基本計画見直し(一括ダウンロード)(669KB)(PDF文書) - 松浦市

基 本 計 画
松浦市総合計画
(中間⾒直し)
次次次次代代代代ををををははははぐぐぐぐくくくくむむむむ
産産産産業業業業創創創創造造造造都都都都市市市市
まままま つつつつううううらららら
⻑崎県 松浦市
平 成 25 年 3 月
基本計画目次
基本計画................................................................
................................................................................................
.............................................................................................
............................................................. 1
第1章 産業振興であらた
産業振興であらたな
あらたな活力を生み出すまちづくり..........................................
.......................................... 1
第1節 地域特性を
地域特性を活かした既存産業
かした既存産業の
既存産業の振興と
振興と充実 ..................... 1
豊かな海の資源を活かす水産業の振興 .................................... 1
良質で多彩な資源を活かす農林業の振興.................................. 8
新しい地域の魅力を発信する観光産業の振興 ............................ 16
あらた価値を創り出す工業・エネルギー産業の振興 ..................... 22
賑わいと活気を生み出す商業・サービス業の振興 ....................... 25
力強い
産業の
創造と
活力ある
ある地域社会
地域社会の
第2節 力強
い産業
の創造
と活力
ある
地域社会
の実現 .................. 29
雇用の場を創出する企業誘致の推進 ..................................... 29
未来の松浦を拓く新しい産業の育成 ..................................... 32
産業発展を
実現するための
するための基盤整備
基盤整備の
第3節 産業発展
を実現
するための
基盤整備
の推進 .................... 35
各地を結ぶネットワーク基盤の整備 ..................................... 35
産業活性化に寄与する各種基盤整備の推進 .............................. 39
第2章 自然と人のぬくもりに囲まれた住みよいまちづくり .............................. 43
第1節 自然とともに
自然とともに生
とともに生き快適で
快適で住みよいまちづくり .................. 43
安心して健やかな生活をおくるための環境整備 .......................... 43
快適な生活をおくるための環境整備 ..................................... 49
心地よいぬくもりを
よいぬくもりを感
第2節 心地
よいぬくもりを
感じるまちづくり........................ 57
次代を担う子どもたちの健全育成 ....................................... 57
豊かで明るい高齢社会を支えるまちづくりの推進 ....................... 63
すべての人が安心して暮らせる社会福祉の充実 .......................... 67
人と人とのふれあいを深めるまちづくりの推進 .......................... 73
第3章 市民と力を合わせてつくる活気あふれるまちづくり .............................. 80
市民と連携・協働しておこなうまちづくり .............................. 80
地域格差のない行政サービスの実施 ..................................... 83
個性や能力を認め、発揮できる社会づくり .............................. 86
効率的な行財政運営 ..................................................... 89
基本計画
第1章 産業振興であらたな
産業振興であらたな活力
であらたな活力を
活力を生み出すまちづくり
第1節 地域特性を
地域特性を活かした既存産業
かした既存産業の
既存産業の振興と
振興と充実
豊かな海
かな海の資源を
資源を活かす水産業
かす水産業の
水産業の振興
○現状と課題
<次代を
次代を担う人材の
人材の確保・
確保・育成>
育成>
近年の漁業形態は、獲る漁業からつくり、育てる漁業へと変化しており、市
内の漁家経営を取り巻く状況は、高齢化と担い手不足、海洋環境の悪化や水産
物輸入量の増大などにより年々深刻化しています。
漁船漁業の経営体数は、
平成 15 年の 253 に比べ平成 20 年には 214 と 15%
(39
経営体)の減少となっており、特に刺網や小型定置網においては約 37%と著し
い減少を示しています。養殖漁業の経営体数も平成 15 年の 59 に比べ、平成 20
年には 53 と 10%(6経営体)減少しています。
漁業就業者の年齢別構成率は、65 歳以上が平成 15 年の 24%(179 人)
、平成
20 年も 24%(185 人)と高い割合であるのに対し、24 歳以下は、平成 15 年が
5%(40 人)
、平成 20 年も5%(36 人)と低い水準で推移しており、高齢化が
すすんでいます。
これらの担い手不足に対応するためには、民間と協力した取り組みにより研
修受け入れをはじめとした新規就業者の確保をはかるとともに、中核的漁業者
の育成や、担い手確保・育成のための制度の創設が必要です。
<持続的な
持続的な漁船漁業生産体制の
漁船漁業生産体制の構築>
構築>
漁船漁業では、カサゴやメバル、ガザミなどの沿岸域に生息する定着性魚
種資源水準の低下と藻場、干潟の減少、また、漁場環境の悪化や海洋汚染、
さらには魚価の低迷と担い手不足など、さまざまな問題から厳しい経営を強い
られています。
中型まき網を除く漁獲量は、平成 17 年の 4,410tに比べ、平成 22 年に 2,187
tと半減し、小型機船底びき網、小型定置網などの定着性魚種対象漁業の漁獲
量減少が顕著といえます。
漁獲金額も平成 17 年の 1,161 百万円に比べ、平成 22 年は 973 百万円と減少
しています。
1
このような状況を克服するため、漁船漁業の経営安定と省力化や安全性を高
める生産体制の構築をはかるとともに、消費ニーズにあった放流および資源管
理の強化など「つくり、育てる漁業」を推進します。
<養殖業のブランド
養殖業のブランド化
のブランド化へ向けた支援
けた支援>
支援>
本市の海面養殖業では、おもにマダイ、ハマチ、トラフグに加えて、新たに
マグロの養殖がおこなわれています。生産量、生産額については、平成 17 年の
2,785t(3,104 百万円)に比べ、平成 22 年には 2,480t(2,710 百万円)と取
引単価もふくめすべて減少しています。
加えて漁場環境の悪化と施設の老朽化、
赤潮の発生、魚病の発生、成長の鈍化および歩留率の低下などが生じており、
海面養殖業を取り巻く環境も良好な状況とはいえません。経営体も減少傾向に
あり、特に、魚価低迷の著しいハマチやマダイ養殖の経営体は、それ以外の魚
種への転換をはかっていますが、依然として厳しい状況にあります。
養殖漁業の経営安定をはかるため、漁場環境の改善と保全をはじめ、共同経
営の推進や養殖新技術の実用化などに取り組む必要があります。
また、養殖魚種のブランド化を確立させるためには、さらなる安全管理の徹
底と品質向上、地域消費の拡大に向けた取り組みが求められます。
<水産物の
水産物の高付加価値化、
高付加価値化、販売・
販売・流通の
流通の強化>
強化>
現在、市内の漁船漁業、養殖業において水揚げ、生産された水産物のほとん
どは市場流通されており、天然・養殖水産物の一部が地域消費など市場外に供
給されています。
水産物流通の最大の課題は価格低迷といえます。現在の水産物価格は、水揚
げの数量などに関係なく店頭販売価格が決定され、その価格から流通コストが
差し引かれる価格構造の形成がすすんでいます。そのため、結果的に漁業者の
純利益の減少を引き起こし、経営を悪化させる要因となっています。また、量
販店では品目の規格化が求められており、加えて産地での水産物高付加価値販
売への対応の遅れも漁業収益の低迷に結びついています。さらに、輸入水産物
への依存が高まっているため、このままでは漁業経営はますます厳しくなるこ
とが予想されます。
本市では、水産物の付加価値を高めるため、新松浦漁業協同組合や民間企業
のほか、個人経営によるイリコ製造など水産物加工がおこなわれています。今
後はあらたな加工品開発をふくめ、未利用資源の生鮮出荷による販売とブラン
ド品の確立が課題であるとともに、消費者に対し、安全・安心な水産物の供給
に力を入れていく必要があります。
<水産廃棄物処理事業の
水産廃棄物処理事業の推進>
推進>
現在、市内の水産業では、養殖魚へい死魚、加工残さいなどの処理は、廃棄
2
物処理業者への委託により処理がおこなわれており、環境への配慮がなされて
います。水産廃棄物については、漁場環境の悪化や海洋汚染につながるおそれ
があるため、今後も環境に配慮した適正な処理が求められます。
3
【施策の体系】
豊かな海の資源を活かす水産業の振興
次 代 を 担 う 人 材 の 確 保 ・ 育 成
新 規 就 業 者 の 確 保
中 核 的 漁 業 者 の 育 成
水 産 業 教 育 の 充 実
持続的な漁船漁業生産体制の構築
「つくり、育てる漁業」の推進
生
産
体
制
の
拡
充
安全快適な漁村環境づくり
養殖業のブランド化へ向けた支援
養 殖 漁 業 の 経 営 安 定 化
養 殖 ブ ラ ン ド 化 の 推 進
水産物の高付加価値化、販売・流通の強化
水産資源の高付加価値化
水 産 物 の 販 売 力 強 化
水 産 物 流 通 体 制 の 強 化
安全で安心な水産物供給体制の強化
水 産 廃 棄 物 処 理 事 業 の 推 進
4
○施策内容
1.次代を
次代を担う人材の
人材の確保・
確保・育成
(1)新規就業者の
新規就業者の確保
水産業の担い手育成をはかるため、松浦地域漁業の担い手確保推進協議会に
おいて外部からの研修受入によるU・Iターン者をふくめた新規就業者の育成
と確保に取り組みます。
(2)中核的漁業者の
中核的漁業者の育成
漁業後継者育成のため、研修による意識の高揚をはかりながら、中核的漁業
者の育成に取り組みます。
(3)水産業教育の
水産業教育の充実
次代の水産業従事者育成のため、市内小中学校において地域の水産業教育の
充実をはかります。
2.持続的な
持続的な漁船漁業生産体制の
漁船漁業生産体制の構築
(1)
「つくり
「つくり、
つくり、育てる漁業
てる漁業」
漁業」の推進
漁船漁業の経営安定と生産体制の構築をはかるため、引き続き種苗放流を推
進します。また、消費ニーズを把握した魚種選定をおこなうとともに放流およ
び資源管理を実施し、
「つくり、育てる漁業」をすすめます。
(2)生産体制の
生産体制の拡充
漁場の海底耕耘や清掃、磯根・定着性資源の管理の徹底、漁礁および干潟な
どの漁場造成をはじめとした基盤体制の充実と、密漁などへの監視強化により
漁獲量の拡大をはかります。
(3)安全快適な
安全快適な漁村環境づくり
漁村環境づくり
漁船の係留や管理、作業場所と安全面の確保、省力化をはかるため、湾内の
消波と静穏を保つ漁港など漁業経営に必要な施設の維持管理をおこない、漁業
従事者の高齢化にも配慮した安全快適な漁村環境づくりに取り組みます。
3.養殖業のブランド
養殖業のブランド化
のブランド化へ向けた支援
けた支援
(1)養殖漁業の
養殖漁業の経営安定化
養殖漁業経営の安定をはかるため、監視活動の強化および漁場環境の改善と
5
保全に取り組みます。また、経営効率化に向けた共同経営の推進やマグロ養殖
の拡充、マハタなどの養殖の実用化および藻類、貝類などとの複合養殖の研究
開発につとめます。
(2)養殖ブランド
養殖ブランド化
ブランド化の推進
養殖業のブランド化を推進するため、防疫体制の徹底と養殖中間魚供給拠点
の形成、生産・出荷体制の強化および地産地消の取り組みを支援します。
4.水産物の
水産物の高付加価値化、
高付加価値化、販売・
販売・流通の
流通の強化
(1)水産資源の
水産資源の高付加価値化
水産物の高付加価値化をめざし、流通にのらない未利用資源の有効活用と産
地加工品、メニューの開発・加工グループの育成をはかります。また、ブルー・
ツーリズムなどの体験漁業やイベントの開催など、地域の天然および養殖水産
物のPRと資源の高付加価値化に取り組みます。
(2)水産物の
水産物の販売力強化
販売力強化をすすめるため、漁協を中心とした漁獲物共同出荷体制の構築、
道の駅「松浦海のふるさと館」など直売施設のネットワークによる地産地消の
推進、アンテナショップの活用や徹底した販売戦略による販路の拡大、規格基
準の統一化によるブランドの確立などをはかります。
(3)水産物流通体制の
水産物流通体制の強化
消費者へ安全かつ新鮮で良質な水産物を提供するため、低温管理など高鮮度
維持のための優れた水産物供給施設の拡充をはかり、効果的な流通・出荷体制
による水産物の供給を推進します。福岡都市圏をはじめ佐賀県など周辺地域に
対して水産物流通を強化するとともに、アジやサバ、トラフグおよびクルマエ
ビなどを地元供給するための施設の充実などをはかります。また、地域水産物
の輸出についてもすすめていきます。
(4)安全で
安全で安心な
安心な水産物供給体制
水産物供給体制の
体制の強化
安全で安心な水産物を供給するため、高度な衛生管理や消費者に産地情報を
伝えるトレーサビリティシステムの構築などの取り組みを今後もすすめます。
それと同時に、食品の生産、流通に携わる関係者が、その責務の重要性を再認
識し、関係機関との連携をはかりながら自主衛生管理の向上に取り組むように
うながします。
6
5.水産廃棄物処理事業の
水産廃棄物処理事業の推進
環境に調和した漁村環境をめざし、加工残さいや養殖魚へい死魚などの水産
廃棄物については、引き続き廃棄物処理業者への委託を推進し、環境に配慮し
ながら適正な処理につとめます。
7
良質で
良質で多彩な
多彩な資源を
資源を活かす農林業
かす農林業の
農林業の振興
○現状と課題
<多様な
多様な担い手の確保・
確保・育成>
育成>
本市の農業を取り巻く環境は、担い手の高齢化と減少、耕作放棄地の増加、
農産物の輸入量の増大や産地間競争にともなう農産物価格の低迷により、生産
力や集落機能の停滞が懸念されています。
本市では 60 歳代以上の農業者を中心
に営農がおこなわれており、本来、中心となるべき担い手世代は他産業に従事
している割合が多く、
平成 22 年における自給的農家をふくめた兼業農家は市内
全農家の約 80%を占めています。
担い手の確保は将来的な課題であるため、
農家自身の意識を高めるとともに、
就農後のサポートを拡充する必要があります。近年、新規就農者や女性就農者
が誕生していますが、営農をはじめるにあたり多額の投資を必要とするため、
各種補助金や融資などの支援策が求められています。担い手不足の軽減には、
集落営農の推進をはかる必要がありますが、そのために必要なリーダーの存在
が少ない状況にあります。
<基盤整備後のあらたな
基盤整備後のあらたな営農
のあらたな営農の
営農の展開>
展開>
本市の農業基盤については、省力化による効率的な農業をおこなうための広
域農道「やまびこロード」や農免農道をはじめ、多くの農業施設が整備されて
います。水田や畑地についても多くの地区で基盤整備が完了しており、なかで
も竜尾川流域では、土地改良区を中心として新規作物の導入、実証展示ほ場整
備などにより、作付面積の拡大、裏作への取り組み、集落営農への機運が醸成
されていますが、
市内の水田では基盤整備後、
年数が経過していることにより、
一帯に排水不良地区が多く表作のみの利用がほとんどです。今後は、これらの
農地について有効に活用し、年間を通じた耕作をすすめるなど農業生産性の維
持と向上が課題といえます。
さらに、本市においては兼業農家が多く、農業労働力の不足および施設の老
朽化などにより排水機能を維持していない水田が多いなど、水稲作以外の振興
は難しい状況にあります。このようなことから「かけがえのない農地と担い手
