の様々な場所で行われています。当日は、気温を下
作業所での活動(近隣対応の成功例)
① 新小松川作業所(東京都江戸川区)
工事週間工程表看板の設置を行い、近隣住民の方に作業状況
を公開しました。
げるのはもちろんのこと、水し
ぶきの様子が涼しげな風景と
なりました。また、
打ち水に使用
した水は落合水再生センター
からいただいた再利用水を使
用し、
節水にも心掛けています。
② 平成 22 年度 狩野川大手町護岸工事(静岡県沼津市)
エコキャップ活動
飲 料 用 ペットボトル の キャップを集めて、NPO 法 人
「エコ
キャップ推進協会」
に提供する活動を行っています。大和小田急
建設は、2009 年 6 月からこの活動に参加し、2012 年 3 月まで
の 累 計 で、310,368 個
( 約 388 人 分 の ワクチ ンに 相 当 )の
キャップを提供してきました。
従業員がこの活動に参加する
ことが、資源・環境・貧困など
の世界の各国が直面する様々
な課題について考える機会に
なると捉え、活動の周知、参加
への呼びかけを行っています。
2011 年 2 月 27 日に実施さ
れた地域の祭り
「三世代 狩野
川ふれあいまつり」に参加し、
「わた菓子屋」
を出店しました。
無料で提供したこともあって
好評でした。
10 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
事業活動と環境とのかかわり
事業活動の中で発生する環境負荷をしっかり把握し、
環境性
報告
可能な限り削減するための取り組みを進めています。
環境商材=環境負荷を減らす最近の取り組み
水を使わない、地球にやさしいエコトイレ(小便器)
URIMAT(ウリマット)の便器は、従来の水洗トイレの常識を
●主な設置事例
覆す、電気も化学薬品も、そして水も使わない、環境に優しい未
来型の男性用小便器です。
そのため、従来の水洗トイレと比較すると、ランニングコスト、
メンテナンス費用を格段に節約することができます。また、災
害時等の水の使えない状況下でも、通常どおり使用することが
できます。
<URIMAT の3つの特徴>
①素材の特殊性
東邦大学付属東邦中学校・高等学校 ( 千葉県習志野市 )
便器は特殊に開発された素材
(ポリカーボネート)
でできてい
るため、撥水性に優れています
(表面密度が陶器の約 150 倍)
。
そのため、汚れが付着しにくく、悪臭の発生を防ぎます。
②サイフォン
尿および下水の臭いを遮断します。サイフォン内の尿はブイ
で遮断、下水の臭いは S 字トラップで遮断します。
●差替え可能な広告スペース
として活用
広告スペース
③臭い・尿石を駆逐
天然微生物の力を利用し、悪臭発生の要因を根本的に除去し
ます。水を使わないので尿石の付着も防ぎます。
当社は URIMAT の代理店です。
紹 介 URL:http://www.daiwaodakyu.co.jp/service/
environment/urimat.html
当社掲示内容サンプル
※当社
(本社)に設置しておりますので、ご覧いただけます。
工事現場における環境負荷軽減の取り組み
騒音・振動の抑制
●さがみ縦貫相模原 IC 谷原橋架替
(その 1)
工事(神奈川県厚木市)
●小田原箱根道路擁壁工事(神奈川県足柄郡)
作業中については、振動計・
騒音・振動計を設置し、周
騒音計での測定を実施して、
りの人々に作業所での騒音・
所定の基準を満たしているか
振動数値を公開しています。
どうかを確認しました。
測定
●甘柿橋他橋梁補修工事(神奈川県秦野市)
近隣住宅が現場に近かった
ため、撤去時にコンクリート
ブレーカー等を使用するにあ
たり騒音防止のため防音シー
騒音計
振動計
トにて覆いました。
11 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
事業活動と環境とのかかわり
環境性
報告
粉じん防止
建設廃棄物の分別回収
●大治浄水場第5沈澱池築造工事(愛知県海部郡)
●大治浄水場第5沈澱池築造工事(愛知県海部郡)
現場内の粉じん防止として、
建設廃棄物を分別回収する
散水車による散水を実施しま
ために、コンテナボックスを
した。
設置しました。
水質汚濁防止
生物多様性(緑化)
