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大分県新長期総合計画(仮称)
−
最終案
平成17年9月
大
分
県
−
目
次
計画の策定にあたって
1
計画策定の趣旨
2
計画の性格・役割
3
計画の期間
4
計画の構成
p1
基本構想編
p3
第1章
p3
1
時代の潮流と基本目標
時代の潮流
(1)人口減少の時代
(2)グローバル化の時代
(3)環境の時代
(4)安全・安心の時代
(5)分権の時代
2
基本目標
第2章
重点戦略
p12
『安心』○豊かな天然自然・磨き輝き戦略
○県民が支え合う福祉コミュニティ形成戦略
○「備えあれば憂いなし」安全・安心戦略
『活力』○おおいた産業活力創造戦略
○もうかる農林水産業「The・おおいた」ブランド確立戦略
○住んでよし来ても楽しいおおいた戦略
『発展』○明日を拓く人づくり戦略
○交流拠点ちゃくちゃく戦略
基本計画編
p29
第3章
p29
分野別政策
分野別政策の基本方向
2
施策の展開
Ⅰ
1
p32
人・水・緑が輝く環境づくり
1 恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
・・・・p33
(1)豊かな自然との共生と快適な地域環境の創造
(2)循環を基調とする地域社会の構築
(3)地球環境問題への取り組みの推進
(4)環境産業の育成
(5)すべての主体が参加する地域社会の形成
2安全・安心な暮らしの確立
・・・・p43
(1)災害に強い県土づくりの推進
(2)犯罪に強い地域社会の形成
(3)安全で快適な交通社会の実現
(4)食の安全・安心の確保
(5)県民生活の安定と向上
3人権を尊重し共に支える社会づくりの推進
・・・・p53
(1)人権を尊重する社会づくりの推進
(2)男女共同参画社会の実現
Ⅱ
みんなで支え合う笑顔に満ちた社会づくり
p58
1地域で共に支え合う社会づくりの推進・・・・p59 3自立と社会参加を支援する社会づくりの推進
(1)すべての人にやさしい福祉のまちづくりの推進
(2)心豊かな地域福祉を担う人づくりの推進
2子育ての喜びを実感できる社会づくりの推進
・・・・p63
(1)次代を担う子どもを社会全体で支える環境の整備
(2)安心して子どもを生み育てられる保健・医療の充実
Ⅲ
・・・・p67
(1)高齢者の安心と生きがいづくりの推進
(2)障害者が地域で暮らし働ける環境の整備
4生涯を通じた健康づくりの推進
(1)元気に暮らす健康づくりの推進
(2)安心で質の高い医療サービスの提供
p76
豊かな生活を支える力強い産業づくり
1活力を創造する商工業等の振興
・・・・p77
(1)ものづくり産業の振興
(2)商業・物産・サービス産業の振興
(3)人材育成・雇用対策
(4)中小企業支援体制の整備
Ⅳ
・・・・p71
2知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
・・・・p85
(1)戦略ある商品づくり
(2)効率的で持続性のある生産体制の確立
(3)時代に対応する力強い農林水産業の担い手づくり
(4)地域資源の活用と産業間の連携によるニュービジネスの創造
p94
交流で広がる活気あふれる地域づくり
1地域と世界をつなぎふれあい楽しむツーリズムの推進
3高度情報通信ネットワーク社会の形成・・・p103
・・・・p95
(1)観光と地域づくりを一体とするツーリズムの推進
(2)地域を活性化する国際交流の推進
(1)情報通信基盤の整備促進
(2)県民生活の情報化推進
2交流を支える交通体系の充実
(1)新市の自立と一体的発展の促進
(2)新市における旧町村地域の振興
・・・・p99
(1)広域交通網の整備推進
(2)地域生活交通システムの形成
Ⅴ
4合併による新市建設への支援
・・・・p107
p112
明日の大分を築く心豊かな人づくり
1多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
2多様な県民活動の推進
・・・・p113
(1)「生きる力」をはぐくむ学校教育の推進
(2)信頼と協働による学校づくりの推進
(3)大学等高等教育の推進
(4)生涯学習社会の形成と社会教育の推進
(5)青少年の健全育成
(1)NPO(NPO 法人・ボランティア団体・市民活動団体)の育成
(2)NPO 等との協働の推進
計画推進のために
1
県民の参画による計画の進行管理
2
市町村などとの緊密な連携
3
行財政改革の推進
・・・・p123
3多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
・・・・p127
(1)県民文化の創造
(2)文化財・伝統文化の保存と活用
(3)県民スポーツの振興
(4)大分らしい国体・全国障害者スポーツ大会の創造
p135
2015年の生活シーン
p137
参考資料
p143
計画の策定にあたって
1
計画策定の趣旨
少子・高齢化の進行、経済のグローバル化の進展、地方分権と市町村合
併の進展など、私たちは、社会経済構造の大きな変革期に直面しています。
また、これからは「新しい地域間競争の時代」です。日本の人口が増加
から減少へと転じ、経済が長期的には縮小へ向かうと考えられる中、活力
があり、発展する地域であるためには、地域住民のために一番良い地域を
つくっていくことが求められます。
さらに、分権型社会にあっては、地域の発展に責任を持つ住民が、自ら
考え、行動し、成果を享受する仕組みが必要です。計画策定にあたっても、
これまでのような行政主導ではなく、多くの県民の声を取り入れ、県民参
加型の地に足のついた実行力のある計画でなければなりません。
このようなことから、時代の風を先取りし、新たな地域間競争に打ち勝
っていく大分県を県民とともに築いていくため、県民中心の新たな長期総
合計画を策定します。
2
計画の性格・役割
この計画は、県行財政運営の長期的、総合的な指針を示したものであり、
県民と行政がめざすべき目標を共有し、その実現に向けてともに努力する
内容を明らかにするものです。
3
計画の期間
計画の期間は、平成17年度(2005年度)から平成27年度(2015年度)ま
での11年間とします。
4
計画の構成
この計画は、基本構想編と基本計画編の2部構成となっています。
基本構想編では、時代の潮流を捉え、大分県のめざす「基本目標」と基
本目標を実現するために重点的に取り組む「重点戦略」を明らかにしてお
り、基本計画編では、各般の「政策・施策の基本方向と主な取り組み」を
示しています。
なお、計画は中間年で見直しを行います。
大分県新長期総合計画の構成
【基本目標】(平成 17 年度∼27 年度)
『県民とともに築く「安心」
「活力」
「発展」の大分県』
○安心して心豊かに暮らせる大分県
○知恵と努力が報われる活力ある大分県
○人材あふれる発展の大分県
時代の潮流
◇県民が主役
・人口減少・高齢化
の進行
・少子化の進行
◇県民の多様な価値観の尊重
◇県民の発想と活動の支援
【重点戦略】
『安心』
○
○
○
豊かな天然自然・磨き輝き戦略
県民が支え合う福祉コミュニティ形成戦略
「備えあれば憂いなし」安全・安心戦略
『活力』
・グローバル化の
進展
・国境を越えた交流
・高度情報化の進展
○
○
○
おおいた産業活力創造戦略
もうかる農林水産業
「The・おおいた」ブランド確立戦略
住んでよし来ても楽しいおおいた戦略
『発展』
○
○
明日を拓く人づくり戦略
交流拠点ちゃくちゃく戦略
【分野別政策】
・地球環境問題
・身近な環境問題
Ⅰ
人・水・緑が輝く環境づくり
(主な分野:ごみゼロ、災害、治安、食品安全、人権など)
○ 恵まれた環境の未来への継承 ∼ごみゼロおおいた作戦の推進
○ 安全・安心な暮らしの確立
○ 人権を尊重し共に支える社会づくりの推進
Ⅱ
・災害への備え
・巧妙化・広域化する
犯罪
・食の安全に対する
意識の高まり
・感染症への備え
Ⅲ
豊かな生活を支える力強い産業づくり
(主な分野:商工労働、農林水産業)
○ 活力を創造する商工業等の振興
○ 知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
Ⅳ
・地方自立と地域間
競争
・財政の制約
みんなで支え合う笑顔に満ちた社会づくり
(主な分野:児童、高齢者、障害者、健康、医療など)
○ 地域で共に支え合う社会づくりの推進
○ 子育ての喜びを実感できる社会づくりの推進
○ 自立と社会参加を支援する社会づくりの推進
○ 生涯を通じた健康づくりの推進
交流で広がる活気あふれる地域づくり
(主な分野:地域づくり、観光、国際交流、交通体系、ITなど)
○ 地域と世界をつなぎふれあい楽しむツーリズムの推進
○ 交流を支える交通体系の充実
○ 高度情報通信ネットワーク社会の形成
○ 合併による新市建設への支援
Ⅴ
明日の大分を築く心豊かな人づくり
(主な分野:教育、青少年健全育成、NPO、文化、スポーツなど)
○ 多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
○ 多様な県民活動の推進
○ 多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
【基本構想編】
第1章
1
時代の潮流と基本目標
時代の潮流
(1)人口減少の時代
①人口減少・高齢化の進行
・ 日本の人口は、平成 17 年には1億 2,770 万 8 千人、平成 18 年をピークに減少に転じ、
平成 27 年では1億 2,626 万 6 千人になると推計されています。本県の人口は、昭和 60
年の 125 万人を境に減少に転じており、平成 17 年には 120 万 7 千人、平成 27 年では 115
万 4 千人になると推計されています。(図−1参照)
・ 人口減少とともに、今後も世界に類のない速さで高齢化が進行し、65 歳以上人口は平成
12 年の 2,204 万 1 千人(人口構成比 17.4%)から、平成 27 年には 3,277 万 2 千人(人
口構成比 26.0%)になると推計されています。本県においては、平成 12 年の 26 万 6 千
人(人口構成比 21.8%)から、平成 27 年には 34 万 1 千人(人口構成比 29.5%)になる
と推計されています。(図−1参照)
・ 労働力人口の大部分を占める生産年齢人口(15∼64 歳)の推移(平成 17 年∼27 年)を
みると、全国では 729 万 4 千人、本県でも 8 万 5 千人減少すると推計されています。
(図−1参照)
総人口 全国
千人
140,000
126,926
120,000
22,041
総人口 大分県
千人
127,708
25,392
126,266
32,772
1,400
100,000
1,000
80,000
800
60,000
86,380
84,590
77,296
40,000
1,207
266
290
600
775
750
400
20,000
0
1,221
1,200
1,154
341
665
200
18,505
平成12年
年少人口
17,727
16,197
平成17年
平成27年
生産年齢人口
老年人口
図−1
180
167
148
平成12年
平成17年
平成27年
生産年齢人口
老年人口
0
年少人口
全国と大分県の総人口の推移
*平成12年(実績値)の年齢区分別人口には、年齢不詳人口が按分して含まれています。
*総人口と年齢区分別人口の和とは、端数処理の関係で一致しない場合があります。
*年少人口(0∼14歳)、生産年齢人口(15歳∼64歳)、老年人口(65歳以上)
資料:国立社会保障・人口問題研究所(平成 14 年 3 月推計)
・ 今後、生産年齢人口の大幅な減少により、労働力不足に陥ることが懸念されることから、
女性及び高齢者の就業機会の拡大とともに、労働生産性の向上を図ることが求められて
います。
・ 医療・介護など高齢者に係る費用の次世代の負担を軽減するために、高齢者の生活を地
域社会が支えるとともに、高齢者も地域の子育て支援や環境美化などさまざまな形で地
域社会に貢献し、ともに支え合う仕組みをつくる必要があります。
・ 産業活動に大きなウェイトと影響力を持ついわゆる「団塊の世代」が、平成 20 年前後をピ
ークに定年退職を迎えることから、地域の活力を維持するためには、団塊の世代の能力や経
験を経済活動や地域活動に生かせる環境を整備することが必要です。
・ 農山漁村では、昭和一けた世代の第一線からのリタイアが本格化し、集落の崩壊が懸念
されることから、コミュニティを維持していくことが重要な課題です。また、保水機能
など森林や農地が有する多面的機能の維持や地域文化・伝統文化の継承も課題です。
②少子化の進行
・ 日本の年間出生数は、昭和 48 年(約 209 万人)以降減少しており、平成 16 年には約 111
万人で昭和 48 年の 53%にまで減っています。合計特殊出生率※)でみても、昭和 48 年
の 2.14 から、平成 16 年には約 40%減の 1.29 になっており、長期的に人口を維持でき
るとされる 2.07 を大きく下回っています。本県の合計特殊出生率も昭和 48 年の 2.14
から、平成 16 年では約 35%減の 1.40 で、全国より高い数値を示しているものの低下の
傾向にあります。(図−2参照)
・ 子どもの養育・教育に係る経済的・精神的負担の軽減、育児休業など仕事と子育ての両
立を支援する制度の充実、男女共同参画の視点に立った意識改革など、子どもを生み、
育てやすい環境づくりに社会全体で取り組む必要があります。
図−2
出生数及び合計特殊出生率の年次推移
資料:厚生労働省(平成 16 年人口動態統計)
(2)グローバル化の時代
①グローバル化の進展
・ ブロードバンドなどを含む通信技術の発達や交通・輸送手段の広域・高速化を背景とし
て、経済のグローバル化が進展しています。このことは、日本の産業にとって、市場を
海外へ拡大するチャンスである反面、国境を越えた地域間競争を招き、地域の経済基盤
にさまざまな影響を与えることが予想されます。
・ 1990 年代の円高を契機に、人件費が安い中国、東南アジアなど海外への生産拠点の移転
が進み「産業の空洞化」が懸念されていました。しかし、近年、海外では低付加価値の
汎用品を生産し、国内では高難度・高付加価値の戦略製品を生産する、品目による棲み
分けが明確になりつつあります。
・ 今後は、グローバルな競争を勝ち抜く新しい産業集積の形成をはじめ、産業集積の求心
力、エネルギーを保持していくための環境整備、大分の地域資源を活用した産業の育成、
さらには優秀な産業人材の育成に向けた取り組みが大きな課題となります。
・ 貿易自由化に対応した競争力のある農林水産業を構築するため、消費者に選択される安
全・安心な農林水産物の生産・流通体制を確立するとともに、生産・物流コストの削減
に努める必要があります。また、県産品の海外への販路開拓に取り組むことも課題とな
ります。
②国境を越えた交流
・ 文化・スポーツなどさまざまな分野において、海外との交流の機会が増加していますが、
今後、特に経済成長を背景として中国など東アジア地域からの海外旅行客が飛躍的に増
加することが予想されます。観光産業は経済波及効果や雇用創出効果が高いことから、
国は平成 22 年に訪日外国人旅行者数を 1,000 万人にすることをめざした「ビジット・
ジャパン・キャンペーン」を実施するなど、さまざまな取り組みが行われています。
・ 九州地域の観光が相対的に低下している中、訪日外国人旅行者数の増加に向けて九州一
体となって力を結集し、地域資源に磨きをかけた魅力ある地域づくり、外国人が安心し
て旅行できるようなハード・ソフト両面での受け入れ体制の整備、情報発信と誘客活動
などに取り組むことが必要です。(図−3参照)
120
平成22年
100万人
(万人)
100
100
平成14年実績
44万人
80
60
40
30
36
40
33
34
39
38
44
年率10.7%増
20
0
平成7年
平成12年
図−3
平成17年
平成22年
九州の入国外国人数の目標
資料:九州地域戦略会議・九州観光戦略委員会(平成 16 年 10 月)
③高度情報化の進展
・ 平成 16 年度末における全国のブロードバンドサービス利用可能世帯数は、DSL(電
話線を使ったデジタル通信)で 4,630 万世帯、ケーブルインターネットで 3,310 万世帯、
光ファイバによる超高速インターネットで 3,590 万世帯となるなど、情報通信基盤の高
速化が進んでいます。
・ 携帯電話は、日常生活において必要不可欠な情報端末となっていますが、平成 16 年度
末における普及率は、全国の 68.6%に対し、本県では、地形上の理由などから、57.1
%となっています。
・ 平成 15 年末に開始された地上デジタル放送は、本県においても平成 18 年 12 月から開
始され、平成 23 年にはデジタル放送に完全に移行する予定です。
・ 電子自治体の構築による各種行政手続のオンライン化やオンラインショッピング・バン
キングなど、生活の中でITを活用したさまざまなサービスの利用が現実のものとなっ
ています。
・ 誰もが、いつでも、どこでもITの利便性を享受できるようにするため、ブロードバン
ドサービス提供地域や携帯電話通話エリアの拡大など、情報通信基盤の地域間格差を是
正する必要があります。また、県民の情報活用能力の向上を図るとともに、情報セキュ
リティ対策や個人情報保護の徹底など、安全・安心の確保に向けた取り組みが重要とな
っています。
高度情報化社会における生活イメージ
(3)環境の時代
①地球環境問題
・ 地球温暖化の進行により、海水面の上昇による砂浜の消失や低地の水没、地上気温の上
昇にともなう農作物の生産への影響、自然生態系の変化など、人類の生活環境や生物の
生息環境に広範で深刻な影響が生じるおそれがあります。
・ 世界各国と連携して、京都議定書の温室効果ガス削減目標の達成をめざす必要があり、
家庭・事業所などにおいて省エネルギーの推進や環境にやさしいエコエネルギーの導入
などに取り組むことが課題となっています。
・ 大気中に排出されたフロンを始めとしたオゾン層破壊物質により、オゾン層が破壊され
つつあり、地上に到達する有害な紫外線が増加し、皮膚ガンや白内障などの健康被害、
植物やプランクトンの生育阻害などを引き起こすことが懸念されています。
・ オゾン層を保護するため、冷蔵庫・カーエアコンなどに使用されているオゾン層破壊物
質の適切な回収・破壊を促進することが課題となっています。
日本の部門別二酸化炭素排出量の推移
500
(百万トン)
450
︵
排 400
出
350
量
300
二
酸 250
化
炭 200
素 150
換
算 100
︶
50
0
平成2年2
3
西暦(1990年) (1991)
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
(1992)
(1993)
(1994)
(1995)
(1996)
(1997)
(1998)
(1999)
(2000)
(2001)
(2002)
エネルギー変換部門
業務その他部門
廃棄物
産業部門
家庭部門
運輸部門
工業プロセス
資料:地球温暖化対策推進本部[2004]
②身近な環境問題
・ 本県は、澄んだ空気、きれいな水、豊かな森林や海など天然自然に恵まれており、これ
らの美しく快適な環境を守り、次世代に伝えていかなければなりません。このため、県
民、事業所、行政が連携して、健全な水循環系の保全と回復、森林の適正な整備・保全、
沿岸域の総合的な保全・管理などに取り組む必要があります。
・ これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄という社会構造は、廃棄物の処理問題などさ
まざまな環境問題を生じさせていることから、循環型社会の形成に向けて、ごみ分別の
徹底や環境技術の開発・普及などにより、廃棄物の減量化・再資源化を推進する必要が
あります。
(4)安全・安心の時代
①災害への備え
・ 日本は、ユーラシア大陸と太平洋に挟まれた火山帯に位置しており、地形、地質、気象、
地理的に極めて厳しい条件下にあります。平成 16 年には、これまで最多となる年間 10
個の台風の上陸などによる度重なる豪雨の発生や、新潟県中越地震により、全国各地に
大きな被害が発生しました。
・ 本県を含む九州地方は台風の常襲地帯であり、また、例年県内各地で集中豪雨などによる
浸水被害や土砂災害に見舞われています。また、別府湾から県西部にかけて多く分布し
ている活断層による直下型地震の発生や、近い将来には、東南海・南海地震の発生も懸
念されています。
・ 台風や地震などの自然災害は人間の力で回避することはできませんが、被害を最小限に
減らすことはできます。この「被害」を減らすという「減災」の視点で自然災害と向き
合い、いついかなる災害が発生しても的確な対応ができるよう、家庭における備え、地
域における連携、行政における防災対策など、総合的な地域防災力の向上と危機管理体
制の構築を図ることが必要です。
自助・共助・公助の連携による「減災」のイメージ
②巧妙化・広域化する犯罪
・ 全国の刑法犯認知件数は、平成 16 年に 256 万件を記録し、昭和期の約 2 倍の水準で推
移しています。本県でも、平成 10 年以降急増し、平成 15 年には 17,362 件と戦後最多
