~芳香シクラメンについて~ - 埼玉県

~芳香シクラメンについて~
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交配
芳香性野生種
園芸品種
Cyclamen persicum
Cyclamen purpurascens
園芸品種と芳香性野生種は普通の交配では雑種ができないので、胚珠培養
という方法で雑種を作りましたが、その雑種からは種子が採れませんでした。
染色体倍加という方法で種子の採れない雑種を種子の採れる雑種に変えました。
種子の採れる雑種から以下の 3 品種を育成しました。
芳香シクラメン
麗しの香り
(うるわしのかおり)
品種登録出願中(埼玉県)
注:無断増殖は法律で禁止されています
登録番号 第 16571 号
JF コード
73452
芳香シクラメン
孤高の香り
(ここうのかおり)
芳香シクラメン
香りの舞い
(かおりのまい)
品種登録出願中(埼玉県)
品種登録出願中(埼玉県)
注:無断増殖は法律で禁止されています
注:無断増殖は法律で禁止されています
登録番号 第 16572 号
73453
出願番号 第 19389 号
80074
香り
主要香気成分
主要色素
園芸品種
乾燥木材
カリオフィレン、ファルネセン
ペオニジン、シアニジン
芳香性野生種
バラ・ヒアシンス・
シトロネロール、
シナミックアルコール
2,3 ディハイドロファルネソール
シトロネロール
シナミックアルコール
2,3 ディハイドロファルネソール
シトロネロール
シナミックアルコール
2,3 ディハイドロファルネソール
シトロネロール、
シナミックアルコール
2,3 ディハイドロファルネソール
マルビジン
スズラン
芳香シクラメン
‘麗しの香り’
芳香シクラメン
‘孤高の香り’
芳香シクラメン
‘香りの舞い’
バラ・ヒアシンス・
スズラン
バラ・ヒアシンス・
スズラン
バラ・ヒアシンス・
スズラン
ペオニジン、シアニジン
マルビジン
マルビジン
マルビジン
香りについて
1.園芸品種の主要香気成分は、カリオフィレン、ファルネセンであり、乾燥木材様の香りです。
2.芳香性野生種の主要香気成分はシトロネロール、シナミックアルコール、2,3 ディハイドロ
ファルネソールであり、バラ・ヒアシンス・スズラン様の香りです。
3.‘香りの舞い’、‘麗しの香り’、‘孤高の香り’は芳香性野生種の香気成分が作られ、バラ・ヒ
アシンス・スズラン様の香りになりました。
色について
1.園芸品種の花は赤で、主要色素はペオニジン、シアニジンです。
2.芳香性野生種の花の色は紫で、主要色素はマルビジンです。
3.‘孤高の香り’と‘香りの舞い’の花の色は、濃淡の差はありますが、紫で、主要色素はマル
ビジンです。
4.‘麗しの香り’の花の色はピンクで、主要色素はペオニジン、シアニジン、マルビジンです。
色素の分析は、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所及び国立大学
法人香川大学農学部との共同研究によるものです。
香りの分析は小川香料株式会社との共同研究によるものです。
これらの共同研究は、農林水産省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」
の支援を受けて行われました。
~イオンビーム照射による
芳香シクラメンの花色の拡大~
埼玉県で育成した芳香シクラメンは花色が薄いピンクと紫色に限定されて
おり、改善が望まれています。
そこで、薄いピンクの‘麗しの香り’、濃い紫色の‘香りの舞い’、薄い紫色
の‘孤高の香り’にイオンビームを照射し、変異体を得ました。この変異体は
選抜固定を進め、品種化を行う予定です。
‘孤高の香り’(薄い紫)
‘香りの舞い’(濃い紫)
イオンビーム
白色変異体
イオンビーム
赤紫色変異
‘麗しの香り’(薄いピンク)
イオンビーム
サーモンピンク変異体
体
本研究は農林水産省の先端技術を活用した農林水産研究高度化事業および生研セン
ターの異分野融合研究支援事業の支援を受けて行われました。