アンリツ(6754 東証1部) - ファーストメイク・リミテッド投資顧問

2012/2/24
ファーストメイク・リミテッド 投資顧問
No.531
週刊レポート
■参考銘柄
アンリツ(6754 東証1部)
1000
アンリツ
日足一目均衡表
12/2/23現在
950
【通信向け計測器の大手】
2/23 株価
900
850
961 円(1000 株単位)
連結 PER
12.8 倍
連結 PBR
2.99 倍
連結 ROE
21.7%
発行済株式数
128,059 千株
転換線
基準線
先行スパン1
800
先行スパン2
遅行スパン
配当利回り
0.71%
年初来高低
502-986 円
売買高 10 日移動平均
2257.8 千株
11/10/03
11/10/06
11/10/12
11/10/17
11/10/20
11/10/25
11/10/28
11/11/02
11/11/08
11/11/11
11/11/16
11/11/21
11/11/25
11/11/30
11/12/05
11/12/08
11/12/13
11/12/16
11/12/21
11/12/27
11/12/30
12/01/06
12/01/12
12/01/17
12/01/20
12/01/25
12/01/30
12/02/02
12/02/07
12/02/10
12/02/15
12/02/20
12/02/23
12/02/28
12/03/02
12/03/07
12/03/12
12/03/15
12/03/21
12/03/26
12/03/29
12/04/03
12/04/06
12/04/11
12/04/16
12/04/19
12/04/24
12/04/27
12/05/07
12/05/10
12/05/15
12/05/18
12/05/23
12/05/28
12/05/31
12/06/05
12/06/08
12/06/13
12/06/18
12/06/21
12/06/26
12/06/29
750
ポイント1
通信ネットワーク向け計測器の大手メーカー、NEC 系
情報通信機器に欠かせない計測器のアンリツ。1895 年の創立以来、110 年を超える歴史を持つが、電波や無線を
使った通信システムや無線技術のサービスおよびアプリケーションの開発、品質保持に無くてはならない各種計測器
を提供している。世界的な大ブームとなっているアップルの「iPhone」や「iPad」も、それを利用したインターネットへのア
クセスや音楽・映像のダウンロード、テレビ会議、動画コンテンツ、デジタル放送などあらゆる情報サービスはアンリツ
の製品なくしては存在することができない。最近は通信ネットワーク上を流れる情報量が急激に増加しており、社会イ
ンフラとして欠かせないインターネットのキャパシティが不安定になっている。ネットワークを保守する上で計測技術の
重要性はますます高まっている。また計測技術の応用範囲を広げており、光回線を利用したデジタル放送・動画配信
システムに組み込まれる光デバイス、ネットワークの効率的な利用を可能とする帯域制御装置、公共施設・災害現場
の遠隔監視システム、1 ミリに満たない鉄やステンレス、骨などの混入物を高精度に検出し、形状不良や数量不足も検
査できる X 線異物検出機なども製品化している。
同社の歴史は古く、1895 年に「合資会社石杉社(のちの共立電気)として創立された。1912 年に「TYK 式無線電話
機」を開発。1916 年には世界初の無線電話を実用化した。1931 年に安中電気製作所と合併して「安立電気」と改称。
日本電気の系列となった。1933 年に国内初のテレビジョン放送機を開発。1939 年に国産初の自動式公衆電話機を開
発した。1961 年に東証 2 部に上場。1968 年に東証 1 部上場となった。1985 年に現在のアンリツ株式会社に社名を変
更。2002 年には世界最高水準の 1400 ナノメートル帯励起用レーザ・ダイオードを開発した。携帯端末製造用の計測器
の売上げが好調で、現在の業績はきわめて良好。昨年 7 月、今年 2 月の 2 度にわたって通期業績の上方修正を行っ
た。期末配当予想も 2 度引き上げられた。
この資料はファーストメイク・リミテッドが会員のみに発行するものです。当資料に記載されている数字・意見等は、当社がその正確性を保証するものではありません。また、投
資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
一部を無断で複製・転用・配布・転送することを禁じます。
ファーストメイク・リミテッド
1
東京都千代田区岩本町 2−8−9
TEL:03-5821-7781
林慶ビル 7 階
FAX:03-5821-5600
2012/2/24
ファーストメイク・リミテッド 投資顧問
週刊レポート
No.531
アンリツ(6754 東証1部)
ポイント2
通信市場ばかりでなく広く産業用途に計測器を供給
同社の製品は電子計測器、情報通信機器、光デバイス、マイクロ波コンポーネントなどに及んでいる。主力の電子
計測器は売上高の 7 割近くを占めており、インターネットに接続するモバイル端末やコンピュータ、無線機器の開発・保
守には不可欠の製品となっている。独自のワイヤレス・光・デジタル・IP 計測技術に基づいた計測機器や端末、モジュ
ール、 電子部品の計測ソリューションを供給している。主な製品には、アクセスマスタ、光パルス試験器、シグナルア