を守り、力強い農業をつくる」ことを理念とし、優良農地の確保と有効利用、
担い手対策に取り組まなければなりません。
また、現在、耕作放棄地の増加が懸念されており、その解消に向け国の施策
にあわせた方針を定め、利用増進をはかる農地を「要活用農地」として位置づ
け、認定農業者などへの農地集積をおこなうなど有効利用をはかっていく必要
があります。
8
<農産物の
農産物の高付加価値化・
高付加価値化・販売力強化>
販売力強化>
本市の農産物については、稲作に加え畑作、果樹栽培が盛んで、特にメロン
とぶどうは、松浦メロン・御厨ぶどうとして市場でも高い評価を得ており、地
域ブランドが確立されています。また、近年では、ブロッコリーやスナップエ
ンドウなどの産地が拡大しています。そのほか御厨地域では、花木の生産活動
もおこなわれており、特にしきみ柴については、関西方面での需要が高く、あ
らたな産地として市場の期待を集めています。
本市の基幹作物である葉たばこについては、近年の健康意識の高まり、たば
こ税率の引き上げにともなう販売減少を踏まえ、
平成 23 年度に大幅な廃作が実
施されたことから、今後は葉たばこ経営を担う農家が安定して経営を継続でき
る基盤構築のために関係機関連携して支援していく必要があります。
地産地消の推進については、他産業との連携により、道の駅「松浦海のふる
さと館」や各地の直売所において採れたての野菜やくだもの、加工品などが販
売されています。販売内容や方法は、直売所ごとに特色があり、今後は生産者
自身のアイデアや工夫を取り入れた販売やアンテナショップを活用した情報発
信、加工品開発などと絡ませることが求められます。
一方、農産物の出荷については、主体となる農協の販路の拡充が求められま
す。また、生産者が独自に販売ルートを開拓している例もあり、今後も農産物
の付加価値向上と販売力強化のための支援をおこなう必要があります。
<有害鳥獣の
有害鳥獣の適正な
適正な駆除>
駆除>
近年、イノシシやアライグマ、カラスなど有害鳥獣による被害が拡大してい
ます。そのため、猟友会との連携により適正な駆除につとめていますが、被害
の撲滅には至っていません。農作物の安定生産をはかるためには、今後も有害
鳥獣の駆除を継続していく必要があります。あわせて、被害の広域化がすすん
でいる現状から、猟友会による駆除体制を強化するため、駆除従事者の育成を
はかる必要があります。
また、有害鳥獣による農作物への被害は広範囲におよび、猟友会による駆除
のみでは限界があることから、農業者自身による防止対策を講じるとともに、
管理の省力化をはかる意味でも集落単位で有害鳥獣から農作物を守る取り組み
をすすめる必要があります。
<肉用牛生産体制の
肉用牛生産体制の強化と
強化と総合的な
総合的な畜産の
畜産の振興>
振興>
本市においては、全域的に和牛の繁殖経営が盛んです。平成 24 年に長崎県で
開催された全国和牛能力共進会において、好成績を残して以降、子牛取引価格
は高値傾向ですすんでおり、生産者の経営意欲も高まっています。本市の肉用
牛畜産農家は、繁殖経営が大部分を占め、肥育との一貫経営は比較的少なく、
9
多頭飼育に取り組む意欲的な生産者が増えています。これらの畜産農家に対し
ては、現在、繁殖雌牛導入のため各種の支援制度があるものの、制度の見直し
と新設の検討が必要です。肉用牛増頭のための牛舎整備は、国や県のほか市独
自の事業で対応している状況です。
また、
高齢繁殖雌牛の更新に対する支援や、
飼料高騰等に対する生産コスト削減対策を求める声も多く、肉用牛振興のため
の総合的な支援が求められています。なお、農家の高齢化がすすむなかで経営
の省力化、合理化に有効な手段として、放牧が導入されていますが、市内には
適当な放牧地が少ないため、耕作放棄地を再編整備するなど用地の確保が課題
となっています。
養豚経営は、牛肉の輸入自由化の影響による価格競争の激化や排泄物処理な
どの環境問題、後継者不足などの課題を抱えています。今後は環境対策や低コ
スト経営、多頭飼育に向けた取り組みが求められます。
養鶏経営は、
飼料の高騰により生産コストが上昇し、
厳しい現状にあるため、
生産コストの低減につながる取り組みが課題となっています。
家畜排泄物については、適正な管理のもと有機性資源として有効活用し、耕
種農家との連携により資源循環型畜産を確立するため、これまで以上に環境に
配慮した取り組みをおこなう必要があります。
<森林の
森林の整備と
整備と地域木材利用の
地域木材利用の促進>
促進>
本市の林業を取り巻く状況は、地域木材需要の停滞、価格の低迷、担い手不
足、経営意欲の減退など、依然として厳しい状況が続いています。
本市の森林面積は平成 23 年で市面積全体の 47%におよび、森林の有する水
資源のかん養、自然災害防止などの多面的機能が持続的に発揮されるように、
適正な森林整備と保全につとめる必要があります。民有林については植林、下
刈り、除間伐など整備がおこなわれてきましたが、人工林の多くが間伐を必要
としていることから、今後も計画的な整備や管理を促進する必要があります。
森林病害虫については、松くい虫防除など定期的な駆除をおこなっており、
今後も多面的な機能の発揮と良質な地域木材の生産のため効果的な駆除をおこ
なっていく必要があります。
森林管理の効率化、低コスト化のため林道などの基盤整備については、これ
までの事業の進捗状況や今後の事業の必要性を検討しながら計画的な整備をす
すめる必要があります。
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【施策の体系】
良質で多彩な資源を活かす農林業の振興
多 様 な 担 い 手 の 確 保 ・ 育 成
担 い 手 の 確 保 と 育 成
新規就農者の育成と確保
女 性 農 業 者 の 育 成
遊休農地の解消と生産性の確 保
基盤整備後のあらたな営農の展開
経
営
基
盤
の
強
化
集
落
営
農
の
推
進
農産物の高付加価値化・販売力強化
環 境 保 全 型 農 業 の 推 進
農 産 物 の 付 加 価 値 向 上
農 産 物 の 販 売 力 強 化
農 産 物 輸 出 の 推 進
有 害 鳥 獣 の 適 正 な 駆 除
肉用牛生産体制の強化と総合的な畜産の振興
畜 産 ブ ラ ン ド の 確 立
規模拡大による生産性の向上
放
牧
の
推
進
養豚および養鶏事業の振興
耕蓄連携による環境保全型農業の促進
森林の整備と地域木材利用の促進
森
林
整
備
の
推
進
地 域 木 材 の 活 用 と 研 究
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○施策内容
1.多様な
多様な担い手の確保・
確保・育成
(1)担い手の確保と
確保と育成
将来にわたり本市農林業の振興をはかるため、関係機関が一体となった支援
により、意欲ある担い手が地域農林業を担う望ましい農林業構造の早期実現に
向け、地域実態に即した担い手の確保と育成をすすめます。
また、将来に向けた集落営農体制の整備をはかるため、機械利用組合の代表
者などの研修会や講習会への参加をうながし、あらたな集落リーダーの育成と
人材発掘につとめます。
(2)新規就農者の
新規就農者の育成と
育成と確保
経験豊富な農業者が新規就農者を受け入れる体制を整備し、実地研修事業な
どの活用により将来の農業を担う後継者の育成と確保をはかります。
(3)女性農業者の
女性農業者の育成
担い手不足を軽減する女性の就農者を確保するため、家族経営協定の締結促
進により認定農業者への誘導をうながすなど、女性農業者が活躍しやすい環境
づくりを推進し、地域農業の一翼を担う女性の農業経営を支援していきます。
(4)遊休農地の
遊休農地の解消と
解消と生産性の
生産性の確保
認定農業者を農業経営の中核として位置付けた施策を展開するとともに、意
欲ある担い手を認定農業者に誘導します。また、関係機関と連携しながら、こ
れらの農業者に農地の流動化を促進するなど、遊休農地の解消と生産性向上を
はかります。
2.基盤整備後のあらたな
基盤整備後のあらたな営農
のあらたな営農の
営農の展開
(1)経営基盤の
経営基盤の強化
排水対策等の農地整備を実施するとともに、各地域の特性に応じた土地利用
や導入作物、営農体制を研究し、生産性や収益性の高い魅力ある営農の展開と
機械化の推進による経営基盤の強化をはかります。また、広域農道「やまびこ
ロード」や基幹農道をはじめとした農業用施設を活用し、生産性の向上につと
めます。
(2)集落営農の
集落営農の推進
国が示す集落営農の推進のため、農業集落と関係機関が一体となり地域に応
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じた生産調整などの米政策改革、地域協働での活動をおこなう農地・水・環境
保全向上対策などの取り組みにより農村資源の保全と集落営農体制の強化をは
かります。
生産施設整備にあたっては、国または県補助事業の活用とあわせ、市独自の
助成など効果的な支援をおこなうことで集落営農を基礎とした農業基盤の拡充
による生産性の向上をめざします。
3.農産物の
農産物の高付加価値化・
高付加価値化・販売力強化
(1)環境保全型農業の
環境保全型農業の推進
食の安全・安心と環境保全型農業の実現に向け、エコファーマーの育成と土
づくり、化学肥料や農薬の低減技術の導入より農産物の付加価値を高める取り
組みを推進します。
(2)農産物の
農産物の付加価値向上
農業団体やほかの産業分野の協力のもと、本市の多種多様な生産物や産地特
性を活かした加工品開発をおこないます。また、地域農産物の付加価値向上の
ため、自然食メニューなどのグルメ商品開発に取り組みます。
(3)農産物の
農産物の販売力強化
各地域の物産施設をネットワーク化し、新鮮で良質な地域農産物のPRや販
売を強化するとともに、アンテナショップなどを通じて消費者ニーズに対応し
た販売方策の研究など販路拡大を支援します。農産物の安全性や生産情報の発
信のほか、インターネットによる加工品や農産物販売などを通じて、多様化す
る流通形態に即した販売力の強化をはかります。
(4)農産物輸出の
農産物輸出の推進
今後の生産物流通拡大のため、農産物の品質と安全性をPRし、水産物と歩
調をあわせ中国への輸出拡大をはかります。将来的には東アジア地域を視野に
入れた農産物輸出をすすめていきます。
4.有害鳥獣の
有害鳥獣の適正な
適正な駆除
猟友会との協力により有害鳥獣の適正な駆除につとめ、農作物の安定生産の
ための施策に取り組みます。また、被害を最小限におさえるため、有害鳥獣駆
除従事者の育成と義務的経費の支援や見直しをすすめるとともに、駆除に必要
な罠などの機材の拡充をはかります。さらに、集落単位での有害鳥獣駆除の取
り組みとして、関係機関と一体となった駆除体制の強化を支援します。
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5.肉用牛生産体制の
肉用牛生産体制の強化と
強化と総合的な
総合的な畜産の
畜産の振興
(1)畜産ブランドの
畜産ブランドの確立
ブランドの確立
繁殖経営の生産体制をこれまで以上に強化するため、優良雌牛の導入と良質
な子牛生産地の地位とブランドの確立に向けた取り組みをすすめます。加えて
収益性の高い生産体制を構築することにより畜産農家の所得向上をはかります。
(2)規模拡大による
規模拡大による生産性
による生産性の
生産性の向上
平成 24 年(2012 年)に本県で開催された全国和牛能力共進会を機に、さら
なる家畜振興をはかります。
ながさき西海農協が設置したキャトルセンターの活用と、空いた牛房への繁
殖雌牛の増頭を推進し、規模拡大による生産性向上と安定した畜産振興をはか
ります。
また、低コスト牛舎や簡易牛舎の規模拡大を支援し、国・県事業の活用とと
もに市独自の制度拡充をはかり、
省力化された生産体制の構築に取り組みます。
(3)放牧の
放牧の推進
高齢化する生産農家のコスト削減と荒地対策のため、多く点在する未利用野
草地や休耕田、廃みかん園などを活用した放牧を推進します。
そのために、遊休農地の再編整備による効果的な利用を促します。
(4)養豚および
養豚および養鶏事業
および養鶏事業の
養鶏事業の振興
養豚の振興については、低コストかつ省力化による規模拡大を推進します。
生産性の向上と農家収益の拡大のため、効果的に事業を活用するとともに、環
境に配慮した取り組みを支援します。
養鶏の振興については、未利用資源の利用や効率的な管理によるコストの低
減とあわせ、鶏肉および鶏卵の安定的な生産の確保と安全性や品質の向上など
の取り組みについて支援します。
(5)耕畜連携による
耕畜連携による環境保全型農業
による環境保全型農業の
環境保全型農業の促進
農地の裏作や耕作放棄地を利用するなどして飼料作付面積の拡大および農地
集積と団地化をうながし、安全で安心な松浦産畜産物を供給するとともに、飼
料自給率の向上をめざします。さらに、適正な管理のもとで家畜排泄物の堆肥
化を促進し、堆肥利用による耕畜連携での資源循環・環境保全型農業を推進し
ます。
14
6.森林の
森林の整備と
整備と地域木材
地域木材利用
木材利用の
利用の促進
(1)森林整備の
森林整備の推進
林業の活性化と水資源のかん養、自然災害防止など森林が有する多面的機能
を発揮するため、林道、作業道の整備と並行し、植林、下刈り、除間伐などの
森林整備をすすめます。
(2)地域木材
地域木材の
木材の活用と
活用と研究
人にやさしく、健康的な建築資材として公共施設や住宅向けに地域木材の積
極的な活用をはかり、森林、林業、木材、生活などが持続的に地域社会へ循環
する仕組みを構築していきます。
また、エネルギー産業との連携により木質バイオマスの研究をすすめ、間伐
材などの商品化および需用開発、バイオマスの有効利用を推進し、森林資源循
環の形成をはかります。
15
新しい地域
しい地域の
地域の魅力を
魅力を発信する
発信する観光産業
する観光産業の
観光産業の振興
○現状と課題
<地域におけるもてなし
地域におけるもてなし施策
におけるもてなし施策の
施策の推進>
推進>
団塊の世代の現役引退は、観光分野に大きな市場の誕生をもたらすことが期
待されています。こうした市場を獲得するためには、観光振興に関わる各団体
と連携した個性ある取り組みをすすめる必要があります。
本市の観光産業は、これまで知名度、入込客数など県内の主要地域に比べ出
遅れていましたが、近年は農林漁業体験を取り入れた体験型修学旅行の誘致、
地域の素材を活かしたグルメ観光、各種まつりが好評を得て、多くの観光客が
訪れるようになりました。こうした成果を生んだ背景には、一般社団法人まつ
うら観光物産協会をはじめ、松浦体験型旅行協議会、一般社団法人まつうら党
交流公社やまつうら海鮮街道実行委員会など、各種団体との連携において充実
していたことがあげられ、さらに民間団体の視点による柔軟で魅力ある取り組
みが求められます。
今後は、増加した市内への観光客をリピーターとして確保していくための対
策が課題となります。そのためには、観光関連団体とのさらなる連携強化につ
とめ、市民や企業などからの提案を受けながら、もてなし施策の推進に取り組
むことが求められています。
<体験型観光による
体験型観光による農林水産業
による農林水産業との
農林水産業との連携
との連携推進
連携推進>
推進>
体験型旅行事業については、一般社団法人まつうら党交流公社が中心となっ
て誘客活動がおこなわれ、
現在2万人を大幅に超える勢いで受け入れています。
当事業は、本市を中心に事業実施エリアで年間3万人を受け入れ目標としてい
ることから、今後とも継続的な誘致活動をおこなう必要があります。また、本
事業においては、平戸市や北松浦エリアもふくめた広域的な受入組織が立ちあ
がっています。
この背景には、
旅行業界にほんもの体験として認められたこと、
さらには全国ほんもの体験推進連絡協議会の支持を受けたことがあげられます。
平成 18 年度には「オーライ!ニッポン大賞グランプリ(内閣総理大臣賞)
」を
受賞するなど、全国的にも高い評価を受け、これまで延べ、11 万人にもおよぶ
受入れ実績をあげるまでに至っております。
本市が取り組む農林漁業体験をおもにした修学旅行受入れ事業は、体験する
側にとっても貴重な人生経験であり、受け入れ側にとっては、米食や魚食普及
をはじめ、所得向上や生きがい対策につながるなど、広い分野に効果が波及し
ています。県内への修学旅行が減少するなかで、本市の取り組みが修学旅行の
増加につながっていることから、国や県からもさまざまな支援が得られていま
す。今後もさらなる体験型観光の拡充をはかるため、受け入れ組織の拡充、体
16
験メニューの充実・指導者レベルアップへ向けた取り組みを強化する必要があ
ります。
<将来の
将来の観光振興を
観光振興を担う人材育成と
人材育成と体制の
体制の構築>
構築>
将来的な観光産業の安定と広域的な受け入れや人材育成のために、機動的な
取り組みをおこなうことが求められています。体験型観光では、一般社団法人
まつうら党交流公社において観光業のみならず農林業、漁業、商工業などの幅
広い人材育成をはかる体制も確立されています。
テレビ番組の制作や放送、モニターツアーの実施など、県外向けの情報発信