●大治浄水場第5沈澱池築造工事(愛知県海部郡)
●柴田水処理センター水処理増設に伴う構内整備工事
沈砂池を設置することによ
(愛知県名古屋市)
樹木の根に水が溜まり根腐れする可能性があるため、その
り、工事施工に伴い発生する
防止対策として、植え穴に通気管を設置しました。
泥水の流出を抑制しました。
●狩野川大手町護岸工事(静岡県沼津市)
現場内の湧水を水替えする際に濁水が発生しますが、水槽に
竹そだを設置して、汚濁の原因となる砂よりも細かい土の粒子
を取り除き、濁水を清水に浄化して、
狩野川に放流しました。
仮置き残土の流出防止
●柴田水処理センター水処理増設に伴う構内整備工事
(愛知県名古屋市)
場 内 に 残 土 を 仮 置 き す る
際 に、大 型 土 の う で 堰 を 造
り、降雨による残土流出を防
竹そだに付着した土粒子 ( 白色の物 )
止しました。
地域清掃活動への参加
●狩野川大手町護岸工事(静岡県沼津市)
定期的に行われる地域清掃
活動へ参加しました。
施行活動
産業廃棄物
コンクリート塊
アスファルト・コンクリート塊
建設発生木材
建設汚泥
その他
■
■
●柴田水処理センター水処理増設に伴う構内整備工事
(愛知県名古屋市)
周辺地域との調和を図るた
め、現場周辺の清掃を定期的
に行いました。
特別管理産業廃棄物
廃石綿
■
:
:
:
:
:
45,624t
11,523t
4,458t
22,011t
12,585t
:
14t
:
:
:
:
:
45,516t
11,460t
4,310t
17,634t
10,176t
周辺環境影響
騒音・振動・粉じん・水質汚染 など
リサイクル量
コンクリート塊
アスファルト・コンクリート塊
建設発生木材
建設汚泥
その他
12 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
事業活動と環境とのかかわり
環境性
報告
赤外線式建物診断
光硬化工法(下水管更正工法)
建築基準法の改正により、特殊建築物
(学校・病院・マンショ
光硬化工法は、光
(紫外線)
で硬化する特殊フィルムを既存下
ンなど)の外壁面の全面調査が義務付けられ、点検調査市場に
水道管内に挿入し、特殊フィルムを空気圧で圧着、紫外線照射ロ
おいて赤外線法調査が大きな脚光を浴びることになりました。
ボットでフィルムを硬化させ、
赤外線法による外壁調査技術は、足場架設の必要がなく、高所
下水道管をリニューアルする
での危険な作業も避けられます。また、調査時間を短縮する
工法であり、劣化した在来管を
ことにもなり、安全面、環境面で大きな利点があります。 大和
撤去する必要がないので工事
小 田 急 建 設 は、日 本 赤 外 線 劣 化 診 断 技 術 普 及 協 会( 呼 称:
時 間 短 縮による予 算 の 削 減、
JAIRA)
にて制度化された赤外線サーモグラファー資格の取得
環境に優しい工法として評価
を通じ、信頼できる高度な赤外線法技術の普及ならびに調査
されています。
技術の向上に取り組んでいます。
光硬化工法で行った下水道管更生工事
●財団法人下水道新技術推進機構の
「建設技術審査証明」
を取得
●自立管
(既存管の強度を必要としない)
、二層構造管
(既存管の
強度を必要とする)
に適用可能
●
「管きょ更生工法の耐震設計指針の考え方と計算例」
に基づく
耐震設計が可能
●下水道管きょの他、
農業用水等の圧力配管にも適用可能
赤外線サーモグラフィで撮影した熱画像
●鉄道横断管にも適用可能
調査作業の様子
土壌浄化技術
環境負荷の軽減
世界的に高まる環境意識。 なかでも土壌汚染問題は、土地
事業活動の中で発生する環境負荷をしっかり把握し、可能な
所有者はもちろんのこと、周辺住民や行政をも巻き込んで複雑
限り削減するための取り組みを進めています。
化しています。
残余容量が少なくなってきた汚染土最終処分場の問題等
を受けて 2011 年 4 月土壌汚染対策法が一部改正されまし
た。 掘 削 除 去 偏 重 か ら の 脱
却を迫られる今、私たちが開
オフィス活動 ※1
施工活動
■
電力
: 764,874Kwh
■
都市ガス
:
41,169㎥
■
水道水
:
3,624㎥
■
紙類(OA紙) :
13.7t
■
■
発したのが油類を電解水の
持つ強力な酸化力で分解す
オフィス活動 ※1