を記録しました。平成 16 年は 15,482 件で前年対比 10.8%減少しましたが、依然として
高い水準で推移しています。
・ 本県における犯罪情勢は、殺人・強盗などの凶悪犯罪の多発や振り込め詐欺などの身近
な知能犯罪の増加、暴力団などの組織を背景とした犯罪の深刻化、さらには加害と被害
の両面で深刻化を増す少年問題など、市民生活の安全と平穏を脅かす事案が多数発生し
ています。
・ 近年、犯罪は、広域化に加え悪質・巧妙化の傾向が顕著なことから、警察の取締体制を
強化するとともに、地域社会と連帯した犯罪防止体制を整備する必要があります。
③食の安全に対する意識の高まり
・ 近年、BSE(牛海綿状脳症)や高病原性鳥インフルエンザの発生、さらに、食品の産
地や原材料に関する不正表示など、食の安全・安心を脅かす事件が跡を絶ちません。特
に、食品の不正表示問題は多くの消費者の不信を招き、食の安全・安心に対する県民の
要求がますます強くなっています。
・ 食料・食品の生産から加工・流通・販売に至る全ての段階において、安全意識の啓発と
衛生管理体制の整備など、安全な食料・食品を安定供給する体制づくりと消費者への十
分な情報提供が求められています。
食品のトレーサビリティ※)のイメージ
④感染症への備え
・ 腸管出血性大腸菌感染症(O−157等)や結核などが依然として発生しています。ま
た、近年では東アジアを中心としたSARS(重症急性呼吸器症候群)や北米でのウエ
ストナイル熱など致死率の高い感染症が流行しています。
・ 人や物の移動の高速化にともない、感染症の地球規模での流行が懸念される中、こうし
た感染症に対する正しい知識の普及啓発などによる発生予防とともに、万一の発生に備
え、まん延防止体制を確立しておくことが重要です。
(5)分権の時代
①地方自立と地域間競争
・ 構造改革に対応した新しい行政のあり方が求められる中、「地方分権一括法」や「三位
一体の改革」により、国に集中していた権限や税源の移譲が始まり、地方分権改革が進
展しつつあります。
・ 分権型社会にあっては、地域住民が、「自らの地域は自らつくる」という意識をもって、
NPO※)や自治会などの多様な活動に積極的に参加し、行政と協働しながら、持続し、
発展していく地域を構築していくことが求められています。
・ 県内では市町村合併が進展していることから、行政能力が向上する新市などへの権限移
譲を進め、その主体的な取り組みを支援していく必要があります。
・ 分権の時代は、地域が自らの創意と工夫と努力で魅力ある地域をつくり、他の地域と競
い合う地域間競争の時代でもあります。今後は、地域間競争に打ち勝っていけるような
魅力ある地域づくりを進めることが必要です。
・ グローバル化の進展とも相まって、広域的な連携・協調により地方としての競争力を高
める動きが広がっています。九州においても「九州地域戦略会議」が設立され、九州の
一体的発展に取り組んでいます。
・ 分権型社会の構築に向けて、九州が一体となった施策や行政の簡素・効率化という観点
から、道州制を含む県のあり方を見直す議論は避けられません。九州地方知事会におい
ても道州制などに関する研究を進めるとともに、「九州観光戦略」のほか、試験研究の
連携、水産高校の実習船の共同運行など九州各県と連携した取り組みを進めていく必要
があります。
②財政の制約
・ バブル経済の崩壊後、日本経済は長期にわたって低迷し、税収入の減少と度重なる経済
対策により、平成 16 年度末の国の長期債務残高は 570 兆円程度、同年度税収入(41.8
兆円)の約 13 倍となっています。
・ 本県においても、長期的な景気の低迷などによる県税収入の減少や地方交付税の伸び悩
みなどから平成 16 年度末の地方債残高が 9,899 億円となるなど、財政事情は厳しさを
増しています。
・ 今後の行財政運営にあたっては、「選択と集中」の観点から、重点的・効果的かつ効率
的に財源と人材を投入することが求められます。
・ 県民の理解と協力が得られるよう、行財政運営の透明性の確保や業務のアウトソーシン
グなどによる行政コストの削減に努め、財政健全化を達成することが課題となります。
2
基本目標
県民が、こうした時代の潮流の中で夢と希望を持ち、心豊かに暮らせる21世紀
の新しい大分県づくりをめざして、基本目標を以下のとおり掲げます。
『県民とともに築く「安心」「活力」「発展」の大分県』
○
安心して心豊かに暮らせる大分県
○
知恵と努力が報われる活力ある大分県
○
人材あふれる発展の大分県
もとより、大分県の未来を担い、その中心となるのは、大分県に暮らす一人ひと
りの県民です。基本目標の実現にあたっては、次の3点を基本姿勢として臨みます。
『県民が主役』
分権と地域間競争の時代にあって、地域を守り、地域経済を活性化し、地域を自
立させることができるのは、地域に暮らす県民であり、「安心・活力・発展の大分
県」を実現する主役は県民です。
『県民の多様な価値観の尊重』
さまざまな環境の中で生まれ、育ち、暮らしている一人ひとりの県民は、それぞ
れの価値観と考え方を持っています。すべての県民にとって「安心できる、活力に
満ちた、発展の可能性にあふれる大分県」であるために、県民の多様な価値観を尊
重します。
『県民の発想と活動の支援』
行政の役割は、主役である県民を支えることです。開かれた県政の実現と行政サ
ービスの向上をめざす電子県庁の構築に取り組むとともに、NPOとの協働や地域
通貨、構造改革特区、地域再生などの新しい行政手法を積極的に活用することによ
り、県民の豊かな発想を生かし、自由な活動を支えます。
第2章
重点戦略
新たな地域間競争に打ち勝っていくためには、県民と行政がめざす
べき目標を共有し、「豊かな天然自然」、「21世紀型の生産拠点」、
「国の内外との交流拠点」という本県の特色に磨きをかけ、また、弱
いところはカバーしながら、光り輝く大分県を築いていくことが必要
です。
このため、「選択と集中」の理念に従って分野横断的に次の8つの
重点戦略を掲げ、集中的、重点的に取り組むことにより、基本目標で
ある『県民とともに築く「安心」「活力」「発展」の大分県』の実現
をめざします。
安
心
豊かな天然自然・磨き輝き戦略
本県の大きな魅力である豊かな天然自然に磨きをかけ、さらに輝かせ
る行動を県下各地域に起こし、全国に誇れる美しく快適な大分県を創造
します。このため、県民総参加による「ごみゼロおおいた作戦」を展開
し、環境保全の取り組みやリサイクルなど資源循環の取り組み、省資源・
省エネルギー運動、新エネルギー導入の取り組みを進めます。併せて環
境関連技術の開発を支援し、循環型環境産業を育成します。
1
廃棄物の減量化・再資源化に向けた発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・
再生利用(リサイクル)の促進やバイオマス発電など、新エネルギーの導入促進
注)Ⅰ-1-(2)
イメージ:これからの循環型社会
・一般廃棄物リサイクル率22%以上、産業廃棄物リサイクル率43%以上をめざします。
・生活排水処理率90%をめざします。
2
産学官連携や異業種間連携などによる環境関連技術の研究開発への支援と進出
企業から地場企業への技術移転など、循環型環境産業への参入促進
Ⅰ-1-(4)
写真:地場企業が産学官連携により開発した食品廃棄物から
有機肥料などをつくる再資源化装置
・産学官で高度な技術開発に取り組みます。
・大分版エコタウンプランを策定し、循環型環境産業を
育成します。
3
県民一人ひとりの環境への意識を高め、美しく快適な地域社会を創造する“ここ
ろ”をはぐくむ環境教育の推進
Ⅰ-1-(5)、Ⅴ-1-(1)
写真:環境教育アドバイザーによる自然観察会
・学校、地域社会、職場などで環境教育や学
習を進めます。
「ごみゼロおおいた作戦県民会議」などからの意見をもとにした環境保全活動を
はじめとする環境関連施策の展開やNPOなどへの活動支援による、県民総参加
での「ごみゼロおおいた作戦」の展開
Ⅰ-1-(1) 、Ⅰ-1-(3)、Ⅰ-1-(5)、Ⅴ-2-(1)
4
写真:観光地での美化活動に多くのボランティア
が参加した「県民一斉ごみゼロ大行動」
・
「県民一斉ごみゼロ大行動」や「夏の夜の大作戦」など、参加型の環境保全活動を進めます。
・森林環境税の導入などにより、県民総参加の森林(もり)づくりを進めます。
注)記載している記号(例Ⅰ-1-(2))は、基本計画編の関連する施策番号です。
安
心
県民が支え合う福祉コミュニティ形成戦略
子どもを生み育てることに喜びを感じられる、そして、高齢者が生涯
現役として活躍でき、障害者も地域で生き生きと生活できる環境づくり
を推進します。併せて、地域での見守り・支え合いの輪を広げていく取
り組みを進めます。
1
身近な場所で気軽に相談・交流ができる子育て支援のための拠点整備やネット
ワーク化など、子育てを地域全体で支えるシステムの構築
Ⅱ-2-(1)、Ⅱ-2-(2)
次世代育成キャンペーン
∼ふれあい・子育て・夢∼
三行詩の部 大分県知事賞
我が子から
初めてママと呼ばれた日
思わず涙が溢れ出す
写真:親子の笑顔がいっぱい
つどいの広場「花っこルーム」(豊後高田市)
・ 「つどいの広場」や「放課後児童クラブ」などの設置を進めます。
・ 子育て家庭の経済的負担の軽減や育児休業制度の普及を進めます。
・ 合計特殊出生率(平成 16 年:1.40、全国 16 位)の低下に歯止めを
かけ、全国 10 位以内をめざします。
2
高齢者や障害者をはじめ誰もが住み慣れた地域で自立して生活できるよう、地
域ケア体制の整備や介護予防・健康づくりの推進、就労やボランティアなどの
社会参加活動の促進
Ⅱ-3-(1)、Ⅱ-3-(2)、Ⅱ-4-(1)
写真:温泉を利用した健康づくりは
生活習慣病に湯∼効
・健康寿命男性 80.3 歳、女性 85.1 歳をめざ
します。
3
住民ニーズにきめ細かく対応できる身近な地域での見守り・支え合い活動の普
及と、それを支える人材(リーダー)の育成
Ⅱ-1-(1)、Ⅱ-1-(2)
写真:近隣の人や民生委員などが参加している
「こんにちは・あんしん隊」の活動
(豊後大野市緒方町)
・コミュニティによるサービスの提供を拡大
します。
4
「人を思いやる心の醸成」をはじめ「まちづくり」や「ものづくり」など、あ
らゆる分野でのユニバーサルデザイン思想の普及啓発
ユニバーサル社会への取り組み
Ⅱ-1-(1)
お互いの多様性を認め合い
共に生き支え合う社会
県民
○人を思いやる心の醸成
○「より多くの人のために」という意識づくり
○より多くのニーズに応えるもの・まち・制度・
仕組みづくり、情報・サービスの提供
企業・団体
行政
写真:高齢者や障害者とのふれあいを通して「思い
やりの心」をはぐくむボランティア協力校の
生徒達
写真:さまざまな状況に合わせて使えるトイレ
安
心
「備えあれば憂いなし」安全・安心戦略
台風や地震などによる自然災害、SARS、BSE、高病原性鳥イン
フルエンザの発生、さらには広域化に加え悪質・巧妙化する犯罪など、
さまざまな「危機」から県民の暮らしを守るため、災害に強い基盤整備
などを進めます。また、県民の「危機管理」意識の向上を図り、「備え
あれば憂いがない」暮らしづくりに取り組みます。
1
災害防止事業の推進や、避難地・復旧支援基地として利用可能なオープンスペ
ースの確保、警戒避難体制の整備、自主防災組織の育成強化、災害時要援護者
対策など、災害に強いまちづくり・人づくりの推進
Ⅰ-2-(1)
写真:洪水調節などを目的としている稲葉ダム
(完成予想図:竹田市)
写真:地域住民も参加して行われた化学物質
被害を想定した災害訓練
・防災活動のリーダーを養成するなど自主防災組織を中心とした地域ぐるみでの
「地域防災活動」を支援します。
2
SARSなど感染症の発生予防とともに、その発生時に備え、迅速な情報提供
や正確な検査・診断などのまん延防止体制の整備
Ⅱ-4-(1)
写真:社会福祉施設や学校などの職員を対象にした
腸管出血性大腸菌感染症(O−157)の発
生・まん延の防止研修会
・健康危機発生時に迅速かつ適切に対応でき
る体制を整備します。
3
安全な食料の生産と食品の加工、流通体制の整備、食に関する情報公開、食を
通して健康で豊かな心身をはぐくむ「食育」の推進など、食の安全・安心の確保
Ⅰ-2-(4)
写真:食肉の安全を確保するBSE検査
・トレーサビリティシステムなどにより食に関す
る情報提供を進めます。
4
地域社会と連帯した防犯活動の展開や地域住民による自主防犯活動への支援、
犯罪防止に配慮した住宅・道路・公園・駐車場の整備など、犯罪に強い地域社
会の形成
Ⅰ-2-(2)
写真:県内各地に組織されている自主防犯パト
ロール隊
・犯罪・防犯情報の提供や防犯研修会の実
施などにより自主防犯活動を支援しま
す。
5
さまざまな「危機」に対応できる人材の育成や調査・研究など、危機管理体制
の強化
Ⅰ-2-(1)
写真:自治体、消防団、自衛隊など防災関係機関が連携し
た防災訓練
・ 東南海・南海地震などに備え、大規模避難訓練を
実施するなど、災害発生時の対応力を高めます。
・ ボランティアコーディネーターの養成や応急危険度
判定士の確保など県民参加型の防災体制づくりを
進めます。
活
力
おおいた産業活力創造戦略
地場企業と進出企業が連携し共に発展していく「21世紀型の産業ク
ラスター(産業集積)
」の形成を進めます。併せて、進取の精神で事業に
挑戦していく機会をつくり、知恵とアイデアを共有しながら、創意工夫
でチャレンジする企業や商店などを支援し、活力あふれる産業づくりを
めざします。
1
技術力のある地場企業の集積が進みつつある半導体産業、新たな立地が進みつつ
ある電気機器や自動車などの高度加工組立型産業、産業廃棄物の再資源化や省エ
ネルギーに対応する循環型環境産業など、先端ものづくり産業の集積
Ⅲ-1-(1)
2
地場企業の技術力向上や経営革新の取り組みへの支援、戦略的・効果的な企業立
地の推進、新しい技術やビジネスモデルに挑戦するベンチャー企業の育成など、
産業集積に活力を与える環境の整備
Ⅲ-1-(1)
3
本県の強みである発酵・醸造分野を中心にした食品科学産業の高度化、温泉や石
灰石などの特色ある資源に先端技術を応用して高付加価値化した新たなビジネ
スの創出、農林水産業と製造業の連携促進など、地域資源を活用した産業の育成と集
積
Ⅲ-1-(1)
半導体の高度な設
計、製造、検査評
価技術の戦略的集
積
高度加工組立型産
業とこれを支える
部品・材料産業の
集積
食品科学産業
循環型環境
産業
コンビナート企業
や地場企業による
リサイクル、省エ
ネ等の取り組み
伝統的な発酵、醸造技術等を生
かした食品科学産業の高度化
産業集積に活力を与える環境の整備
産業集積に活力を与える環境の整備
• 産学官連携の促進
• 産学官連携の促進
• 戦略的なベンチャー支援と地場企業の経営革新の推進
• 戦略的なベンチャー支援と地場企業の経営革新の推進
• 戦略的・効果的な企業立地の推進
• 戦略的・効果的な企業立地の推進
• 第二創業の促進
• 第二創業の促進
• 知的財産対策
• 知的財産対策
• 産業を支える基盤整備(IT、人材育成)
• 産業を支える基盤整備(IT、人材育成)
特色ある地域資源
温泉、石灰石、竹、木材等の高
機能化による地場産業の高度化
連携
高度加工組
立型産業
連携
半導体
クラスター
地域資源活用型産業の育成
地域資源活用型産業の育成
周辺
辺 地
地 域
域・
・第
第 一
一次
次 産
産 業
業
周
先端ものづくり産業の集積
先端ものづくり産業の集積
4
創意工夫でチャレンジする商店街や魅力ある個店づくりへの支援、首都圏におけ
るおおいたの物産や観光などの情報発信拠点の整備、地域資源を生かしたコミュ
ニティビジネスへの支援など、商業・物産・サービス産業の振興
Ⅲ-1-(2)
写真:「昭和30年代」をコンセプトにした商店街づくりに
より賑わいを取り戻した豊後高田昭和の町
・統一したコンセプトに基づいて活性化に取り組む商店街づくりを支援します。
・地域自らが持つ固有の資源・得意分野を生かすコミュニティビジネスの振興を図ります。
・首都圏において物産や観光などの情報を発信する「おおいた」発信拠点を整備します。
5
企業ニーズに応じた人材育成を行うための産学官が連携した産業人材育成ネッ
トワークの形成、製造業の現場を支える人材育成型企業の育成、若年者の就業
観・勤労観の醸成などによる、人材の育成と安定した雇用の確保
Ⅲ-1-(3)
写真:ものづくり産業を支える高度な人材を育成する工科短期大学校
・人材不足、雇用のミスマッチ解消と安定雇用の確保に取り組みます。
・若年者の就業観・勤労観の醸成を図り、フリーターや若年無業者の増加を防止します。
・団塊世代をはじめとした職業経験豊かな人材の活用促進に取り組みます。
活
力
もうかる農林水産業
「The・おおいた」ブランド確立戦略
消費者の立場に立った安全・安心な農林水産物を生産し、これに恵ま
れた自然環境、豊かな地域資源や美しい景観などの「おおいたらしさ」
を付加し、全国に通用する安全・安心、美しい、おいしい「The・おおい
た」ブランド※)を確立します。
1
県独自の安全・安心農産物認証・表示制度の普及や生産履歴情報の開示など
による消費者に信頼される商品づくり
Ⅰ-2-(4)、Ⅲ-2-(1)
減農薬・減化学肥料栽培の農産物を認証
する e-na おおいた農産物ロゴマーク
・e-na おおいた農産物生産面積8,000ha をめざします。
・生産履歴のデータベース化とトレーサビリティシステムを導入します。
2
広域・県域での生産流通体制の強化により、流通の大きな変化や大量・周年
の需要に応える競争力のある商品づくり
Ⅲ-2-(1)
カボス
乾しいたけ
豊の活ぶり
・トマト、カボス、キク、豊後牛、しいたけ、ぶり、県産材などを戦略品目
として選定し、大分の顔となる産品に育てます。
・広域・県域で技術・規格を統一し、生産販売を行います。
時代をリードし、もうかる農林水産業を実践する企業的経営体や地域ぐるみ
で効率的な生産に取り組む集落営農組織の育成、県外からの優良農業企業者
の誘致などによる力強い担い手づくり
Ⅲ-2-(2)、Ⅲ-2-(3)
3
写真:農地を集約し作業を共同化して効率化を図る集落営農
グループ
・3,500人を目標に農業企業者を育成します。
・200組織を目標に集落営農法人を育成します。
・40団体を目標に認定林業事業体を育成します。
・230人を目標に中核的漁業者を育成します。
4
農業、林業、水産業の一体化と関連する製造業、流通・サービス業などの連
携による地域の総合力を発揮した新たなビジネスづくり
Ⅲ-2-(4)
写真:農林水産業と他産業が連携した商品づくり
・産業間連携を促すコーディネーターを育成します。
・異業種間の新たな連携による商品開発や販路開拓を進めます。
・契約栽培などによる生産者と流通・加工業との安定した需給体制を確立します。
5
森林・田畑・海の環境保全と、快適で災害に強い農山漁村の生活環境づくり
Ⅰ-1-(1)、Ⅰ-1-(2)、Ⅰ-1-(3)、Ⅰ-2-(1)
写真:間伐を実施し整備され
た森林
写真:きれいに管理され、景観が
美しい棚田
写真:海の生き物の産卵場となる藻場
・森林、農地、海浜の持つ多面的機能を維持・保全します。
・土砂流出などの災害を未然に防ぐ、森林の整備を進めます。
活
力
住んでよし来ても楽しいおおいた戦略
美しい自然、身も心もやすらぐ温泉、歴史に彩られた文化、新鮮で豊
かな食材などの地域資源に磨きをかけ、魅力ある地域を県下各地域につ
くります。魅力ある地域が形成されれば、その評判が周囲に拡がり、観
光客が訪れるようになることから、観光と地域づくりを一体のものとし、
関連分野が連携した総合的な「ツーリズム」を振興します。
1
地域の特性や景観に配慮したまちなみや
農山漁村環境の整備など、みんなが楽し
めるツーリズム基盤の整備推進
Ⅳ-1-(1)
・歴史的なまちなみの整備など地域の魅力を
引き出すまちづくりや電線地中化などの景
観整備を進めます。
写真:昔のまちなみとにぎわいがもどった豆田町(日田市)
2
医療や癒しをテーマとした健康産業の創出や
グリーンツーリズム・ブルーツーリズム・エ
コツーリズム、スローフード運動の推進、世界ト
ップレベルの工場、文化・スポーツのビッグイベ
ントなどをとりこんだツーリズムの推進
Ⅳ-1-(1)
・あらゆる産業とツーリズムの融合を進めます。
写真:観光の新たな目玉となる大迫力の
進水式(臼杵市)
3
フィルム・コミッション、留学生や中国・韓国との国際定期便などを生かした
国際情報の発信など、国内外に向けたツーリズム情報の発信
Ⅳ-1-(1)
写真:「パノラマ風景写真で観光する大分県」(HP)による大分の魅力の情報発信(別府市)
(http://www.d-b.ne.jp/ooita/)
・首都圏の「おおいた」情報発信拠点やインターネットなどを活用して、おおいたの魅
力を国内外にPRします。
4
地域資源を生かした民間の自主・自立の地
域活動の促進とこれによる人材育成、地域
特性や既存ストックの魅力を引き出す構造改革
特区や地域再生の取り組みの拡大
Ⅳ-1-(1)
・住民やNPO法人などが自ら企画し実践する地域
活動を広く一般に提案公募し、初動期の支援を行
います。
・構造改革特区や地域再生に向けた地域の自主的・
主体的な取り組みを支援します。
5
写真:みんなで復活させた湯治場の足
温泉公共利用施設の実態調査や利用者に分かりやすい温泉表示の推進などによ