をはじめとする一般社団法人まつうら観光物産協会の取り組みや体験型観光、
しゅんぎょ
旬 魚 まつりなどにより大幅な観光客増加に結びついています。今後は、さらに
質の高い観光産業をめざし、市民の活力を活かした観光ガイドの導入に取り組
む必要があります。
<あらたな観光拠点
あらたな観光拠点づ
観光拠点づくり施策
くり施策の
施策の推進>
推進>
あらたな観光の創出については、地域の豊富な資源を活かした新商品の開発
と施設の整備開発をすすめます。また、福岡方面から本市の各地域を巡り、平
戸、佐世保、長崎方面へと結ぶ観光ルートづくりを推進し、旅行業界への積極
的な営業展開などあらたな観光拠点づくりに取り組む必要があります。
県北部の自治体などで組織されるながさき県北観光協議会では、福岡県向け
の事業が実施されており、一般社団法人まつうら観光物産協会においても当該
協議会と連携して県外PR事業が実施されています。また、一般社団法人まつ
うら観光物産協会では、テレビ、ラジオ、情報誌などを活用したさまざまな観
光情報発信にも取り組んでおり、今後もさらに迅速で広域的な情報の発信と民
間の豊富なアイデアによる魅力ある観光地づくりが求められています。
<西九州自動車道開通を
西九州自動車道開通を視野に
視野に入れた福岡都市圏
れた福岡都市圏の
福岡都市圏の観光客誘致の
観光客誘致の強化>
強化>
本市は、福岡都市圏からの観光客を長崎県へ誘導する際の玄関口であり、県
内への観光客受入拠点として重要な役割を担っています。今後は、西九州自動
車道の開通によりさらにその機能が高まることが予想されます。なかでも、本
市の観光振興において重要なターゲットエリアとなる福岡都市圏への近接性が
高まることから、西九州自動車道の完成を視野に入れた観光客確保のための施
策が早急に求められています。
17
【施策の体系】
新しい地域の魅力を発信する観光産業の振興
地域におけるもてなし施策の推進
地域資源を活かした観光振興
観 光 案 内 機 能 の 強 化
観 光 サ ー ビ ス の 充 実
魅力ある観光施設の整備と民営化の推進
体験型観光による農林水産業との連携推進
将来の観光振興を担う人材育成と体制の構築
人材育成のための体制の強化
専門性の高い人材の育成
市
民
活
力
の
導
入
あらたな観光拠点づくり施策の推進
あらたな観光ルートづくり
民間活力による観光地づくり
自然景観を活かした観光拠点の拡充
西九州自動車道開通を視野に入れた福岡
都市圏の観光客誘致の強化
18
○施策内容
1.地域におけるもてなし
地域におけるもてなし施策
におけるもてなし施策の
施策の推進
(1)地域資源を
地域資源を活かした観光振興
かした観光振興
本市には、観光客を誘引する魅力として、鷹島モンゴル村をはじめ、往昔を
物語る遺跡などの貴重な歴史資源や自然豊かな公園が点在しています。このほ
とき
とき
か、
「食」の面でもブランドが定着した旬あじ、旬さばや生産量日本一のトラフ
グ、
市場で高い評価を得ているクルマエビなどの良質な食材があり、
これら
「食」
を活かした個性と魅力ある観光振興に取り組みます。
(2)観光案内機能の
観光案内機能の強化
市内への観光客増加と高度情報化社会に対応するため、誘導看板、観光案内
板などの拡充、パンフレット、ホームページの充実などにより観光案内サービ
スの強化をはかります。
(3)観光サービスの
観光サービスの充実
サービスの充実
観光関連施設のみではなく、商店街や各種施設もふくめた市内全域で魅力あ
る空間づくりや、質の高いサービスを提供できるように、各種もてなし能力向
上施策の活用をすすめます。
(4)魅力ある
魅力ある観光施設
ある観光施設の
観光施設の整備と
整備と民営化の
民営化の推進
観光消費の拡大とサービスの充実をはかるため、
魅力ある観光施設の整備や、
民間活力が導入されていない施設の民営化を推進し、民間事業者とのさらなる
連携を深め、質の高い観光振興につとめます。
2.体験型観光による
体験型観光による農林水産業
による農林水産業との
農林水産業との連携推進
との連携推進
体験型観光の推進を強化するため、地域の豊富な資源や人材、多彩な文化、
郷土芸能など地域の魅力を活かしたあらたな体験メニュー開発を支援し、交流
人口のさらなる増大をめざします。農漁村と都市との交流を深めるグリーン・
ツーリズムやブルー・ツーリズムを取り入れた修学旅行誘致活動を強化し、生
産者所得の向上や就業機会の拡大をはかります。
また、貴重な体験をとおして、農林業や漁業の魅力および資源の重要性を認
識してもらい、農漁村環境や文化などの維持・継承をうながします。これらの
事業は、すでに一般社団法人まつうら党交流公社において民間主導で体験型観
光が展開されていますが、今後は事業のさらなる拡充をはかるため、メニュー
の開発や旅行会社および全国の教育機関への修学旅行誘致に向けた営業活動な
19
ど、民間による体験型観光への取り組みを支援していきます。
3.将来の
将来の観光振興を
観光振興を担う人材育成と
人材育成と体制の
体制の構築
(1)人材育成のための
人材育成のための体制
のための体制の
体制の強化
観光振興を担う人材については、一般社団法人まつうら党交流公社など各種
団体との連携のもと、担い手の育成と確保をはかり、組織体制の構築や支援策
を充実するための取り組みを推進します。
(2)専門性の
専門性の高い人材の
人材の育成
体験型観光事業におけるインストラクターの拡充と育成など、就業機会の確
保と必要な人材の育成をはかります。また、専門性の高い技能や業務などの研
修機会を設け、担い手の参加を促進するとともに、幅広い分野での担い手同士
の連帯感を強化していきます。
(3)市民活力の
市民活力の導入
質の高い観光情報サービスを提供するため、市民による観光ガイドの導入に
ついて検討します。
4.あらたな観光拠点
あらたな観光拠点づくり
観光拠点づくり施策
づくり施策の
施策の推進
(1)あらたな観光
あらたな観光ルートづくり
観光ルートづくり
本市の豊富な資源を取り入れた新商品開発や福岡方面から本市の各地域を巡
り、平戸、佐世保、長崎方面へと結ぶ食や自然、体験などの素材を活かした観
光ルートづくりを推進し、旅行業界への積極的な営業展開などにより複合的な
魅力をもつ観光メニューづくりに取り組みます。
(2)民間活力による
民間活力による観光地
による観光地づくり
観光地づくり
旧一市二町の観光協会の統合により誕生したこれまでの観光協会は、事務局
を行政において兼務するなど、実態としては旧態依然で、一体的かつ戦略的な
取り組みをおこなうことができる体制ではなかったことから、一般社団法人ま
つうら観光物産協会を設立しました。今後は、一般社団法人まつうら党交流公
社などとともに、本格的な民間主導による観光地づくりを推進します。
また、ホームページやアンテナショップの活用など、多様な媒体を利用した
旬な情報の発信による観光客の誘致に取り組みます。
(3)自然景観を
自然景観を活かした観光拠点
かした観光拠点の
観光拠点の拡充
本市の近隣には、平戸やハウステンボス、伊万里・有田地域など全国的にも
名高い観光地があるため、近隣地域との連携強化による観光客の誘引をはかり
20
ます。また、彩りある自然景観を活かした公園整備をはじめ、各地域の魅力を
発揮できる観光拠点の拡充をはかり、
市内への滞在時間の拡大をうながします。
5.西九州自動車道開通を
西九州自動車道開通を視野に
視野に入れた福岡都市圏
れた福岡都市圏の
福岡都市圏の観光客誘致の
観光客誘致の強化
西九州自動車道の開通を視野に入れた福岡都市圏からの観光客誘致のため、
ほかの観光関連団体と連携し、
「食」をテーマとしたグルメ観光をはじめ、歴史
探訪、体験、景勝地など、効果的な観光PRや情報発信機能の強化につとめ、
知名度の向上をはかります。
21
あらたな価値
あらたな価値を
価値を創り出す工業・エネルギー
工業・エネルギー産業
・エネルギー産業の
産業の振興
○
現状と課題
<地域の
地域の特色ある
特色ある工業
ある工業の
工業の振興>
振興>
本市には、優れた技術をもつ化学製品、輸送用機械、縫製などの製造業や鷹
島地域の伝統的な石工業など多くの工業が存在しています。これらの産業は、
地域住民に働く場を提供し、地域経済の浮揚を実現させるなど数々の恩恵をも
たらしてきました。
現在、市内には多くの縫製工場が操業しています。これらの工場は、労働集
約型の企業として多くの雇用機会を提供し、地域に欠かせない役割を担ってき
ました。しかし、現在は海外の安い素材や製品との競合により、取引価格が抑
制されるなど厳しい経営を強いられています。
今後は、既存工業の規模拡大や新技術の導入、低コスト生産など、雇用の創
出や経済発展につながる取り組みへの支援体制を充実させる必要があります。
<エネルギー産業
エネルギー産業の
産業の拡充>
拡充>
本市には、九州電力(株)
、電源開発(株)が運営する石炭専焼の火力発電所
のほか、福島国家LPG備蓄基地、九州液化瓦斯福島基地(株)のエネルギー
供給拠点があり、県内でも有数のエネルギー供給基地としての役割を担ってき
ました。石炭やLPGは石油代替エネルギーと呼ばれていますが、その資源量
には限界があります。そのため、これらの限りあるエネルギーに代わる新エネ
ルギーによる安定的なエネルギー供給が求められており、国においても研究が
すすめられています。
22
【施策の体系】
あらたな価値を創り出す工業・エネルギー産業の振興
地 域 の 特 色 あ る 工 業 の 振 興
エ ネ ル ギ ー 産 業 の 拡 充
23
○施策内容
1.地域の
地域の特色ある
特色ある工業
ある工業の
工業の振興
本市の雇用の確保、経済の発展に欠かすことのできない企業や工場、伝統的
な石工業などの安定した操業をはかるための企業経営努力をうながします。ま
た、新技術開発や規模拡大を計画する企業への資金調達や情報提供などについ
て支援するとともに、石工業など本市の工業製品の公共工事への活用をすすめ
ていきます。
本市の経済発展の一翼を担ってきた縫製工場については、価格競争などによ
り厳しい経営が強いられていますが、地域における多くの雇用機会の提供とし
ての役割が大きいため、安定した操業への取り組みを支援します。
2.エネルギー産業
エネルギー産業の
産業の拡充
将来を見据えたエネルギー産業の集積と電力供給に資するため、九州電力松
浦発電所2号機建設の早期再開とエネルギー需要に応じた液化瓦斯基地の2期
工事の着工に向け、関係機関に働きかけていきます。
また、新エネルギービジョン報告書をもとに人材、技術、資源を活かした将
来にわたる新エネルギーの導入の研究をすすめ、省エネルギー時代の循環型社
会の構築に向けた取り組みをはかります。
24
賑わいと活気
わいと活気を
活気を生み出す商業・サービス
商業・サービス業
・サービス業の振興
○
現状と課題
<商店街個性化施策の
商店街個性化施策の推進>
推進>
本市の商業を取り巻く環境は、近隣への大型店進出と車社会の進展により、
消費者の購買圏域が拡大し、消費力の他都市圏への流出がすすみ、地元消費意
欲の減衰がさらに深刻になっています。
本市では、商工業の振興と商工業者の経営安定のため、松浦商工会議所、松
浦市福鷹商工会が活動しており、平成 23 年度末における会員数は、それぞれ
538 名、180 名となっています。年々会員数も減少していることから、これから
は、なお一層サービス機能の強化と会員の確保に向けた取り組みが求められま
す。
将来的には、商工団体についても市域にあわせた合併による1商工会議所化
が考えられますが、当面は、地域単位での商店街がそれぞれの特性を活かした
アイデアや雰囲気を創り出し、消費意欲と利便性を感じさせる快適な商店街づ
くりをすすめる必要があります。商工団体の合併がおこなわれた場合には、現
在の各商工団体に加入する会員への経営指導やサービスの低下を招かないよう
な取り組みが求められます。
そのためにも各商店街を形成する経営者の創意工夫をうながしながら、将来
に向けた魅力ある商店街づくりのためのサービス提供と、それに応じた施策の
検討をすすめなければなりません。
<異業種交流・
異業種交流・商業団体連携による
商業団体連携による商業
による商業の
商業の活性化>
活性化>
市内の各産業においては、
従事者の高齢化と担い手不足が顕著な課題であり、
商工業においても深刻な問題となっています。
担い手不足を解消するためには、
体験型旅行事業の産業間連携をみるように各産業分野が相互の連帯意識を築き
あげ、そのなかで多様な担い手の育成をはかり、恒久的に安定した商工業の振
興に取り組む必要があります。
そのため、市内の異業種との交流をすすめながら、情報交換をおこない、そ
れぞれの魅力を活かすための努力をうながすとともに、あらたな価値の創出の
ための支援策を講じる必要があります。さらに、消費力流入による商業の発展
のために、商業関係者や各種商工団体との連携により西九州自動車道の開通を
視野に入れた取り組みをおこなうことが求められています。
25
【施策の体系】
賑わいと活気を生み出す商業・サービス業の振興
商 店 街 個 性 化 施 策 の 推 進
快 適 性と 利 便性 の高 い商 業環 境 の整 備
安全で魅力ある商業空間の形 成
賑わいのある商業基盤づくり
利便性のある販売形態の展開
消 費 力 の 回 復 と 確 保
異業種交流・商業団体連携による商業の活性化
産業連携による販売促進の強化
テ
ー
マ
性
の
創
出
異 業 種交 流 によ る担 い手 の育 成 と確 保
産業連携を活用した商業振興
商 業 団 体 の 結 束 強 化
26
○施策内容
1.商店街個性化施策の
商店街個性化施策の推進
(1)快適性と
快適性と利便性の
利便性の高い商業環境の
商業環境の整備
各商店街の賑わいを創出するため、商工団体などとの連携を高め、各地域に
点在する商店街の個性と魅力づくりを支援し、快適性と利便性の高い商業環境
を整備します。
(2)安全で
安全で魅力ある
魅力ある商業空間
ある商業空間の
商業空間の形成
安全な商業空間を確保するため、道路や駐車場の拡充をはかります。あわせ
て、個性あふれる商店街の形成や交流の場づくりをすすめ、訪れる人が魅力を
感じられる商業活性化策を推進します。
(3)賑わいのある商業基盤
わいのある商業基盤づくり
商業基盤づくり
商店街や経営者独自のユニークな発想を活かしながら市内の空き店舗を効果
的に活用するとともに、イベントの開催など地域の人が交流する機会や機能を
商店街に付加し、賑わいのある商業基盤づくりをすすめます。
(4)利便性のある
利便性のある販売形態
のある販売形態の
販売形態の展開
多様化する消費者ニーズや近隣への大型店舗進出など厳しい事業環境へ柔軟
に対応するため、商店街全体のサービス向上をめざします。通信販売やインタ
ーネット販売、宅配など広域かつ多様な販売展開により、地域情報や利便性を
求める消費者との結びつきを高める取り組みについて支援します。
また、商業団体などが主体的に取り組んでいる事業を支援するとともに、商
業団体に加盟する会員の結束力の強化や会員の拡大につながるよう、各種団体
の取り組みを支援します。
(5)消費力の
消費力の回復と
回復と確保
市外からの来訪者に対するイメージアップをはかるため、商店街への統一サ
インの整備や商店街マップを充実するとともに、利用者の側に立った情報発信
につとめ、商店街の回遊性をうながす取り組みをすすめます。
商工団体との連携により、西九州自動車道の開通を視野に入れた中心市街地
の再編整備に取り組み、近年増加する観光客など市外消費力の確保につとめま
す。
27
2.異業種交流・
異業種交流・商業団体連携による
商業団体連携による商業
による商業の
商業の活性化
(1)産業連携による
産業連携による販売促進
による販売促進の
販売促進の強化
農林水産業または観光産業との連携により、地産地消を推進します。さらに
地域の個性を活かした特産品や加工品の開発につとめ、観光客などへの販売促
進に取り組みます。
(2)テーマ性
テーマ性の創出
たくみ
地域産業の職人や技能者を「 匠 」とする登録制度を創設し、商店街へのテー
マ性を創出するとともに、後継者育成や体験型観光への活用をはかります。
(3)異業種交流による
異業種交流による担
による担い手の育成と
育成と確保
商業者の経営改善や経営意欲の醸成をはかるため、商工団体と協力しながら
各種団体との交流会や研修会を開催し、担い手の育成と後継者の確保につとめ
ます。
(4)産業連携を
産業連携を活用した
活用した商業振興
した商業振興
産業間の連携を高め、異業種交流により互いの魅力を再認識するための取り
組みを助長し、それぞれの産業の魅力を活用した「まつうら」らしい新商品の
開発と研究を支援します。
加えて、商工団体との協力により、経営の拡大や近代化に向けた資金確保の
ための支援体制を充実し、制度資金や融資制度の活用を推進します。
(5)商業団体の
商業団体の結束強化
市内の総合的な商工業の振興を高めるため、将来的な商工団体の合併をうな
がすとともに、合併により会員へのサービスや事業内容が後退しないように商
工団体の取り組みを支援します。
28
第2節 力強い
力強い産業の
産業の創造と
創造と活力ある
活力ある地域社会
ある地域社会の
地域社会の実現
雇用の
雇用の場を創出する
