- 1 AuBr3 製品安全データシート 整理番号:AUH01XAM 1 製品情報 製品名:三臭化金(有水塩) 純度 カタログ#: AUH01XA 会社名:株式会社高純度化学研究所 住 所:〒350-02 埼玉県坂戸市千代田5-1-28 電話番号:0492(84)1511 FAX番号:0492(84)1351 担当部門:本社 品質管理部 作 成:平成10年 2月 6日 西川 廣継 REV.02 形状 固体 【劇物】 Gold(Ⅲ) bromide, hydrous 備考 2 物質の特定 単一製品,混合物の区分:単一製品 化学名:臭化金(Ⅲ)水和物 Gold(Ⅲ) bromide hydrous 別 名:臭化第二金水和物 Auric bromide hydrous 三臭化金水和物 Gold tribromide hydrous 化学式:AuBr3・xH2O 組 成:100 % 官報公示整理番号:・ 化審法 新規化学物質 国連分類:クラス8 (腐食性物質 P.G 2) 国連番号:1759 輸出統計:2843.30-0003 輸入統計:2843.30-0003 CAS#:10294-28-7(無水物) RTECS#: TSCA:登録(無水物) EINECS: 3 危険有害性の分類 分類の名称:・ 急性毒性物質 危険性:・ 燃えない、ないし燃えにくい。 有害性:・ 吸い込んだり飲み下したりすると有害である。 ・ 粉塵は鼻、喉、気管、気管支等の粘膜を刺激し、炎症を起こすことがある。 ・ 火災等の加熱により、有毒なガスを発生する。 環境影響:・ 消火水や希釈水の流出によって汚染を引き起こすことがある。 4 応急措置 目に入った場合:・ 清浄な水で最低15分間眼を洗浄した後、直ちに眼科医の手当を受ける。 ・ 洗眼の際、瞼を指でよく開いて、眼球・瞼のすみずみまで水がよく行きわたるように 洗浄する。 皮膚に着いた場合:・ 物質に触れた部分を多量の水を流しながら、石鹸を使ってよく落とす。 ・ 外観に変化が見られたり、痛みが続く場合は、直ちに医療処置を受ける手配をする。 吸入した場合:・ 直ちに被災者を空気の新鮮な所に移し、医療処置を受けさせる。 ・ 鼻をかませ、うがいをさせる。 飲み込んだ場合:・ 直ちに医療処置を受ける手配をする。 ・ 水でよく口の中をうがいをさせる。 5 火災時の措置: 一般的注意:・ 不燃物ないし難燃物である。周辺火災の消火に努める。 ・ 火災により、腐食性で且つ刺激性又は有毒なガスを発生する。 - 2 AuBr3 ・ 消火設備:・ 消火方法:・ 速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、容器及び周囲に散水し て冷却する。 消防法の非危険物 この製品による消火手段の制限はほとんどない。他の危険物の消火方法に従う。 6 漏出時の措置 一般的注意:・ 風下や低地の人を退避させ、漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係 者以外の立ち入りを禁止する。 処理作業者に対する注意:・ 屋内=処理が終わるまで充分に換気する。屋外=風上から作業 ・ 作業の際には保護具(防塵マスク,保護メガネ,保護手袋)を着用し、飛沫等が皮膚 に付着したり、粉塵やガス等を吸入しないようにする。 環境影響に対する注意:・ もれ出た物質や大量の希釈水が河川等に排出され、環境への影響を起 こさないように注意する。 ・ 毒性があるので、関係機関に漏洩の生じたことを通報する等の適切な措置をとる。 もれ出た物の処理に対する注意:・ 飛散した物を速やかに掃き集めて、密閉できる空容器に回収 する。その後消石灰、ソーダ灰等の水溶液等を用いて処理し、残りは大量の水で洗い 流す 5)。 7 取り扱い及び保管上の注意 取扱上の注意 *一般的注意:・ 安全な場所で、物質が完全に除去されたことを確認してから、容器や装置の 修理をすること。 *作業者の暴露防止: ・ 適切な排気装置等を利用し、作業者に物質が触れないようにする。 ・ 作業形態や物質に適応した保護具を選び、必ず着用すること。 ・ 取り扱い場所には、関係者以外の立ち入りを禁止する。 ・ 皮膚,粘膜,着衣に触れたり、眼に入ったりしないようにする。 ・ 発散した蒸気や粉塵を吸い込まないようにする。 ・ 取り扱いは、換気の良い場所で行う。 *火災や爆発の防止:・ 付近に可燃物がある場合は、火気に注意する。 保管上の注意 *一般的注意:・ 遮光、密閉して 3)、乾燥した冷所に保管する。 ・ 危険物貯蔵所に貯蔵しないこと。 ・ 毒物や劇物等が盗難にあったり、紛失したりすることを防ぐのに必要な措置 を講じること。又、盗難や紛失の際は、直ちに、その旨を警察署に届け出なければな らない。 *混合貯蔵:・ 強酸化性物質と同一場所に保管しないこと。 8 暴露防止措置 管理濃度:・ 作業環境評価基準 規定無し 許容濃度: 参考 ・ 日本産業衛生学会勧告値(1995) 臭素 0.1 ppm 0.65 mg/m3 ・ ACGIH 勧告値(1995-96) Br2 TLV-TWA 0.1 ppm 0.66 mg/m3 ・ ACGIH 勧告値(1995-96) Br2 TLV-STEL 0.2 ppm 1.3 mg/m3 ・ OSHA(1993) Br2 PEL-TWA 0.1 ppm 0.7 mg/m3 ・ ACGIH 勧告値(1995-96) HBr TLV-C 3 ppm 9.9 mg/m3 ・ OSHA(1993) HBr PEL-TWA 3 ppm 10 mg/m3 - 3 AuBr3 設備対策:・ 保護具 9 :・ 全体換気装置を設置した場所で取り扱い、できるだけ密閉された装置,機器又は局 所排気装置を使用することが望ましい。 防塵マスク,ゴーグル型保護眼鏡,保護手袋,保護長靴 物理化学的性質 注)指数以外の右肩付数は温度(゚C) 1) 4) 外 観 等:・ 無水物:暗褐色 ,赤茶色 2),単斜晶系結晶 2),黒茶色粉末 化 学 式: AuBr3(無水物) 式 量: 436.6785(無水物) 1) 融 点: 無水物:97.5 ゚C 沸 点: 無水物:160 ゚C で -Br2 1) 分解 2) 3) 溶 解 性 *水 :・ 水に可溶 1) 2) 3) 4) *可 溶:・ 無水物:エタノール 1) 2) 3),エーテル 1) 4),グリセリン 3) そ の 他:・ 加熱すれば臭素を出して臭化金(Ⅰ)となる 4)。 ・ 臭化水素酸と臭化金酸 HAuBr4 をつくる 4)。 10 危険性情報 危険性の指標:・ 揮発性 なし(蒸気圧38<196 kPa) 可燃性:・ 燃えない、ないし燃えにくい。 酸化性:・ なし。 反応性: *混触危険:・ 強酸化剤 安定性:・ 加熱すれば臭素を出して臭化金(Ⅰ)となる 4) 3) 。 11 有害性情報 有害性の指標(致死量,中毒量,刺激度): 参考 ・ AuCl3・2H2O 皮下 マウス LDL0= 1,500 mg/kg 7) ・ Na2Au(S2O3)2・2H2O 筋肉 ラット LDL0= 35 mg/kg 7) 皮膚腐食性:・ この物質は粘膜組織を破壊し、上気道、眼及び皮膚を傷害する。 刺激性:・ 皮膚、粘膜に対して刺激性がある。 感作性:・ 臭素剤は水疱性発疹,多型性紅斑型発疹等のアレルギー症状を起こす 6)。 ・ 金化合物は、激しい金属アレルギーを起こすことがある。 急性中毒:・ 金剤による中毒は、発熱、嘔気、嘔吐、下痢、皮膚の光感受性、口内金属味、蛋白 尿、時に尿毒症を起こすことがある 7)。 ・ 臭化物の大量経口摂取で、悪心,嘔吐,腹痛,昏睡,麻痺などを起こす 7)。 慢性中毒:・臭化物の長期摂取では、精神錯乱,興奮,振戦,記憶喪失,食欲不振,衰弱,頭痛, 言語障害,歩行障害,昏睡などがみられる 7)。 癌原性:・ 日本産業衛生学会(1995),IARC(1993),NTP(1994),OSHA(1996), 労働基準法による発癌物質 に記載がない。 変異原性:・変異原性が認められた既存化学物質等(平成4年7月1日現在) に該当しない。 生殖毒性:・現在の所知見なし。 催奇形性:・現在の所知見なし。 12 環境影響情報 分解性:・ 容易に分解して自然物になる。 蓄積性:・ Au 生物学的半減期 120 day, ・ ・ Br 生物学的半減期 8 day, ・ 魚毒性:・ 現在の所知見なし。 吸収率 吸収率 経口= 0.1, 経気道= 0.3 経口= 1.0 , 経気道= 0.75 8) 8) - 4 AuBr3 オゾン層:・ 海洋汚染:・ フロン,ハロンでない。 海洋汚染物質に該当しない。 13 廃棄上の注意 廃棄方法:・ 専門の業者に委託する。 ・ 多量にあれば、資源回収に資する。 ・ 沈殿法:水に溶かし水酸化ナトリウム、ソーダ灰等の水溶液を用いて沈殿分解する 5) 。 ・ 焙焼法:多量の場合には還元焙焼法により金属金として回収する。 特別管理産業廃棄物:・ 該当しない。 14 輸送上の注意 陸上輸送: ・ 道路法:・ 危険物 水底トンネル等の通行制限物質 ・ 労働安全衛生法:・ 特定化学物質,有機溶剤等に該当しない。 ・ 消防法:・ 非危険物(非届出物質) ・ 毒物及び劇物取締法:劇物(毒物及び劇物指定令第二条) 無機金塩類 包装等級:Ⅲ 高圧ガス保安法:該当せず。 海上輸送 ・ 船舶安全法:・ 危険物 腐食性物質 品名:その他の腐食性物質(固体) (他の危険性を有しないもの) 標札:R,- 容器等級:2 ・ 積載場所 貨物船 甲板上/下; 旅客船 甲板上/- ・ (財)日本舶用品検定協会の検査を受けたUNマーク表示容器を使用すること。 ・ 少量危険物の輸送の場合には、容器検査(UNマーク)は不要であり、荷主の自主試験を 行なわなければならない。 少量危険物の内装容器の許容量;等級 2;固体; 1 Kg 、 液体; 500 mç ・ ばら積み輸送;有害性液体物質 ・ 港則法:・ その他の危険物 腐食性物質 航空輸送 ・ 航空法:・ 爆発物等 輸送許容物件 腐食性物質 その他の腐食性物質(固体) (他の危険性を有しないもの) 標札 Q,- 等級:2 ・ (財)日本舶用品検定協会の検査を受けたUNマーク表示容器を使用すること。 ・ 少量輸送許容物件(LTD QTY)、微量輸送許容物件の場合には、容器検査(UNマーク) は不要であり、荷主の自主試験を行なわなければならない。 受託の可否に関しては、航空会社に事前の確認が必要である。 少量輸送許容物件の内装容器の許容量;等級 2;固体; 500 g 、 液体; 100 mç ガラスアンプルの内装容器;500 g 、500 mç 15 体) 適用法令 ◆規制条項 ・ 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律:◆新規化学物質 ・ 労働基準法:◇規制なし ・ 労働安全衛生法:◇規制なし(特定化学物質や有機溶剤等に該当しない) ・ 毒物及び劇物取締法:◆劇物(毒物及び劇物指定令第二条) 無機金塩類 ・ 消防法:◇非危険物(非届出物質) ・ 道路法:◆危険物 通行制限物質 ・ 船舶安全法:*個品輸送:◆危険物 腐食性物質 品名:その他の腐食性物質(固 - 5 AuBr3 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (他の危険性を有しないもの) *バラ積み輸送:◆ばら積み液体危険物 有害性液体物質 港則法:◆危険物 その他の危険物 腐食性物質 航空法:◆爆発物等 輸送許容物件 腐食性物質 品名:その他の腐食性物質(固体) (他の危険性を有しないもの) 外国為替及び外国貿易管理法 * 輸入貿易管理令:◇自由化品目 * 輸出貿易管理令:◇自由品目 環境基本法:環境基準 ◆大気(浮遊粒子物質) ◆水質(H+イオン濃度,浮遊物質量) ◇土壌(-) 大気汚染防止法: ◆煤塵 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律:◇特定物質でない。 悪臭防止法: ◇悪臭物質に該当しない。 下水道法: ◇該当項目なし。 水質汚濁防止法: ◆排水基準(H+イオン濃度,浮遊物質量 ) ◇地下浸透規制(-) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律:◇特別管理産業廃棄物に該当しない。 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律:◇海洋汚染物質に該当しない。 16 その他 参考文献: 1) 日本化学会編,化学便覧 基礎編 改訂 4版;丸善 2) David R. Lide,CRC Handbook of Chemistry and Physics 76th Ed.;CRC Press Inc. 3) Susan Budavari, et al.;The Merck Index 11th Ed. 4) 化学大辞典;共立出版 5) 厚生省薬務局安全課編 最新 毒物 劇物 取扱の手引 6) 池見酉次郎,吾郷晋浩 編著,アレルギーの話;NHKブックス 7) 後藤 稠ら,産業中毒便覧;医歯薬出版株式会社 8) 山県 登;微量元素;産業図書 注意事項: ・ 本情報は製品に対しての品質保証や安全保証をするものでなく、製品の危険,有害性 等に関する情報を提供するものです。本情報に基づいて製品を製造し,使用し,又は 取扱うこと等によって不具合いが発生しても一切責任を負いません。
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