る、温泉資源の保護と適正利用の推進
Ⅰ-1-(1)
温泉地が独自に取り組んでいる
温泉表示の例(主なものを抜粋)
・お湯の感覚評価(つるつる感、味覚、
におい、珍しさなどをそれぞれ5段階
評価)
・お湯の色、濁り具合
・入浴した際の感覚と成分の関係などに
関する簡単な解説
・浴槽内の成分分析情報
・加水している場合の程度 など
写真:お湯の感覚や成分が一目でわかる独自の温泉表示
・利用者のニーズに応じた分かりやすい温泉表示を県下の温泉地に広げます。
6
誰もが利用しやすいものやサービスをめ
ざすユニバーサル社会の構築に向けた、
企業・団体・行政の連携と協働の推進
Ⅱ-1-(1)、Ⅳ-1-(1)
・観光地などにおける障害者の受入体制を充実す
るサポートボランティアを育成します。
写真:障害者が歩きやすいまちづくりを進める
ためのバリアフリーモニターツアー
発
展
明日を拓く人づくり戦略
夢と希望にあふれた大分の創造をめざし、知・徳・体の調和のとれた
学校教育を推進するなど、教育改革を着実に推進します。また、青少年
の健全育成と生涯学習社会の実現に向けた取り組みを進めます。さらに、
NPOなどの核となる人材育成と主体的にスポーツに取り組み生き生き
と暮らすことができる人づくりを推進します。
1
自己実現を図るための学力向上(知)、他人を思いやる心など豊かな人間性の育
成(徳)、たくましく生きるための健康や体力の保持・増進(体)をめざす学校
教育の推進
Ⅰ-2-(4)、Ⅴ-1-(1)
写真:30人学級で生き生きと学ぶ児童達
・学力向上対策
①小学校では、30人学級を拡充するなどきめ細かな指導
を充実し、基礎・基本の確実な定着を図ります。
②中学校では、確かな学力を身に付けさせ、生徒の希望の
実現に向けて進路指導を充実します。
③高等学校では、生徒が抱く将来の夢を達成できるよう進学力・就職力の向上を図ります。
・生命を大切にする心や規範意識などをはぐくむ道徳教育を充実します。
・学校体育や運動部活動の活性化を図り、食育の推進など健康教育も充実します。
2
生徒の多様な能力・適性、興味・関心、進路希望などに対応した特色・魅力・活
力ある高等学校づくりの推進
Ⅴ-1-(2)
イメージ:新しいタイプの新設高校の一例
・ 学校規模の適正化や学校・学科の適正配置、新しい
タイプの学校の設置・導入、拠点校づくり、通学区
域制度の撤廃などにより、高校が変わります。
3
社会への適応に困難を抱える青少年やその保護者などに対する、学校・家庭・地
域・関係機関の連携によるサポート体制の構築
Ⅴ-1-(5)
写真:青少年の相談に応じる大分っ子フレンドリー
サポートセンターの職員
・ NPOなどとも協力して、子どもの悩み、親の
悩みに24時間いつでも対応します。
4
すぐれた芸術文化を鑑賞できる機会の拡充と青少年に自然科学への興味・関心を
抱かせる環境の整備、県民の生涯学習を支える学習情報提供システムの充実
Ⅴ-1-(4)、Ⅴ-3-(1)
イメージ:絵画鑑賞を楽しむ県民と科学実験を行う
青少年
・ 県民がすぐれた芸術文化に触れる機会を拡
充したり、青少年が自然科学を体験し、親し
むことのできる施設やプログラムを充実し
ます。
5
福祉や教育、環境、地域づくりなど、さまざまな分野で活躍するNPOなどの
核となるたくましい人材の育成と団塊の世代などの知恵と活力が発揮できる
ネットワークづくりの推進
Ⅴ-2-(1)
写真:NPOによる集団遊びを通じた親子のための
ワークショップ
・社会に貢献するNPO活動への参加を促進
します。
6
大分らしい国体・全国障害者スポーツ大会の開催を契機とする競技人口の拡大、
競技力の向上、障害者スポーツの振興や気軽にスポーツに親しむことができる
環境の整備
Ⅱ-3-(2)、Ⅴ-3-(3)、Ⅴ-3-(4)
チャレンジ!おおいた国体
チャレンジ!おおいた大会
マスコットキャラクター
“めじろん”
写真:大分らしい国体・障害者スポーツ大会を
開催する大分スポーツ公園総合競技場
・ スポーツの普及・振興や競技水準の向上を
図ります。
3w
発
展
交流拠点ちゃくちゃく戦略
人、モノ、情報の交流を拡大し、大分の発展を支えるため、広域交通
網や高度情報通信基盤の整備を着実に進めます。また、世界各国からの
多くの留学生の力を生かし、人と人、地域と地域の豊かなネットワーク
を広げながら、東アジアをはじめ、国の内外との交流拠点を形成します。
1
東九州自動車道、中津日田道路、大分中央幹線道路、中九州横断道路、宇佐国見
道路、大分光吉ICフルインター化などの高速交通体系やこれらにアクセスする
幹線道路、隣接地域間の連携・交流を支える道路の整備推進
Ⅳ-2-(1)、Ⅳ-2-(2)
・東九州自動車道「椎田∼中津∼宇佐間」や「津久見∼佐伯∼北川間」の早期事業着手・完成
をめざします。
2
別府港、中津港などの港湾整備や大分駅付近連続立体交差事業の推進
Ⅳ-2-(1)、Ⅳ-2-(2)
−2015年の高速交通体系予想図−
凡
例
供用(平成 16 年度末現在)
供用予定
計 画
※供用予定区間及び計画区間には、
事業中の箇所を含みます。
3
携帯電話通話エリアの拡大やブロードバンドサービスの普及など情報通信基盤
の整備促進と、電子自治体の構築や情報活用能力の向上など県民生活の情報化
推進
Ⅳ-3-(1)、Ⅳ-3-(2)
Internet
豊の国
ハイパーネットワーク
イメージ:豊の国ハイパーネットワークの活用により進む地域のブロードバンド化
・ブロードバンド世帯普及率70%をめざします。
・電子申請届出の年間申請件数の割合30%をめざします。
4
留学生などを生かした海外ネットワークの構築による、中国・韓国など東アジア
諸国との経済交流の推進
Ⅲ-1-(2)、Ⅳ-1-(2)
写真:上海での展示商談会で県産品をPR
・県庁内に設置した「中国交流サポートセンター」
が窓口となって、ワンストップサービスで中国と
の交流を進めます。
5
「大学コンソーシアムおおいた」などとの連携による、留学生が参画した活力あ
る地域づくりの推進
Ⅳ-1-(2)
写真:魅力ある商店街づくりに参画する留学生の店
(別府市ソルパセオ銀座)
・留学生人材情報バンクを活用し、留学生の地域活
動を積極的に支援します。
・留学生のインターンシップなど、留学生の受入環
境の整備や就職支援プログラムを進めます。
【基本計画編】
第3章
分野別政策
『県民とともに築く「安心」「活力」「発展」の大分県』という基本
目標の実現のために、8つの重点戦略を分野横断的に推進しますが、分
野別政策の基本方向と施策の体系は以下のとおりです。
1
分野別政策の基本方向
Ⅰ
人・水・緑が輝く環境づくり
(主な分野:ごみゼロ、災害、治安、食品安全、人権など)
(1)恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
大分の恵み豊かな自然環境を守り、全国に誇れる環境に配慮した美しく快適な県土
づくりを県民総参加でめざします。
(2)安全・安心な暮らしの確立
県民と行政が連携し、災害に強く、犯罪や交通事故が少ない社会と安全で安心な暮
らしの確立をめざします。
(3)人権を尊重し共に支える社会づくりの推進
県民一人ひとりが尊重され、ともに支え合う社会の確立をめざします。
Ⅱ
みんなで支え合う笑顔に満ちた社会づくり
(主な分野:児童、高齢者、障害者、健康、医療など)
(1)地域で共に支え合う社会づくりの推進
県民と行政の幅広い連携と協働による福祉・保健・医療サービスを総合的に提供す
る体制づくりと、すべての人が暮らしやすい環境を始めから整備していく「ユニバー
サルデザイン」の推進により、みんなで支え合う社会づくりをめざします。
(2)子育ての喜びを実感できる社会づくりの推進
子育てに関する多様なサービスの提供や子育てとの両立ができる就業環境の整備、
保健・医療体制の充実により、安心して子どもを生み育て、子育ての喜びを実感でき
る社会づくりをめざします。
(3)自立と社会参加を支援する社会づくりの推進
高齢者や障害者が、就業や社会参加により、生きがいを持って住み慣れた家庭や地
域で暮らせる環境づくりをめざします。
(4)生涯を通じた健康づくりの推進
生活習慣の改善など疾病予防対策と医療提供体制の整備により、県民一人ひとりの
「健康寿命」の延伸をめざします。
Ⅲ
豊かな生活を支える力強い産業づくり
(主な分野:商工労働、農林水産業)
(1)活力を創造する商工業等の振興
県内企業や人材の活力とチャレンジ精神を十分に引き出し、活力あふれる産業経済
の基盤構築をめざします。
(2)知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
個性豊かで競争力のある産地の形成により、「知恵を出し汗をかいてもうかる農林
水産業」をめざします。
Ⅳ
交流で広がる活気あふれる地域づくり
(主な分野:地域づくり、観光、国際交流、交通体系、ITなど)
(1)地域と世界をつなぎふれあい楽しむツーリズムの推進
個性豊かな大分の地域資源に磨きをかけ、多くの県民が自信、誇り、愛着を持てる
魅力ある地域づくりと、地域に活力や競争力を生み出す国際交流の推進により、国の
内外から訪れる人と地域住民がふれあい楽しむツーリズムをめざします。
(2)交流を支える交通体系の充実
東九州自動車道などをはじめとする広域交通網の整備促進や、地方部の生活と社会
サービスの拡充を支える道路整備の推進により、産業競争力と県民の利便性の向上を
めざします。
(3)高度情報通信ネットワーク社会の形成
情報通信基盤の充実や情報活用能力の向上により、県民が等しくかつ容易に電子化
による各種サービスを受けられる社会をめざします。
(4)合併による新市建設への支援
新市建設計画の具体化や旧町村地域におけるさまざまな取り組みに対する支援によ
り、新市の自立と旧町村地域と一体となった発展をめざします。
Ⅴ
明日の大分を築く心豊かな人づくり
(主な分野:教育、青少年健全育成、NPO、文化、スポーツなど)
(1)多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
学校・家庭・地域の連携・協働による教育を推進し、知・徳・体のバランスのとれ
た青少年を育成するとともに、県民の生涯を通じた学びを支える環境づくりをめざし
ます。
(2)多様な県民活動の推進
さまざまな分野で活動するNPOを支援し、NPOと行政が連携・協働する社会を
めざします。
(3)多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
多彩な県民文化の振興による地域に誇りと愛着を持つ人づくりや、県民一人ひとり
が生涯にわたりスポーツに親しみ健康で活力に溢れる生活が送れるようスポーツ環境
の整備とスポーツ人口の拡大をめざします。
2
施策の展開
Ⅰ
人・水・緑が輝く環境づくり
1 恵まれた環境の未来への継承 ∼ごみゼロおおいた作戦の推進
(1)豊かな自然との共生と快適な地域環境の創造
(2)循環を基調とする地域社会の構築
(3)地球環境問題への取り組みの推進
(4)環境産業の育成
(5)すべての主体が参加する地域社会の形成
2 安全・安心な暮らしの確立
(1)災害に強い県土づくりの推進
(2)犯罪に強い地域社会の形成
(3)安全で快適な交通社会の実現
(4)食の安全・安心の確保
(5)県民生活の安定と向上
3 人権を尊重し共に支える社会づくりの推進
(1)人権を尊重する社会づくりの推進
(2)男女共同参画社会の実現
Ⅰ−1
恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
(1)豊かな自然との共生と快適な地域環境の創造
現状と課題
・ 経済活動の広がりなどにより、すぐれた自然が残されてい
る地域が減少し、多くの野生動植物が生息・生育の場を失
いつつあります。自然からの恩恵を将来にわたり持続的に
享受するには、その保護や野生動植物との共生を図ってい
く必要があります。
大船山・坊ガツル
・ 自然志向が高まり、多くの人々がハイキング、キャンプ、トレッキングなどを通して
自然のフィールドを利用しています。しかし、植物の採取やゴミの放置など自然を傷
つける行為も多く見られるため、利用者の自然を守る意識を高める必要があります。
・ 温泉資源は本県の大きな財産です。しかし、近年、過剰利
用により温泉資源の衰退が懸念される地域も見られ、その
保護が課題となっています。また、温泉の偽装表示などが
社会問題化しており、利用者への正確で分かりやすい情報
の提供が求められています。
・ 豊かな自然環境を保全しつつ、快適な生活環境を実現する
鉄輪温泉
ためには、貴重な景観や自然環境との調和を図りながら、社会基盤を整備していくこ
とが必要です。
・ 農林水産業の担い手不足、農山漁村の過疎化などにより、農地、森林、海浜の有する
洪水防止、水源かん養、水質浄化などの多面的機能の維持が困難になっていることか
ら、県民と協働してこれらの維持・保全活動に取り組む必要があります。
これからの基本方向
・ 本県の有する豊かで多様な自然や生態系は県民共通の財産であり、その
恵みを将来にわたり享受していくため、県民全体で自然や生態系を保
護・保全していく体制づくりと適正利用を推進します。
・ 貴重な資源である温泉の持続可能な利用に向けて、温泉資源の保護・適
正利用を推進し、利用者が求める温泉情報を積極的に提供します。
・ 自然環境の保全・再生などに配慮した環境に負荷の少ない社会資本整備
に努めるとともに、農山漁村の持つ多面的機能の維持・再生を図ります。
暮らし・環境Ⅰ-1-(1)
主な取り組み
① 自然や生態系の保護・保全と適正利用の推進
・ 絶滅のおそれのある野生動植物の保護に向けた
希少野生動植物の保護に関する条例の制定や保
全・復元プランの策定
・ 野生動植物の保護管理体制の充実強化
・ 自然体験活動を行う指導者などに対する情報の
提供
・ 自然保護NPO※)などのネットワークの構築支援
・ 自然公園※)などの適正管理の推進
希少野生植物(サギソウ)
② 温泉資源の保護と適正利用の推進
・ 温泉の新規掘削の制限など温泉法に基づく規制や指導の徹底
・ 温泉公共利用施設の実態調査などによる泉質や成分掲示の徹底
・ 利用者のニーズに応じた分かりやすい温泉表示の推進
③ 快適な地域環境の保全と創造
・ 地域のまちなみや歴史・文化などと調和したうるおいのある道づくりの推進
・ 水辺(河川、海岸、港湾)の環境保全と親しめる水辺づくりの推進
・ 自然とふれあえる森林(もり)づくりの推進
・ 都市周辺部の緑地保全や都市公園の整備などによる多様な都市内緑地の創出
・ 中山間地域等直接支払制度※)の活用による農地や水路、里山※)の適正管理の推進
・ 地域住民、NPOなどとの協働による農地や水路の維持・保全活動の推進
・ 藻場※)や干潟※)に代表される沿岸環境の保全・再生
目標指標
指
標
名
特に保護が必要な希少野生動植物の指定
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
種
−
−
15
20
法人
76
H16
140
180
利用者に分かりやすい温泉表示認証件数
件
−
−
200
250
1人あたりの都市公園面積
㎡
10.8
H16
12
13
%
75.0
H16
80
85
ha
−
−
11,000
19,000
数
環境保全活動を行うNPO法人数
中山間地域の集落活動
(集落協定締結面積※)割合)
漁場再生面積※)
暮らし・環境Ⅰ-1-(1)
Ⅰ−1
恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
(2)循環を基調とする地域社会の構築
現状と課題
・ 地域社会が一体となって、廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再
生利用(リサイクル)の3Rに沿った廃棄物の減量化・再資源化を推進し、
「循環型社
会」への移行を進める必要があります。
・ 産業廃棄物の不法投棄・不適正処理を防止し、
周辺住民の不安を除く必要があります。
・ 農林水産業の副産物などのバイオマス資源は、
堆肥や飼料としての利用促進だけではなく、燃
焼によるエネルギー利用など、新たな利活用を
進めていく必要があります。
ごみの資源化を行う「エコセンター番匠」
・ 「21世紀は水の時代」とも言われていますが、
本県の豊かな水源と良好な水質を将来にわたっ
て保全していくためには、人と水の関わりを治
水、利水、環境の3つの側面から総合的にとら
えていく必要があります。
・ ダイオキシン類やアスベストなどの化学物質が、
今後、人体や生態系に有害な影響を及ぼすこと
が懸念されていることから、環境中の濃度の監
視と適切な管理が求められています。
水質日本一を誇る大野川(豊後大野市)
これからの基本方向
・資源やエネルギーの効率的・循環的な利用を進め、廃棄物の発生抑制や
適正処理などを図り、環境に与える負荷を極力抑えた循環型社会づくり
を推進します。
・健全な大気・水循環機能の維持・回復に努めるとともに、生態系に有害
な影響を及ぼすことが懸念されている化学物質の適正管理を推進しま
す。
暮らし・環境Ⅰ-1-(2)
主な取り組み
① 廃棄物の減量化・再資源化と適正管理の推進
・ 「大分県ごみ処理広域化計画※)」に基づく計画的な施設の整備促進
・ NPO法人・ボランティアが地域通貨(エコマネー)などを活用して行うごみ減
量化・リサイクル活動や事業所の一般廃棄物の減量化の促進
・ 産業廃棄物税※)を用いたリサイクルのための研究開発や施設整備などの推進
・ エネルギー利用や加工残さの食品化など地域の特性を生かしたバイオマス資源
の多面的利活用の推進
・ 巡回監視やスカイパトロール※)による産業廃棄物の不法投棄・不適正処理防止
対策の強化
② 大気・水環境・化学物質対策の推進
・ 大気・水・土壌環境の常時監視と汚染物質の削減対策の推進
・ 環境基準の見直しや事業所に対する監視・指導の強化
・ 低公害車の普及促進など自動車排出ガス対策の推進
・ 健全な水循環の確保に向けた森林や水田・畑地の適切な維持管理、緑化対策、都
市部における雨水浸透桝の設置などの推進
・ 生活排水処理施設の整備推進
・ 化学物質の移動量・排出量の把握とリスクコミュニケーション※)の促進
主な大気汚染物質の経年変化(大分県)
0.035
測定値(ppm)
水質環境基準達成率(大分県)
110
0.03
0.025
100
90
0.02
80
0.015
70
0.01
0.005
60
50
0
平成7年
7
8
9
10
11
二酸化硫黄
浮遊粒子状物質
12
13
14
達成率(%)
40
平成7年
7
8
15
二酸化窒素
9
10
11
河川(BOD)
資料:平成 15 年度大分県大気環境調査報告書
12
13
14
15
海域(COD)
資料:平成 15 年度大分県公共用水域及び
地下水の水質測定結果報告書
目標指標
指
標
名
単位
現状値
g/日
目標値(見込)
年
(H22 年)
1,106
H14
1,066 以下 1,041 以下
%
14.9
H14
19 以上
22 以上
%
31.0
H12
40 以上
43 以上
水質環境基準(BOD※)、COD※))達成率
%
86.0
H15
95
100
生活排水処理率
%
58.6
H16
75
90
県民1人あたりのごみ排出量
一般廃棄物リサイクル率
産業廃棄物リサイクル率
(動物のふん尿及び鉱さいを除く)
(H27 年)
暮らし・環境Ⅰ-1-(2)
Ⅰ−1
恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
(3)地球環境問題への取り組みの推進
現状と課題
・ 地球温暖化の防止には二酸化炭素などの温室効果ガスの削減が急務ですが、京都議定
書※)の基準年(原則−平成2年)に比べ、日本の温室効果ガス総排出量は約8%増加し
ています。
・ 地球温暖化やオゾン層※)の破壊、酸性雨などの地球環境問題は、今後一層深刻化して
くることが懸念されているため、県民一人ひとりのライフスタイルや社会経済活動の
あり方を見直して、県民、事業所及び行政が連携して省資源・省エネルギー運動やエ
コエネルギーの導入促進、リサイクル運動、自然環境保全などに取り組む必要があり
ます。
大分県における部門別二酸化炭素排出量の推移
140
130
120
110
100
90
平成2年度
4
西暦(1990 年) ( 1 9 9 2 )
産業部門
6
(1994)
8
(1996)
家庭部門
10
(1998)
業務部門
12
(2000)
13
(2001)
運輸部門
注)基準年である平成2年(西暦 1990 年)を 100 とした場合の指数表示
資料:平成 13 年度大分県温室効果ガス排出量推計
これからの基本方向
・温室効果ガスの削減、オゾン層の保護や酸性雨対策など、県民、事業所
及び行政が連携しつつそれぞれの立場で取り組みを推進します。
・県施設へのエコエネルギーの導入を進めるとともに、市町村やNPO法
人など民間団体の施設への導入を支援します。
・温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素の吸収源ともなる森林を県
民全体で守り育てていく気運を醸成するとともに、森林の適正な管理・
保全に努めます。
暮らし・環境Ⅰ-1-(3)
主な取り組み
① 温室効果ガスの排出源対策の推進
・ 省資源・省エネルギー対策や低公害車の普及促進、交通渋滞対策など二酸化炭素