創出する企業誘致
する企業誘致の
企業誘致の推進
○
現状と課題
<企業誘致の
企業誘致の推進>
推進>
地域力を高めるためには、市外からの企業の誘致やすでに進出している企業
の規模拡大など、
働く場の確保により若者の定住対策をはかる必要があります。
現在は、長引く景気低迷の影響から若者の働く場が乏しく、若年層の都市部
流出による人口減少により地域経済の活力低下が懸念されています。
そのため、
雇用機会創出のための取り組みが緊急の課題となっています。
市内の各所には工業団地や工業適地などが点在していますが、近年需要が伸
びている自動車関連産業や電子機器産業の企業は、内陸型工業団地を求める傾
向にあり、現在の臨海型や小規模工業団地では企業の要望に応えることが難し
い状況にあります。このため、長崎県と連携し、企業の事業拡張や市内進出に
向けた取り組みを強化するとともに、さまざまな企業ニーズに適した制度の拡
充、積極的な企業訪問による情報の受発信をふくめ、あらゆる関連情報を常に
把握しておく必要があります。
29
【施策の体系】
雇 用 の 場 を創 出 す る企 業 誘 致 の推 進
企
業
誘
致
の
推
進
機 動 的 な 活 動 を お こ な うた めの 体 制 の 整 備
情 報 の 収 集 と 発 信
支
30
援
策
の
充
実
施策内容
1.企業誘致の
企業誘致の推進
(1)機動的な
機動的な活動をおこなうための
活動をおこなうための体制
をおこなうための体制の
体制の整備
地域の活性化や経済成長、雇用創出に効果のある企業誘致の取り組みを強化
し、市民所得の向上や、若者の都市部への流出に歯止めをかけ、新市の継続的
な発展をめざします。
新市になり、
あらたに設けた企業誘致専門部局を中心に、
ワンストップサービースの実施など、ニーズにあった誘致活動が実行できる体
制を整備します。
(2)情報の
情報の収集と
収集と発信
企業のニーズを的確に把握するため、長崎県との連携や企業訪問を強化しま
す。あわせて、受け皿体制など市のPRにつとめます。また、市内における企
業誘致の受け皿となる用地や遊休工場、
事務所などの情報収集に力を入れます。
(3)支援策の
支援策の充実
企業誘致の組織体制や情報の受発信への取り組みとともに、企業の資金確保
や課税軽減措置など支援策の見直しを検討します。
31
未来の
未来の松浦を
松浦を拓く新しい産業
しい産業の
産業の育成
○
現状と課題
<あらたな分野
あらたな分野の
分野の産業育成>
産業育成>
近年の産業構造の変化にともない、中小企業をはじめとした各企業が新分野
へ進出し、経営革新をおこなうなどの動きが高まっています。加えて景気低迷
を逆手にとった個人のチャレンジ精神による起業が盛んになっています。起業
は地域経済の活性化に結びつくだけではなく、個人が起業化して自己実現を達
成する要素をふくんでいます。そのため、田舎暮らし希望者においても高い関
心が示されており、定住促進をはかる意味からもベンチャー企業や起業家を積
極的に支援することが求められます。
本市の基幹産業である農林水産業では、付加価値を高めるための取り組みと
して、ベンチャー企業や起業家の独創的な発想を活かした施策の推進をはかる
ことが求められています。
<勤労者福祉の
勤労者福祉の充実>
充実>
近年、景気が回復基調であるといわれているものの、地方においては、その
恩恵を受けるまでには至っておらず、雇用情勢は依然として厳しい状況にあり
ます。
このような状況のなか、
新分野の産業導入に向けた取り組みをはかりながら、
就業機会の確保、U・Iターン労働者の環境整備、勤労者の雇用条件、労働環
境の改善、福利厚生の充実といった受け皿づくりが求められています。
32
【施策の体系】
未 来 の 松 浦を 拓 く 新し い 産 業 の育 成
あ ら た な 分 野 の 産 業 育 成
あらたな分野の産業創造支援
コミュニティビジネスの推進
起
勤
労
者
福
33
祉
業
活
の
力
充
の
実
導
入
○施策内容
1.あらたな分野
あらたな分野の
分野の産業育成
(1)あらたな分野
あらたな分野の
分野の産業創造支援
あらたな産業開発による地域振興への取り組みとして、知恵や技術を活かし
たベンチャー企業によるあらたな分野の産業創造、起業家に対する総合的な支
援をはかりながら地域経済の浮揚をめざします。そのため、企業経営者や産業
間の連携を密にし、急成長過程にある福祉、環境、情報分野をふくめた地域の
資源を効果的に活用するあらたな分野への産業の進出拡大をうながし、雇用の
場を創出するための取り組みをおこないます。
(2)コミュニティビジネスの推進
コミュニティビジネスの推進
現在おこなわれている、介護サービスや子育て支援事業などのコミュニティ
ビジネスについては、市民や各種団体、企業などの提案を受けながら研究をす
すめていきます。
(3)起業活力の
起業活力の導入
地域産業の高度な技術の導入や付加価値を向上させるため、独創的なアイデ
アとチャレンジ精神旺盛な企業や個人の力を取り入れ、将来を拓き、自立でき
るための経済基盤の安定をめざします。
さらに、基幹産業である農林水産業の付加価値を創出するため、産業構造の
変化にも柔軟な対応が期待できるベンチャー企業や起業家と連携した取り組み
により地域の活性化をはかります。
2.勤労者福祉の
勤労者福祉の充実
新産業の導入による雇用の創出をはかります。U・Iターンを希望する労働
者に対しては、多様な条件に応えるように情報提供につとめます。さらに、公
共職業安定所と連携をはかり、就業機会の確保につとめるとともに、既存企業
の振興による雇用の拡大につとめます。
勤労者が健康で安心できる労働環境を確保するため、関係機関と連携をはか
り、労働相談機能の充実、福利厚生の充実につとめます。
34
第3節 産業発展を
産業発展を実現するための
実現するための基盤整備
するための基盤整備の
基盤整備の推進
各地を
各地を結ぶネットワーク基盤
ぶネットワーク基盤の
基盤の整備
○
現状と課題
<港湾整備と
港湾整備と国際港機能強化の
国際港機能強化の推進>
推進>
本市には、地方港湾6港(松浦、調川、下田、神崎、床浪、福島)
、56 条港
湾4港(岳崎、三代、三里、原)があります。松浦港は松浦火力発電所への石
炭輸入のため、昭和 63 年 11 月に開港・無線検疫港指定を受けており、また、
鷹島、
青島へのフェリーの寄港地、
沿岸漁業や養殖漁業の基地になっています。
調川港は、日本遠洋旋網漁業協同組合の集荷基地である松浦魚市場が立地し、
本市の水産基地として、水産物の水揚から加工、流通までのネットワーク機能
を有しています。
福島港は本土との客船の寄港地としても利用されるとともに、
福島地域の沿岸漁業基地でもあります。
今後は、松浦港を中心とする国際貿易港構想の具現化に向け、港湾機能の強
化を目標としつつ国際物流拠点(ハブ)港の伊万里港を活用した物流機能の強
化をはかる必要があります。
<快適で
快適で人にやさしい道路整備
にやさしい道路整備>
道路整備>
現代社会は車社会であり、日常生活および流通など経済において車はなくて
はならないものです。その交通の基礎となる道路の整備は、社会の基本的かつ
重要な位置を占めています。
市内を走る道路は、国道 204 号をはじめ主要地方道、一般県道、市道、農道
などで形成されています。福島地域においては、佐賀県伊万里市と福島大橋が
すでに結ばれており、鷹島地域においても、平成 21 年4月に鷹島肥前大橋が開
通し、佐賀県唐津市と陸路で結ばれました。これにより市内各地域が道路で結
ばれたため、今後は道路交通ネットワークの充実がますます重要となります。
また、福岡都市圏をはじめ東京、大阪、名古屋などの3大都市圏との人的・
物的交流促進には、福岡都市圏とのアクセスが重要になってきます。そのため、
本市と福岡都市圏を結ぶ西九州自動車道の早期完成が望まれます。
加えて、人や車などにやさしい道路環境の整備とともに、周囲の景観にも配
慮した道路整備をおこなう必要があります。
35
【施策の体系】
各 地 を 結 ぶネ ッ ト ワー ク 基 盤 の整 備
国 際 貿 易 港 構 想 の 推 進
港 湾 行 政 機 能 の 強 化
物
流
機
能
の
強
化
快 適 で 人 に や さ し い 道 路 整 備
道路ネットワークの整備
利便性を高める基盤整備
自然景観に配慮した道路整備
西九州自動車道の整備促進
36
○施策内容
1.国際貿易港構想の
国際貿易港構想の推進
(1)港湾行政機能の
港湾行政機能の強化
本市の港湾は、水産業、工業、エネルギー産業と密接に連携しています。特
に松浦港、調川港については、石炭や魚介類などといった品目の取扱量が増え
ていく可能性があり、貿易の推進をはかることが肝要です。
あわせて税関、検疫、入国管理などの港湾行政機能(CIQ)の拡充のため、
伊万里湾関係自治体や関係機関との連携につとめ、国際貿易港構想の具現化に
向けた港湾機能の整備促進をはかります。
(2)物流機能の
物流機能の強化
国際貿易港の推進のためには、その港湾機能を最大限に活かすための最適な
貨物の創出拡充が重要であり、あわせて物流機能の強化をはかる必要がありま
す。
調川港においては、長崎県水産物輸出戦略会議を中心に海外への地域水産物
輸出に向けた取り組みをすすめるとともに、水産資源や農産物の輸出について
検討をはかり、加えて人や物の交流についても拡充していきます。 さらに松
浦港と連携し、貿易港としての条件整備をはかります。また、港湾の活用策を
検討する調査研究の推進および国策プロジェクトの導入に向けた働きかけを強
化し、上述した最適な貨物の創出拡充につとめ、将来における国際貿易港とし
ての開港をめざします。
2.快適で
快適で人にやさしい道路整備
にやさしい道路整備
(1)道路ネットワークの
道路ネットワークの整備
ネットワークの整備
本市の道路網の中心である国道・県道の整備促進について、国・県(関係機
関)に対し強く要望していきます。特に県北地域の人的・物的交流による経済
発展のために重要な役割を果たす県道 11 号「椋呂路・板山トンネル」建設に向
け、関係団体との連携を強化し、関係機関に強力に働きかけていきます。幹線
市道(幹線道路)についても、交通量の増加や自動車の大型化に対応できるよ
うに整備促進をはかります。地域住民の日常生活の基盤となる生活道路や農道
についても、新設・改良および維持管理につとめます。
(2)利便性を
利便性を高める基盤整備
める基盤整備
市内における速やかな移動手段を確保するための道路基盤の整備をはかると
ともに、市外からの来訪者に対する情報発信についても案内標識の設置や道の
37
駅などによる情報の充実につとめます。
福島大橋は、開通後 40 年以上が経過し、老朽化がすすみ歩道も狭いため、引
き続き関係機関へその整備を働きかけていきます。
(3)自然景観に
自然景観に配慮した
配慮した道路整備
した道路整備
道路環境については、自然景観を魅力的に、より効果的にアピールするため
に、景観地点の展望箇所や写真撮影スポットなどを紹介したり、訪れる人々が
景観と空間を楽しみながら過ごせるようなベンチや休憩所を整備します。
また、人が安心して通行できる歩行空間の確保と車道の整備をはかるなど、
快適な道路整備につとめます。
(4)西九州自動車道の
西九州自動車道の整備促進
福岡都市圏、3大都市圏との人的・物的交流に欠かせない西九州自動車道伊
万里松浦道路の整備をスムーズにすすめるため、国、県(関係機関)に対し事
業の早期完成を働きかけていきます。松浦~佐々間については、事業化に向け
た手続きがすすめられていますので、沿線自治体と連携し、早期事業着手に向
け、積極的に取り組んでいきます。
西九州自動車道から現国道(204 号)へのアクセス道路についても、西九州
自動車道整備の進捗にあわせて整備していきます。
38
産業活性化に
産業活性化に寄与する
寄与する各種基盤整備
する各種基盤整備の
各種基盤整備の推進
○
現状と課題
<既存産業のための
既存産業のための基盤整備
のための基盤整備の
基盤整備の推進>
推進>
本市が安定したまちづくりをすすめるためには、危機的状態にある経済の早
期回復が求められています。そのためには、既存産業のさらなる振興による市
民所得の向上をめざした取り組みをすすめる必要があります。これら既存産業
の活性化をはかるうえで、低コストと省力化、安定生産や流通機能の充実をは
かる基盤整備が必要になりますが、その整備にあたっては、選択と集中により
効果的な投資をおこなわなければなりません。
<雇用を
雇用を創出するための
創出するための基盤整備
するための基盤整備の
基盤整備の推進>
推進>
本市の経済力回復のためには、既存産業の振興とあわせて、あらたな雇用機
会を生み出す企業誘致による新分野の産業創造が求められています。そのため
には、企業誘致に必要な受け皿となる基盤整備は最も重要な条件となります。
1社でも多くの企業を迎え、市民の雇用に結びつけるには、限られた財源での
最大の効果を生み出す基盤整備が求められます。
このため、工業団地造成や用地の確保、工業用水供給体制の整備などのイン
フラ整備を重点的事業としてとらえ、
計画的な施策をおこなうことが必要です。
39
【施策の体系】
産業活性化に寄与する各種基盤整備の推進
既存産業のための基盤整備の推進
水 産 業 基 盤 の 整 備
農
業
基
盤
の
整
備
林
業
基
盤
の
整
備
観
光
基
盤
の
整
備
商
業
基
盤
の
整
備
付加価値向上のための基盤整備
雇用を創出するための基盤整備の推進
40
○施策内容
1.既存産業の
既存産業のための基盤整備
ための基盤整備の
基盤整備の推進
(1)水産業基盤の
水産業基盤の整備
水産業の振興に必要な漁港、鮮度維持や供給に必要な流通基盤施設、高度衛
生化設備などの拡充をはかり、水産業経営の安定をめざします。
(2)農業基盤の
農業基盤の整備
農林業の生産基盤については、多くの地域において農地の基盤整備が終了し
ていることから、農地の有効な利用を推進し、あわせて労働力軽減のための農
道整備や機械化の導入に向けた取り組みを支援します。全市的に広がる肉用牛
の繁殖経営については、規模拡大による生産性の向上をめざし、そのために必
要な経営基盤の強化に取り組みます。
(3)林業基盤の
林業基盤の整備
林業は、水資源のかん養や災害防止などの多面的機能のために重要な役割を
担っていることから、作業の省力化を高める林道整備や設備の拡充を計画的に
すすめます。
(4)観光基盤の
観光基盤の整備
近年、本市が取り組む体験型観光事業をはじめとした観光振興策により、交
流人口が大幅に増加しています。今後は、西九州自動車道の開通や九州新幹線
西九州ルートの整備による入り込み客のさらなる増加が予想されることから、
観光案内施設、モニュメントや誘導看板など、各種施設の整備拡充をはかりま
す。
(5)商業基盤の
商業基盤の整備
商業については、低迷が続く地元での消費意欲を回復させるため、景観の統
一など魅力ある空間づくりの支援につとめます。商店街の形成と効果的な空き
店舗の活用、また、安全な商業空間を確保するための駐車場や広場の整備など
を商工関係者との協議によりすすめていきます。
(6)付加価値向上のための
付加価値向上のための基盤整備
のための基盤整備
良質で彩りある地域産物の高付加価値化や経済効果を高めるため、加工品開
発や新商品の研究に必要な加工施設などの拡充をはかります。加えて、高度情
報化社会にも柔軟に対応するため、
高度通信技術の実用化につとめていきます。
41
2.雇用を
雇用を創出するための
創出するための基盤整備
するための基盤整備の
基盤整備の推進
新市の重点施策のひとつである企業誘致については、企業のニーズに応じた
工業団地の整備と用地の確保、工業用水供給施設の整備などにより、経済浮揚
に必要な基盤整備に取り組みます。
42
第2章 自然と
自然と人のぬくもりに囲
のぬくもりに囲まれた住
まれた住みよいまちづくり
第1節 自然とともに
自然とともに生
とともに生き快適で
快適で住みよいまちづくり
安心して
安心して健
して健やかな生活
やかな生活をおくるための
生活をおくるための環境整備
をおくるための環境整備
○
現状と課題
<迅速な
迅速な消防・
消防・救急活動の
救急活動の推進>
推進>
本市では、松浦市消防本部による常備消防と、非常備の消防団によって、火
災・救急・災害に対応しています。また、福島地域と隣接する伊万里市及び鷹
島地域と隣接する唐津市との間で、常備消防相互応援協定を結び、円滑な相互
応援体制を構築するなど、市民の安心・安全な暮らしの確保に努めています。
さらに、事業所や自治会などでの自主的消防活動の実施により防火意識の普及
がはかられています。
本市は、山間部が多く、点在する集落もあり、消防活動において地理的な制
約を受ける箇所も多いため、迅速な消防活動を展開するための近代的設備や水
利施設の整備、防災体制の強化が求められています。また、救急体制について
は、年々増加する救急業務に対応するため、常備消防署および市内医療機関と
の連携をはかり、迅速な体制を整備することが必要とされています。
<防災体制の
防災体制の充実>
充実>
本市には、自然災害が発生しやすい危険区域、石炭専焼の火力発電所、石油
ガス備蓄基地があり、近隣の佐賀県玄海町には原子力発電所があることから、