ることで汚染された土壌を
■
CO2
:
300t - CO2※2
建築資材
・コンクリート
・アスファルト
・鋼材・鉄筋 ・型枠 ・ガラス、
タイルなど
■
電力 ■ 燃料(灯油、軽油) ■ 水
事業系一般廃棄物
:
89.7t
浄化する「オンサイト土壌浄
化システム」です。
リサイクル率 : 62.0%
調査作業の様子
※ 1オフィス活動の数値は、本社ビルのみのデータです。
※ 2オフィス活動の CO2 排出量は、本社ビルでの電力、水道水、
ガスの使用によって排出された量です。
【オンサイトにおける土壌浄化のイメージ】
振動ふるい・
ドラムスクリーン・
サイクロン
遠心分離機・ろ過機
粒 径 2 ミリ以下 の 土 砂 を
水 洗 い し ます。
洗浄が終わった土砂から
75μm以上の砂を取り出し
ます。
泥 水 の 固 液 分 離 を 行 い、
水を浄化し、洗浄水として
再利用します。
二次洗浄
二次分級
固液分離
解泥機
洗浄槽
汚染土壌を清水シャワーで
洗浄し、粒径2ミリ以上の
礫・粗砂を取り出します。
一次洗浄・一次分級
汚染土
電解装置
電解水浸漬
浄化した土砂は、
埋め戻し等に再利用
13 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
環境報告
環境性
報告
環境マネジメントシステム
大和小田急建設では、
「品質」
と
「環境」
を統合した
「品質環境マネジメントシステム
(QEMS)
」
を推進しています。
大和小田急建設環境方針
大和小田急建設の事業活動にかかわるすべての者は、
グループ企業理念に基づき、地球環境保全に貢献するため、次の事項を実施する。
1.すべての事業活動、製品及びサービスによる環境影響に配慮して行動する。
2.環境負荷の継続的改善及び汚染の予防を図る。
3.関連法令、条例及び当社が同意するその他の要求事項を順守する。
4.環境目的・目標を以下のとおり設定し、必要に応じて見直しをする。
(1)CO2排出量削減 (2) 資源・エネルギー消費の低減 (3) 廃棄物の適正処理・減量・リサイクル (4) 環境配慮型設計の提案と推進
5.定期的なマネジメントレビューを実施し、品質環境マネジメントシステムの継続的改善を図る。
6.教育・広報活動を通じ、事業活動にかかわるすべての者の環境意識を高める。
7.環境保全に対する取組状況を公開する。
この方針は、社内・外に公表する。
環境マネジメントシステム
環境リスクに備えるため、チェックリストに基づく環境法規制順守や環境パトロールなどの諸施策を実施しています。
環境法規制等の順守
作業所での環境パフォーマンスデータ
大和小田急建設では、最新の環境法規制に基づいて作成した
【産業廃棄物発生量・再資源化量など】
「環境法規制等チェックリスト」を用い、作業所・オフイスの環
境法規の順守状況を確認しています。
2011 年度は、重大な環境法令違反はありませんでした。
発生量
最終処分量
再資源化率
(千t)
200
(%)
183
150
環境関連のご指摘・お問い合わせ
再資源化量
100
172
96.0
94.3
92.6
97 93
100
96
89
50
2011 年度、環境に関するご指摘・お問い合わせの件数は 40
件でした。主な内容は、施工現場からの騒音・振動・粉じん等
についてであり、適切な対応を行いました。
3
10
0
2009
7
2010
2011
80
(年度)
注)再資源化量は、建設発生木材の焼却などによる縮減量を含む。
当社が排出している産業廃棄物は、以下の種類です。 ・コンクリートがら・アスファルトコンクリートがら・その他がれき類・ガラス、陶磁器くず・プラスチック
【環境関連のご指摘・お問い合わせ件数の推移】
くず・金属くず・紙くず・木くず・汚泥・繊維くず・廃石膏ボード・石綿含有廃棄物・廃石綿 など
年度
2009
2010
2011
件数
48
67
40
【CO2排出削減量】
アイドリングストップ
省燃費運転
その他 ※
効率輸送
(t -CO2)
1,000
環境パトロール
環境監査とは別に、
各部門の安全環境担当部署にて工事作業所
での日常的な環境保全活動の支援・指導を実施しています。
2011年は、
対象作業所数151作業所に対して環境パトロール
の実施数が218回となりました。
800
600