の排出抑制対策の推進
・ 大分県地球温暖化防止活動推進センターへの支援
・ 地球温暖化対策地域推進計画の策定と推進
② クリーンエネルギーランド※)の実現
・ 県が管理する施設への太陽光発電の
導入などエコエネルギー導入の推進
・ 小・中学校施設に太陽光発電を設置
する市町村やエコエネルギー設備導
入計画を有するNPO法人などへの
支援
・ 中小地熱バイナリー発電※)の導入や
未利用温泉水の有効活用
小学校の屋上に設置された太陽光発電
③ 二酸化炭素の吸収源対策の推進
・ 森林環境税※)の導入などによる県民総参加の森林(もり)づくりの推進
・ 間伐の取り組み強化や複層林※)への誘導など多様な森林整備の推進
・ 伐採跡地の再造林の促進
④ オゾン層保護などの対策の推進
・ 特定フロン※)などの回収・破壊処理の促進
・ 酸性雨の実態を把握するための環境モニタリング調査の実施
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
エコエネルギーによる化石燃料代替効果 万 kl
65.6
H16
74
80
6,848
H16
9,500
11,500
森林ボランティア活動への参加者数
人/年
年度 (H22 年度) (H27 年度)
育成複層林面積(民有林)
ha
623
H16
10,000
20,000
フロンなどの回収率(カーエアコン)
%
41.0
H15
50
60
暮らし・環境Ⅰ-1-(3)
Ⅰ−1
恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
(4)環境産業の育成
現状と課題
・ 県内には、鉄鋼、化学などの大企業が数多く立地しており、リサイクル、省エネルギ
ーなどの環境対策に先進的に取り組んでいます。今後、これら企業の潜在的な能力を
引き出し、県内で排出される産業廃棄物の徹底した再資源化を図っていく必要があり
ます。
・ 中小企業においても、産業廃棄物のリサイクル分野で多様な新技術や新製品開発が進
められています。しかしながら、多くの中小企業では、環境対応への取り組みが遅れ
ていることから、産学官連携などの新たなネットワークづくりや販売促進のための環
境づくりなど、幅広い支援が必要となっています。
・ 企業は地域社会の一員として、循環型社会の形成に向け、廃棄物・リサイクル対策や
省エネルギー対策に取り組み、循環型環境産業※)への参入を図るとともに、環境保護
に対する社会的責任を果たしていくことが求められています。
廃棄物をリサイクルして活用しているセメント工場(津久見市)
これからの基本方向
・環境に負荷をかけずに製造する技術やリサイクル技術の研究開発、地域
資源を活用した新エネルギーや省エネルギーへの取り組みを支援し、循
環型環境産業を育成します。
・企業における環境対策や地域と協働した環境活動への取り組みを支援
し、環境と経済の調和が取れた循環型社会の実現をめざします。
暮らし環境Ⅰ-1-(4)
主な取り組み
① 循環型環境産業への参入促進
・ 進出企業の高度な技術力による県内産業
廃棄物の再資源化の促進
・ 進出企業から地場企業への環境関連技術
の移転や産学官連携、同業種間・異業種間
連携による環境関連技術の研究開発への
支援
・ 企業間連携による省エネルギーシステム
の導入や構造改革特区提案への支援
・ バイオマス発電や成長性の高い燃料電池
などの新エネルギー関連産業の育成と誘
風を受けて回る風力発電装置(玖珠町)
致の推進
・ 大分版エコタウンプラン※)の策定と推進
② 企業の環境技術・製品の販売促進
・ 企業が開発した新技術・新製品の販路開拓
への支援
・ リサイクル製品や省エネルギー機器など
の需要拡大に向けた展示会の開催
・ 県認定リサイクル製品の利用促進
廃木材などを使用した緑化基盤材
③ 企業の環境対策への支援
・ 企業における3R(廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用)や省エネルギー対策
への支援
・ 環境関連技術の開発や製品化に功績のあった企業、3Rに積極的な企業の顕彰
④ 地域と協働した企業の環境活動の促進
・
企業の環境対策に関する情報の県民への提供や工場見学の受入など企業による
環境活動の促進
目標指標
指
標
名
大分県リサイクル認定製品地方公共団体
利用件数
ISO14001※)登録件数
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
件
7
H16
70
100
件
99
H16
180
240
暮らし環境Ⅰ-1-(4)
Ⅰ−1
恵まれた環境の未来への継承
∼ごみゼロおおいた作戦の推進
(5)すべての主体が参加する地域社会の形成
現状と課題
・ 本県は豊かな自然に恵まれ、それらがは
ぐくんだ山の幸、海の幸にも恵まれてい
ます。こうした豊かな恵みを県民が将来
においても享受するためには、美しく快
適な環境を守り、磨きをかけるための取
り組みを県民総参加で進めていく必要が
あります。
キャンドルナイト in 竹瓦温泉
・ 私たちの生活を環境に配慮したものにし
ていくためには、人と環境との関わりに
ついて理解と認識を深め、環境に対して
責任ある行動をとる必要があり、環境教
育・学習の役割がますます重要なものと
なっています。
ごみゼロおおいた推進隊によるリサイクルアート教室
これからの基本方向
・一人ひとりが環境問題を自らの問題として意識し行動できるよう、県民
総参加で「ごみゼロおおいた作戦」を展開し、県民、事業所、行政の連
携による環境保全活動を促進します。
・環境に関する知識の取得や理解にとどまらず、自ら進んで環境保全に取
り組む人材をはぐくむため、学校、地域社会や職場などで環境教育・学
習を推進します。
暮らし・環境Ⅰ-1-(5)
主な取り組み
① 自発的な環境保全活動の促進
・ 「県民一斉ごみゼロ大行動※)」や「夏の夜の大作戦(キャンドルナイト)※)」、
アダプトプログラム※)など参加型の環境保全活動の推進
・ ごみゼロネット※)(地域ネットワーク)の拡大と各主体の自発的な環境保全活動
を支援する体制の整備
② 環境教育・学習の推進
・ 環境教育アドバイザーなど指導者の養成と派遣体制の整備
・ 学校、地域社会、職場など多様な場における環境教育・学習の推進
ごみゼロネット(地域ネットワーク)のイメージ図
大分県におけるエコエネルギ
県下全域こみゼロネット
A地域
ごみゼロネット
B地域
ごみゼロネット
導入の現状
地域ごみゼロネット例
ごみゼロおおいた作戦
県民会議関係団体等
D地域
ごみゼロネット
ごみゼロおおいた推進隊
ごみゼロ隊
NPO法人
ISO取得企業
C地域
ごみゼロネット
ボランティア団体
エコおおいた推進事業所
地球環境家族
PTA
郵便局
自治会
老人会
県民一斉ごみゼロ大行動などの実施
地域環境力※)の向上
「キラリと光る」大分県の実現
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
県民一斉ごみゼロ大行動への参加延人数 人/年
117,419
H16
200,000
400,000
475
H16
1,500
2,000
36
H16
70
90
夏の夜の大作戦(キャンドルナイト)へ 施設/
の参加施設数
環境教育アドバイザー派遣団体数注)
年
団体/
年
年度 (H22 年度) (H27 年度)
注)現状値は、平成16年7月∼平成17年3月までの9ヶ月間の実績値。
暮らし・環境Ⅰ-1-(5)
Ⅰ−2
安全・安心な暮らしの確立
(1)災害に強い県土づくりの推進
現状と課題
・ 本県は、地形・地質などの要因により、浸水被害や土砂
災害などが発生する危険性が高く、また県下には多くの
活断層が分布しており、直下型地震の発生も否定できな
いことや、近い将来には東南海・南海地震の発生とこれ
にともなう津波被害も懸念されていることから、防災対
策と防災体制の構築が急務となっています。
集中豪雨によるがけくずれ
・ 過疎化や少子・高齢化の進行により消防団員が減少し、かつ高齢化しているほか、民
間防火組織が弱体化するなど、消防力の低下が懸念されています。
・ 消火・救急・救助業務などに対する住民のニーズの高まりや複雑多様化する災害に的
確に対応していくため、消防体制の充実強化が求められています。
これからの基本方向
・自然災害による被害を最小限に抑えるため、災害防止事業などのハード
対策に加え、「知らせる努力・知る努力」をキーワードとしたソフト対
策を充実させます。
・自らを災害から守る「自助」、地域住民が災害時に互いを助け合う「共
助」、行政などによる「公助」の役割分担を重視しながら、総合的な地
域防災力の向上を図ります。
・消防力を強化するとともに、消防機関と医療機関との連携などによる救
急・救助体制の充実に努めます。
主な取り組み
① 治山・治水事業などの推進
・ 砂防堰堤(ダム)や治山施設(保安林)の整備など土砂災害防止対策の推進
・ 河川改修やダム建設、下水道整備による治水対策の推進
・ 護岸や防波堤の整備など海岸保全対策の推進
・ 被災地の復旧や消火・救急・救助活動を支援する緊急輸送道路の整備や道路防災
対策の推進
暮らし・環境Ⅰ-2-(1)
② 都市防災対策の推進
・ 避難地や復旧支援基地として利用可能なオープンスペースの確保
・ 密集市街地における道路・公園の整備など都市防災対策の促進
土砂災害発生監視システムのイメージ図
③ ソフト対策の充実・強化
・ 洪水・土砂災害に関する情報基盤の整備促
進
・ 気象庁と県との連携による洪水避難情報や
土砂災害警戒情報の迅速な伝達
・ 「土砂災害防止法」の区域指定による警戒
避難体制の周知や開発行為の規制
・ 浸水想定区域(洪水・津波)や土砂災害危
険区域の公表などによる市町村のハザード
マップづくりへの支援
④ 災害に強い人づくりの推進
・ 防災活動のリーダー養成など自主防災組織※)の育成強化
・ 実践的訓練のノウハウ取得や個別訓練、総合訓練などの実施
・ 広域災害に備えた応援体制の強化や大分県高度情報ネットワークシステムの強
化など防災体制の構築
・ 個別防災教育の推進などによる防災知識の普及・啓発
・ 災害発生時における災害時要援護者※)への情報
の伝達、避難の確保など地域での支援体制づく
りの推進
・ 災害派遣医療チーム(DMAT)※)の整備など
災害救急医療体制の充実
・ ボランティアコーディネーター※)などの養成と
応急危険度判定士※)などの十分な確保
⑤ 消防基盤の整備
防災ヘリコプターによる防災訓練
・ 常備消防の広域再編の促進
・ 女性団員の参加促進も含めた消防団の機能強化や活性化
・ 消防車両や耐震性貯水槽など消防資機材や施設の整備促進
・ 救急・救助体制の整備充実
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
土砂災害から保全される戸数
戸
22,281
H16
25,400
26,800
自主防災組織率
%
72.3
H16
80
90
応急危険度判定士の登録者数
人
720
H16
1,000
1,000
年度 (H22 年度) (H27 年度)
暮らし・環境Ⅰ-2-(1)
Ⅰ−2
安全・安心な暮らしの確立
(2)犯罪に強い地域社会の形成
現状と課題
・ 街頭犯罪を中心に刑法犯認知件数が高い水準で推移しているほか、殺人・強盗などの
凶悪犯罪や身近な知能犯罪の多発、地方まで広がりを見せる来日外国人などによる組
織犯罪、さらには、国際テロ、サイバー犯罪※)などの新たな脅威が生じており、厳し
さを増す犯罪情勢に的確に対応することが求められています。
・ 都市化の進展などにともない、地域の連帯感が希薄化し、地域社会に従来から内在し
ていた犯罪抑止機能が低下しているとの指摘もあります。犯罪を抑止するためには、
地域社会の犯罪抑止機能を回復させることが重要です。
・ 全国的に学校内や通学路で子どもに危害が加えられる事件が続発していることから、
子供の安全を確保するため、地域や関係団体と連携した「安全・安心な学校づくり」
に取り組む必要があります。
・ 犯罪の被害者は、その直接的な被害だけではなく、精神的、経済的にも多くの被害を
受けており、被害の回復・軽減、被害者の安全確保とともに、精神的、経済的支援が
求められています。
大分県における刑法犯認知件数
(件)
20,000
18,000
17,158 17,362
16,000
15,202
14,000
12,000
15,625
15,482
13,292
11,844
10,530
11,233
11,715
12,248
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成6年
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
資料:大分県警察本部(平成 16 年)
暮らし・環境Ⅰ-2-(2)
これからの基本方向
・巧妙化・広域化・多様化する犯罪に迅速・的確に対応する警察体制の強
化を図り、県民を犯罪から守る警察活動を推進します。
・県民一人ひとりが安心して暮らせる地域社会の実現に向けて、県と県民、
事業所が一体となった地域安全活動を展開します。(「大分県安全・安心
まちづくり条例」)。
・犯罪による直接的な被害だけでなく、精神的・経済的な被害を受けた県
民の立場や心情に配慮した支援活動を推進します。
主な取り組み
① 犯罪対策の推進
・ 殺人など凶悪犯罪の早期検挙に向けた捜査支援システムなどの充実強化
・ 暴力団、薬物・銃器の密輸・密売組織、来日外国人犯罪組織の壊滅や弱体化に向
けた取締りの強化
・ 街頭犯罪・侵入犯罪の発生抑止に向けた的確な現状分析と将来予測を踏まえた防
犯活動の推進
② 安全・安心なまちづくりの推進
・ パトロールの強化など犯罪の抑止と検挙に向けた積極的な街頭活動の展開
・ 地域における「生活安全センター」としての警察署・交番・駐在所の機能強化
・ 自主防犯パトロール隊に対する防犯研修会など地域住民による自主的な防犯活
動への支援
・ 危機管理マニュアルの作成や防犯訓練の実施など学校における安全対策の推進
・ 犯罪防止に配慮した住宅・道路・公園・駐車場などの整備・管理の普及促進
③ 犯罪被害者支援活動の推進
・ 被害者のニーズに即した情報提供や助言などきめ細かい犯罪被害者への支援
・ 支援活動の中核となる大分被害者支援センターが行う活動への支援と関係機
関・団体との連携の強化
目標指標
指
刑法犯認知件数
標
名
単位
現状値
件/年
15,482
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
H16 13,500 以下 12,000 以下
暮らし・環境Ⅰ-2-(2)
Ⅰ−2
安全・安心な暮らしの確立
(3)安全で快適な交通社会の実現
現状と課題
・ 交通環境の著しい変化や高齢化の進行などにともない、高齢者の交通死亡事故が多発
しているほか、交通事故件数、負傷者数が高い水準で推移していることから、さらな
る交通安全対策の推進が必要です。
大分県における交通事故死者数と負傷者数の推移
人(負傷者数)
人(死者数)
140
12,000
10,184
120
8,225
8,846
9,204
8,855
9,236
10,754
10,412
10,265
9,350
10,000
10,343
100
8,000
80
6,000
125
60
102
100
108
99
83
40
93
93
90
84
4,000
70
2,000
20
0
0
平成6年
6
7
8
9
10
交通事故死者数
11
12
13
14
15
16
交通事故総量(負傷者数)
資料: 大分県警察本部(平成 16 年)
これからの基本方向
・安全で安心な人にやさしい交通社会を形成するため、ライフステージに
対応した体系的な交通安全教育を充実するとともに、地域の自主的な交
通安全活動を支援します。
・人と車が共生できる快適な交通社会の実現をめざし、交通事故を抑制す
るための交通環境を整備します。
暮らし・環境Ⅰ-2-(3)
主な取り組み
① 交通安全思想の普及
・ 幼児から高齢者まで年齢に応じた参加・体験型の交通安全教育の推進
・ 家庭、学校、事業所、地域などにおける啓発活動の充実
・ 関係機関・団体との連携による県民総参加の交通安全活動の推進
・ 高齢者家庭の訪問指導など関係機関・団体との協働による地域全体での高齢者交
通安全対策の推進
② 交通秩序の確立
・ 暴走族根絶に向けた取締りの強化と広報啓発活動による暴走族追放の社会環境
づくりの推進
・ 取締り機材の高度化と重大事故に直結する悪質・危険な違反や迷惑性の高い違反
に対する重点的な取締りの推進
③ 交通環境の整備
・ 歩行者などの安全性向上のための自転車
道・歩行者道やバリアフリー対応型信号機
※)
の整備推進
・ 交通事故発生率の高い地域・路線を指定し
た「あんしん歩行エリア」や事故危険箇所
を重点にした交通安全施設の整備推進
・ ITS(高度道路交通システム)※)を中核
とした交通情報の提供や安全運転を支援す
るシステムの整備推進
通学路における歩道整備
④ 交通事故被災者への支援
・ 交通事故被災者や交通遺児などの家族に対する交通事故相談の充実と救済支援
目標指標
指
標
名
単位
現状値
交通事故死者数
人/年
交通事故負傷者数
人/年
小学校が指定する通学路における歩道
整備率(市町村道を除く)
%
目標値(見込)
年度
(H22 年度)
84
H16
80 以下
10,412
H16
50.6
H16
(H27 年度)
80 以下
の定着化
10,000
10,000 以下
以下
の定着化
56
59
暮らし・環境Ⅰ-2-(3)
Ⅰ−2
安全・安心な暮らしの確立
(4)食の安全・安心の確保
現状と課題
・ 高病原性鳥インフルエンザの発生や偽装表示事件の続発などによる、食に関する不安
や不信を払拭するため、食の安全・安心の確保を図る取り組みの強化が不可欠です。
・ 消費者に安全・安心な農林水産物を
「e-na おおいた農産物」ロゴマーク
提供するためには、生産・製造・加
工・流通・販売の各段階でのリス
クをチェックするとともに、生産
履歴情報の開示など、生産者の顔
3割減農産物
5割減農産物
有機農産物
が見える流通システムの構築が必
要です。
「e」は、地球にやさしい「ecology」
と「いい」をかけて、
・ 食品に起因する健康被害の防止の
「na」 は、nature、野菜の菜(な)を
ため、食品関連事業者に対する監
イメージしたものとして、
視・検査体制の整備や迅速な情報
「e−na おおいた」とネーミング。
の収集・提供、事業者の衛生管理
体制の強化が必要です。
自然がはぐくむ大分をイメージして、
オレンジ色で太陽と農産物を、緑で自然環境と
安全を意図し、おいしさ、安心を表現。
・ 食の安全性や食習慣などに関するさまざまな問題が提起されており、健全な食生活の
実現と心身の健康の増進を図るためにも、
「食育※)」を推進することが求められていま
す。
これからの基本方向
・食の安全確保のための施策を計画的に実施するとともに、生産から消費
にいたる各段階において県民の参画を推進します。
・安全・安心な農林水産物の生産を推進するとともに、その履歴が追跡で
きる生産・流通システムを構築します。
・食品関連事業者などに対する監視を強化するとともに、より安全性の高
い衛生管理手法の導入を促進します。
・食育に取り組む幅広い関係者による、地域や家庭での食育活動を支援し
ます。
暮らし・環境Ⅰ-2-(4)
主な取り組み
① 食の安全確保対策の推進
・ 「大分県食の安全・安心推進条例」に基づく食品安全行動計画の策定と推進
・ リスクコミュニケーション※)などを通じた県民の参画の促進
食のリスクコミュニケーション
② 安全・安心な農林水産物の生産・流通管理システムの構築
・ 県独自の e-na おおいた農産物認証制度※)の普及による減農薬・減化学肥料栽
培の拡大
・ 農薬や動物用医薬品(水産用を含む)
、食品添加物の適正使用の指導強化
・ 栽培履歴や集出荷履歴のデータベース化などによるトレーサビリティシステム※)
の導入
・ 生産者・消費者団体、流通業界、行政などが一体となった地産地消運動の推進
③ 食品関連事業者などに対する衛生管理体制の強化
・ HACCP※)方式やISO9000S※)規格などに対応したリスク管理体制の
普及と指導の強化
・ 食品衛生監視指導計画に基づく監視の徹底
④ 食育の推進
・ 食育推進計画の策定と推進
・ 食育コーディネーターの育成など食育に関する自主的活動への支援
目標指標
指
標
名
食のリスクコミュニケーションの開催
回数
食中毒発生件数(直近3年間の平均)
認証された e-na おおいた農産物の栽培
面積
目標値(見込)
単位
現状値
回/年
11
H16
42
60
件/年
7
H16
7
7
−
−
4,500
8,000
ha
年度 (H22 年度) (H27 年度)
暮らし・環境Ⅰ-2-(4)
Ⅰ−2
安全・安心な暮らしの確立
(5)県民生活の安定と向上
現状と課題
・ 商品やサービスの取引方法などの複雑化・多様化によ
り消費者トラブルが増加し、その内容も価格や品質な
14,000
アイネスに寄せられた
相談件数
(件)
どの比較的単純なものから、サービス内容や契約など
12,000
の比較的複雑なものに移行しています。
10,000
・ 従来型の悪質商法や多重債務問題に加え、食品をめぐ