災害の未然防止や危機管理体制の充実など、防災、安全対策に注力する必要が
あります。
特に原子力防災については、原子力防災対策本部を設置したうえで、避難行
動計画を策定するとともに、長崎県などの関係機関と連携しながら、電力会社
との間で安全協定の締結や安全連絡会に参画するなど、原子力災害にともなう
危機管理体制の充実につとめています。
地震・火災・風水害などの緊急時には、情報の収集・伝達の円滑化をはかり、
住民の生命・財産を確保するため防災行政無線の統合につとめました。
また、近年の集中豪雨など、自然災害が多発している現状において、災害に
強いまちづくりが喫緊の課題となっています。
<交通安全の
交通安全の推進>
推進>
道路交通網の整備は、交通渋滞の緩和や都市間における移動時間の短縮など、
43
利便性の向上が期待されますが、一方でドライバーの安全意識の欠如により、
スピード超過などによる交通事故の増加が問題となっています。歩行者の安全
確保、交通安全施設の整備、交通ルール、交通マナーの理解促進が課題となっ
ています。
<各診療所の
各診療所の充実>
充実>
本市の医療体制は、公的医療機関として、中央診療所、福島診療所、鷹島診
療所、青島診療所の4か所と民間医療機関 22 か所(4病院、8診療所、10 歯
科診療所)となっています。
中央診療所は、平成 23 年 10 月から指定管理者制度を導入し、人工透析治療
を実施する医療機関として、地域医療の重要な役割を果たしています。福島診
療所と鷹島診療所には、療養病床がありますが、高齢者の状態に即した適切な
サービスの提供、医療保険や介護保険の財源の効率的な活用、医師・看護師な
ど限られた人材の効率的な活用をはかるため、老人保健施設への転換など再編
成が必要となっています。また、地域に密着した医療をめざすうえで、医師体
制の充実が課題となっています。
<健康づくりの
健康づくりの推進
づくりの推進>
推進>
乳幼児や妊婦、高齢者をはじめ、市民の健康づくりには、健康診断の普及や
各種相談体制の充実、食生活改善やスポーツ・レクリエーションを通じた健康
増進が欠かせません。
本市においては、各種健康診断、健康相談、健康教室、訪問指導などを実施
しています。
20 歳から 39 歳までを対象に、若年者健診と骨粗しょう症検診を実施してい
ます。また、40 歳以上については、保険者ごとに特定健康診査および保健指導
の実施が義務づけられました。特定健康診査などと各種がん検診をあわせた集
団住民健診を実施するほか、各医療機関での個別健診も実施し、事業の効率化
と受診者の利便性をはかっています。しかしながら、本県のがん検診目標受診
率 50%に対し、平成 23 年度は、25%程度にとどまっており、今後、さらなる
受診率向上のための施策が必要です。あわせて、健康診断後の事後指導に関し
ても、積極的な取り組みが求められています。
また、近年問題となっている生活習慣病予防のためにも、食に関する講習会
などを開催し、多くの市民に食の大切さを伝え、さらに、保健指導を充実し、
生活習慣病有病者、予備群の減少をはかる必要があります。
44
【施策の体系】
安心して健やかな生活をおくるための環境整備
迅 速 な 消 防 ・ 救 急 活 動 の 推 進
消
防
施
設
の
整
備
消
防
組
織
の
充
実
救 急 救 助 体 制 の 充 実
防
災
体
制
の
充
実
地 域 防 災 体 制 の 充 実
災 害 に 強 い ま ち づ く り
防 災 施 設 ・ 設 備 の 充 実
交
通
安
全
の
推
進
交通安全意識の高揚と理解促進
交 通 安 全 環 境 の 整 備
各
診
療
所
の
医
療
充
体
制
実
の
充
実
地域に根ざした医療の推進
各医療機関等との広域的な連携強化
母
健
食
子
康
生
保
健
づ
く
活
45
の
り
の
の
充
推
改
実
進
善
○施策内容
1.迅速な
迅速な消防・
消防・救急活動の
救急活動の推進
(1)消防施設の
消防施設の整備
消火栓、耐震性貯水槽、消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ付積載車、消防
詰所・格納庫、安全装備品などの消防施設の機能的かつ効果的な整備をおこな
います。
(2)消防組織の
消防組織の充実
常備消防と連携をはかり、消防団員の確保や資質向上をはかるための知識・
技能の修得に対する支援など、消防組織の充実につとめます。
(3)救急救助体制の
救急救助体制の充実
救急救命士の養成と個々の資質向上をはかり、高規格救急自動車の導入など
救急救助体制の充実につとめるとともに、医療関係機関との連携強化をはかり
ます。
2.防災体制の
防災体制の充実
(1)地域防災体制の
地域防災体制の充実
各種災害の発生を予防し、被害を最小限にとどめるために、見直された松浦
市地域防災計画に基づき、
災害対策のための危機管理体制の充実につとめます。
また、防災訓練や原子力防災避難行動計画などをとおして避難場所、避難経
路などの周知徹底をはかり、防災意識の高揚につとめるとともに、県や関係機
関との連携による情報の収集や自主防災組織の育成・強化を支援します。
さらに、有事における武力攻撃やテロなどから住民を守るため、松浦市国民
保護計画に基づいた保護対策をおこないます。
(2)災害に
災害に強いまちづくり
国、県と連携をはかり、地すべりや土砂災害などの発生防止、台風や大雨時
における河川氾濫の防止、溜池の改修など、各種治山治水事業を推進し、また、
耐震改修促進計画に基づき、公共施設、避難施設の耐震化、住宅の耐震診断、
耐震改修を支援することで、災害に強いまちづくりをすすめます。
(3)防災施設・
防災施設・設備の
設備の充実
水防施設、防災資器材、用排水路などの施設整備をはかります。
また、統合された防災行政無線を活用した災害時の情報伝達など、引き続き
46
適切な運用につとめます。
3.交通安全の
交通安全の推進
(1)交通安全意識の
交通安全意識の高揚と
高揚と理解促進
関係機関と協力し、幼児、児童や高齢者などに対する交通安全教室や運転者
講習会、街頭指導などを通じて交通安全意識の高揚と理解促進をはかり、交通
事故を未然に防ぐ対策を推進します。
(2)交通安全環境の
交通安全環境の整備
交通信号機、ガードレール、カーブミラーなどの交通安全施設の整備をはか
り、また、国、県、関係機関と協力し、道路や歩道、自転車道における危険箇
所の改修などの安全対策を推進します。
4.各診療所の
各診療所の充実
(1)医療体制の
医療体制の充実
診療科目を充実させるために、医師をはじめとした医療スタッフの確保につ
とめます。また、財政状況を考慮しながら、老朽化した医療設備などの更新を
おこない、質の高い医療サービスの提供につとめます。
(2)地域に
地域に根ざした医療
ざした医療の
医療の推進
診療所経営の健全化をはかり、親しみのある診療所づくりにつとめ、地域密
着型の医療を推進します。また、多様化する利用者ニーズを反映した介護療養
型医療施設サービスおよび通所リハビリテーションサービス(デイケア)の提
供をおこないます。
医療制度改革にともない、介護療養型医療施設の転換支援については、平成
30 年(2018 年)3 月末までに転換期限が延長されることになりました。今後、
介護老人保健施設への転換などの検討をおこないます。
(3)各医療機関等との
各医療機関等との広域的
との広域的な
広域的な連携強化
診療科目以外の診療や休日・夜間診療、救急診療について、市内医療機関と
佐世保市、平戸市の医療機関および佐賀県伊万里市、唐津市における医療機関
との広域的な連携を強化し、安心できる医療環境の充実につとめます。また、
福祉、保健機関との連携をはかり、予防から支援まで地域全体での総合的な取
り組みを推進します。
47
5.母子保健の
母子保健の充実
妊娠期、乳幼児期における母子の健康や子育てを支援するため、妊娠期にお
いては、ハイリスク妊婦への訪問および妊婦相談を実施し、乳幼児期は訪問指
導、乳幼児健診、乳幼児相談、離乳食教室などの充実をはかります。
乳幼児に対する効果的な予防接種対策を実施し、県内に限らず県域を越えた
医療機関との連携により、どこでも安心して受けられる接種体制を構築してい
きます。
育児に関する栄養や養育面を重点的に支援するため、地区組織の育成やスタ
ッフの充実をはかります。
6.健康づくりの
健康づくりの推進
づくりの推進
生活習慣病予防のため、健康診断と保健指導の充実をはかります。また、健
康診断の受診率をあげるため、健康教育の実施や健康診断を受けやすくするた
めの体制の整備などをおこないます。
また、保健指導をおこなう保健師や栄養士の能力の向上をはかり、健康診断
後の保健指導を徹底することで、国が目標とする糖尿病などの有病・予備群の
25%減少につとめます。
7.食生活の
食生活の改善
保健師、栄養士、食生活改善推進員と連携をはかり、講話や調理実習などの
健康教室を開催します。
食を通じた健康づくりを推進するため、
食生活改善推進員の養成をおこない、
会員の増加や市民に対する健康づくりメニューの普及を支援していきます。
48
快適な
快適な生活をおくるための
生活をおくるための環境整備
をおくるための環境整備
○
現状と課題
<有効な
有効な土地利用・
土地利用・都市計画>
都市計画>
本市は、面積が 130.38k ㎡で、広く海に面し、沿岸部は変化に富む海岸線が
連なり、北松浦半島の一部を構成するとともに、3つの有人離島(黒島、青島、
飛島)
、
およびイロハ島や大小島などの無人の島々をふくむ地域です。
内陸部は、
豊かな緑が広がる緩やかな丘陵地や山地で占められており、おもに海岸線や主
要河川沿いに平野部が広がっていますが、平野部が占める割合が少なく、限ら
れた土地の有効活用をはかる必要があります。
このため、国土調査を推進し、用途地域や各種土地利用規制に基づいた整備
をすすめ、自然保護と乱開発の防止、自然生態系の保全を考慮し、地域特性を
最大限に活かした計画的かつ効率的なまちづくりが求められています。
<快適な
快適な住宅・
住宅・居住環境づくり
居住環境づくり>
づくり>
現在、本市が管理している公営住宅などの戸数は 814 戸となっています。そ
の内、耐用年数を経過した住宅が 224 戸、耐用年数の半分を経過した住宅が 86
戸あります。このように、本市には建設年度が古く、老朽化し狭小な住宅が多
いため、建て替えが課題となっています。今後は、人口推移や社会情勢に対応
し、誰でも安心して快適に暮らせるように、長期的な計画に沿った効率的な住
宅整備が求められています。
一方で、平成 17 年3月の福岡県西方沖地震や平成 23 年3月の東日本大震災
を教訓とした地震対策が急務となっています。しかし、本市においては、耐震
診断、耐震改修が必要な建築物が多数存在しています。この状況を踏まえ、安
心で安全な生活環境の整備をおこなうため、市有建築物および民間の建築物の
耐震化をすすめていくことが課題となっています。
また、公共施設のあり方として、子どもからお年寄り、障害者にも利用しや
すい施設の整備についての要望が高まっています。
<心安らぐ
心安らぐ公園
らぐ公園・
公園・広場・
広場・緑地づくり
緑地づくり>
づくり>
本市には、運動公園や総合公園をはじめ、玄海国定公園区域内にある自然と
調和した公園やキャンプ場、史跡、広場などがあります。市民の憩いの場であ
るこれらの施設について、多くの人に利用してもらうため、施設整備と適正な
維持管理をはかる必要があります。
また、市街地整備や企業誘致をすすめる際には、自然と調和のとれた公園、
広場、緑地などの整備につとめなければなりません。
49
<安心安全な
安心安全な水の供給>
供給>
本市の水道は、河川を主水源とした上水道と山間部や離島地域をふくむ簡易
水道および飲料水供給施設で構成されており、ほぼ 100%の普及率となってい
ます。
今後の人口推移や企業誘致にともなう産業開発の動向、住宅整備、下水道事
業の進捗などの動向を的確に把握し、変化する水需要に対応できる計画的な水
資源確保対策を実施し、効果的な施設整備をおこなうことで水の安定供給をは
かる必要があります。
また、離島地域においては、水資源の安定的な確保のため、貯水基盤整備を
すすめ、水利用効率の向上をはかる必要があります。
<適切な
適切な下水処理の
下水処理の推進>
推進>
本市では、長崎県汚水処理構想に基づき汚水処理施設の整備をすすめていま
す。
公共下水道については、
平成 15 年度より事業認可を受けて整備事業に着手し、
平成 19 年度末には一部供用開始をおこないました。
現在はその周辺地域の整備
をすすめています。
また、漁業集落排水施設については、福島地域の鍋串漁港、鷹島地域の阿翁
浦漁港、阿翁浦・日比地区、殿ノ浦漁港、船唐津漁港の5カ所の整備に取り組
んでおり、そのほかの地域では、浄化槽設置を推進しています。
今後も、良好な生活環境の形成、自然環境の保全、農業・水産業の資源保護
などをはかる観点から、
計画的かつ効果的な下水処理施設の整備をすすめます。
<自然環境の
自然環境の保全>
保全>
近年の異常気象による自然災害は、地球温暖化がひとつの要因といわれてい
ます。自然の驚異から身を守り、自然と共存していくためには、水、空気、緑
といった自然環境を日常生活の身近な問題ととらえ、本市が有する恵まれた自
然を活かしたまちづくりをすすめてくことが必要です。
特に、環境美化の推進やリサイクル活動については、市民一人ひとりが高い
意識をもって取り組まなければなりません。
加えて、自然環境に配慮した生活環境の整備が叫ばれており、特に生活に密
着した分野において、温室効果ガスの抑制や資源の有効利用に向けた取り組み
が求められています。
また、都市化の進展にともない発生が懸念される騒音、振動、悪臭、水質汚
染などの公害を未然に防止する必要があります。
<適切な
適切な廃棄物処理>
廃棄物処理>
現在、ごみ、し尿については、北松北部クリーンセンター、鷹島環境センタ
50
ー、鷹島クリーンセンターへ搬入し、処理しています。これらの施設から生じ
る処理残さ物は、松浦市一般廃棄物最終処分場と鷹島環境センター最終処分場
にて処理をおこなっています。
循環型社会を構築するためには、今後、ごみ問題に対する意識啓発と啓発運
動を展開していく必要があります。また、長崎県ごみ処理広域化計画を視野に
入れ、現行のごみ・し尿処理体制を維持しながら、ごみ・し尿を適切に処理し
ていきます。
<公共交通体系の
公共交通体系の充実>
充実>
鉄道やバス、フェリーなどの公共交通機関は地域住民や交通弱者の日常生活
に不可欠な交通手段です。本市の海上交通については、本土と鷹島間、本土と
福島間に定期航路があり、陸上交通では路線バス、コミュニティバスおよび松
浦鉄道があります。本市は離島や他県につながる半島などで形成されているた
め、同じ市内にありながら、松浦、福島、鷹島の3地域を結ぶ公共交通機関が
なく、市民の地域間交流に影響を与えています。これらの地域を結ぶ公共交通
機関の確保と運行時間の短縮が求められています。
51
【施策の体系】
快 適 な 生 活を お く るた め の 環 境整 備
有 効 な 土 地 利 用 ・ 都 市 計 画
計画的かつ効率的な土地利用
都市計画マスタープランに基
づいたまちづくり
国
土
調
査
の
推
進
快 適 な 住 宅 ・ 居 住 環 境 づ く り
計画的かつ効率的な住宅整備
建 築 物 の 耐 震 化 の 促 進
人にやさしい設計・建設の推進
心安らぐ公園・広場・緑地づくり
公園などの適正管理と利用促進
緑
安
心
安
全
化
の
推
な
水
の
供
給
水
道
施
設
の
水
資
源
の
進
整
確
備
保
適 切 な 下 水 処 理 の 推 進
公 共 下 水 道 の 整 備
そ の 他 下 水 施 設 の 整 備
都 市 下 水 路 の 整 備
自
然
環
境
の
保
全
環 境 保 全 意 識 の 高 揚
公
害
の
防
止
自然環境を活用したまちづくり
適
切
な
廃
棄
物
処
理
廃棄物の減量化・資源化の促進
効果的な廃棄物処理施設の整備
廃 棄 物 の 有 効 利 用
市民参加による環境保全の推進
公
共
交
通
体
系
の
充
実
生
活
路
線
の
充
実
効果的な移動手段の確保
52
○施策内容
1.有効な
有効な土地利用・
土地利用・都市計画
(1)計画的かつ
計画的かつ効率的
かつ効率的な
効率的な土地利用
限られた土地資源の計画的かつ効率的な利用をはかるため、長崎県土地利用
基本計画などとの整合性をはかりながら、都市計画マスタープランなどの計画
に沿った総合的な土地利用をすすめ、遊休地の利用促進、自然保護、歴史的遺
産の保全を考慮したまちづくりを推進します。
また、西九州自動車道伊万里松浦道路などの進捗を考慮した効果的なまちづ
くりを推進します。
(2)都市計画マスタープランに
都市計画マスタープランに基
マスタープランに基づいたまちづくり
市の総合的なまちづくりの推進については、将来の都市構造や都市づくりの
基本方針である都市計画マスタープランにより、計画的なまちづくりをすすめ
ます。
(3)国土調査の
国土調査の推進
土地の現況把握と計画的かつ効果的な土地利用に資するため、国土調査の実
施を促進し、市民、関係者の理解と協力をもって早期完成につとめます。
