枚方なぎさ高校 校長室だより 第 31 号

「愛さつOSAKA~おはよう、さよなら、ありがとうでこころの握手~」(「こころの再生」府民運動)
枚方なぎさ高校 校長室だより 第 31 号
平成 24 年9月4日
第 7 回枚なぎ祭(文化祭)まであと 4 日!
夕方 5 時を過ぎて校内を回る。あちこちの教室で文化祭の準備が行われている。
1 「床を赤く塗ってるの?」
廊下からある教室の中を見ると、女子生徒が床に赤の塗料を塗っているように見えた。
扉を開けて
校長「どうしたの?」
女子生徒A「塗料がこぼれまして」
校長「!?」
A「それで、刷毛で取ろうとして」
校長「?」
女子生徒B「ほんとやで。先生見て」と床の他の箇所を指す。ポタポタと滴が落ちたよ
うに赤い塗料。
校長「あっあー・・・」(『ブルーシートを敷いてその上で書けばいいのに・・・。し
かも制服のままやないの』)
校長「これは?」(落ちた赤の塗料を使って英文で 1 行書かれてあった)
女子生徒C「私書いたの」
校長「それはだめだわ」
C「雑巾がないので・・・」
校長「ちょっと待っときな。とってくるから」
C「ほんと?」
校長「ああ」
校長室にあった 2 枚の雑巾をもってくる。
「これ」と言って渡す。
B「ありがとう。校長先生」
「他の教室、見てくるからね」
しばらくして、再び戻ると床の上の赤の塗料は英文も含めて完璧に拭きとられていた。
校長『しまった。あの英文、何と書いてあったか・・・。訳しておいたらよかった・・・』
2 「邪魔しないで、校長先生!」
別の教室の前を通る。数名の女子生徒がダンスの練習に熱中している。
校長「楽しそうやな~」
女子生徒D「めっちゃ、楽しいー!」
校長「いいな~」
D「そういう時なのよ!高校 2 年生って!!」
校長「そうか」
D「邪魔しないで、校長先生!」
校長「わかった、わかった。でも(文化祭まで)まだ 4 日あるぞ。今からその勢いでは当
日までもたないぞ」
D「大丈夫、大丈夫」
校長「?」
D「まだこれくらいのレベル」と言って胸のあたりの高さに手をやった。
校長「そこから、だんだん、だんだん高くなって」(私も胸の高さに手をやって階段状
に手を上げていった)
D「そうよ、そうよ」
校長「よっしゃ~!思い切りやるんだぞ!!」
生徒達「はーい!」「はーい!」
3 「“夏”という字、書いて」
次の教室を見る。数名が教卓の前で悩んでいる様子で、他の生徒は遊んでいた。
どうも行き詰っているよう思えた。
校長「どうした?」
女子生徒E「うーん・・・」
校長「垂れ幕の下書きをしてるんだな」
女子生徒F「そうです」
校長「かなりできているやん」
E「それが・・・」
校長「3 分の2以上できてるやん」
F「”夏”と言う字、書いて」
校長「えっ!?」
F「・・・」
校長「(垂れ幕の)下書きを見せて」
E「これ」
校長「なるほど、斜めに“夏”と書くのか」
E「・・・」
校長「直接、(垂れ幕に)斜めに書くのは難しいぞ」
女子生徒G「・・・」
校長「とりあえず、紙に“夏”と書いたらどう?」
G「・・・」
校長「紙を取ってくるから」
A3の用紙を2枚持ってきて、セロテープで張り合わせる。
校長「ここに書いたら」
F「・・・」
校長「じゃ、他の教室見てくるから」
しばらくして戻ると、“夏”と書いた紙を垂れ幕の下に斜めに敷いて、なぞっていた。
校長「すごい!俺にはその発想はなかったな。すごいな!」
4 「感電するかもしれない」
教頭先生の席に 2 人の教員がきて、「教室のコンセントが潰れたのですぐに直して欲し
い」と訴えていた。文化祭の練習だけでなく明日の授業にも差しつかえると言う。後ろ
からその話を聞いていて
校長「それならすぐに直せるかも」
教員「あっ、校長先生」
校長「教室に行きましょう」
教員に連れられてその教室に行くと、黒板の下にあるコンセントにガムテープが張ら
れていた。
生徒達が集まってくる。
私がガムテープをそっととる。コンセントは長年にわたって少しずつ潰れてきて、つ
いにむき出しになってしまっていた。
男子生徒H「この前、女子のあの、このへんの」
校長「ああ、ヘアピン」
H「それ。ヘアピンを(コンセントに)差し込んだら真っ赤になって飛んできた」
校長「えっ!そんな危ないことを」
H「それを触ってヤケドした」
校長「ヘアピンは金属だろ。金属は抵抗値が低い。だから電圧がかかると大きな電流が
流れるんや」
H「!?・・・感電するかもしれない」
校長「うん。でも今まで何度も感電して慣れてるから」
H「校長先生、できるの?」
校長「ああ。実はこれが私の本業です」
H「?」
校長「電気工学が専門やから」
H「感電するよ」
校長「大丈夫、100 ボルトだから。200 ボルトだったら絶対触らない。死ぬかもしれない
から」
H「・・・」
校長「100 ボルトに感電したら、漫画的に言うと『目から小さな星が出る』感じかな」
H「・・・」
校長「それから肘あたりに痙攣した後のような感じが残るねん」
H「ふーん」
校長「明日、部品を替えておくわ」
H「校長先生、よろしく」
教員「先生いいんですか」
校長「はい、部品さえあれば簡単ですよ」
翌朝、修理は完了した。