る偽装表示事件や振り込め詐欺などの新しい手口のト
ラブルが発生し社会問題化していることから、消費者
の自立支援と相談体制の充実が求められています。
8,000
6,000
4,000
2,000
・ ペットに関しては、飼い主の動物愛護意識の希薄さな
どを要因とする多くの苦情・相談が保健所に寄せられ、
※)
動物から人に感染する動物由来感染症
の発生も問題
になっていることから、動物愛護思想の普及と感染予
防対策が必要です。
0
H12
H13
H14
H15
H16
架空請求に関する相談件数
上記以外の相談件数
資料:アイネスにおける消費生活
相談受付状況調べ
・ 入浴施設や理美容施設など、生活衛生関係営業施設における衛生管理の不徹底による
健康被害の発生や苦情が多発しており、これらに対する迅速・的確な監視指導が必要
です。
これからの基本方向
・ 消費者が当事者能力を発揮でき、かつ、自らの利益の擁護及び増進のた
め、自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援
します。
・ 県と市町村の役割分担を明確にしたうえで連携を強化するなど、消費生
活相談や苦情処理体制を整備します。
・ 年少時からの動物愛護や適正管理に係る啓発に取り組むとともに、動物
由来感染症の発生情報の収集・提供など、感染予防対策に努めます。
・ 生活衛生関係営業施設などを安心して利用できるよう衛生水準の確保、
向上に努めます。
暮らし・環境Ⅰ-2-(5)
主な取り組み
① 消費者の自立支援
・ 消費生活セミナーなど地域での各種講座の開催や学校などにおける体系的な消
費者教育の推進
・ 商品などに関する知識の普及や適切な情報の提供
② 消費生活相談や苦情処理体制の整備
・ 消費生活・男女共同参画プラザ(アイネ
ス)を拠点とした消費生活相談や苦情処
理体制の強化
・ 相談員研修など市町村相談窓口の充実へ
の支援
・ 消費者の安全と取引の公正の確保のため
の啓発と教育の強化
・ 消費者トラブル未然防止のための事業者
の監視・指導の充実
アイネスでの消費生活相談
③ 動物愛護思想の普及と動物由来感染症対策の推進
・ 幼稚園児や小学生を対象とした「動物愛
護なかよし教室」などの開催
・ 犬のしつけ教室・譲渡会、子犬・猫の里
親制度の実施
・ 動物の適正管理と病気に関する知識の普
及啓発
④ 生活衛生関係営業に係る指導の充実
・ 社会ニーズに応じた迅速・的確な監視の
犬のしつけ教室
実施
・ 業界団体などの自主管理体制の強化
目標指標
指
標
名
消費者行政担当専任職員を配置した
市町村の割合
消費生活相談窓口の相談員を配置した
市町村の割合
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
%
10.7
H16
78
100
%
3.6
H16
78
100
暮らし・環境Ⅰ-2-(5)
Ⅰ−3
人権を尊重し共に支える社会づくりの推進
(1)人権を尊重する社会づくりの推進
現状と課題
・ 同和問題や女性、子ども、高齢者、障害者、
外国人、医療をめぐる問題など、さまざまな
人権の問題がある中で、県民意識調査(平成
15年実施)では人権問題について関心があ
るとする人は44.3%に過ぎず、一人ひと
りの人権が尊重される社会の確立に向けて、
人権教育・啓発を推進することが求められて
います。
・ インターネット上での誹謗中傷や差別表現の
流布、犯罪被害者やその家族に対する人権侵
害など、新たな人権問題に対応することが求
められています。
・ 日本固有の人権問題である同和問題は、解決
の方向に進みつつありますが、未だ、結婚に
おける差別や差別落書きなどの問題があり、
引き続き解決に向けた粘り強い努力が必要で
平成16年度
人権ポスター優秀作品
す。
これからの基本方向
・「自己実現を追求できる社会の構築」、「差別の解消に取り組む社会の確
立」、「多様な価値観と生き方を認め合う共生社会の実現」を基本理念と
して、人権尊重の行政を進めます。
・生涯学習の視点に立ち、家庭や学校、地域、職場などあらゆる場で人権
教育・啓発に取り組み、人権が尊重される地域づくりを推進します。
・同和問題を人権問題の重要な柱として取り組みます。
暮らし・環境Ⅰ-3-(1)
主な取り組み
① 人権尊重行政の推進
・ 人権尊重意識の確立に向けた県職員研修の充実と市町村職員研修の支援
・ 人権尊重に取り組むNPOへの情報提供などの支援
・ 人権に配慮した企業などに対する優遇策の実施
② 人権教育・啓発の推進と環境整備
・ マスメディアやITを活用した県民啓発の実施
・ 企業・団体における職場研修の促進
・ 人権教育・啓発を推進する指導者やファシリテーター※)などの人材養成
・ 教材・プログラムの開発・整備
③ 人権教育における指導の充実
・ 学校における人権教育の教材の開発・整備や人権教育の評価システム・評価方法
の確立
・ 市町村が行う人権教育の学習プログラムの作成や体験的参加型研修の導入など
への支援
④ 新たな人権問題への対応
・ 個人情報保護のための行政と企業・団体の連携による研修・広報の実施
・ 接続事業者に対する措置要請などインターネット上での人権侵害への積極的な
対応
⑤ 同和対策の推進
・ 同和問題の解決に向けた施策の継続実施
・ 市町村の隣保館※)活動への支援
目標指標
指
標
名
人権問題講演会・研修会・学習会などへ
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
%
45.0
H15
48
50
人権教育推進のファシリテーター養成数
人
30
H16
114
168
体験的参加型学習を実施した学校の割合
%
79.0
H16
100
100
の参加経験者の割合
暮らし・環境Ⅰ-3-(1)
Ⅰ−3
人権を尊重し共に支える社会づくりの推進
(2)男女共同参画社会の実現
現状と課題
・ 性別による固定的な役割分担意識
やこれに基づく社会制度や慣行が、
依然として根強く残っており、男女
県民の男女の地位の平等感について
(n=1,511)
a.家庭生活
0.73.8
あ
13.6
51.4
22.3
4.5
共同参画が進まない要因になって
いるため、男女平等の視点に立った
3.7
0.7
b.職 場
い
c.学校教育の場
う
d.政治の場
え
16.2
45.4
0.6
2.6
意識改革が求められています。
5.2 7.5 6.7
18.3
13.4
53.7
18.8
3.7
7.1
1.10.1
・ 夫やパートナーからの暴力など、女
28.3
39.3
性に対する暴力が女性の人権を侵
害する社会問題となっており、暴力
の根絶と男女の人権尊重に向けた
早急な取り組みが必要です。
1.0
e.法律や制度の上
お
ある社会を築いていくためには、女
性と男性がともに社会の対等な構
成員として社会のあらゆる分野の
10.3
28.1
33.2
15.1
5.7
6.7
2.30.2
f.社会通念・慣習
か
・しきたり
23.2
52.2
9.0
6.6 6.5
3.6 0.3
g.社会全体
・ 少子・高齢化が進行する中で、活力
10.0 6.2
15.0
き
11.5
男性の方
が非常に
優遇され
ている
58.6
どちらかと
いえば男
性の方が
優遇され
ている
『男性が優遇されている』
平等である
12.2
どちらかと
いえば女
性の方が
優遇されて
いる
女性の方
が非常に
優遇され
ている
8.0 5.8
わからない
無回答
『女性が優遇されている』
活動に参画し、ともに社会を支えて
いく環境づくりが求められていま
す。
資料:大分県「男女共同参画社会づくりのため
の意識調査」(平成16年)
これからの基本方向
・固定的な性別役割分担意識を是正し、男女平等意識の確立を図るため、
さまざまな機会を活用した啓発・広報活動や男女平等教育を推進します。
・女性に対する暴力を根絶するための啓発や相談など支援体制を充実し、
男女それぞれの人権を守る環境づくりを進めます。
・職場、地域、家庭などあらゆる場における男女共同参画を実現するため
の環境整備を進め、政策・方針決定への女性の参画と家事、育児、介護
などへの男性の参画を促進します。
暮らし・環境Ⅰ-3-(2)
主な取り組み
① 男女共同参画の視点に立った意識改革と教育・学習の充実
・ 全県的な広がりを持った広報・啓発の充実・強化
・ 男女共同参画を推進し、多様な選択を可能にする教育・学習の充実
・ 家庭・地域・職場などにおける慣行の見直し
② 男女の人権を守る環境づくり
・ 女性に対する暴力を防止するための広報・啓発活動の推進
・ 配偶者などからの暴力に対する相談・保護・自立支援体制の充実
③ 男女共同参画実現に向けた環境整備
・ 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大と女性のチャレンジ支援
・ 男女共同参画の推進を担う人材の育成
・ 雇用の場における男女の均等な機会と待遇の確保に向けた啓発の充実
・ 仕事と家庭生活の両立や働き方の見
直しに関する意識啓発や環境の整備
・ 農林水産業における女性の共同経営
者としての役割の明確化と家族経営
協定※)の普及推進
・ 防災・まちづくり・環境などの分野
における男女共同参画の推進
・ 市町村における男女共同参画計画策
定など推進体制の整備促進
男性の生き方講座
目標指標
指
標
名
「男は仕事、女は家庭」という考え方に
同感しない人の割合
管理的職業従事者に占める女性の割合
認定農業者における家族経営協定締結
割合
男女共同参画計画を策定した市町村の
割合
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
%
43.7
H16
49
54
%
3.9
H12
6
7
%
23.4
H16
30
36
%
35.7
H16
89
100
暮らし・環境Ⅰ-3-(2)
Ⅱ
みんなで支え合う笑顔に満ちた社会づくり
1 地域で共に支え合う社会づくりの推進
(1)すべての人にやさしい福祉のまちづくりの推進
(2)心豊かな地域福祉を担う人づくりの推進
2 子育ての喜びを実感できる社会づくりの推進
(1)次代を担う子どもを社会全体で支える環境の整備
(2)安心して子どもを生み育てられる保健・医療の充実
3 自立と社会参加を支援する社会づくりの推進
(1)高齢者の安心と生きがいづくりの推進
(2)障害者が地域で暮らし働ける環境の整備
4 生涯を通じた健康づくりの推進
(1)元気に暮らす健康づくりの推進
(2)安心で質の高い医療サービスの提供
Ⅱ−1
地域で共に支え合う社会づくりの推進
(1)すべての人にやさしい福祉のまちづくりの推進
現状と課題
・ 少子・高齢化の進行や価値観の変化などにより、福祉・保健・医療などの生活支援
ニーズは高度・多様化しており、こうしたニーズにきめ細かく対応していくために
は、行政だけでなく、地域住民をはじめ自治会などの地縁型団体や社会福祉法人、
NPO法人、ボランティア団体、企業などが、連携・協働し、
「地域(コミュニティ)」
によるサービスの提供を行うなど、地域ぐるみで支え合う社会づくりが重要な課題
となっています。
・ すべての人々が安心して快適に日常生活や社会生活を営めるよう、公共的施設はも
とより公共交通機関や道路などの生活空間のバリアフリー化が求められています。
・ バリアフリー※)の考え方をさらに深め、社会の制度や仕組みにおいても、障害の有
無や年齢、国籍などにかかわりなく、県民一人ひとりがそれぞれ対等な社会の構成
員として自立し、相互にその人格を尊重しつつ支え合う社会=「ユニバーサル社会」
の形成をめざす必要があります。
これからの基本方向
・住民の支え合いにより、多様な生活支援サービスが提供され、誰もが住
み慣れた地域で自立し、生き生きと暮らせるまちづくりを推進します。
・誰もが安心して快適に生活できるよう、ハード・ソフト両面からのバリ
アフリー化を進めます。
・ユニバーサル社会の構築に向け、県民誰もが互いに尊重され、思いやる
意識の醸成とそれを実践できる環境づくりに取り組みます。
福祉健康Ⅱ-1−(1)
主な取り組み
① 共に生きる活力ある福祉コミュニティづくり
・ NPO法人・ボランティア団体などと行政との協働による地域ケア体制の整
備
・ 民生委員・児童委員やボランティアなどを中心とした住民主体の見守り・支
え合い活動の促進
・ 人の思いやりの絆となる地域通貨の普及による支え合い活動の活性化
② 自立と社会参加を支援するバリアフリー化の推進
・ 住宅や施設・交通基盤など生活空間のバリアフリー化の推進
・ 情報・コミュニケーションのバリアフリー化の推進
③ 県民、企業・団体、行政の連携と協働によるユニバーサル社会の構築
・ 思いやりの心を醸成する「こころのユニバーサルデザイン※)」の推進
・ 誰もが利用しやすい、ものやサービスの開発と利用促進
車いすやストレッチャーで乗ることができる
大型リフト付きタクシー
精神障害のある人や地域の人が集う
「サロンひなたぼっこ」(中津市)
目標指標
指
標
名
見守りなどの小地域ネットワーク組織が
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
団体
1,461
H16
1,900
2,300
%
42.1
H15
50
60
大型リフト付きタクシーの整備台数
台
28
H16
40
50
バリアフリー化された県営住宅の割合
%
11.2
H16
16
22
設置された自治会数
公共的施設などで車いす使用者が
利用できるトイレの設置割合
福祉健康Ⅱ-1−(1)
Ⅱ−1
地域で共に支え合う社会づくりの推進
(2)心豊かな地域福祉を担う人づくりの推進
現状と課題
・ 地域住民一人ひとりのニーズにきめ細かく対応するためには、福祉に加え保健・医
療などの関連知識とともに、福祉サービス利用者の権利擁護や虐待・暴力への対応
など、高い専門性を持った人材の育成・確保が、これまで以上に重要となっていま
す。
・ 地域福祉※)を推進するためには、地域自らがその課題を発見し、解決していく活動
の積み重ねが重要であり、住民参加や住民と行政の協働が求められています。この
ため、さまざまなサービスを提供する機関・団体との連絡・調整などを行うコーデ
ィネート機能を充実する必要があります。
・ 価値観が多様化し、社会貢献活動に対する意識が高まっているため、子育てや介護
など地域ニーズに応えてサービスを提供するサークルやNPO法人、ボランティア
団体などの育成・支援が重要な課題となっています。
これまで高齢者疑似体験やベッドメイキングなどの介護研修を14万人が受講
(大分県社会福祉介護研修センター)
これからの基本方向
・地域におけるきめ細かな福祉サービスの担い手やサービスの調整にあた
る人材の育成・確保など、幅広く厚みのある「人づくり」を推進します。
・
NPO法人やボランティア団体、自治会、老人クラブ、愛育会、企業など
によるさまざまな地域福祉の取り組みを支援します。
福祉健康Ⅱ-1-(2)
主な取り組み
① 多様な専門性を有する人材の育成とネットワーク化
・ 人権感覚を身につけ多様で高い専門性を持った人材の育成・確保
・ 社会福祉従事者、各種相談員の資質の向上及びネットワーク化に向けた横断的
研修の実施
② 地域福祉を担う幅広い人材の育成とネットワーク化
・ NPO法人・ボランティア団体のリーダーやコーディネーターなど、関係機
関・団体との連絡・調整などにあたる中心的な役割を担う人材の育成
・ 高齢者や団塊の世代、子育てを終えた母親など社会貢献活動(フィランソロピ
ー)への意識を有している地域のさまざまな人材をNPO法人・ボランティア
団体へ誘導・育成
③ 地域福祉を推進する多様な主体の育成
・ NPO法人やボランティア団体の育成
・ 事例紹介などによる啓発活動を通じた、企業・団体などの社会貢献活動の促進
障害児の夏休みの活動を支援するボランティア
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度)
(H27 年度)
社会福祉士の登録者数
人
742
H16
1,250
1,700
介護福祉士の登録者数
人
5,723
H16
9,600
12,800
ボランティア登録者数
人
40,833
H16
55,200
66,800
113
H16
210
270
福祉・保健・医療分野のNPO法人数
団体
福祉健康Ⅱ-1-(2)
Ⅱ−2
子育ての喜びを実感できる社会づくりの推進
(1)次代を担う子どもを社会全体で支える環境の整備
現状と課題
・ 本県の合計特殊出生率※)は全国と同様に年々低下しており、これまで少子化の主な原
因とされていた晩婚化・未婚化に加え、近年では夫婦の持つ子ども数の減少(夫婦
の出生力の低下)もみられ、現状のままでは少子化は一層進行すると予想されます。
・ 核家族化や都市化の進行、ひとり親家庭の増加などにより、家庭や地域の子育て力
が低下し、育児不安の増大や児童虐待など、子どもをめぐるさまざまな問題が顕在
化しています。
・ このため、地域における子育て支援や仕事と子育ての両立支援など、次代を担う子
どもの成長と子育て家庭を地域や職場など社会全体で支援することが求められてい
ます。
出生数(大分県)と合計特殊出生率(大分県・全国)
2.50
25
出生数 (人)
(大分県)
2.13
合計特殊出生率(大分県)
1.93
20
1.97
1.82
1.91
出
生 15
数
1.75
合計特殊出生率(全国)
1.78
1.76
1.58
1.55
1.51
1.48
︵
1.42
1.41
1.40
1.33
1.32
1.29
1.29
10.9
10.4
1.54
1.42
1.36
︶
千
人 10
17.6
18.3
16.3
14.4
11.6
11.1
10.9
10.2
10.0
2.00
合
1.50 計
特
殊
1.00 出
生
率
0.50
5
0.00
0
昭和45年
45
50
55
60
2
平成2年
7
12
13
14
15
16
資料:厚生労働省「人口動態統計」及び大分県福祉保健部調べ
(注)平成 16 年は概数
これからの基本方向
・ 次代を担う子どもたちが健やかに生まれ、育成される環境の整備を進める
とともに、子育てを社会全体で支援する県民意識の醸成を図ります。
・ 働きながら、子どもを生み育てやすい雇用環境の整備を図り、仕事と子育
ての両立を進めます。
・ 児童虐待の発生予防から早期発見・早期対応、アフターケアに至るまでの
切れ目のない総合的な支援とともに、ひとり親家庭の自立を促進します。
福祉健康Ⅱ-2-(1)
主な取り組み
① 地域における子育ての支援
・ 親や子ども、子育てボランティアが気軽に集い、交流や育児相談などができる
つどいの広場などの設置促進
・ 急病や急な残業、リフレッシュなどに対応するため、会員制で子育てを助け合
うファミリー・サポート・センターの設置促進
・ 保育所での延長保育・休日保育・一時保育や幼稚園での預かり保育など多様な
ニーズに対応した保育サービスの拡充と保育料の軽減
・ 昼間、保護者が家庭にいない小学校低学年児童などを受け入れる放課後児童ク
ラブの設置促進
② 子育ても仕事もしやすい環境づくり
・ 労働講座や労働情報誌などによる子育てにやさしい就労環境の普及・定着
・ 家庭における子育て時間を確保するため、育児休業制度の普及や労働時間短縮
の促進
③ きめ細かな対応が必要な子どもと親への支援
・ 児童相談所や県民保健福祉センターの専門相談体制の強化及び市町村に対す
る支援体制の推進
・ NPO法人などの民間団体を含めたより身近な市町村単位の虐待防止ネット
ワーク体制の整備促進
・ 児童養護施設や里親などの充実による被虐待児などに対する支援体制の強化
・ ひとり親家庭に対する子育てや生活相談の充実、就業の支援などによる生活の
安定と自立の促進
・ 障害児を持つ親の会の療育活動や相談活動の推進、親子の絆の形成支援
目標指標
指
標
名
合計特殊出生率全国順位
つどいの広場数
ファミリー・サポート・センター
事業実施市町村の割合
単位
目標値(見込)
現状値
年度
(H22 年度)
(H27 年度)
位
16
H16
14
10
か所
6
H16
31
40
17.9
H16
67
100
%
一時保育実施保育所数
か所
86
H16
123
131
延長保育実施保育所数
か所
131
H16
184
200
クラブ
165
H16
220
273
%
68.7
H16
75
80
%
32.1
H16
100
100
放課後児童クラブ数
育児休業制度導入企業の割合
児童虐待防止ネットワーク
整備市町村の割合
福祉健康Ⅱ-2-(1)
Ⅱ−2
子育ての喜びを実感できる社会づくりの推進
(2)安心して子どもを生み育てられる保健・医療の充実
現状と課題
・ 近年、低体重児の出生率が高まっていることなどから、安全で安心して妊娠・出産
できる体制とともに、母親が安心して子育てができるよう、きめ細かな母子保健施
策が求められています。
・ 少子化の進行や小児科医の業務が激務であることなどにより小児科医が不足すると
ともに、大分市や別府市などの都市部に偏在していることから、子どもが病気の時
にいつでも、どこでも受診できる小児医療体制の整備が課題となっています。
・ 乳幼児期の子どもの心の発達は、一番身近な養育者の心の状態と密接に関係があり、
特に母親の多くが抱える育児不安への対策が求められています。
【大分県立病院
総合周産期母子医療センター】
県立病院産科と新生児科の機能を