また、国土調査の成果をもとに、圃場整備事業や上下水道事業などのさまざ
まな公共事業への活用や固定資産税の適正課税の資料として有効活用をはかり
ます。
2.快適な
快適な住宅・
住宅・居住環境づくり
居住環境づくり
(1)計画的かつ
計画的かつ効率的
かつ効率的な
効率的な住宅整備
計画的かつ効率的な住宅整備を推進し、公営住宅については、公営住宅等長
寿命化計画を策定して効果的な整備をおこないます。
(2)建築物の
建築物の耐震化の
耐震化の促進
耐震改修促進計画を策定し、市有建築物および民間の建築物の耐震化を推進
します。
また、民間建築物についても、市民の生命はもとより財産・社会資本の保護
の観点から、耐震化の必要性に関して広報活動をおこない、市民の意識啓発を
はかります。
市民の生活の場である木造戸建て住宅については、県の安全・安心住まいづ
くり支援事業などの活用により、耐震診断および耐震改修を支援します。
53
(3)人にやさしい設計
やさしい設計・
設計・建設の
建設の推進
公共施設の新設、改修において、バリアフリー法や長崎県福祉のまちづくり
条例に基づいた、人にやさしい設計、建設をおこなっていきます。
3.心安らぐ
心安らぐ公園
らぐ公園・
公園・広場・
広場・緑地づくり
緑地づくり
(1)公園などの
公園などの適正管理
などの適正管理と
適正管理と利用促進
公園などの適正管理をおこない、市民の憩いの場として市民が安心して利用
できる施設整備につとめます。また、交流人口を拡大するために、市内のみな
らず、市外からも訪れやすい施設づくりをめざします。
(2)緑化の
緑化の推進
市街地や工業地域周辺における緑地の整備、花いっぱい運動などを推進し、
緑地の保全と緑化の推進につとめます。
4.安心安全な
安心安全な水の供給
(1)水道施設の
水道施設の整備
水道施設の効率的な維持管理につとめ、安全かつ安心して飲める水の安定供
給と浄水施設の更新、改良などの施設整備の充実をはかります。
また、施設の統合によって、水の相互融通をはかり、安定供給と効率的な運
営による経営の健全化をはかるとともに、水道料金体系の整備を推進します。
(2)水資源の
水資源の確保
今後の人口推移や企業立地など、産業開発にともなう水需要の変化に対応で
きる水資源の確保につとめます。
関係機関と連携のうえ、森林・河川の保全をはかるなど、安全で安定した水
の供給につとめます。
特に、離島地域においては貯水基盤の整備など、水資源の確保と安定供給の
ための取り組みをすすめます。
限りある資源として水の有効利用をはかるため、市報や街頭パレードなどの
広報活動をとおして、市民の理解と協力を呼びかけていきます。
5.適切な
適切な下水処理の
下水処理の推進
(1)公共下水道の
公共下水道の整備
長崎県汚水処理構想および松浦市下水道基本計画に基づき公共下水道の整備
54
をすすめ、普及率の向上をはかります。
また、水洗化率の向上による有収水量の確保、ならびに経費削減につとめ、
下水道事業の経営の安定化につとめます。
(2)その他下水施設
その他下水施設の
他下水施設の整備
長崎県汚水処理構想などに基づき、農業・漁業集落排水施設の効率的な整備
と水洗化率の向上につとめます。また、浄化槽の普及を促進します。
(3)都市下水路の
都市下水路の整備
市街地および低地の雨水対策として都市下水路の効果的な整備につとめます。
6.自然環境の
自然環境の保全
(1)環境保全意識の
環境保全意識の高揚
松浦市地球温暖化防止対策行動計画を策定し、市民、事業者、行政により、
二酸化炭素排出削減や省エネルギーに対する取り組みを促進します。また、市
民、事業者への環境問題に関する情報提供などを通じて、環境保全に対する共
通認識の確立、意識の高揚をはかります。
(2)公害の
公害の防止
豊かな自然環境と住みよい生活環境を保持するため、大気環境中の酸性降下
物や各種汚染物質の測定・分析、河川や海域などの公共用水域の水質調査など
をおこない、監視体制の充実につとめます。
また、騒音や悪臭、廃棄物の不法投棄などに対しては、監視パトロールの強
化をはかるとともに、不法投棄に関する市民および事業者のモラルの向上につ
とめます。
(3)自然環境を
自然環境を活用したまちづくり
活用したまちづくり
干潟再生や砂浜の保全、潮遊び場や海水浴場などの適切な維持管理をおこな
い、豊かな自然環境を活用したまちづくりを推進します。
また、温室効果ガスの抑制をはじめ、環境に配慮した取り組みとして、太陽
光発電システムの導入など、自然に調和したまちづくりにつとめます。
7.適切な
適切な廃棄物処理
(1)廃棄物の
廃棄物の減量化・
減量化・資源化の
資源化の促進
一般廃棄物処理基本計画に基づき、家庭や事業所から発生するごみの分別、
減量化の徹底を推進し、資源回収活動の支援、エコバッグや簡易包装の普及を
55
はかり、廃棄物の減量化、資源化を促進します。
(2)効果的な
効果的な廃棄物処理施設の
廃棄物処理施設の整備
ごみ・し尿処理施設の適正な維持管理につとめていくとともに、公害防止お
よび生活環境の保全に十分な配慮をもって施設の管理・運営をおこなっていき
ます。
(3)廃棄物の
廃棄物の有効利用
現在、北松北部クリーンセンター汚泥再生処理施設では、し尿、浄化槽汚泥、
生ごみを使用して、生ごみ汚泥堆肥が生産されています。今後も、原料を確保
し、市民などへの販売促進をはかり、堆肥の販売ルートを拡大します。
また、再資源化・再利用が可能な空き缶、雑誌類、ペットボトルなどの資源
について、回収活動を支援し、資源の有効活用を促進します。
(4)市民参加による
市民参加による環境保全
による環境保全の
環境保全の推進
空き缶回収キャンペーンや市民大清掃など、市民参加による環境美化活動や
広報活動を通じ、市民意識の高揚をはかっていきます。
また、松浦市保健環境連合会と協力し、環境美化の推進とリサイクル活動の
推進をはかります。
さらに、河川、道路、公園などにおいてアダプト制度を導入し、住民参加に
よる美化運動に取り組みます。
8.公共交通体系の
公共交通体系の充実
(1)生活路線の
生活路線の充実
市民の外出時における利便性を高めるためのバス、フェリー、鉄道などの交
通機関について、地域の実情や需要に応じた施設、運営の充実を推進します。
(2)効果的な
効果的な移動手段の
移動手段の確保
移動時間の短縮や地域間交流の促進をはかる観点から、海上ネットワークの
充実に向け高速巡回船の就航などの検討をすすめます。
56
第2節 心地よいぬくもりを
心地よいぬくもりを感
よいぬくもりを感じるまちづくり
次代を
次代を担う子どもたちの健全育成
どもたちの健全育成
○
現状と課題
<豊かで生
かで生きがいにあふれた社会
きがいにあふれた社会づくり
社会づくり>
づくり>
現代社会においては、核家族化の進行や若年層の流出が進むなか、家族や地
域での結びつきが薄れつつあります。
このようななか、本市では、次代を担う子どもたちが、豊かな人間性と郷土
愛にあふれる心を育むために、さまざまな健全育成事業に取り組んでいます。
世代間交流事業として「高齢者と園児の運動会」
、
「三世代交流グラウンドゴル
フ大会」など開催しています。そのほかに「青色回転灯巡回車」による巡回や
地域の達人(高齢者や趣味講座の先生)の協力による「まつうら出前講座」を
実施しています。今後も高齢者がもつ知識や知恵を次代に残し伝えるための機
会と場の拡大に取り組んでいくことが必要です。
また、子どもたちの健やかな成長をはぐくむ環境を保つため、引き続き地域
と学校が連携した犯罪の無いまちづくりをすすめる必要があります。
<次代を
次代を担う子どもたちを育
どもたちを育む教育環境づくり
教育環境づくり>
づくり>
本市においては、保護者や地域住民に対して、日ごろの教育活動の公開をお
こなっています。また、小・中学校においては、個に応じたきめ細かな指導の
充実につとめるとともに、心の教育の充実をはかる必要があります。
国際理解教育においては、全小・中学校にALT(外国語指導助手)を配置
し活動させています。現在は、国際教育・活動支援員との連携をはかっており、
今後も児童生徒の国際的な感覚を涵養するための取り組みをさらに推進してい
く必要がります。
小・中学校施設については、老朽化施設の改修を順次はかるとともに統廃合
を視野に入れながら、社会状況や教育内容・教育方法などの変化に対応した新
しい施設整備をはかる必要があります。また、子どもたちの安全を確保するた
めに、義務教育施設における耐震性・防犯性の高い教育環境づくりなどを推進
していく必要があります。
社会におけるICT化が急速に進展する昨今において、児童生徒が情報化社
会の進展に対応できるようにするため、情報活用能力の育成につとめます。ま
た、インターネットや携帯電話などの普及が急速にすすむなかで、児童・生徒
がトラブルに巻き込まれる事件が発生しています。こうした状況をふまえ、I
CT活用とのバランスを考え、情報モラル・マナー教育の充実につとめます。
教育用コンピュータ整備事業につきましては、一斉導入ではなく中学校から
57
の年次計画により整備することとしており、平成22年度から平成23年度に
全中学校のコンピュータ整備および、施設整備事業を実施しました。今後、小
学校のコンピュータ整備をおこなうなど、引き続き情報化社会に対応できる教
育環境の向上をはかる必要があります。
<安心して
安心して子
して子どもをうみ育
どもをうみ育てる環境
てる環境づくり
環境づくり>
づくり>
時代の流れとともに、家庭や地域における子育て環境は大きく変化していま
す。
社会問題化している児童虐待、不登校、いじめ、非行などの早期発見・未然防
止および要保護児童に対する支援活動をおこなうためには、親の子育てに対す
る不安や孤立感を解消し、子育てを地域全体で支援することが必要となってい
ます。さらに、専門機関と地域の強い連携体制を構築し、家庭内だけでは解決
できない問題について、
相談できる窓口を充実させていかなければなりません。
また、
乳児保育、
延長保育などの多様化する保育ニーズに対応すると同時に、
老朽化した保育施設の整備をはかるなど、
保育環境の整備が求められています。
このような、子育て世帯の環境整備をはかる一方で、支出が加重となる子育
て世帯への経済的な支援についての要望も高まっています。
58
【施策の体系】
次代を担う子どもたちの健全育成
豊かで生きがいにあふれた社会づくり
世 代 間 交 流 の 推 進
まつうら出前講座の促進
青色回転灯装備車による巡回の促進
次代を担う子どもたちを育む教育環境づくり
学 力 向 上 へ の 取 り 組 み
個 に 応 じ た 指 導 の 充 実
心
の
教
育
の
推
進
体 育 ・ 健 康 教 育 の 推 進
開かれた学校づくりの推進
学 校 施 設 整 備 の 推 進
学校施設ICT化の推進
安心して子どもをうみ育てる環境づくり
保 育 サ ー ビ ス の 充 実
子 育 て 世 帯 へ の 支 援
保
59
育
施
設
の
充
実
○施策内容
1.豊かで生
かで生きがいにあふれた社会
きがいにあふれた社会づくり
社会づくり
(1)世代間交流の
世代間交流の推進
幼児から高齢者までの世代間を越えた交流は、まちづくりの活性化やコミュ
ニティの育成をはかるうえでも重要な役割を果たします。今後も世代間交流事
業を継続し、さらに充実させていきます。
(2)まつうら出前講座
まつうら出前講座の
出前講座の促進
本市には、
「まつうら出前講座」という独自の制度があり、市民を出前講座の
講師として登録しています。今後、どの地区にどのような講師がいるのか、一
目でわかる人材マップを作成し、市報をとおして市民へ伝えます。
また、
多様な講座を開設するために、
講師の確保や後継者の育成に力を入れ、
市民が幅広く受講できるようにします。
(3)青色回転灯装備車による
青色回転灯装備車による巡回
による巡回の
巡回の促進
現在松浦市内では、約 50 台の青色回転灯装備車(通称青パト車)が認定を受
けています。認定を受けている団体は、地区健全育成会、連合防犯協会、自治
会連合会、シルバー防犯隊などさまざまです。この青パト車による巡回で、登
下校時における児童生徒を見守るとともに、悪質な犯罪を未然に防止する効果
が期待できます。
2.次代を
次代を担う子どもたちを育
どもたちを育む教育環境づくり
教育環境づくり
(1)学力向上への
学力向上への取
への取り組み
児童生徒一人ひとりに「確かな学力」を身につけさせるために、全国学力学習
状況調査、県基礎基本チャレンジおよび松浦学力調査の実施により、学習状況の
実態や課題を把握し、児童生徒の課題改善および教職員の指導技術の向上をはか
ります。
また、土台となる基本的な生活習慣・学習習慣の確立への取り組みなどを展開
します。さらにすべての教科の基礎となる国語の能力の育成のために、豊かな表
現力と伝えあう力を高めるための言語活動の充実とともに読書活動を推進します。
学力の向上とあわせ、ALT(外国語指導助手)の配置により、さらなる国際
理解教育の推進につとめます。
(2)個に応じた指導
じた指導の
指導の充実
小・中学校での個に応じたきめ細かな指導を充実させるため、少人数指導など
60
の加配教員の活用をはかるとともに、年々増えつつある多様な障害をもつ児童生
徒の学校生活を支援する特別支援教育支援員の配置をおこないます。また、
「個に
応じた指導の充実」をはかるために研修会を開催し教員の資質向上をはかります。
(3)心の教育の
教育の推進
児童生徒の「生きる力」の核となる豊かな人間性を育むために、学校・家庭・
地域が連携して、児童生徒の心に響く道徳教育を充実させ、豊かな心を育む自
然体験、社会体験活動を推進します。また「あいさつで心かよう松浦」
「奉仕活
動で心みがく松浦」を合い言葉に、児童生徒の豊かな心と実践力を育みます。
不登校やいじめ問題など、子どもが置かれるさまざまな環境改善に向けた教
育相談体制の充実につとめるとともに、関係機関との連携を深めながら、学校
へのサポートの充実につとめます。
(4)体育・
体育・健康教育の
健康教育の推進
学校における食育を推進するため、食育ブロック推進委員会を定期的に開催
し、学習指導要領を踏まえた効果的な食育の在り方についての研究をすすめる
とともに、各教科・領域や給食の時間など、教育活動全体を通じて食に関する
指導の一層の充実をはかります。
また、児童生徒の体力を向上と運動習慣を確立させるために、体育学習の充
実につとめます。さらに、運動部活動の活性化に取り組み、教員の指導力向上
および児童生徒の競技力向上をはかります。
(5)開かれた学校
かれた学校づくり
学校づくりの
づくりの推進
開かれた学校づくりのために、今後も、
「みんなでオープンスクール」を実施
していきます。また、保護者や地域住民が授業のゲストティーチャーとして参
加する機会を増やし、子どもたちと交流できる事業を展開していきます。さら
に、学校評価の結果の公表を積極的におこないながら、保護者や地域住民が学
校運営の状況について把握し、積極的に参画できるようにつとめます。
また、市内にある高校の魅力を高めるとともに対外的にもPRするため、適
切な情報提供による親近感の創出と教育プログラムなどの充実に向けた取り組
みを支援していきます。
(6)学校施設整備
学校施設整備の
施設整備の推進
学校の老朽化に対応した施設整備をおこなうとともに、子どもたちの多様な
行動に対応できる施設、および外部からの来訪者に対する防犯設備の充実をは
かります。
また、これらの施設は、地震発生時において子どもたちの生命を守るととも
に、地域住民の避難場所として活用されるため、施設・設備の耐震化をすすめ
61
ます。
さらに、地域住民にとっても最も身近な公共施設であり、生涯学習の場とし
ての活用を一層積極的に推進するためにも、施設のバリアフリー対策をはかり
ます。
(7)学校施設I
学校施設ICT化の推進
ICTを活用した効果的な授業の実施や、学ぶ意欲をもった子どもたちがI
CTを活用して主体的に学習できる環境を提供していきます。
そのために、
国、
県との連携のもと、コンピュータ教室の施設整備、教職員の一人一台のパソコ
ン整備など学校教育のICT化を積極的に推進するとともに、ICTを活用し
た教育に関する指導的教員を配置しすべての教員のICT活用能力を向上させ
ます。
3.安心して
安心して子
して子どもをうみ
どもをうみ育てる環境
てる環境づくり
環境づくり
(1)保育サービスの
保育サービスの充実
サービスの充実
地域住民や保護者のニーズを反映した次世代育成支援行動計画の見直しをは
かり、仕事をしながら安心して子育てができるように、通常保育のほか休日保
育や病後児保育などのきめ細やかな保育サービスを提供します。
(2)子育て
子育て世帯への
世帯への支援
への支援
子育て世帯に対する保育サービスの充実をはかりながら、子育て世帯同士で
交流を深められるような地域ネットワークの形成を支援するとともに、地域子
育て支援情報の提供につとめます。また、児童虐待、非行、不登校などの要保
護児童のための相談窓口の設置や子育て問題に対する支援をおこない、専門機
関などとの連携を強化します。
さらに、社会経済の低迷から、徐々に経済的な負担も高まっているため、子
育て世帯に対する経済的な支援について、
独自の取り組みをすすめていきます。
(3)保育施設の