400
337
334
2010
2011
200
0
【環境パトロール実施回数の推移】
762
2009
※その他:工法変更・工期短縮・仮設計画の見直し・グリーン調達品による省エネ
年度
2009
2010
2011
回数
281
290
218
(年度)
14 Daiwa Odakyu Construction CSR Report 2012
環境報告
環境性
報告
2011年度実績と自己評価、2012年度目標
区 分
部門共通環境目標
①混合廃棄物の発生抑制
②建設副産物
再資源化率の向上
1)
施工部門
2)
設計・技術部門
環境目標
実績値
(全社)
評価
2012年度目標
97.1%
△
97.5%以上
・アスファルト・コンクリート塊
98%以上
99.5%
○
99.0%以上
・コンクリート塊
(日常管理項目)
99.8%
―
99.0%以上
・建設発生木材
(日常管理項目)
96.7%
―
99.0%以上
・建設汚泥
(日常管理項目)
80.1%
―
92.5%以上
・建設廃棄物全体
(日常管理項目)
92.6%
―
96.0%以上
1,259.5kg-CO2/億
円
○
1,600Kg-CO2/億円 以上
67.3項目/物件
○
取組項目数
(新築)
65項目/件 以上
建設廃棄物の分別率 98%以上
再資源化率
③地球温暖化防止の推進
CO2の排出量の削減
CO2排出量の削減量
CO2排出量の削減量
1,000kg-CO2/億円
環境配慮設計および
施工方法の推進
取組項目数 60項目/物件 以上
電気使用量
(本社ビル)
963,426Kwh 以下
(2010年度使用量)
764,874Kwh
○
2011年度実績より、
1%以上削減
水道使用量
(本社ビル)
3,857㎥ 以下
(2010年度使用量)
3,624㎥
○
2011年度実績より、
1%以上削減
ガス使用量
(本社ビル)
44,381㎥ 以下
(2010年度使用量)
41,169㎥
○
2011年度実績より、
1%以上削減
各支店とも
10%以上削減
①省エネ・省資源の推進
3)
オフィス活動
電気・水道・ガス
(各支店)
前年使用量 以下 ○
2011年度実績より、
1%以上削減
②リサイクルの推進
本社ビル リサイクル率 75%以上
62.0%
△
69%以上
(各支店は前年実績以上)
③グリーン購入の推進
環境比率 50%以上
48.9%
△
50%以上
注)評価:○は目標達成、△は目標未達成
環境保全コスト
当社は、事業の一環として環境活動を捉え
コストに対しどれだけの効果を上げているかを数値で把握しています。
対象期間
:2011 年 4 月 1 日~ 2012 年 3 月 31 日 対象範囲
:本社、支店、営業所、工事作業所 (全作業所の 42%)
*
集計対象項目:
「環境保全コスト集計一覧表」
中の 49 項目の費用額
*工事作業所に関しては、当社単独工事および当社が幹事会社となっている共同企業体工事とする。
(単位:千円)
分 類
具 体 的 項 目
2009年度
2010年度
2011年度
a. 大気汚染防止のためのコスト
①公害防止コスト
事業エリア内コスト
1
b. 水質汚染防止のためのコスト
c. 土壌汚染防止のためのコスト
154,840
44,591
62,179
17,384
5,174
2,480
386,546
349,575
302,202
5 58,770
399,340
366,861
14,407
32,736
32,466
67,100
62,290
75,277
2,600
133,476
92,132
20
d. 騒音防止のためのコスト
②地球環境保全コスト
a. 資源の効率的利用のためのコスト
b. 産業廃棄物リサイクルのためのコスト
③資源循環コスト
c. 一般廃棄物リサイクルのためのコスト
d. 産業廃棄物の処理・処分のためのコスト
e. 一般廃棄物の処理・処分のためのコスト
小 計
a. グリーン調達費用
2
上・下流コスト
b. グリーン購入費用
※1
c. 環境配慮設計のためのコスト
※2
※2
a. 環境マネジメントシステム整備・運用のためのコスト
3
環境活動コスト
b. 環境情報の開示および環境広告のためのコスト
c. 従業員への環境教育のためのコスト
d. 事業所および事業所周辺の環境改善対策費用のためのコスト