ナライザー、スペクトラムアナライザー、信号発生器、光パワーメーター、IP ネットワーク測定器、パワーメーターなどが
ある。
情報通信機器は売上高の 5%を占めるに過ぎないが、次世代の高速通信ネットワークとされている「NGN」の構築に
欠かせないシステム設計と保守管理のための製品を生み出している。この領域では、帯域制御システム、インタフェー
ス変換機器、L2 スイッチ、遠隔監視装置、データ処理装置、エンコーダ・デコーダなどがある。そして光デバイス、マイク
ロ波コンポーネントなど産業機械分野は売上高の 15%程度を占めており、光ファイバーアンプや TDM/WDM 通信シス
テム用光源など、光通信機器の開発に適したレーザ・ダイオード、ファイバージャイロ、電流電圧測定などのセンサー、
トモグラフィー、スーパールミネッセントダイオードなどを製造している。
同社のアクセスマスタは、光ファイバーの敷設、保守において欠かせないあらゆる測定機能を 1 台で提供するフィー
ルド測定器である。またシグナルアナライザー(ベクトル信号アナライザー)は、主にデジタル変調信号のベクトル解析
を行う装置で、複雑な次世代ワイヤレス通信システムにも対応できる。昨年 7 月の地デジ放送への全面移行でも同社
の信号解析機能を備えたスペクトラムアナライザーが活躍した。
ポイント 3
テクニカル
:
3年に及ぶ上昇トレンドを形成中
株価はすでに過去 3 年間にわたって上昇トレンドをしっかりと形成。リーマン・ショック直後の安値である 172 円から 5
倍以上に値上がりした。ここにきて再び騰勢が強まっており、現在も昨年来高値を更新中である。ただしより長い目で
眺めれば、現在の水準はようやく IT バブル崩壊後の 10 年間に及ぶ長い保ち合いレンジの上限を突破したところ。当面
は 1000 円の大台乗せが課題となるが、それを達成した後は、1990 年代の保ち合いレンジである 1000∼2000 円への
台替わりを目指すことになる。したがって中期的には 2000 円突破が目標。
この資料はファーストメイク・リミテッドが会員のみに発行するものです。当資料に記載されている数字・意見等は、当社がその正確性を保証するものではありません。また、投
資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
一部を無断で複製・転用・配布・転送することを禁じます。
ファーストメイク・リミテッド
2
東京都千代田区岩本町 2−8−9
TEL:03-5821-7781
林慶ビル 7 階
FAX:03-5821-5600
2012/2/24
ファーストメイク・リミテッド 投資顧問
No.531
週刊レポート
アンリツ(6754 東証1部)
ポイント 4
動き出した次世代高速無線ネットワーク規格の「4G」
スマートフォンの世界的なブームによって、通信業界のみならずあらゆる産業で新たなビジネスチャンスが広がって
いる。それと同時に、通信ネットワークにかかる情報量の増大はとどまるところを知らない。業界最大手のNTTドコモで
すら、今期だけで 8 度の通信障害が発生した。メール用サーバーやデータ通信用の交換機の改良、総入れ替えが急
務となっているが、あくまでそれらの対策は小手先の微縫策に過ぎない。今後はさらに動画コンテンツを含めた大容量
データのやりとりが可能になる、さらに高速の次世代通信ネットワークの構築が待ったなしとなっている。それだけでも
アンリツにとっては大きなビジネスチャンスとなるが、その先にはもっと別の次元が開かれている。
1 月 23 日にスイスで開かれた国際電気通信連合(ITU)の世界無線通信会議には、世界中から 170 カ国、3000 人が
参加する大会議となったが、そこでは 2 月 16 日まで延々と討議が行われた。議論されたのは、2015 年にも実用化され
る見通しの第 4 世代(4G)携帯電話に関する内容で、使用される周波数を追加配分するということが最終的に合意され
た。4G が実現すればそこでは無線で光ファイバー並みの 1 ギガの大容量データがやり取りされることになるが、現在の
ままの周波数帯域では通信障害が起きることが必至とされている。そこであらかじめ使用できる周波数を増やすことで
各国が先手を打つことになった。具体的な周波数帯は今後詰められるが、2015 年までには正式に決定され、新しい規
則に盛り込まれる方向である。4G は日本ではすでに NTT ドコモなどがサービス開始に向けて準備を進めているが、
「ガラパゴス」とされないためにも。世界統一規格になる見通しである。通信業界に再び新しい設備投資気運が高まっ
ている。アンリツの活躍する余地も大きいと考えられる。
業績(連結・億円・前期比%)
売上高 2010/3
735
-12.4
2011/3
778
5.9
2012/3予
915
36.0
経常利益
35.7
53.6
49.8
125.0
43.0
純利益 3.8
30.6
697.0
95.0
43.0
EPS
3.0
24.1
74.5
(四季報より)
この資料はファーストメイク・リミテッドが会員のみに発行するものです。当資料に記載されている数字・意見等は、当社がその正確性を保証するものではありません。また、投
資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
一部を無断で複製・転用・配布・転送することを禁じます。
ファーストメイク・リミテッド
3
東京都千代田区岩本町 2−8−9
TEL:03-5821-7781
林慶ビル 7 階
FAX:03-5821-5600