集中し、主にリスクのある妊娠・出
産とリスクのある新生児の管理を専
門に行い、周産期における突発的な
緊急事態に対応できるよう、24 時間
体制で、医療を行う施設です。
これからの基本方向
・母子保健体制の充実や子どもの健康づくりを推進するとともに、子ども
一人ひとりの状況に応じた支援を推進します。
・必要な時にいつでも、どこでも適切な医療が受けられる小児医療体制の
整備を推進するとともに、安心して子育てができるよう医療費負担の軽
減を図ります。
・母親の育児不安に対する支援や思春期の保健対策などを推進します。
福祉健康Ⅱ-2-(2)
主な取り組み
① 安全で安心して出産できる体制づくりと不妊への支援
・ 総合周産期※)母子医療センター(県立病院)を核に県内の産婦人科医と連携
した総合的な周産期医療体制の整備
・ 不妊専門相談センターや不妊治療費助成事業の活用促進
② 小児医療体制の整備と医療費負担の軽減
・ 応急措置の指導などを行う「こども救急医療電話相談」の普及啓発と地域の実
情に応じた初期診療の確保
・ 小児科医の少ない市町村などにおける小児科医確保への支援
・ 休日夜間の小児外来医療体制と、それを広域的に支え入院や手術の必要な救急
患者を常時受け入れる高度な救急医療体制の整備
・ 乳幼児や小児慢性特定疾患児などの医療費の助成
・ 母子家庭の医療費の助成
③ 子どもの健やかな発達と育児不安を抱える親への支援
・ 未熟児や慢性疾患児などに対するフォローアップ体制の充実
・ 育児不安を抱える親、特に産後の母親に対するメンタルケアの推進
・ 低年齢化する人工妊娠中絶や性感染症などに対応した思春期の相談体制の充
実と健康教育の推進
大分県立病院に配備している新生児救急車「カンガルー号」
目標指標
指
標
名
周産期死亡率(出生千対)
小児の重症患者を受け入れる二次救急
医療体制が整備された保健医療圏の割合
育児支援に重点を置いた乳幼児健診注)
を行う市町村の割合
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度)
(H27 年度)
人
5.4
H15
4.8
4.6
%
30
H16
60
60
%
13.8
H16
67
100
注)保育士や心理職員による育児の総合的指導・相談を行う乳幼児健診
福祉健康Ⅱ-2-(2)
Ⅱ−3
自立と社会参加を支援する社会づくりの推進
(1)高齢者の安心と生きがいづくりの推進
現状と課題
・ 長寿化が進む中で、高齢期を「第2の現役期」として、生きがいを持って過ごすこ
とが可能となるような社会環境づくりが求められています。
・ スポーツや文化、ボランティアなどさまざまな社会活動に対する高齢者の参加意欲
が高まる中、地域においても高齢者がこれまで培った豊富な経験や知識を活かして
積極的に社会貢献を果たすことが求められています。
・ 認知症や寝たきりなどの要介護者をはじめ、日常生活の支援が必要な人が増加して
おり、こうした高齢者が住み慣れた地域で、安心して生活を送るための介護体制や
生活支援サービスの充実が求められています。
高齢化率及び高齢人口の推移
40
400
実績値
推計値
33.2
35
33.9
350
31.9
29.5
30
300
26.1
23.4
27.8
21.8
大分県高齢化率
︵
22.5
19.0
13.1
15
大分県
75歳以上人口
200
19.9
千
人
150
17.3
11.7
人
口
︶
︶
%
250
26.0
18.6
15.5
29.6
︵
高 25
齢
化
率 20
28.7
24.0
14.6
10
100
12.0
9.1
10.3
大分県
65∼74歳人口
全国高齢化率
5
50
0
0
昭和55年
55
60
平成2年
2
7
12
15
17
22
27
32
37
42
注)各年10月1日現在。平成12年までは「国勢調査」
、15年は総務省統計局人口推計、17年以
降は国立社会保障・人口問題研究所将来推計による。
福祉健康Ⅱ-3-(1)
・高齢者が、地域において積極的に社会活動を行えるよう、スポーツ・文
化・学習・就労などさまざまな活動への参加機会を拡充し、生きがいづ
くりと社会参加を促進します。
・介護が必要な高齢者の需要に的確に対応できるよう、介護保険施設の整
備や在宅介護サービスの充実など、介護サービス供給体制の整備を進め
ます。
・一人暮らしや夫婦のみの世帯などで自立に不安のある高齢者が住み慣れ
た地域で安心して生活できるよう、生活支援サービスを充実します。
主な取り組み
① 高齢者の生きがいづくり
・ 老人クラブ・ボランティア活動の推進や地域づくり活動への積極的な参加の促進
・ 豊の国ねんりんピックや高齢者大学の開催などのスポーツ・文化・学習機会の
提供
・ シルバー人材センターの設置拡大などの高齢者の就業環境の整備
② 高齢者介護支援システムの充実
・ 訪問介護や通所介護、短期入所生活介護など在宅介護サービス基盤の充実
・ 特別養護老人ホームや老人保健施設など施設介護サービス基盤の充実
・ 保健や医療を含む総合的・包括的な相談・支援とケアマネジメント体制の整備
③ 高齢者の生活支援と認知症高齢者対策の推進
・ 食の自立支援事業などによる在宅生活の支援
・ 認知症についての広報・啓発や介護研修の実施
・ 電話相談や交流会の開催など認知症高齢者とその家族に対する支援
目標指標
指
標
名
老人クラブ加入者数
大分県ボランティアセンターの
60歳以上登録者数
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度)
(H27 年度)
人
116,148
H16
129,000
135,000
人
6,503
H16
7,200
7,500
*介護サービスの目標指標については、介護保険制度の改正を踏まえ、平成17年度末に策定する
「大分県介護保険事業支援計画(第3期)」において定めます。
福祉健康Ⅱ-3-(1)
Ⅱ−3
自立と社会参加を支援する社会づくりの推進
(2)障害者が地域で暮らし働ける環境の整備
現状と課題
・ 障害のある人もない人も共に生活し活動できる社会の構築をめざす
「ノーマライゼー
ション」の理念のもと、障害者が身近な地域で安心して自立した生活を送るために必
要な生活支援サービスなどのサービス提供基盤の整備を図る必要があります。
・ 障害者施設入所者に対し、本人の主体性を尊重しながら、地域生活に移行するための
支援を充実させるとともに、施設が地域における在宅サービスや自立支援サービスの
拠点としての役割を果たしていくことが求められています。
・ 障害者が生き生きと個性を発揮しながら、生活をより豊かにしていけるよう、文化・
交流活動やスポーツなどへ気軽に参加できる環境づくりが求められています。
誰もが楽しめる「ふうせんバレーボール」
ビッグアイでも大人気のパンを販売する
知的障害者福祉工場のみなさん
これからの基本方向
・障害者が身近な地域で安心して自立した生活が継続して送れるよう、生
活を支える各種サービス提供基盤の整備とともに、グループホーム※)な
どの住まいや就業による経済的基盤の確保を促進します。
・施設入所者が地域で自立した生活にスムーズに移行できるよう、社会適
応訓練の拡充や相談支援体制などを整備・充実します。
・文化活動やスポーツ・レクリエーションの振興を図ることにより、うる
おいのある生活や社会参加を推進します。
福祉健康Ⅱ-3-(2)
主な取り組み
① サービス提供基盤の整備と住まいや働く場の確保
・ 障害者の地域生活を支えるホームヘルプサービスやデイサービス、ショートス
テイの提供体制の整備
・ 障害児が身近な地域で指導・相談を受けられる療育支援体制の充実
・ 障害者が共同で生活するグループホームなど住まいの確保
・ 障害者の雇用の拡大、職場定着のための支援の充実
・ 自閉症などの発達障害や交通事故などによる高次脳機能障害を有する人と家
族への支援
② 地域生活への移行促進
・ 社会適応訓練などの支援の充実や日中活動の場としての通所施設の拡充
・ 相談支援体制の整備や障害者ケアマネジメントなど、主体的な自立生活を支え
る地域の支援基盤の整備とそれを支える人材の確保と専門性の向上
③ 文化・スポーツの振興と社会参加・交流活動の推進
・ 大分国際車いすマラソン大会や障害者体育大会の開催などによる障害者スポ
ーツの振興
・ 障害の有無にかかわらず地域において相互に交流し、楽しむことのできるふう
せんバレーボールなどのスポーツ・レクリエーションの普及推進
・ NPO法人やボランティア団体などのサポートによる障害者の社会参加・交流
活動の推進
・ ITの活用を通じた障害者のコミュニケーションの円滑化と活動・就労の支援
地域生活への移行促進(ケアマネジメントの仕組み)
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度)
(H27 年度)
障害者ケアマネジメント従事者養成数
人
583
H16
1,220
1,750
障害者スポーツの競技人口(個人競技)
人
1,081
H16
1,210
1,300
障害者スポーツの競技人口(団体競技)
人
348
H16
560
690
*在宅サービスや施設サービスの目標指標については、現在、国で検討されている「障害保健福祉施策改革」
の結果を踏まえて、別途定めます。
福祉健康Ⅱ-3-(2)
Ⅱ−4
生涯を通じた健康づくりの推進
(1)元気に暮らす健康づくりの推進
現状と課題
・ 高齢化が進行する中で、がん、心臓病、脳卒中などのいわゆる「生活習慣病」で健康
を害する人が増えていることから、県民一人ひとりが生涯にわたり健康で自立して
暮らすことができるよう、
「健康寿命※)」を伸ばすことが重要な課題となっています。
・ 生活の質を高め、元気で明るい社会を築くためには、疾病の早期発見・治療に留ま
らず、県民自らが生活習慣の改善などを通じ積極的に健康を増進し、疾病を予防す
るとともに、地域における健康づくり活動を活発に行うことが求められています。
・ 腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)や細菌性赤痢などが依然として散発して
いるほか、国際的な人やモノの動きの活発化にともない輸入感染症の発生が懸念さ
れるため、感染症に対する迅速かつ適切な対応が求められています。
・ 高齢者などが健康で自らの意思に基づき、自立した日常生活を営むためには、認知
症や寝たきりなどの要介護状態になることをできる限り防ぐとともに、要介護状態
になってもその状態を維持、改善させる取り組みが必要です。
大分県の三大生活習慣病の推移(死亡者数、割合)
(人)
8,000
三
大
生
活
習
慣
病
死
亡
者
数
(%)
40
三
35 大
生
30 活
習
慣
25 病
の
20 全
死
因
15 に
対
10 す
る
割
5 合
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
0
昭和50年
50
55
60
平成2年
2
三大生活習慣病死亡者数
悪性新生物
7
12
13
14
15
16
心疾患
脳血管疾患
三大生活習慣病の全死因に対する割合
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
(注)平成 16 年は概数
資料:大分県公衆衛生年鑑
福祉健康Ⅱ-4-(1)
これからの基本方向
・生活習慣を改善して健康を増進し、疾病を予防する「一次予防」に重点を
置いた対策を推進するとともに、家庭、地域、学校、職場など社会全体
で個人の健康を支える環境づくりを行います。
・感染症の発生予防やまん延防止のため、発生動向の収集・分析とともに、
県民や医療機関への速やかな情報提供と適切な医療の確保に努めます。
・高齢者の生活機能の低下や、要介護となる主な原因である骨折、脳卒中、
認知症をできる限り防ぐため、効果的な介護予防対策を推進します。
主な取り組み
① 生活習慣病対策の推進
・ 食生活改善や運動習慣などの普及・啓発と、それを地域で支えるグループの育成
・ がん検診体制の整備と、禁煙などがん予防のための生活習慣の普及・啓発
・ 生涯を通じた歯の健康づくりを推進する「豊の国8020運動※)」の推進
② 感染症対策(健康危機管理)の推進
・ 新興感染症や動物由来感染症に関する知識の普及・啓発
・ 感染症発生動向調査の充実と情報ネットワークの構築
・ 感染症指定医療機関の充実
③ 介護予防の推進
・ 転倒骨折予防教室、認知症介護教室の開催など要介護状態を防止する体制の整備
・ 筋力向上や栄養改善など介護予防に重要な取り組みの普及・啓発
・ 介護予防に関する保健・医療・福祉の連携体制の確立
④ 地域リハビリテーション※)体制の整備
・ 専門職を含めた県民に対する地域リハビリテーション活動の普及・啓発
・ 通所リハビリテーションや訪問リハビリテーション、介護予防サービスなどを地
域で受けられる体制の整備
目標指標
指
標
名
単位
基本健康診査受診率
健康寿命
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度)
(H27 年度)
%
53.7
H15
60
61
男
性
歳
75.91
H13
78.8
80.3
女
性
歳
79.75
H13
83.2
85.1
福祉健康Ⅱ-4-(1)
Ⅱ−4
生涯を通じた健康づくりの推進
(2)安心で質の高い医療サービスの提供
現状と課題
・ 少子・高齢化の進行や医療技術の進歩などの保健医療を取り巻く環境の変化に対応
し、県民が安心して医療サービスを受けられるよう、質の高い医療提供体制を整備
していく必要があります。
・ 本県における医療施設数や医師数は、人口10万人当たりでみると全国水準を上回
っていますが、地域的な偏在が大きく、へき地における医療の確保が求められてい
ます。また、地域の実情に応じて効果的に救急医療体制を充実させることも求めら
れています。
・ 県立病院は、県民医療の基幹病院として高度・専門、特殊医療や急性期医療へと診
療機能を重点化し、県立三重病院は、地域の中核的病院として機能の整備を進めて
います。一方、両病院ともに将来構想実施計画策定後の診療報酬の切り下げや他医
療機関との競争の激化などにより、病院経営の改善が求められています。
県内の医療機関分布状況(平成 16 年 10 月 1 日現在)
病院数
1個あたり
1 施設
一般診療所数(施設)
250 以上
100∼250 未満
60∼100 未満
30∼ 60 未満
15∼ 30 未満
5∼ 15 未満
1∼ 5 未満
1 未満
資料:大分県地域保健医療計画
福祉健康Ⅱ-4-(2)
これからの基本方向
・体系的・効率的な医療の提供体制の充実を図るとともに、医療の安全性
の確保と医療サービスの向上をめざします。
・医療を必要とする人がいつでも、どこでも適切な医療サービスを受けら
れるよう、救急医療体制の充実やへき地医療の確保などに努めます。
・ 県立病院及び県立三重病院は、地方公営企業法の全部適用により経営の
権限と責任を明確にし、企業性を発揮しながら経営改善に取り組み、質
の高い医療の充実に努めます。
主な取り組み
① 医療提供体制の充実
・ 患者の病状に応じた適切な医療を提供するため、地域医療支援病院※)を中心
とした効率的な医療提供体制の確立
・ 医療機関情報の提供を充実させる病院機能評価※)の受審の促進
・ 患者・家族などからの相談に対応する医療安全支援センター※)を中心とした
医療相談体制の充実
② 救急医療の充実
・ 県民のさまざまなニーズに応える小児、精神科、歯科などの救急医療体制の整備
・ 地震などの大規模災害発生時に備え、迅速に機能する医療救護体制の整備
・ 医療機関と消防機関との連携によるメディカルコントロール※)体制の確立
③ へき地医療の充実・強化
・ へき地医療支援機構の総合調整のもと、へき地医療拠点病院が行う無医地区巡
回診療やへき地診療所への代診医派遣などの充実
・ へき地住民の受診機会を確保するための患者輸送体制の整備
④ 県立2病院の機能強化
・ 地方公営企業法の全部適用※)
・ 地域の医療機関との連携促進
・ 周産期医療、救急医療など高度・専門、特殊医療や急性期医療へ診療機能の重点化
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度) (H27 年度)
地域医療支援病院数
か所
2
H16
3
5
病院機能評価
か所
16
H16
40
60
83.3
H17
94
100
60
60
30
30
認定病院数
公設へき地診療所への医師の配置率
県立病院における地域医療 紹介率
機関との連携
逆紹介率
%
%
40.8
17.0
H16
福祉健康Ⅱ-4-(2)
Ⅲ
1
豊かな生活を支える力強い産業づくり
活力を創造する商工業等の振興
(1)ものづくり産業の振興
(2)商業・物産・サービス産業の振興
(3)人材育成・雇用対策
(4)中小企業支援体制の整備
2 知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
(1)戦略ある商品づくり
(2)効率的で持続性のある生産体制の確立
(3)時代に対応する力強い農林水産業の担い手づくり
(4)地域資源の活用と産業間の連携によるニュービジネスの創造
Ⅲ−1
活力を創造する商工業等の振興
(1)ものづくり産業の振興
現状と課題
・ 本県には、造船や家具製造などの従来からの製造業に加え、鉄鋼、化学、半導体、自
動車、電子・電気機器など最先端の技術を持つ多種多様な企業が立地し、活発な産業
経済活動を繰り広げていますが、こうした企業が引き続き本県を拠点としてグローバ
ルな競争に勝ち抜いていくためには、十分な環境整備が必要です。
・ 地場企業と進出企業が「共生」して共に発展していくためには、優良企業の誘致とと
もに、地場企業自身が進出企業からの技術移転などにより、技術力やコストへの対応
力を強化していくことが重要です。また、すぐれたアイデアや技術を持ったベンチャ
ー企業の創出も不可欠です。
・ 本県は、発酵・醸造の伝統技術や豊かな天然自然を背景にした農林水産物、石灰石な
どの地域資源に恵まれており、これらに付加価値を付ける新たなビジネスを創出する
ことによって地域経済を発展させていくことが重要です。
これからの基本方向
・半導体関連産業、高度加工組立型産業、循環型環境産業などのものづ
くり産業を中心に、厚みと広がりのある産業集積を図ります。
・産学官や企業間連携による地場企業の技術力向上、経営革新の取り組
みへの支援、新しい技術やビジネスモデルに挑戦するベンチャー企業
の育成など産業集積に活力を与える環境を整備します。
・地域資源の高度化や高機能化に取り組む企業を支援し、地域資源活用
型産業の育成と集積を進めます。
・雇用の創出やビジネスチャンスの増大など地域経済への波及効果が期
待できる企業誘致を積極的に推進します。
主な取り組み
① 先端的なものづくり産業の集積
・ 半導体の評価技術を核とした人材育成・研究開発を進め、高度製造技術の戦略的
集積を図ることによる半導体クラスター※)の形成
産業振興Ⅲ-1-(1)
・ 電気機器や自動車などの高度加工組立型産業とこれを支える地場部品・材料産業
の育成と集積
・ 循環型社会の実現に向け、今後成長が見込まれるリサイクルや新エネルギー・省
エネルギー分野などの循環型環境産業の育成
② 産業集積のための環境整備
・ 技術課題の解決、新技術・新製品の開発、製造
技術の改善などについて、学の研究や知恵を活
用するための産学官連携の強化
・ 経営に関する課題の解決や新事業の展開など、
経営環境への対応を図る経営革新の促進
・ 創業前のほう芽期から株式公開前の成長期まで
の企業ニーズに応じた支援策の総合的実施によ
るベンチャー企業の創出・育成
インキュベート施設(iプラザ)交流会
③ 地域資源活用型産業の育成
・ 発酵・醸造の伝統技術を生かし、新製品の開発、知的財産・デザインの活用の促
進、マーケティングへの支援の強化による食品科学産業の高度化の促進
・ 温泉、石灰石、木、竹など地域資源を活用した製品開発、ブランド化、販路開拓
への支援
・ 農林水産業の現場ニーズと製造業の技術との連携促進
④ 戦略的・効果的な企業立地の推進
・ 先端的なものづくり産業や地域資源活用型産
業のほか、基礎素材型産業、医療・医薬品産
業、産業基盤強化のための人材育成産業・I
T関連産業などの企業に対する積極的な誘致
活動の展開
・ 企業立地に対する助成の充実、工業団地の賃
貸制度の導入など企業ニーズに応じた立地環
境の整備
中津市に進出した自動車メーカー
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
株式公開企業数
社
7
H16
10
12
県内特許出願件数(平成15年以降)
件
179
H15
1,740
3,030
産学官共同研究数
件/年
50
H16
80
100
食品産業研究所の指導育成件数
件/年
290
H16
320
350
産業振興Ⅲ-1-(1)
Ⅲ−1
活力を創造する商工業等の振興
(2)商業・物産・サービス産業の振興
現状と課題
・ 消費者ニーズの多様化や郊外型大型店の出店の増加など、
中小小売商業を取り巻く経営環境は厳しさを増し、商店街
県内の小売業の状況
(千件)
(千人)
25
84
などの販売低迷が続いています。加えて、経営者の高齢化
20
82
や後継者難により、小規模の小売店数が減少しています。
15
80
10