保育施設の充実
市内公設保育所について、
指定管理者制度の活用をふくめた民営化を推進し、
民間活力を導入することで柔軟な保育サービスの提供をはかります。
あわせて、
老朽化した保育施設の効果的な整備をすすめます。また、児童遊園や児童館な
ど、安心して遊べる保育施設の充実をはかります。
62
豊かで明
かで明るい高齢社会を
高齢社会を支えるまちづくりの推進
えるまちづくりの推進
○
現状と課題
<高齢者支援の
高齢者支援の充実>
充実>
平成 12 年時点では、高齢化率*は、25.3%でしたが、平成 22 年には、30.2%
になりました。平成 26 年の推計高齢化率は 32.1%に達すると予想されていま
す。
このような状況のなか、高齢者が在宅でいつまでもその人らしい生活をおく
れるように、福祉サービスに充実をはからなければなりません。
<高齢者の
高齢者の交流促進>
交流促進>
高齢者の社会的孤立を防ぎ、高齢者が生きがいを持っていきいきと過ごすこ
とができる地域社会をつくるためには、高齢者が自らすすんで出かけることの
できる居場所をつくることや、高齢者の社会的な活動への参加を促すことが必
要です。
そのために、高齢者が生きがいをもつための交流の場の提供や老人クラブ活
動への支援など、積極的に周りと交流を深める取り組みへの支援が求められて
います。
<適切な
適切な介護サービスの
介護サービスの実施
サービスの実施>
実施>
介護保険制度については、年々高くなる高齢化率に比例して要介護の認定者
数も増加し、それにともなって制度から給付される費用も年々増大しており、
介護保険を取り巻く状況は厳しくなっています。高齢者が要介護状態になるの
を未然に防ぐために保健、医療、福祉の連携をはかりながら、高齢者自らが健
康づくりに関心をもち、積極的に実践していけるように支援していくことが必
要です。
63
【施策の体系】
豊かで明るい高齢社会を支えるまちづくりの推進
高
齢
者
支
援
の
充
実
適切な福祉サービスの提供
福
高
齢
者
の
交
祉
施
流
設
促
の
充
実
進
老 人 憩 の 家 の 活 用
老人クラブの活動への支援
適 切 な 介 護 サ ー ビ ス の 実 施
介 護 予 防 と 自 立 支 援
介護保険制度の円滑な実施
64
○施策内容
1.高齢者支援の
高齢者支援の充実
(1)適切な
適切な福祉サービスの
福祉サービスの提供
サービスの提供
高齢者の多種多様なニーズを把握し、地域包括支援センターと民間介護事業
者などとの連携をはかり、在宅での充実した生活をおくるために、高齢者福祉
計画に基づいた必要かつ自立を妨げることのない適切なサービス提供をおこな
います。
また、高齢者が困った時のサービス提供に関する啓発活動をおこないます。
(2)福祉施設の
福祉施設の充実
身体的、経済的、家庭環境の事情などにより、在宅での生活が困難である高
齢者に対し、近隣自治体や民間事業者との連携をはかり、高齢者福祉計画に基
づき、養護老人ホームなど必要な施設サービスの確保につとめます。
2.高齢者の
高齢者の交流促進
(1)老人憩の
老人憩の家の活用
高齢者の交流の場となっている老人福祉センターをはじめとした、市内各所
の老人憩いの家の効果的な活用を推進します。
(2)老人クラブの
老人クラブの活動
クラブの活動への
活動への支援
への支援
老人クラブへの加入促進のため、誰でも気軽に加入できることを周知し、老
人クラブがおこなう多種・多様な活動が一般高齢者に広く開かれた活動となる
ように支援します。
また、住民との相互理解、交流を深めるための地域活動への参加、地域の高
齢者に対する友愛活動などを積極的に支援します。
3.適切な
適切な介護サービスの
介護サービスの実施
サービスの実施
(1)介護予防と
介護予防と自立支援
地域包括支援センターを中心として、その人にあった介護予防と自立支援に
ついての事業をおこないながら、保健・介護・福祉・医療面からの支援をおこ
ないます。
(2)介護保険制度の
介護保険制度の円滑な
円滑な実施
3年を1期とした介護保険事業計画のなかで、適正な介護保険の運営ができ
65
るように現状の把握につとめ、今後どのように推移していくか分析をおこない
ます。
また、介護サービス事業者や介護関係者との情報交換や連携などを推進しま
す。
66
すべての人
すべての人が安心して
安心して暮
して暮らせる社会福祉
らせる社会福祉の
社会福祉の充実
○
現状と課題
<障害者(
障害者(児)福祉の
福祉の充実>
充実>
心身に障害をもつ人には、地域や家庭において障害と共存しながら、できる
限り自立をうながす仕組みづくりが求められています。
平成 15 年4月に、これまでの措置制度から、福祉サービスを障害者自身が選
べる支援費制度へと変わりました。しかし、平成 18 年4月には、障害者自立支
援法が施行されたことにより、サービスに対する費用負担の増加は避けられな
い状況となりました。しかし、平成 25 年(2013 年)4月に障害者自立支援法は
障害者総合支援法(仮称)へと改称され、法の中身についても障害福祉サービ
スの対象が拡大しており、障害をもつ人が利用しやすい体制づくりとして期待
されます。今後も障害者の自立を妨げないために、効果的な支援策が求められ
ています。
また、
重度の障害児、
軽度の発達障害を抱える乳幼児および学童に対しては、
児童発達支援・放課後等デイサービス事業所「松浦市ふれあいセンター」を設
置し、療育訓練をおこなっています。年々利用者は増加しており、利用者の増
加にともない、施設およびスタッフの充実が求められています。
<低所得者福祉の
低所得者福祉の充実>
充実>
本市における生活保護者数は、長期にわたる経済の低迷にともない増加傾向
にあります。被保護人員、
保護率ともに、
平成 20 年度から平成 23 年度にかけて、
パーミル
増加しております。また、平成 24 年9月現在の保護率は 33.09 ‰ となってい
ます。
生活保護世帯や生活困窮世帯が地域において安心した生活がおくれるように
関連施策の活用をはかりながら、適正な保護を実施し、生活基盤の安定と自立
の助長に向けた相談援助活動を推進することが求められています。
<母子(
母子(父子)
父子)福祉の
福祉の充実>
充実>
母子・父子家庭においては、経済的な自立をはかるために、親が速やかに就
労できるように、日常の育児や家事の支援をおこなっていくことが重要です。
また、行政支援のみならず、企業側にも育児支援に対する理解を求め、仕事
と育児の両立ができるように働きかけていく必要があります。
<社会保障制度の
社会保障制度の円滑な
円滑な運営>
運営>
国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者に係る医療保険事業、それぞ
67
れの保障制度事業の運営は、近年の少子高齢化、厳しい経済情勢を反映し、難
しい時代を迎えています。
今後も、これら保障制度の広報活動や相談窓口業務の充実、関係機関との連
携充実をはかり、制度の適正かつ円滑な運営につとめなければなりません。
68
【施策の体系】
すべての人が安心して暮らせる社会福祉の充実
障 害 者 ( 児 ) 福 祉 の 充 実
低
所
得
者
福
祉
の
充
実
母 子 ( 父 子 ) 福 祉 の 充 実
国民健康保険制度の円滑な運用
国
民
年
金
制
度
の
充
実
介
護
保
険
制
度
の
充
実
後 期 高 齢 者 医 療 制 度 の 充 実
地
域
福
祉
体
制
の
充
実
福 祉 ・ 保 健 ・ 医 療 の 連 携 強 化
69
○施策内容
1.障害者(
障害者(児)福祉の
福祉の充実
障害者計画および障害福祉計画に基づいて、障害者の自己決定と自己選択を
尊重し、市を基本とする仕組みへの統一と三障害の制度の一元化をはかり、地
域生活への移行や就労支援などの課題に対応したサービス基盤の整備をはかり
ます。
障害者(児)の自立支援をはかるため、介護給付や訓練等給付、自立支援医
療などの自立支援給付につとめます。
ノーマライゼーションを基本とした社会生活が営めるように、療育に関する
知識の普及啓発をはかります。また、県北保健所を中心とした松浦市、平戸市
の療育支援事業を広域行政の施策としてすすめていきます。
また、引き続き利用者にとって使いやすい施設の提供と、サービスの質に応
じたスタッフの配置につとめていきます。
さまざまな障害をもつ児童に対し、学校教育のなかでどのように向き合って
いくかなど、専門的な研修会の場としての施設提供をおこなっていきます。
2.低所得者福祉の
低所得者福祉の充実
低所得者世帯が地域において健全な生活ができるように、医療、保健部門お
よび関係機関、
民生委員などと連携をはかります。こうした支援体制を充実させ
るとともに、生活に困窮する世帯に対しては、的確な実態把握をおこない、関
連施策などの活用をはかりながら適正な保護を実施し、生活基盤の安定と自立
助長に向けた援助指導を推進します。
さらに、就労できる能力がありながら仕事に就けない生活困窮者や未就労者
に対し、働くことを第一義として、生産的活動を通じながら自立への意欲を向
上させるための機会と場の提供について検討していきます。
また、保護の受給要件に係る調査指導の徹底や個別ケースの実情に即した指
導、援助の推進などを重点留意事項として取り組みます。
3.母子(
母子(父子)
父子)福祉の
福祉の充実
母子家庭の母親が自立した社会生活を営めるように、就労支援など自立支援
対策をすすめ、地位の向上をはかっていきます。今後は母子家庭のみならず、
父子家庭への支援策も検討していきます。
また、子育て支援を必要としている人と子育てに協力したい人との連携によ
り、相互に活用できる施策が必要です。そのため、母子寡婦福祉会などと協働
70
し、地域のなかで子育て支援をおこなっていきます。
4.国民健康保険制度の
国民健康保険制度の円滑な
円滑な運用
加入者の公平負担の観点および国民健康保険制度の安定的な運営を維持する
ために、広報活動を通じて国民健康保険制度の理解促進をはかり、収納率の向
上に取り組みます。また、今後の医療費の伸びを抑制するために医療費適正化
事業を実施していきます。あわせて資格の取得、変更、喪失の届出を励行し、
資格の適正化につとめます。
平成 20 年度から医療保険者に対して 40 歳以上を対象とする特定健康診査お
よび保健指導の実施が義務付けられました。市が実施する特定健康診査の受診
率は、毎年 30.0%程度にとどまっており、国が求めている目標値の 65%を大き
く下回っています。また、健康診査後の事後指導に関しても平成 22 年度で要指
導者の 12.0%しか実施できておらず、早期発見、早期治療の観点からも受診率
の向上と保健指導の強化をはかります。
5.国民年金制度
国民年金制度の充実
今後も社会保険事務所からの出張相談を継続し、相談開催回数の増加を要請
していきます。
また、
年金制度については、
市報やホームページなどの多様な媒体を利用し、
制度の趣旨普及につとめます。
6.介護保険制度の
介護保険制度の充実
安定した介護保険制度運営をおこなうため、保険料の未納者を増やさないよ
う適切な対応につとめます。また、予防と自立の意識を啓発し、支援体制の強
化と環境の整備をおこなうことで、高齢者への支援とサービスの充実をはかり
ます。
市民に介護保険制度における保険料の納付や制度・サービスについて、認識
を深めてもらうために、定期的に周知をおこなっていきます。
7.後期高齢者医療制度の
後期高齢者医療制度の充実
後期高齢者医療制度体制に係る被保険者の資格管理、保険料の賦課、医療給
付などの事務は長崎県高齢者医療広域連合がおこない、保険料の徴収、各種申
請・届の受付など窓口業務を市町がおこなうことから、住民サービスに支障を
きたさないように広域連合との連携をはかっていきます。
71
8.地域福祉体制の
地域福祉体制の充実
地域福祉ネットワークの推進のため、民生委員・児童委員、社会福祉協議会
など、関係団体との連携を密にし、情報の交換・共有をはかり、地域において、
援護を必要とする人への支援体制の整備・充実をはかっていきます。
また、地域福祉計画に基づき、個人や家族でおこなう「自助」
、住民や各種団
体などが協力しておこなう「共助」
、行政が各種福祉施策やサービスをおこなう
「公助」により、地域住民がお互いに支えあい助けあう福祉のまちづくりを推
進していきます。
9.福祉・
福祉・保健・
保健・医療の
医療の連携強化
市民の多様化するニーズに応えるために、福祉・保健・医療機関との連携を
強化し、総合的な福祉保健の核となる総合福祉保健センター(仮称)を整備し
ます。また、各地域において、そのサテライト機能を整備し、総合的な地域ケア
の充実をはかります。
72
人と人とのふれあいを深
とのふれあいを深めるまちづくりの推進
めるまちづくりの推進
○
現状と課題
<市民交流の
市民交流の促進>
促進>
現在おこなわれている松浦水軍まつり、福島町ふるさとまつり、鷹島モンゴ
ルまつりは大規模イベントとして地域に密着し、市民に親しまれています。し
かしながら、本市は離島および飛び地を有しているため、全市的なイベント開
催が非常に困難な状況にあります。そのため、既存イベントにおいて市民の参
加をうながし、一体感の醸成をはかることが必要です。
また、市民体育大会や市民文化祭においても市民ができるだけ交流ができる
よう開催方法について検討を重ねるとともに、市民への周知を徹底することが
課題となっています。
<広域交流による
広域交流による連携
による連携と
連携と発展>
発展>
国内交流事業においては、北海道福島町、長野県木曽町(旧木曽福島町)と
の生徒学習交流、相互交換交流事業として北海道鷹栖町と小学生を対象とした
ホークス交流をおこなっています。
また、東京都三鷹市、北海道鷹栖町、秋田県北秋田市(旧鷹巣町)
、山形県白
鷹町とホークス5市町災害相互協定を結んでいます。
近隣地域との交流においては、教育・文化、経済、スポーツなどを通じた交
流を深めるとともに、市域を越えた連携によって地域の魅力を発信することが
必要です。
<異文化交流による
異文化交流による国際感覚
による国際感覚の
国際感覚の醸成>
醸成>
本市では、市民の国際感覚の醸成および異なる文化や価値観を認め合う開か
れた地域社会づくりのため、国際交流事業に取り組んできました。オーストラ
リア・マッカイ市との姉妹都市交流は、人的交流を中心に毎年交流がおこなわ
れていますが、さらに交流内容の充実をはかることが必要です。
一方、モンゴル・ホジルト市との姉妹都市交流については、モンゴル村や歴史
民俗資料館、モンゴルまつりなどがモンゴルの都市との結びつきを示す重要な
役割を果たしており、さらなる関係強化につとめる必要があります。
アジア地域との交流については、水産業を中心に中国との経済交流がおこな
われていますが、今後このアジア地域との交流を市としてどのようにすすめて
行くかが課題となっています。
また、平成 23 年 10 月より、国際教育・活動支援員を配置し、多くの市民に
国際感覚を養っていただけるよう、さまざまな取り組みをおこなっており、そ
の役割はますます増強しています。
73
<文化・スポーツ
文化・スポーツ、
・スポーツ、生涯学習事業の
生涯学習事業の推進>
推進>
社会構造の変化にともない、松浦市における伝統的な生活様式や風俗習慣も
変化してきています。これにより有形・無形の民俗文化財をはじめ多くの文化
財が失われる危険性があります。これらを残していくために、市内の文化財を
的確に把握し、保存・継承できるよう市内文化団体などと協働して取り組んで
います。
また、出土した遺物や民俗資料などの公開・展示については、鷹島歴史民俗
資料館や福島歴史民俗資料館等などで多くの方に見て頂けるよう公開・展示に
取り組んでいます。一方、市内の学校などで保管している遺物や民俗資料など
も多数あり、その公開・展示が課題となっています。
平成 23 年 10 月に鷹島沖の伊万里湾で元の軍船が発見され、当時の軍事・外
交などを理解する上で極めて重要な遺跡であることから、平成 24 年3月 27 日
に海底遺跡では日本で初めてとなる国史跡として鷹島海底遺跡の一部が「鷹島
こうざき
神崎遺跡」に指定されました。
鷹島海底遺跡からは約 4,000 点を超える遺物が出土しており、さまざまな観
点から遺物や史跡の公開・展示へ向けて活用が期待されます。しかしながら、
鷹島歴史民俗資料館は、建設から相当の年月が経っていることから施設の至る
所が老朽化をしており、遺物を保存・公開できる環境が十分であるとはいえま
せん。また、国史跡となった鷹島神崎遺跡の出土遺物のうち学術上価値の高い
ものを国の重要文化財に指定できるよう進めておりますが、展示するスペース
の確保が難しいことなどさまざまな課題があります。そのため、あらたに公開・
展示ができる施設として、博物館機能を備えた施設が必要となっています。
スポーツ活動については基金の活用や体育協会をとおして、講習会開催補助
などおこなっています。また、現在の市民運動公園は施設の老朽化、駐車場不
足、陸上競技場のなかに野球場があることなど、利用者に不便をきたしている
ことから、施設の見直しが必要です。
現在の図書管理システムは、公共ネットワークシステムを利用し市立図書館
と福島図書館、鷹島公民館ほか4公民館を接続し、図書の管理をおこなってい
