安定処理土の突固めによる供試体作製方法 - 地盤工学会

地盤工学会基準(案)
JGS
0811:0000
安定処理土の突固めによる供試体作製方法
Practice for making and curing compacted stabilized soil specimens using a
rammer
適用範囲
1
この基準は,JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるいに規定する 37.5 mm ふるいを通過し
た土について安定処理土を突き固めて供試体を作製し,養生する方法を規定する。
引用規格及び基準
2
次に掲げる規格及び基準は,この基準に引用されることによって,この基準の規定の一部を構成する。
これらの引用規格及び基準のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改
正版(追補を含む。)には適用しない。西暦年の付記がない引用規格及び基準は,その最新版(追補を含む。)
を適用する。
JIS A 1203 土の含水比試験方法
JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
JIS Z 8801-1
試験用ふるい−第一部:金属製網ふるい
JGS 0101 土質試験のための乱した土の試料調整方法
用語及び定義
3
この基準で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
安定処理土
安定材を土に添加し,混合したもの。
3.2
安定材
土の性質を化学的に改良する目的で土に添加する材料。
3.3
安定材添加率
試料の炉乾燥質量に対する安定材の質量比を百分率。
3.4
安定材添加量
湿潤試料 1 m3 に対する安定材の質量(kg/m3)。
削除 :
JGS 0101
土質試験のための
乱した土の試料調整方法
2
削除 : 0811:0000
0811:0000
削除 : 0811:0000
供試体作製方法の種類
4
供試体作製方法は,10 cm モールドを用いる方法と 15 cm モールドを用いる方法の 2 種類とする。供試
体作製方法の種類を表 1 に示す。
表 1−供試体作製方法の種類
作製方法
10 cm モール
ドを用いる
方法
a
b
c
モール ラ ン マ 突 固 1 層当たり 許 容 最
ド内径 ー 質 量 め 層 の 突 固 め 回 大 粒 径
(cm)
(kg)
数
数
(mm)
10
2.5
25
19.0
10
4.5
42
3
10, 25, 55,
10
2.5
4.75
90a)
15 cm モールドを
15
4.5
3
17, 42, 92b)
用いる方法
注 a) 10, 25, 55, 90 回の 4 種類について行う場合がある。
b) 17, 42, 92 回の 3 種類について行う。
37.5
供試体作製器具及び養生器具
5
5.1
供試体作製器具
供試体作製器具は,次のとおりとする。
a)
モールド
モールドは,箇条 4 に規定する供試体を作製し得るもの。
b)
混合器具
混合器具は,土と安定材を均一に混合し得るもの。
注記
混合器具は混合用の容器とハンドスコップまたは適当な容量のミキサーなどを用いるとよい。
c)
突固め器具
d)
ふるい
突固め器具は,JIS A 1210 に規定するもの。
e)
含水比測定器具 含水比測定器具は,JIS A 1203 に規定するもの。
ふるいは,JIS Z 8801-1 に規定する金属製網ふるいで呼び寸法 4.75 mm,19.0 mm 及び 37.5 mm
のもの。
注記
5.2
試料によっては,JGS 0122 によってもよい。
養生器具
養生器具は,次のとおりとする。
a)
恒温容器
b)
密封材
6
試料及び安定材
注記
恒温容器は,温度を(20±3)℃に保ち得るもの。
恒温容器は,恒温室,恒温水槽,恒温恒湿器などを用いてもよい。
密封材は,供試体を被覆し,水分を一定に保ち得るもの。
変更されたフィールド コード
挿入 : 0811:0000
3
0811:0000
6.1 試料
試料は次のとおり準備する。
注記 用意する試料の量は,供試体 1 個につき,自然含水比状態で,15 cm モールドを用いる方法で
は約 6 kg,10 cm モールドを用いる方法では約 3 kg を目安とする。
JGS 0101 に規定する非乾燥法または空気乾燥法によって調整した後,いずれの場合も許容最大粒径に
a)
対応するふるいを通過したものを試料とする。
注記
土が湿っていてふるいを通過させることができない場合は,粗大な粒子を手で取り除く程度
でよい。
b)
試料の含水比 w1(%)を求める。
c)
試料の含水比を調整し,その含水比 w2(%)を求める。
注記
通常,含水比は自然含水比または最適含水比を選択する。
安定材
6.2
必要量の安定材を用意する。
供試体の作製・養生
7
混合
7.1
試料と安定材は,次のとおり混合する。
a)
試料と安定材の所定量をはかる。
b)
試料に安定材を加え十分に混合して,均一な安定処理土にする。
c)
安定処理土の含水比 w3(%)を求める。
締固め
7.2
締固めは,次のとおり行う.