・ 本物や個性へのこだわり、安全・安心な商品への指向、イ
ンターネットの利用など消費者ニーズの変化に対応するた
78
5
0
76
H3
H6
H9
H11
H14
商店数(小規模の商店)
商店数(上記以外の商店)
従業員数(人)
め、生産者や商業者の意識改革を促し、商品開発力の強化
を図るなど、時代にあった新たな物産振興策が求められて
います。
(注)
「小規模の商店」とは、従業員
が4人以下の商店
・ サービス産業の振興は、県民生活の質の向上や、地域産業の
活性化、雇用の確保に寄与することが期待されています。特
に、地域自らが持つ固有の資源・得意分野を生かすコミュ
ニティビジネスは、全国的にも拡大してきています。
(億円)
14,000
年間販売額
13,000
・ 物流業界は、流通関連企業の再編やジャストインタイム方
式※)の輸送など物流の高度化により厳しい経営環境に置か
れています。
これからの基本方向
12,000
11,000
10,000
H3
H6
H9
H11 H14
資料:総務省「商業統計」
・商業振興のため、ハードを整備するだけではなく、消費者に魅力あるソ
フト事業に取り組むとともに、やる気のある商業者の育成など人材育成
施策を充実します。
・より消費者ニーズをとらえた商品開発力を高める仕組みの構築や、中国
(上海)等海外も視野に入れた販路拡大をめざすやる気のある生産者・
商業者などへの支援を行います。
・今後成長が見込まれる分野のサービス産業に対し支援するとともに、コ
ミュニティビジネスの普及に取り組みます。
・物流の効率化に向けた企業の取り組みへの支援を行います。
産業振興Ⅲ-1-(2)
主な取り組み
① 商業の振興
・ 創意工夫により厳しい経営環境への対応に積極的にチャレンジしようとする、他
のモデルとなる先進的取り組みや統一したコンセプトに基づいて活性化に取り
組む商店街への支援
・ やる気のある商業者やグループが知恵を絞り、創意工夫で進める魅力ある個店づ
くりなどの商業活動への支援
・ 社会経済の変化に柔軟に対応し、問題解決に向けて積極的に取り組む、次代を担
う意欲的な商業人材の育成
② 物産の振興
・ 首都圏における物産や観光などの情報を
発信する「おおいた」発信拠点の整備
・ 中国(上海)などを新たな県産品の市場
としてとらえた販路開拓やビジネス交流
など貿易の振興
・ 商品開発やデザイン開発への支援など高
付加価値ブランド戦略の推進
上海での展示商談会
③ サービス産業の振興
・ 健康福祉サービス、観光・集客交流サ
ービス、情報サービスなどの事業者に
対する先進事例の情報提供
・ コミュニティビジネスの立ち上げなど
についての助成や普及のための研修会、
交流会の実施
④ 物流対策の推進
・ 大分流通業務団地への企業集積の促進
・ 大分港大在コンテナターミナルのコス
ト削減による競争力強化や航路充実に
よる利便性の向上
コミュニティビジネスの活動
目標指標
指
標
名
若手・女性商業者グループ育成件数
県が育成したコミュニティビジネス団体
数
大分港大在コンテナターミナル貨物取扱
量
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
件
6
H16
18
28
件
−
−
40
60
27,289
H16
34,000
38,000
TEU/
年
産業振興Ⅲ-1-(2)
Ⅲ−1
活力を創造する商工業等の振興
(3)人材育成・雇用対策
現状と課題
・ 先端ものづくり産業の立地などにより、優秀な人材への需要が急速に高まり、一部で
は人材不足の声も聞かれます。さらに、少子・高齢化の進行にともなう将来の労働力
不足も懸念されます。他方で、若年者の離職率や失業率は高く、フリーターや無業者
の増加が続いており、若年者を中心とした人材育成・雇用対策が喫緊の課題となって
います。
・ 本県の有効求人倍率は、改善傾向で推移しており、九州内では高い水準を保っていま
すが、雇用環境に地域間格差が生じており、その解消が課題となっています。
・ 就労意欲のある中高年齢者や障害者が、知識や経験あるいは得意な分野を生かして就
業できるよう雇用機会の確保に努める必要があります。
これからの基本方向
・人材育成対策の推進による人材不足、雇用のミスマッチ解消と安定雇
用の確保に取り組みます。
・フリーターや若年無業者の増加を防止するため、早い時期からの職業
観や勤労観の醸成に取り組みます。
・雇用環境の地域間格差の解消に向け、地域の特性を生かした新たな雇
用の創出に取り組みます。
・少子高齢化を踏まえ、団塊世代をはじめとした高年齢人材の活用促進
を図ります。また、障害者の自立就業につながるような雇用機会の確
保に取り組みます。
主な取り組み
① 優秀な人材の育成とミスマッチの解消
・ 企業ニーズに応じた人材育成を行うための情報交換を目的とした、産学官連携
による、人材育成ネットワークの形成推進
産業振興Ⅲ-1-(3)
・ 研修制度や常用雇用、社会保険などの充実を図った、製造業の現場を支える人
材育成型企業※)の育成
・ インターンシップの充実など工科短期大学校の機能強化によるものづくり産業
に不可欠な「高度実践技術者」の養成
・ 半導体産業や金型産業の高度技術人材の育成、IT産業の成長を支える人材育
成
・ 団塊世代の持つ高度技能の後継者育成と高度技能者の活用推進
インターンシップ
② 若年者の就業観・勤労観の醸成
・ NPO法人と連携した職場体験の実施などに
よる産業教育や就職指導への支援
・ 産学官連携によるインターンシップの推進
③ 雇用環境の地域間格差の解消
・ 雇用機会が著しく不足している地域に立地した企業の雇用創出にともなう国の
助成制度活用への支援
・ コミュニティビジネスの立ち上げなど市町村や地域の経済団体が実施する雇用
創出への取り組みへの支援
④ いきいきと働ける雇用環境の整備
・ 就業意欲と能力のある高年齢者の雇用を確保するための継続雇用制度などの普
及促進
・ 中高年齢者の就職相談や能力開発施策を活用した再就職の円滑化
・ 高年齢者の多様な就業機会を提供するシルバー人材センターの設置拡大
・ 障害者の得意分野を生かした就業など、新しい視点に立った自立就業のビジネ
スモデル開発に取り組む企業やNPO法人への支援
60.0
%
新規高等学校卒業就職者の在職期間別離職率の推移(大分県)
15.0
24.9
28.8
H11.3卒
H12.3卒
9.7
14.3
14.7
15.6
26.7
25.5
23.9
H8.3卒
H9.3卒
H10.3卒
9.7
9.1
14.0
22.9
H7.3卒
15.9
16.9
9.4
10.9
30.0
52.9
8.9
50.3
50.4
40.0
54.2
8.5
48.0
49.7
50.0
48.9
47.5
16.4
32.4
29.0
31.1
32.4
H13.3卒
H14.3卒
H15.3卒
20.0
10.0
0.0
1年目の離職率(%)
2年目の離職率(%)
3年目の離職率(%)
資料:「新規学校卒業就職者の就職離職状況調査結果」厚生労働省安定局
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
若年者(30歳未満)就職率
%
34.3
H16
36
37
新規高卒者就職内定率
%
95.6
H16
96
99
障害者就職率
%
43.1
H16
44
45
年度 (H22 年度) (H27 年度)
産業振興Ⅲ-1-(3)
Ⅲ−1
活力を創造する商工業等の振興
(4)中小企業支援体制の整備
現状と課題
・ 担保に乏しい中小企業や新たに起業する者に円滑な資金供給を行うため、不動産担保
や個人保証に依存した融資からビジネスプランや業績評価に基づく資金調達システム
への転換が求められています。また、地域経済の活力維持のため、創業や新分野進出、
再生や再起業などを促進するための金融支援が求められています。
・ 中小企業が競争力や成長力を確保していくためには、総合的な支援機関である(財)
大分県産業創造機構や研究開発・技術支援機関である県産業科学技術センターのより
一層の機能強化が求められています。
・ 商工会・商工会議所や中小企業団体中央会に求められる役割は、より複雑・多様化し
ており、変化の時代に対応した商工関係団体へと機能強化を図る必要があります。
これからの基本方向
・地域の金融機関などと連携し、中小企業への県制度資金をはじめとし
た多様で円滑な資金供給に取り組みます。
・中小企業の経営革新や新規創業への支援を強化するなど多様なニーズ
に柔軟に対応し、質の高いサービスを提供できるよう、
(財)大分県産
業創造機構の総合的支援機能の充実強化を図ります。
・製造現場に密着しながら、研究開発やネットワーク化、技術面での橋
渡しなどの役割を十分に発揮できるよう、県産業科学技術センターの
プロジェクト構築機能やコーディネート機能の強化などに取り組みま
す。
・商工会・商工会議所の機能の充実、強化を図るための取り組みを支援
するとともに、中小企業団体中央会が行う、中小企業者の新たな連携
の調査研究などに対し支援します。
産業振興Ⅲ-1-(4)
主な取り組み
① 金融支援の充実・強化
・ 県制度資金をはじめとした不動産担保や個人保証に依存しない融資の拡大
・ 創業、新事業展開、事業再生、再起業などに対する円滑な資金供給
・ 証券化やファンド、動産・知的財産担保融資など多様な金融支援の推進
② 支援機関の機能強化
□産業創造機構
・ 企業の経営革新や、企画・研究開発から販路開拓までの各発展段階に応じた支援
・ 経営・技術アドバイザーなどの専門家派遣や産学官の支援ネットワークの活用に
よる、企業の相談内容に適切に対応した支援
・ 企業の受発注情報の収集・提供など下請振興の充実強化
□産業科学技術センター
・ 中小企業支援機関や行政、大学など
との政策的連携の強化と新技術の開
発などを目的とした部局横断プロジ
ェクトの推進
・ ニーズ把握のための企業訪問、知的
財産保護のための先行技術調査及び
市場調査の推進
・ 企業情報や研究情報の一元的収集と
整理・分析の推進
産業科学技術センター共同研究による油吸着材
③ 商工関係団体との連携強化
□商工会・商工会議所
・ 広域連携や合併などによる事業実施体制の強化に向けた自主的な取り組みへの
支援
・ 創意工夫のある提案型事業に取り組む商工会・商工会議所への支援
・ 経営指導員などの資質(経営指導能力、企画力など)向上への支援
□中小企業団体中央会
・ 国の新連携対策事業などを活用した、中小企業同士の新たな連携の取り組みへの
支援
・ 新しい組織化(LLP※)など)の研究、組合員に対する情報発信機能強化への
支援
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
産業創造機構企業間取引紹介件数
件/年
222
H16
300
330
産業科学技術センター指導育成件数
件/年
955
H16
1,395
1,535
年
(H22 年度) (H27 年度)
産業振興Ⅲ-1-(4)
Ⅲ−2
知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
(1)戦略ある商品づくり
現状と課題
・ 本県では、多種多様で特色ある農林水産物が生産されていますが、産地規模が小さ
いことや広域流通体制の整備が立ち遅れていることから、市場における競争力の強
化が求められています。
・ 大型量販店や中食・外食産業の需要増加など流通事情が激変するなか、ロットの拡
大や周年出荷体制などの構築が求められています。
・
農業分野では、広域的な生産・販売体制の整備や物流コストの削減、多様な販路の
開拓、販売力の強化などによる本県の顔となる商品づくりが求められています。
・
林業分野では、全国有数のスギの生産県であり、製材品の販売力を強化するため、
その品質確保と販路拡大が求められています。
・ 水産業分野では、浦々で生産される水産物の競争力を強化するため、関あじ・関さば
に続くブランド品づくりが求められています。
・ 近年、
「安全・安心」や「健康」に対する関心が高まる中で、生産者と消費者の信頼
関係を構築する「顔の見える関係づくり」が求められています。
これからの基本方向
・消費者の心をつかむ安全・安心な産品づくりを基本に、高品質で付加
価値の高い個性ある商品を育成します。
・戦略品目(トマト・カボス・ハウスみかん・キク・豊後牛・しいたけ・
ぶり・県産材など)を選定し、大量・周年需要に応える生産体制を構
築することにより市場競争力を高めます。
・市場の取引形態の変化に対応した流通体制を整備するとともに中国な
ど東アジア諸国への県産農林水産物の輸出を促進します。
・県内で生産された農林水産物を県民が愛用する「地産地消」を推進し
ます。
産業振興Ⅲ-2-(1)
主な取り組み
①
農産物の生産拡大とブランド化の推進
・
広域・県域産地化を図る戦略品目を選定し、生産
拡大を推進
・
県独自の e-na おおいた農産物認証制度の普及によ
る減農薬・減化学肥料栽培の拡大
・
大消費地の流通ニーズなどに応じたオーダーメイ
ドの商品づくり
戦略品目:ハウスみかん
②
林産物の需要拡大とブランド化の推進
・
「大分方式乾燥材※)」の生産工場の認証による乾燥材の品質向上
・
市町村との連携による公共施設や公共事業への県産材の利用促進
・
県産乾しいたけの生産拡大や品質の確保によるブランド力の強化
③
県産魚の安定供給とブランド化の推進
・
消費者ニーズに対応した県産魚の安定供給体制の確
立
・
関あじ・関さばに続く県産水産物のブランド化
・
流通・加工業者と連携した新たな商品開発の促進
④
新しい流通の展開
・
農協系統などによる大量・周年需要に対応する新たな広域流通体制の確立
・
大分県産材流通情報センターを核とした県産材の販路開拓
・
県一漁協のスケールメリットの発揮による販売力の強化
・
中国など東アジア諸国での見本市参加や食品フェア開催、市場調査、バイヤー
豊の活ぶりの出荷
招へいなどによる新たな市場開拓
⑤
・
地産地消の推進
消費者に良質な農林水産物を供給するための産直シ
ステムの充実と直販所ネットワークづくりの推進
・
県内消費者に対する産地や直販所に関する安全・安心
などの情報提供
・
学校給食などにおける県産農林水産物の利用拡大
地産地消推進キャンペーン
目標指標
指
標
名
園芸 10 品目(戦略品目)の産出額
大分方式乾燥材生産量
漁協共同販売率
農林水産物直販所の売上額
目標値(見込)
単位
現状値
百万円/年
21,834
H15
24,950
28,600
−
−
53,000
64,000
59.6
H15
63
65
6,597
H15
7,500
8,200
㎥/年
%
百万円/年
年度 (H22 年度) (H27 年度)
産業振興Ⅲ-2-(1)
Ⅲ−2 知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
(2)効率的で持続性のある生産体制の確立
現状と課題
・ 米価の低迷、担い手の高齢化などで水田農業経営が厳しくなっていることから、米
政策改革※)に対応した生産構造へ改革することが求められています。
・ 木材価格が低迷し、伐採後に植栽されずに放置される森林の増加が懸念されること
から、「伐採」、「植栽」、「保育」の作業が円滑に行われ、木材生産機能と水源かん
養など公益的機能の発揮が持続的に図られる長期的な視点に立った木材生産シス
テムの整備が求められています。
・ 水産資源の減少や魚価の低迷などにより漁業経営が厳しさを増しているため、水産
資源の管理強化などによる安定的な生産構造に改革することが求められています。
水田を利用したねぎ圃場
養殖ぶりの水揚げ
これからの基本方向
・米政策改革に対応した力強い担い手の育成と地域特性にあった多様な水
田農業を展開します。
・森林の持つ多面的機能を発揮させながら、県産材を低コストで安定的か
つ持続的に供給できるよう長期育成循環林※)の整備を推進します。
・資源管理の強化により水産資源を回復するとともに、養殖業の持続的発
展と経営の安定化を図ります。
産業振興Ⅲ-2-(2)
主な取り組み
①
米政策改革に対応できる水田農業の効率的展開
・
農地の集積による大規模水田経営農家と集落営農※)組織の育成
・
消費者ニーズに即した特別栽培米や低タンパク米など特色ある米産地の育成
・
食品加工業や発酵・醸造業と連携した麦、大豆の振興
・
野菜、花きや飼料作物など米に代わる作物の生産振興
・
水田の高度利用を進めるための排水対策など生産基盤の整備
②
市場の変化に対応し、森林環境を守る林業の展開
・
長期育成循環林の整備など新たな木材生産システム
を行う林業事業体の育成
・
林道などの整備や高性能林業機械の導入による効率的
な間伐※)の推進
・
間伐によって生じた空間にスギ・ヒノキなどを再植
栽し、循環的な木材生産を行える森林づくりの推進
・
広葉樹などの自然植生の導入による複層林化を図り、
針葉樹と広葉樹で構成される
長期育成循環林
水源かん養機能などを持続的に発揮できる森林づく
りの推進
スギ・ヒノキなどの
一斉林
(40 年∼50 年)
全面積伐採による
木材生産(皆伐)
再造林
下刈りなどの保育
新たな木材生産システム
木 材生産 と公益 的 機能 を
持 続 的 に 発 揮で き る 森 林
づくりの推進
︵長期育成循環林︶
これまでの
木材生産システム
スギ・ヒノキなどの一斉林
(40 年∼50 年)
抜き切り(帯状等)の繰り返し
(高性能林業機械による省力化)
抜き切りによって生 抜き切りによって生
じた空間に自然植生 じた空間にスギ・ヒノ
キなどを植栽する
の導入を図る
針葉樹の複層林
(1∼100 年生)
広葉樹の複層林
③
資源管理の強化と新たな地域・魚種での養殖業の展開
・
減少が著しい魚種の資源を回復するため、種苗放流や漁獲規制強化による資源
管理の徹底
・
養殖魚のブランド化による販売力の強化や新たな地域での養殖業の展開
・
新たな飼料や免疫力を高めるワクチンの開発、赤潮対策のための取水施設の改
良などによる効率的で安定した養殖業の推進
・
加工業との連携による新商品開発など養殖魚の高付加価値化の推進
目標指標
指
標
名
集落営農組織数
長期育成循環林の面積
資源回復計画策定魚種数
目標値(見込)
単位
現状値
組織
347
H16
600
600
ha
623
H16
6,500
13,000
9
H16
11
15
魚種
年度 (H22 年度) (H27 年度)
産業振興Ⅲ-2-(2)
Ⅲ−2 知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
(3)時代に対応する力強い農林水産業の担い手づくり
現状と課題
・
農山漁村が持続的に発展していくためには、自らの創意工夫により、企業的な生産活
動に取り組む人材や組織の育成・確保が必要です。
・ 昭和一けた世代のリタイアなどによる農林水産業従事者の急速な減少に対応するため、
産地を支える多様な担い手の育成・確保が求められています。
効率的な農業生産活動を行う農業企業者
水産業とふれあう体験学習
これからの基本方向
・農業生産を将来にわたり効率的・安定的・継続的に担う企業的な担い
手を育成します。
・森林組合など中核となる林業事業体や意欲のある林家を育成します。
・資源管理意識を持ち、経営感覚にすぐれた漁業者を育成します。
・新規学卒者やUターン希望者などの就業促進と他産業からの参入、県
外の先進的な農業者の誘致により、担い手を確保します。
・教育機関やNPOとの連携などにより子どもの段階から農林水産業に
接するさまざまな機会を設け、将来の担い手育成につなげます。
産業振興Ⅲ-2-(3)
主な取り組み
①
農業企業者※)と集落営農法人の育成
・ 認定農業者※)など意欲のある担い手に対する経営安定対策など各種施策の集
中・重点化による農業企業者の育成
・ 地域水田農業の担い手となる集落営農組織を育成し、安定的・持続的な経営を
確立するため法人化を推進
・ 雇用型経営を支援するための労働人材バンクなどの設置
②
林業事業体などの育成と経営強化
・ 小規模な林業事業体の組織化による認定林業事業体※)の育成
・ 森林組合など中核となる林業事業体の労働安全衛生対策など就労環境の改善
・ 高性能林業機械の導入支援などによる認定林業事業体の事業規模拡大や意欲の
高い林家の経営安定の推進
③
中核的漁業者の育成
・ 青年漁業士※)の養成、指導漁業士※)の認定などを通じた中核的漁業者の育成
④
多様な担い手の育成・確保
・
新規学卒者やUターン希望者、定年を迎える団塊の世代、他産業からの新規参
入者に対する技術習得研修の実施など就業支援体制の充実
・
地域農業活性化の核となる県外の先進的農業者などの誘致
⑤
農林水産業とふれあう体験学習などの実施
・
教育機関と連携した体験学習などの実施
・
地域住民やNPOなどによる体験活動の支援
・
各世代を対象とした講演会や研修会などの学習機会の提供による農林水産業に
対する理解の促進
目標指標
指
標
名
農業企業者数
目標値(見込)
単位
現状値
人
1,686
H16
2,700
3,500
年度 (H22 年度) (H27 年度)
集落営農法人数
組織
22
H16
200
200
認定林業事業体数
団体
35
H16
37
40
人
143
H16
190
230
農業
人/年
86
H16
125
125
林業(就労)
人/年
35
H16
37
37
水産業
人/年
31
H16
45
45
