ドリームインキュベータ - ファーストメイク・リミテッド投資顧問

2006/4/14
ファーストメイク・リミテッド 投資顧問
週刊レポート
No.235
■参考銘柄1
ドリームインキュベータ (4310 東証 1 部)
【コンサルティングとインキュベータを併せ持つ】
880000
ドリームインキュベータ 日足一目均衡表
06/4/13現在
4/13 株価 627,000 円(1 株単位)
780000
680000
転換線
基準線
先行スパン1
580000
先行スパン2
遅行スパン
480000
380000
280000
ポイント1
06/04/25
06/04/21
06/04/17
06/04/13
06/04/07
06/04/03
06/03/28
06/03/22
06/03/15
06/03/09
06/03/03
06/02/27
06/02/21
06/02/15
06/02/09
06/02/03
06/01/30
06/01/24
06/01/18
06/01/12
06/01/05
05/12/28
05/12/21
05/12/15
05/12/09
05/12/05
05/11/29
05/11/22
05/11/16
05/11/10
05/11/04
05/10/28
05/10/22
05/10/18
05/10/12
05/10/05
05/09/29
05/09/22
05/09/15
05/09/11
05/09/05
05/08/30
05/08/24
05/08/18
05/08/12
05/08/08
05/08/02
05/07/27
05/07/21
05/07/14
05/07/08
05/07/04
05/06/28
05/06/22
05/06/16
05/06/10
05/06/06
05/05/31
05/05/25
05/05/19
05/05/13
05/05/09
05/04/27
180000
連結 PER
51.3 倍
連結 PBR
11.8 倍
連結 ROE
23.5%
発行済株式数
98,000 株
配当利回り
0.00%
年初来高低
403,000-820,000 円
売買高 10 日移動平均
2645.5 株
日本有数のコンサルティングファーム、堀紘一氏が社長
コンサルティングファームのドリームインキュベータ。ベンチャー企業や既上場の大企業に対する事業計画の作成支援
やコンサルティングを行うと同時に、ベンチャー企業投資事業も行っている。従業員数は 54 名の少数精鋭で、2000 年 6
月に創業し、2002 年 5 月には早くも東証マザーズに株式を公開。2005 年 9 月には東証 1 部に上場した。社長は大手コ
ンサルティング会社のボストンコンサルティンググループ日本法人社長を務めた堀紘一氏。経営戦略を策定するだけ
の通常のコンサルティング会社とは一線を画し、コンサルタントとともに技術評価(テクノロジー)、財務(ファイナンス)
部門を社内に抱えてベンチャー企業を支援する仕組みを構築。「ビジネスプロデューサー」と呼ぶコンサルタントは、ボ
ストンコンサルティング出身メンバーや公認会計士に加えて、大手通信会社や電機会社出身者を積極採用。技術評価
は自前の社員だけでなくNTTドコモなどから技術者の出向を受け入れて、コンサルティングの厚みを増している。経験
や支援ノウハウを共有するために毎週 3∼4 回の社内勉強会を実施し、組織全体のベンチャー支援力を底上げしてい
る。また著名な堀社長の人脈を生かして、社外取締役にはセコム最高顧問の飯田亮氏、評論家の田原総一朗氏、特
別顧問にはオリックスグループ CEO の宮内義彦氏を迎えている。
2005 年 9 月中間期の売上高構成は、コンサルティングサービスが 37%(うち大企業が 31%、ベンチャー企業が 6%)、
投資事業が 63%だった。株式市場の活況により IPO が順調に進み、期中に支援先企業が 1 社株式を公開したことが
大きかった。このため中間期の売上高は 18.5 億円(+128%)、経常利益 10.6 億円(+361%)、純利益 6.2 億円(+372%)
の大幅な伸びとなった。業績はすこぶる順調ではあるが、1 月中旬に発覚したライブドアの粉飾決算により、ライブドア
の監査を担当していた港陽監査法人が当局からの捜査協力に忙殺され、2006 年 3 月期の監査業務を行えないと監査
先であるドリームインキュベータに通告。監査が受けられないと東証の上場廃止基準に抵触するとして同社の株価は
急落した。振り替え先として他の監査法人に監査の依頼を行っても、決算末直前であることを理由にいずれも断られ、
一時は相当の危機感が募った。しかし金融庁と公認会計士協会が背後で動き、3 月 3 日には新日本監査法人に代替
先が決定。事態の決着を見てその後の株価は急速に値を戻している。
ポイント2
ベンチャー企業のインキュベーション事業が伸びる
同社が創業した 2000 年 6 月は IT バブルが頂点を迎える時期に重なり、それ以後は金融不安と上場企業の破綻が
相次いだ。その時期に「日本を元気にしていく一助となりたい」という願いから、ベンチャー企業のインキュベーションを
この資料はファーストメイク・リミテッドが会員のみに発行するものです。当資料に記載されている数字・意見等は、当社がその正確性を保証するものではありません。また、投
資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
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ファーストメイク・リミテッド
1
東京都千代田区岩本町 2−8−9
TEL:03-5821-7781
林慶ビル 7 階
FAX:03-5821-5600