ます。
このネットワークの図書管理システム用端末およびインターネット上から市
立図書館ホームページにアクセスすることにより、市で管理する図書の蔵書検
索および予約ができます。今後、図書館機能の周知をはかりながら利用拡大に
つとめる必要があります。
<市内定住の
市内定住の推進>
推進>
人口が過密する都市圏においては、スピードや効率性という面で社会的な経
済や生活の利便性は発展しているものの、マイペースで自分らしい生活をおく
74
るうえでは、窮屈さが蔓延しているといわれています。
そのため、本市の豊かな自然環境や新鮮な食材などを活用し、都市圏での生
活者にゆっくりと時間の流れる環境を提供するとともに、施策の差別化によっ
て定住に結びつける取り組みが求められています。
75
【施策の体系】
人と人とのふれあいを深めるまちづくりの推進
市
民
交
流
の
促
進
イベントをとおした市民交流の促進
スポーツ・文化事業をとおした
市 民 交 流 の 推 進
広 域 交 流 に よ る 連 携 と 発 展
異文化交流による国際感覚の醸成
文化・スポーツ、生涯学習事業の推進
地域の特性を活かす博物館
機能を備えた施設の整備
地域文化芸能保護の支援
スポーツ関連施設の整備
図書管理システムの活用
市
内
定
76
住
の
推
進
○施策内容
1.市民交流の
市民交流の促進
(1)イベントをとおした市民交流
イベントをとおした市民交流の
市民交流の促進
住民相互のつながりと連帯に支えられた豊かな地域社会をつくるため、地域
の既存イベントを大事にしながら、各地区からの市民参加の推進につとめます。
また、管内各地域の住民が交流できるように全市的統一イベントの開催を促
進します。
(2)スポーツ・文化事業
スポーツ・文化事業をとおした
文化事業をとおした市民交流
をとおした市民交流の
市民交流の推進
市民の健康づくりや生涯スポーツの観点から運動会や各種行事を奨励し市民
交流を促進します。また、市民の芸術・文化の発表の場である文化祭について
も多くの市民に参加をうながして充実・発展をはかります。
2.広域交流による
広域交流による連携
による連携と
連携と発展
現在取り組んでいる国内交流事業を推進し、気候・風土や生活習慣など文化
的土壌が異なる地域で、ホームステイによる生活体験や同世代の子どもたちと
の交流を通じ相互理解と友情を深めるとともに、郷土愛にあふれ、広い視野と
豊かな個性をもった青少年を育成します。
また、
近隣地域とイベントやスポーツ大会などを通じ交流を深めるとともに、
福岡都市圏をはじめ国内各地に本市の魅力を発信するため、アンテナショップ
の活用やインターネットによる情報発信など地域情報を広める事業を促進しま
す。
3.異文化交流による
異文化交流による国際感覚
による国際感覚の
国際感覚の醸成
オーストラリア・マッカイ市との姉妹都市交流については、今後も松浦市国
際親善協会などの活動を支援し、市民主体の身近な国際交流を推進していきま
す。
また、モンゴル・ホジルト市との姉妹都市交流については、モンゴル国大使
館など関係機関に協力をいただきながら、交流の拡充をめざした取り組みをす
すめていきます。
さらにアジア地域との交流については、すでに水産業をとおして経済交流が
おこなわれている中国をはじめ、
アジア地域との交流事業を拡大するとともに、
あらたな姉妹都市提携を積極的にすすめていきます。
あわせて語学力の向上や異文化の教育など、市民や職員の国際感覚の醸成に
77
つとめます。
4.文化・スポーツ
文化・スポーツ、
・スポーツ、生涯学習事業の
生涯学習事業の推進
(1)地域の
地域の特性を
特性を活かす博物館機能
博物館機能を
機能を備えた施設
えた施設の
施設の整備
鷹島神崎遺跡は、蒙古襲来に関わる古戦場であるとともに、鎌倉幕府を崩壊
させる遠因となった日本史上重要な事件を紐解く手がかりでもあり、遺跡から
出土するさまざまな遺物は、従来、文献・絵画等によってしか知られなかった
蒙古襲来を具体的に明らかにした極めて重要な遺跡といえます。
水中考古学上、
世界史上、海洋学上など、あらゆる観点から鷹島神崎遺跡の秘めた歴史的な価
値は高く、これらを鷹島から情報発信することにより、学術的な調査研究の研
究拠点として、また、人と人が繋がる交流の拠点として、そして、地元の地域
振興・松浦市の観光拠点として、多様な活用をはかります。
鷹島海底遺跡から出土した遺物は、多くの海水の塩分を含んでおり、発掘し
てからすぐに公開・展示することはできないため、まず、遺物から塩分を取り
除くための脱塩処理、それから、遺物が変形などしないように強化処理など保
存処理の幾度の工程を経たうえで展示・公開をおこなう必要があります。平成
6年に出土した大イカリはこの保存処理をおこなうために、14 年の長き年月を
経て公開・展示に至っています。このほか、元の軍船の板材が大型であるため、
保存処理に必要な処理装置が鷹島埋蔵文化財センターにはありません。このよ
うに、鷹島海底遺跡から出土した遺物を公開・展示するためには、いろいろな
課題が山積しています。この課題をひとつずつクリアし、鷹島神崎遺跡から出
土した遺物を中心に蒙古襲来、そして市内の歴史および松浦党の歴史が学習で
きる生涯学習の場と調査研究・公開する博物館機能を備えた施設の整備に向け
て取り組んでいきます。
(2)地域文化芸能保護の
地域文化芸能保護の支援
本市には、数多くの伝統文化や芸能が受け継がれています。これらの伝統芸
能を保護し、次の世代へ引き継いでいくことは、本市の責務でもあります。
このため、後継者育成や保護活動を支援していきます。
(3)スポーツ関連施設
スポーツ関連施設の
関連施設の整備
総合運動公園建設については、平成 14 年に策定した総合運動公園基本計画を
基本として、市民の施設への要望を把握し、市民が利用しやすい施設をめざし
ます。さらに平成 26 年長崎国体の競技誘致と連動した施設整備の促進をはかり
ます。
78
(4)図書管理システム
図書管理システムの
システムの活用
市民の多様化する学習ニーズに対応するため、インターネットを利用した蔵
書検索および貸出予約サービスを実施しています。今後もネットワーク環境を
活かして、図書館資料や機能をより利用しやすくするためのサービスの拡充に
つとめます。さらに蔵書の充実、移動図書館の推進をおこない図書館利用の促
進をおこないます。
5.市内定住の
市内定住の推進
あらたなライフプランを求めるUIターン希望者に対し、自然環境や新鮮な
食材の優位性や時間に余裕をもって、時の流れを楽しんでいただく住環境を提
供するとともに、定住支援施策の差別化による市内定住の推進をはかります。
79
第3章 市民と
市民と力を合わせてつくる活気
わせてつくる活気あふれるまちづくり
活気あふれるまちづくり
市民と
市民と連携・
連携・協働しておこなうまちづくり
協働しておこなうまちづくり
○
現状と課題
本市には、自治会をはじめ地域おこしグループ、ボランティア、市民サーク
ル、NPOなど、市の振興のために自発的な活動をおこなっている市民団体や
民間事業者が数多く存在しています。
合併により市域が拡大したことから、特定地域への集中ではなく、均衡ある
発展をめざすために、行政と自治会、市民団体、民間事業者が相互に情報交換
をおこない、地域の歴史や特色を活かした個性あふれる活動が不可欠です。現
在、本市では各地域で活動する市民団体の活動内容や特性を把握できていませ
ん。今後、各種団体の取り組みを把握し、協働できる体制づくりが求められて
います。また、市民団体の育成と連携、行政との結びつきや活動を支援するた
めの補助制度の充実、広報広聴活動の充実、各種団体が活動しやすい拠点の整
備拡充を検討する必要があります。
80
【施策の体系】
市民と連携・協働しておこなうまちづくり
ま ち づ く り 団 体 等 の 活 動 支 援
地域コミュニティの活動支援・拠点の整備
広
報
広
聴
81
活
動
の
充
実
○施策内容
1.まちづくり団体等
まちづくり団体等の
団体等の活動支援
本市は飛び地や離島をもった地理的環境にあるため、地域間格差の解消など
の課題に対して地域のまちづくり団体や民間企業、行政が協働で取り組んでい
くことが重要です。
そのため、各種団体や企業が活動しやすいように、行政情報の積極的な提供
や共有化、補助支援や団体の育成をおこない、民間の知恵と活力を活かしたま
ちづくりを推進します。加えて、計画から実施まで、地域住民が主体となって携
わる地域活性化の取り組みを支援します。
2.地域コミュニティの
地域コミュニティの活動支援
コミュニティの活動支援・
活動支援・拠点の
拠点の整備
市民に身近な自治会活動や市民団体などの地域コミュニティは、共同意識や
信頼関係の構築のために大きな役割を担っています。合併により市域が拡大し
たことからも市民団体間の連携強化や長崎県地域づくりネットワーク協議会へ
の加入を促進し、地域性と自主性を尊重した市民と行政の協働によるまちづく
りの実現をめざします。
さらに、市民による地域コミュニティ活動が積極的に展開されるように、各
種市民団体の地域活動への積極的な支援や市民の交流活動拠点の整備拡充につ
とめます。
3.広報広聴活動の
広報広聴活動の充実
市民に市政への関心を高めてもらうためには、幅広い世代に対して情報を発
信していかなければなりません。そのために、市報をはじめとする各種広報誌
やホームページ、議会中継システムの活用をすすめます。また、発信だけでは
なく、市長と直接対話できる機会を増やすとともに、市長への手紙などを引き
続き実施し、市民の意見を市政に反映させる取り組みをすすめます。
82
地域格差のない
地域格差のない行政
のない行政サービスの
行政サービスの実施
サービスの実施
○
現状と課題
本市は飛び地や離島をもった地理的環境に置かれています。そのため支所な
どの公共施設でも本庁と同じ行政サービスを受けられるように地域公共ネット
ワークを整備し、電算システムの構築をおこなっています。
今後は、国がすすめる「e-Japan戦略」による電子自治体構築をすす
めるために電子申請など電子自治体システム構築事業を検討する必要がありま
す。
また、本市の防災行政無線は、地震・火災・風水害などの緊急時には情報の
収集・伝達の手段として、平常時には一般行政、事務連絡として利用されてい
ます。今後とも、防災行政無線の適正な運用につとめていく必要があります。
83
【施策の体系】
地域格差のない行政サービスの実施
電
子
自
治
体
の
推
進
防 災 行 政 無 線 の 適 切 な 運 用
84
○施策内容
1.電子自治体の
電子自治体の推進
インターネットなど情報ネットワークを利用し、
行政や市民が時間・場所など
の制約を受けることなく必要な情報を必要な時に申請・交付することができる
電子申請システムなどの導入を検討します。
また、経費削減や効率的な行政サービスを充実させるために、各課で共有で
きる全庁型の地理情報システムを構築します。
2.防災行政無線の
防災行政無線の適切な
適切な運用
離島をふくむ地域の一体感を醸成するためには情報通信などの面を特に重視
しなければなりません。また、広域にわたり中山間地域で住居が散在している
ため、周辺部地域などで格差がないように行政サービスを実施する必要があり
ます。
市内全域で統合された防災行政無線については、万一の場合に速やかな一斉
放送がおこなえるよう、引き続き適切な運用体制につとめていきます。
85
個性や
個性や能力を
能力を認め、発揮できる
発揮できる社会
できる社会づくり
社会づくり
○
現状と課題
<男女共同参画社会の
男女共同参画社会の推進>
推進>
松浦地域の男女共同参画に関する市民意識調査によると、男女間、年齢間で
「男女共同参画」
に対する理解度の格差や意識のずれが生じています。
今後は、
男女が対等なパートナーとして社会のあらゆる分野に参画し、お互いの能力を
尊重する基本計画を策定し、男女共同参画の推進につとめる必要があります。
<人権尊重への
人権尊重への取
への取り組みの推進
みの推進>
推進>
人権問題については、これまで、市民一人ひとりの人権が尊重される社会を
めざして、人権相談や人権に関する意識啓発をはかるなど、人権尊重への取り
組みを推進してきました。今後もさらに、お互いが個性や能力を認め、発揮で
きる社会づくりのため、
人権問題への取り組みをすすめていく必要があります。
<結婚活動への
結婚活動への支援
への支援>
支援>
現代社会では、人間関係が希薄になったことから、異性と知り合う機会が減
ってきています。また、恋愛観・結婚観の移り変わり、国内経済の悪化などを
背景に晩婚化、未婚化が進んでいます。未婚者の増加と晩婚化の進行は、地域
にとっても少子化や後継者不足、地域活力の衰退などの問題が深刻化するとい
うことから、いまや単に個人の問題としては片付けられない問題となっていま
す。このことから結婚に向けて積極的に活動する「婚活」を支援する必要があ
ります。
さらに、平成 23 年には伊万里市との間で婚活協定を取り交わし、広域的な婚
活支援につとめています。
86
【施策の体系】
個性や能力を認め、発揮できる社会づくり
男 女 共 同 参 画 社 会 の 推 進
人 権 尊 重 へ の 取 り 組 み の 推 進
結
婚
活
87
動
へ
の
支
援
○施策内容
1.男女共同参画社会の
男女共同参画社会の推進
男女共同参画の推進については、次のステップとなる男女共同参画推進懇話
会などを設置し、
基本計画策定に向けての具体的な協議をおこなっていきます。
あわせて、審議会などへの女性の登用について各部署に働きかけ、女性の意見
が反映されるまちづくりをめざします。今後も市民に対し、男女共同参画に関
する啓発活動をおこない、男女共同参画に対する正しい理解をうながします。
2.人権尊重への
人権尊重への取
への取り組みの推進
みの推進
人権問題については、関係機関と連携をはかりながら、人権擁護委員による
相談所を定期的に開設し、人権保護・促進に取り組みます。また、人権教育・
啓発基本計画を策定するなど、人権尊重への取り組みをすすめ、意識啓発、人
権・同和教育などの推進をはかっていきます。
3.結婚活動への
結婚活動への支援
への支援
婚活推進については、市としても相談窓口を設置するほか、伊万里市など広
域の自治体や関係機関と連携をはかりながら、積極的な支援に取り組みます。
88
効率的な
効率的な行財政運営
○
現状と課題
平成 18 年1月1日に1市2町が合併して新「松浦市」が誕生し、人口や面積
が拡大しました。しかし、本市を取りまく環境は人口減少や現下の経済情勢を
反映し、歳入は低調に推移しているほか、平成 28 年度からは合併の特例措置で
あった普通交付税の算定の特例(合併算定替)が段階的に減額されるなど、さ
らに厳しい状況となることが予想されます。
また、歳出面でも歳入の減少にともない、公債費の償還が重くのしかかって
おり、現在世代と将来世代へ大きな負担を強いています。このような現実を踏
まえて、行政改革や産業振興、企業誘致の推進をはかるなど自主財源の確保に
つとめなければなりません。
一方、高齢化の進展による社会福祉の充実など、行政に対する市民のニーズ
は高度化・多様化しています。限られた歳入のなかで、市民サービスの向上を
はかるためには、民間活力を導入するなど、効率的かつ効果的な行政運営体制
の整備が必要です。
加えて、施設の老朽化などにより、遊休施設が増加しているため、施設活用
案の見直しや処分について見直しをすすめなければなりません。
89
【施策の体系】
効
率
的
な
行
財
政
運
90
営
○施策内容
本市を取り巻く厳しい財政状況のなか、平成23年3月に策定した「第2次
松浦市行政改革大綱」に基づき、「行政改革実施計画」、「財政健全化計画」
を策定し安定的な行財政運営を実現します。自主財源の柱である市税について
は、収納率を高めていきます。
また、各種申請の手数料や施設の使用料とその減免制度を見直し、利用者や
受益者へ応分の負担を求め行政サービス水準の維持に努めます。歳出について
は、人件費の削減や補助金の整理合理化を実施し、行政経費の削減につとめる
とともに、刻々と変化する社会経済情勢に柔軟に対応できるよう、将来世代の
負担軽減策として、新規発行債の抑制と既発行債の繰上償還などを適宜実施し
ていきます。さらに、産業の活性化による雇用の拡大と市民所得の向上をはか
ります。少子高齢化社会に対応した福祉・教育政策を推進できるように、安定
かつ柔軟な財政構造を実現していきます。
また、行政の効率的な運営をはかるために、事務事業や組織機構の見直しを
すすめ、行政評価制度を導入します。そのために、従来から実施してきている
階層研修や、専門研修などの職員研修に加え、自主研修を開催していきます。
より多くの職員が研修を受ける機会を増やし、職員の政策形成能力の向上をは
かっていきます。
なお、公有財産管理システムの導入により、市有財産の売却・貸付・統廃合
など効率的な運用をすすめ、財源確保につとめていきます。
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松浦市総合計画 基本計画 2013年3月 見直し
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