a)
モールドと底版の質量 m1 (g)をはかる。
b)
安定処理土を,JIS A 1210 に準じ,表 1 に示す方法で突き固める。
c)
突固め後,カラーを取り外してモールドの上部の余分な土を直ナイフで注意深く削りとり,平面に仕
上げる。
モールドと底版の外部に付いた土をよくふき取り,全体の質量 m2 (g)をはかる。
d)
養生
7.3
7.3.1
養生方法の種類
供試体の養生方法は,空気中養生と水浸養生がある。目的によって両者を組み合わせて養生する。一軸
圧縮試験に供する場合は,突き固め後一定の強度が発現した後,脱型しさらに養生する。
注記 1 養生期間は,目的によって 1, 3, 7, 10, 14, 28 日などの中から選択するとよい。
注記 2 養生には 3 日空気中養生後に,4 日水浸養生する方法などがある。
注記 3 一軸圧縮試験は通常 10cm モールドを用いる。脱型時期は添加量にもよるが 24 時間程度とする
ことが多い。
7.3.2
空気中養生
空気中養生は,次のとおり行う。
a)
供試体は,水分の蒸発,吸収がないように密封材で被覆する。
注記
10 cm モールドを用いる方法では,高分子フィルムなどで密封するか,供試体を紙で包み,
その上をパラフィンワックスなどで十分に被覆するとよい。15 cm モールドを用いる方法で
削除 : 0811:0000
削除 : 0811:0000
変更されたフィールド コード
挿入 : 0811:0000
4
削除 : 0811:0000
0811:0000
は上面をろ紙などを介してパラフィンワックスなどで被覆し,下面と底版との間に高分子フ
ィルムをはさむなどの方法で密封するとよい。
b)
温度(20±3)℃で所定の期間供試体を静置し,養生する。
c)
供試体の質量 m3 (g)をはかる。
7.3.3
水浸養生
水浸養生は,次のとおり行う。
a)
密封しない供試体を温度(20±3)℃の水中で所定の期間静置し,養生する。
b)
供試体を水中から取り出して静置し,余分な表面の水分をふき取る。
c)
供試体の質量 m4 (g)をはかる。
8
計算
計算は,次のとおり行う。
a)
締固めた供試体の乾燥密度は,次の式によって算出する。
ρd = (m2 - m1) / V / (1+w3/100)
ここに,
ρd: 供試体の乾燥密度(g/cm3)
m1: モールドと底版の質量(g)
m2: 供試体及びモールドと底版の質量(g)
w3: 安定処理土の含水比(%)
V: モールドの容量
10 cm モールド V=1 000 cm3
15 cm モールド V=2 209 cm3
b)
養生後の供試体の含水比は,次の式によって算出する。
w4 = (m5 - ms) / ms×100
ただし,
ms = (m2 - m1) / (1 + w3 / 100)
ここに,
9
w4: 養生後の供試体の含水比(%)
m5: 養生後の供試体の質量(m3 または m4) (g)
ms: 供試体の炉乾燥質量 (g)
報告事項
供試体作製については,次の事項を報告する。
注記 安定処理を行う前の試料について土質試験を行った場合は,土の分類や安定材による改良効果
の判断に必要な結果を報告することが望ましい。
a)
含水比調整後の試料の含水比 w2 (%)
b)
供試体の作製方法
c)
安定材の種類・添加率
d)
安定処理土の含水比 w3(%)及び締固めた供試体の乾燥密度ρd (g/cm3)
e)
養生方法及び養生期間
f)
養生後の含水比 w4 (%)
g)
本基準と部分的に異なる方法を用いた場合は,その内容
例
注記
供試体の作製方法は,表 1 に示す作製方法で報告する。
10 cm モールド(a),15 cm モールド
安定材添加量も併せて報告することが望ましい。
削除 : 0811:0000
変更されたフィールド コード
挿入 : 0811:0000
5
0811:0000
h)
その他特記すべき事項
削除 : 0811:0000
削除 : 0811:0000
変更されたフィールド コード
挿入 : 0811:0000