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ドリームインキュベータ (4310 東証 1 部)
開始した。堀社長の言葉をそのまま借りれば、同社は「新進気鋭のベンチャー企業からエクセレントカンパニーと呼ば
れるような大企業までを『一気通貫』で支援するプロフェショナルなコンサルティングファーム」を目指している。そのた
めには世界でも最高水準の事業戦略コンサルティングやインキュベーション、M&A、テクノロジーの事業化など、企業
の成長に不可欠な要素について 1 社でもれなく提供できるサービスを有することを目指している。社内には経営戦略コ
ンサルタント、公認会計士、弁護士、投資銀行家、技術専門家、組織コンサルタントなど、多様な経歴を持つプロフェシ
ョナルな人材を抱え、ダイナミックで実践的な企業支援活動を行っている。最大の特徴は、ベンチャー企業のダイナミッ
クな成長と大企業の戦略思考を同時に満たせる人材とノウハウを有している点に尽きる。
ベンチャー企業の支援業務は拡大を続けている。同社の行っているインキュベーション事業(ベンチャー支援業務)
は、①事業評価、戦略策定、その実行を総合的にコンサルティングするサービス、②事業計画書の作成指導、資本政
策の立案など業務サポート、③将来性が見込まれる企業への直接投資、の 3 つの分野にまたがる。2005 年 9 月中間
期において、新たに行った投資実行額は 10.5 億円にのぼり、中間時点での投資残高はこれで 31.6 億円になった。その
2/3 がいわゆる「レーターステージ」、IPO 直前の段階にある。投資先企業の内訳は、IT ソフト系が 42%、IT ハード系が
12%、金融・不動産が 15%、サービスが 14%、バイオが 9%など。中間時点で顕在化した経常利益は 10.6 億円だが、
いまだ実現していない IPO 企業の保有有価証券含み益は 10 億円あり、表面的に見える売上・利益よりも同社の成長
力は大きい。消費の拡大にあわせて経済のソフト化、サービス化はますます伸展し、そこにベンチャー企業の成長余
地が広がっている。株式市場での IPO の好調さもあって、他のベンチャーキャピタルも再び融資、出資活動を活発化さ
せており、最近では大企業の間でもベンチャー企業に対する出資を増やしている。インキュベーション事業の可能性は
大きく広がっているといえよう。
ポイント3
新会社法の施行によって活躍余地がさらに広がる
コンサルティング事業の活躍の余地も大きい。主なコンサルティング先である既上場の大企業はリストラを終え、中
長期的な新規事業分野、新たな成長戦略の策定を模索している。2006 年 3 月期でこれまでのリストラを主眼とした「3
カ年の中期経営計画」がひとまず終了する企業も多く、今後は新たな成長戦略を盛り込んだ「新中期経営計画」の策定
に採りかかるところも多い。大企業向けコンサルティング活動は 2005 年 9 月期の実績で 21 件、17 社。これは前中間期
の 15 件、10 社から大きく伸びた。今年 5 月には新会社法が施行されるため大企業の組織形態が大きく変わる可能性
が高く、そこでも組織コンサルティングや経営形態の方向性を模索する動きが盛んになると予想される。同時にこれは
ベンチャー企業経営にも当てはまり、新会社法では株式会社の概念が根底から変わり、企業設立が以前よりも簡単に
なるために、アーリーステージにある企業を支援するインキュベーション事業に活躍余地が増えることになるはずであ
る。
中間決算時に明らかにした同社自身の中期計画によれば、今後は「ポスト IPO」の段階にある企業に対するコンサ
ルティング活動を強めてゆく方針にある。現在、同社のクライアントは、ベンチャー段階にある企業か、既上場で成熟段
階にある大企業に限られている。その間に位置する「IPO 直後で東証上場を目指す会社」、あるいは「東証上場を果た
したばかりの若い会社」に対するアプローチがまったく存在しなかった。年間の IPO 企業はコンスタントに 100 社を超
え、同時に新興市場から東証に上場する企業も過去 4 年間で 216 社存在する。今後はこれらの若々しい企業をターゲ
ットとして従来のサービスを拡充させたコンサルティングを提供してゆく計画。このクラスの企業に狙いを定めているコ
ンサルティングファームは、現在の日本にはまだ存在しない。同社の新たな発展はまさにこの点にあるといえよう。
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資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
一部を無断で複製・転用・配布・転送することを禁じます。
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ポイント4
テクニカル:短期で半値戻りを達成
短期的にはライブドアショック後の一連の事件による株価急落に対して、現在はようやく半値戻りを達成した地点。「半値
戻りは全値戻り」の例をあてはめれば、それだけで今年 1 月の上場来高値 82 万円を目指すことになる。中期的には週足
ベースの第 2 波を完了して、続く第 3 波に向かう途上。同幅上げを想定すれば、半年∼1 年後には 100 万円の大台乗せ
が想定される。
業績(単体・億円・前期比%)
売上高
経常利益
純利益
EPS
2004/3
16.8
15.2
5.0
525.0
2.7
1416.6
3,339
2005/3
22.5
33.9
6.4
28.0
3.7
37.0
4,381
2006/3 予
40.0
77.7
20.0
212.5
12.0
224.3
12,218
(四季報より)
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