a. 建造物の施工段階における環境負荷の抑制のための研究開発コスト
4
研究開発コスト
b. その他、
流通段階における環境負荷抑制や建造物等に係る環境ビジネス発展のための研究開発コスト
c. 研究開発に伴う間接費
5
社会活動コスト
環境保全の団体等に対する寄付・支援のためのコスト
20
20
6
環境損傷コスト
環境損傷に対する引当金繰入額および保険料
115
32
20
7
その他
環境保全対策工事費
493
556
1,656
643,505
628,450
計
※1環境配慮設計のためのコストのみ計上 ※2グリーン購入費用及び環境配慮設計のためのコストを計上
*対象作業所の33%*対象作業所の40%
568,435
*対象作業所の42%
事業所所在地
本社
〒160-8 3 7 7 東京都新宿区西新宿 4-32-22
建 築 本 部 TEL:03-3374-2431
土 木 本 部 TEL:03-3376-4032
鉄道事業本部 TEL:03-3376-3140
経営管理本部 TEL:03-3376-3101(代表)
東北支店
〒984-0051 仙台市若林区新寺 1-2-26 小田急仙台東口ビル 3F TEL:022-792-8005 FAX:022-792-8006
横浜支店
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい 3-6-1 みなとみらいセンタービル 14F
TEL:045-650-5350 FAX:045-650-5355
名古屋支店
〒464-0855 名古屋市千種区千種通 6-26-1 ロイヤルシーズ 2F TEL:052-741-5688 FAX:052-733-7885
大阪支店
〒541-0051 大阪市中央区備後町 1-5-2 大和ハウス備後町ビル 4F
TEL:06-6229-7250 FAX:06-6229-7258
岩手営業所
〒020-0851 岩手県盛岡市向中野 2-1-1
TEL:019-635-0930 FAX:019-601-7820
福島営業所
〒960-8164 福島県福島市八木田字並柳 127-2
TEL:024-573-0715 FAX:024-573-0716
静岡営業所
〒422-8062 静岡市駿河区稲川 1-8-31
TEL:054-281-4832 FAX:054-281-4060
沖縄営業所
〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち 4-9-13 DH新都心BLD.
TEL:098-941-0311 FAX:098-941-0330
FAX:03-3376-4274
FAX:03-3374-5256
FAX:03-3376-3141
FAX:03-3376-3100
編集後記
東日本大震災で被災された方々には、改めて心よりお見舞いの意を表したいと存じます。
当社は、2010年版から従来の環境報告書に代えてCSRレポートを発行し、社会・環境・経済のそ
れぞれの側面から、内容を拡充して事業活動のご報告をしてまいりました。
今後とも、私たちは大和ハウスグループの一員として、バランスのとれた事業活動を継続的に
展開し、社会貢献活動を通して、皆さまのお役に立てる会社を目指してまいります。
皆 さまとのコミュニ ケ ーションツー ルとしてこの C S Rレポ ートを 活 用して い きた いと考 えて
おりますので、忌 憚 の な いご 意 見 、ご 要 望をお 聞かせ いただければ 幸 いです。
森林育成紙TM使用
私たち大和ハウスグループは、
「共創共生」
の基本姿勢のもと、
健全な森林育成のために、
当冊子には森林育成紙TMを使用しています。
www.daiwaodakyu.co.jp
〒160-8377 東京都新宿区西新宿4丁目32番22号 TEL:03-3376-3101(代表) FAX:03-3376-3100
建設業許可番号・国土交通大臣許可(特−24)第1310号
宅地建物取引業者免許番号・国土交通大臣(12)第1723号
「エンドレスハート」
は、大和ハウスグループの経営のシンボルであり、
日本およびその他の国における登録商標または商標です。
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