中核的漁業者数
新規就業者数
産業振興Ⅲ-2-(3)
Ⅲ−2
知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興
(4)地域資源の活用と産業間の連携によるニュービジネスの
創造
現状と課題
・ 生産物価格の低迷や生産者の高齢化などの課題を抱えるなか、新たな展望を切り拓く
ためには、農業、林業、水産業それぞれの産業振興を図るだけでなく、産業相互の協
働と連携が必要です。
・ 本県には、豊かな自然や伝統文化、多様な農林水産物、伝統的な発酵・醸造業、温泉
を核とした観光産業など恵まれた地域資源がありますが、農林水産業の振興に十分活
用されていません。
・ 近年、農林水産物の加工・販売が盛んになっていますが、地域の生産者による小規模
な事業にとどまっており、今後、他産業との連携や情報発信などによる新たな展開が
求められています。
これからの基本方向
・農林水産業がそれぞれ単独で活用してきた資源・人材・ネットワーク
などの連携を促進します。
・多種多様な地域資源を最大限に活用して、新たなビジネスチャンスの
創出に向けた取り組みを促進します。
・伝統産業である発酵・醸造業をはじめ食品産業や流通・サービス産業
など他産業との連携を図るとともに、それぞれの取り組みをより広域
的に展開します。
主な取り組み
①
農林水産業の有機的連携
・
集落営農組織によるしいたけ栽培や森林の下刈りなどの林業支援、林業組織に
よる農作業受託など農林水産業間の人的交流による地域内の労働補完の促進
・
農業・林業・水産業の連携による新たな商品開発や販路開拓への支援
・
農林水産物のセット販売など素材の組み合わせにより、付加価値の高い新たな
商品づくりへの支援
産業振興Ⅲ-2-(4)
②
他産業との連携によるニュービジネスの展開
・
農林水産物など地域資源の新たな活用を推進するコーディネーターの育成とア
ドバイザーの派遣
・
産学官の連携による新たな商品や技術の開発と販売戦略の確立支援
・
農林水産研究センター、産業科学技術センター食品産業部(食品産業研究所)
などの試験研究機関と普及組織の連携による生産技術支援体制の構築
③
資源循環型の連携システムの構築
・
家畜排せつ物の堆肥利用など耕畜連携の促進
・
スギ皮バークなど木質資源の有効利用や食品加工残さの堆肥・飼料などへの利用促
進
④
地域資源活用のための支援
・
産地と実需者の情報交流や情報発信のための産地見本市などの開催
・
広く異業種と連携を進めるための新たな協議会などの設立
・
農林水産物の生産者と流通・加工業間との安定した取引体制の確立
・
首都圏における「おおいた」発信拠点、農業文化公園、マリンカルチャーセン
ターなどを活用した異業種への情報発信
■産業相互の協働と連携
協働と連携
産
農業
林業
水産業
・食品産業
・観光産業
・住宅産業
・異業種産業等
新商品の
提供
学
商品
・大学
・研究機関等
多様な流通
新商品へ
の提案
行政(官)
・国、県、市町村
目標指標
指
標
名
産業連携によって開発された商品数
県産麦類の県内企業への供給量
単位
商品数
t/年
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度)
(H27 年度)
6
H16
15
30
3,073
H15
9,400
11,000
産業振興Ⅲ-2-(4)
Ⅳ
交流で広がる活気あふれる地域づくり
1 地域と世界をつなぎふれあい楽しむツーリズムの推進
(1)観光と地域づくりを一体とするツーリズムの推進
(2)地域を活性化する国際交流の推進
2 交流を支える交通体系の充実
(1)広域交通網の整備推進
(2)地域生活交通システムの形成
3 高度情報通信ネットワーク社会の形成
(1)情報通信基盤の整備促進
(2)県民生活の情報化推進
4 合併による新市建設への支援
(1)新市の自立と一体的発展の促進
(2)新市における旧町村地域の振興
Ⅳ−1
地域と世界をつなぎふれあい楽しむツーリズムの推進
(1)観光と地域づくりを一体とするツーリズムの推進
現状と課題
・ 旅行形態が団体から個人・グループに移行するなど、観光スタイルが大きく変化する
中、地域にある資源を見つめ直し、磨き上げて地域の魅力を高めていくことが求めら
れています。
・ グリーンツーリズムや地産地消、スローフード運動など、NPOや地域住民などの自
主的・主体的な活動に対して、行政が連携・協働していくことが求められています。
・ 経済発展やビザの解禁・免除により、今後拡大が見込まれる中国や韓国、台湾その他
の東アジア地域など、国内外からツーリズム客を誘致することが求められています。
これからの基本方向
・自然、温泉、歴史、文化、景観、食材など、地域の優れた資源を民間の
自主的・主体的な活動により再発見し、磨き上げ、地域に魅力を創出す
るとともに、こうした活動を通じて人材を育成します。
・農林水産業や工業、商業、サービス業、福祉医療、環境産業など、さま
ざまな産業や個性あふれる文化とツーリズムの融合を推進します。
・大分の魅力をさまざまな手段で国内外に情報発信するとともに、来県
者、特に外国人や高齢者、障害者が安心して快適に楽しめるツーリズム
を推進します。
ツーリズム推進体制のイメージ図
市町村(支援・負担)
地域の観光協会
地域づくり団体・NPO
農林水産事業者
飲食店・土産品店
文化・スポーツ団体
(社)ツーリズムおおいた
交通機関・旅行エージェント
商工業事業者など
旅館・ホテル
県(必要に応じた支援)
地域づくりⅣ-1-(1)
主な取り組み
① 民間による自主的・主体的な地域活動の促進
・ NPOや地域住民などの地域資源を生かした取り組みを提案公募することによ
る、自立に向けた地域活動への支援
・ 提案公募型による地域活動の実践を通じた、人材育成と異業種を含めた幅広いネ
ットワークの形成
・ 地域特性や既存ストックの魅力を引き出す構造改革特区※)や地域再生※)の取り
組みの拡大
② 産業・文化とツーリズムの融合の推進
・ 医療や癒しをテーマとした健康産業の創出やグリーンツーリズム※)・ブルーツー
リズム※)・エコツーリズム※)、スローフード運動※)の推進
・ 世界トップレベルの工場、文化・スポーツのビッグイベント、道の駅や里の駅な
どをとりこんだツーリズムの推進
③ 国内外に向けたツーリズム情報の発信
・ 首都圏の「おおいた」情報発信拠点やインターネット、留学生、中国・韓国との
国際定期便を生かした大分県の魅力の情報発信
・ フィルム・コミッション※)活動などを通じたマスメディアとの連携の強化
・ 九州観光推進機構との連携による新たな広域観光ルートなど九州一体となった
ツーリズム情報の発信
・ 費用対効果の分析が可能となるツーリズムに係る新たな統計の整備
④ みんなが楽しめるツーリズム基盤の整備推進
・ にぎわいのあるまちなみ整備などを視点においた計画の策定とそれに基づく都
市施設(道路・公園)などの計画的整備
・ 地域の特性や景観に配慮した農山漁村環境の保全と新たな魅力の創出
・ 手話・介助研修を通じたサポートボランティアの育成支援や複数言語による案内
システムの整備などによる観光客の満足度を高める体制づくりと、それらの取り
組みを通じた「大分のおもてなし」の気運の醸成
目標指標
指
標
宿泊者数(延人泊)
名
注)
外国人宿泊者数(延人泊)注)
グリーンツーリズムなどのインストラク
ター数
目標値(見込)
単位
現状値
指数
100
H18
102
104
指数
100
H18
150
300
人
125
H16
180
210
年度 (H22 年度) (H27 年度)
注)平成18年1月から新しい手法で観光統計調査を行うため、平成18年の数値を100とした指数により、
平成22年、27年の目標値を示しています。
地域づくりⅣ-1-(1)
Ⅳ−1
地域と世界をつなぎふれあい楽しむツーリズムの推進
(2)地域を活性化する国際交流の推進
現状と課題
・ 経済のグローバル化や海外との交流機会の増加に対応して、地域に活力や競争力を生
み出すため、地理的、歴史的、経済的に関係の深い中国、韓国と、経済・観光・文化・
教育など多くの分野で連携を強化し、アジアとの交流拠点づくりを進めていくことが
重要です。
・ 県内の留学生数は約2,800名を数え、人口比では東京都に次いで全国第2位とな
っていることから、留学生の受け入れ環境の整備と留学生の能力を生かした地域づく
りが求められています。
県内の出身地域別留学生数
北米 58人
ヨーロッパ 74人
オセアニア 31人
中南米 22人
アフリカ 86人
その他のアジア
690人
合計
2,793人
(アジア2,522人)
台湾
201人
中国
914人
韓国 717人
資料:大分県企画振興部(平成 16 年 11 月1日現在)
これからの基本方向
・ 中国、韓国に重点を置き、地域に活力や競争力を生み出す国際交流がで
きる環境づくりを推進します。
・ 留学生をはじめとした県内居住外国人と共存する活力ある地域づくり
を推進します。
・ 国際交流・協力の担い手としての民間団体や人材を育成します。
地域づくりⅣ-1-(2)
主な取り組み
① 地域経済に活力と競争力を生み出す国際交流の推進
・ 海外県人会や留学生、海外技術・文化研修員などを生かした海外ネットワークの
充実・拡大
・ 中国、韓国を中心とした東アジアへの市場開拓や観光客誘致などの経済交流の推
進
・ 世界に向けた明確なおおいたイメージの構築と情報の発信
・ 中国との交流を強化するための官民を挙げた一元的な推進体制の充実と相互理
解と信頼に基づいた積極的な交流の推進
② 外国人と共存する活力ある地域づくり
・ 「大学コンソーシアムおおいた※)」との連携による留学生の受入環境の継続整備
とインターンシップなどの就職支援プログラムの充実
・
留学生などが参画する新たなビジネスチャンスの創出など、外国人を生かした
地域づくりの推進
・
国際交流プラザやインターネットなど多様な手段を活用した国際交流団体をは
じめとする県民と県内居住外国人との交流機会の拡大
③ 県民の手づくりによる草の根国際交流・協力の推進
・ 国際交流・協力団体(NPO※)・NGO※))の育成・強化
・ JICA※)やJET※)プログラムなどを活用した国際交流・協力の担い手とな
る人材の発掘・育成と担い手相互間や海外との新たなネットワークの構築
・ 青少年、スポーツ・文化交流などを通じた民間レベルの国際交流の拡大
大分国際車いすマラソン大会での
選手と県民との交換会
日中間の高校生の交流
目標指標
指
標
名
留学生人材情報バンク活動実績学生数
(延べ)注)
国際交流・協力NPO法人数
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
人
78
H16
700
1,100
法人
39
H16
70
90
注)現状値は、平成16年11月∼平成17年3月の5ヶ月間の実績値。
地域づくりⅣ-1-(2)
Ⅳ−2
交流を支える交通体系の充実
(1)広域交通網の整備推進
現状と課題
・ 九州の西側に比べ、鉄道サービスや
高速道路網の整備が遅れている九
九州の主要な交通ネットワーク
(平成 17 年8月)
州の東側に位置する本県では、北九
州や熊本、宮崎方面との交流や物流
の円滑化が求められています。
・ 県外からの観光客の誘致や産業競
争力の向上のためには、広域的に人
やモノの移動を支える高速道路や
海上輸送など、多様な交通ネットワ
ークの形成が不可欠です。
・ アジアからの観光客の増大や貿易
の拡大などに対応するためには、国
際航空路線の維持、拡充が求められ
ています。
凡
例
6車線
4車線
2車線
東九州自動車道完成予想写真(佐伯市付近)
これからの基本方向
・ 高規格幹線道路や地域高規格道路、港湾施設など広域交通網の整備を進
め、地域の産業や広域交流を支援します。
・ 物流効率化や生活圏拡充を支援する高速ICアクセスを強化します。
・ 日豊本線の高速・複線化と各路線における安全性・快適性の向上に取り
組みます。
・ 大分空港の利便性の向上と国際・国内航空路線の維持・拡充を図ります。
地域づくりⅣ-2-(1)
主な取り組み
① 広域交通網の整備推進
・ 東九州自動車道(椎田∼中津∼宇佐間、津久見∼佐伯∼北川間)の整備促進
・ 中津日田道路、大分中央幹線道路、中九州横断道路、宇佐国見道路の整備推進
・ 別府港、中津港などの港湾の整備推進と中津港の関税法上の開港指定
・ インターチェンジの追加整備や利便性の向上に向けたETC※)の普及など高速
道路の利用促進
・ 海上定期路線のシャトル化などの維持・拡充
② 高速ICアクセスの強化
・ 高速ICと物流拠点(空港・港湾)のアクセス強化
・ 輸送競争力強化に向けた幹線道路の整備推進
③ 鉄道の高速・複線化の促進と安全性・快適性の向上
・ 日豊本線の複線化、佐伯駅以南の高速化の促進
・ 日豊本線のフリーゲージトレイン※)導入促進
・ 各路線における新型車両の導入促進
④ 大分空港の利便性の向上
・ ソウル線、上海線の定着化
と新規国際路線の誘致
・ 貨物専用機の導入促進
・ 国内航空路線の増便や新規
路線の誘致
・ 県北地域などと大分空港と
の交通アクセスの改善
・ 出入国取り扱い件数の増加
などに対応したCIQ体制
※)
の充実
大分空港
目標指標
指
標
名
県都大分市の中心部まで概ね60分で到達
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
%
89.9
H16
92
94
%
86.2
H16
94
97
フェリー航路の利用台数
万台/年
89.4
H16
93
96
大分空港の利用者数
万人/年
187
H16
200
200
できる人の割合
高速ICに概ね30分以内に到達できる
人の割合
地域づくりⅣ-2-(1)
Ⅳ−2
交流を支える交通体系の充実
(2)地域生活交通システムの形成
現状と課題
・ 自動車への依存度が高い本県では、住民の日常生活を支え、交流人口の拡大につなが
る道路の整備が重要です。
・ 高次医療施設などの高次都市機能は都市部に集中しており、救命率の向上などのため
には、都市部とのアクセス時間を短縮することが必要です。
・ モータリゼーションの進展などにより、交通渋滞の状況は深刻化しており、沿道環境
の悪化や経済効率の低下などを引き起こしています。
・ 利用者の減少により、公共交通機関のサービスの低下が懸念されていることから、高
齢者や子供の交通手段としての公共交通機関の維持が求められています。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
大分駅周辺連続立体交差事業
完成予想図
大分駅南側からみた駅舎の完成予想図
これからの基本方向
・地域間の連携・交流や救急医療活動などを支える道路整備を進めます。
・交通渋滞の改善に向けて、市街地の交通円滑化を図ります。
・地域公共交通の維持・充実に向けて、地域の生活交通確保対策を支援しま
す。
地域づくりⅣ-2-(2)
主な取り組み
① 地域の生活を支える道づくりの推進
・ 隣接地域間の連携・交流を支える道路の整備推進
・ 救命救急センター※)や2次救急医療施設※)へのアクセス道路の整備推進
・ 道路資産の効率的・計画的な維持管理の推進
国道502号岡城バイパス(竹田市)
② 都市圏域の交通円滑化の推進
・ 交差点改良、ボトルネック※)対策、踏切道の改良推進
・ パークアンドライド※)など交通需要マネジメント(TDM)※)施策の推進
・ 大分駅付近連続立体交差事業など都市計画道路の整備推進
③ 地域公共交通の維持・充実
・ 維持困難なバス路線への助成
・ 市町村などが取り組む廃止路線代替バスの運行など生活交通確保対策への助成
・ 「ノーマイカーデー」の取り組みなど公共交通機関利用の啓発活動の強化
目標指標
指
標
名
日常生活の中心となる都市注)まで概ね
30分以内に移動できる人の割合
救命救急センターに概ね60分以内に
到達できる人の割合
渋滞対策が必要な箇所数
公共交通機関(JR・バス)の利用者数
目標値(見込)
単位
現状値
%
95.2
H16
97
98
%
92.7
H16
94
95
22
H16
9
5
4,271
H16
4,271
4,271
箇所
万人/年
年度 (H22 年度)
(H27 年)
注)大分市、別府市、中津市、日田市、佐伯市、臼杵市、竹田市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、豊後大野市、
由布市、国東市、玖珠町の14市町(平成18年4月1日現在見込み)。
地域づくりⅣ-2-(2)
Ⅳ−3
高度情報通信ネットワーク社会の形成
(1)情報通信基盤の整備促進
現状と課題
・ 高度情報化が急速に進展する中で、県民が等しくIT社会の恩恵を受けるためには、
基盤となるブロードバンドサービス※)の普及が求められています。
・ 携帯電話は、その多機能化により日常生活において必要不可欠な情報端末となりつつ
ありますが、県内では携帯電話の不感地域が多く存在していることから、通話エリア
の拡大が求められています。
・ 本県では、2006年に地上デジタルテレビ放送※)が開始され、2011年には現行
のアナログ放送が終了する予定となっており、デジタル化への円滑な移行が求められ
ています。
・ 県内を高速大容量の光ファイバ網で結ぶ「豊の国ハイパーネットワーク※)」の行政分
野以外での利活用が求められています。
豊の国ハイパーネットワーク
(H17 年度末見込み)
地域づくりⅣ-3-(1)
これからの基本方向
・ブロードバンドサービス提供地域や携帯電話通話エリアの拡大などを
進め、情報通信基盤の地域間格差の是正と、ユビキタスネット社会※)
の基盤となるネットワークの整備に努めます。
・住民生活に必要不可欠な行政・文化・教養情報などの多様な情報の提供
を行う地域ケーブルテレビ網の整備を促進します。
・民間利用を含めた豊の国ハイパーネットワークの利活用に積極的に取
り組みます。
主な取り組み
① 情報通信基盤の整備
・ 電気通信事業者の事業促進などによるブロードバンドサービスの普及
・ 地域ケーブルテレビ網の整備促進
・ 携帯電話不感地域における移動通信用鉄塔施設の設置促進
・ 国や放送事業者などと連携した地上デジタルテレビ放送の普及啓発
② 豊の国ハイパーネットワークの活用
・ 各都道府県の情報ハイウェイ※)との接続による全国規模の防災情報収集や遠隔
医療などの各種システム構築の研究
・ 豊の国ハイパーネットワークの民間利活用の促進によるブロードバンドサービ
ス提供地域や携帯電話通話エリアの拡大
・ 今後の法制度や技術の進展に対応した豊の国ハイパーネットワークの多様な利
活用の研究
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
ブロードバンド世帯普及率
%
29.3
H16
50
70
携帯電話人口普及率
%
57.1
H16
65
70
ケーブルテレビ世帯普及率
%
45.5
H16
50
57
地域づくりⅣ-3-(1)
Ⅳ−3
高度情報通信ネットワーク社会の形成
(2)県民生活の情報化推進
現状と課題
・ 急速に進展するIT化に対応した行政サービスのあり方、ひいては行政の仕事のあり
方そのものの改革を進め、県民の利便性を高め、行政への満足度の向上を実現してい
くことが求められています。
・ ITの利便性をすべての県民が享
受し日常生活において積極的に活
用するため、NPOなどと行政が協
働し、県民の情報活用能力の向上を
図る必要があります。
・ IT社会の進展により利便性が向
上する一方で、情報セキュリティの
確保や個人情報の保護に対する関
心が高まっており、安全・安心の確
保に向けた取り組みが重要となっ
ています。
情報コミュニティセンターでの高齢者向けパソコン研修会
これからの基本方向
・インターネットなどを利用して簡単に各種申請・届出などができる「電
子申請等受付システム」の拡充や公共事業の透明性・公正性の向上を図
る電子入札制度の導入などにより、利用者の視点に立った電子自治体の
構築をめざします。
・ITの最新動向をテーマにしたセミナーの開催や、NPOが実施する講
習会に対する支援などを進め、ユビキタスネット社会において、
「いつで
も、どこでも、何でも、誰でも」利活用できるよう県民の情報活用能力
の向上を図ります。
・県民が安心してITの利便性を実感できるよう、情報セキュリティ対策
や個人情報保護の徹底に努めます。
地域づくりⅣ-3-(2)
主な取り組み
① 電子自治体の基盤となるシステムの構築・運用
・ 厳格な本人確認を可能とする公的個人認証サービス制度の普及促進
・ 「電子申請等受付システム」が利用可能な行政手続の拡大と公金を電子収納でき
るシステムの構築・運用
・ 公共工事や物品調達などに係る電子入札システムの構築・運用
・ 情報の共有と適正な管理を可能とするナレッジマネジメント※)システムの拡大
・ 「電子申請等受付システム」の共同調達などによる市町村の電子自治体構築への
支援
② ITを活用した行政サービスの向上や県民と行政の協働
・ ホームページを活用した行政情報の提供
・ 利用者の視点に立った分かりやすい県民ポータルサイト※)の整備
・ 県民と行政とのコミュニケーションを拡大する統合型GIS※)の導入検討
・ 高齢者や障害者などが利用しやすい音声読み上げ機能や文字拡大表示機能を備
えたホームページなどの作成
・ 行政情報の電子化による情報公開の推進
③ 県民の情報活用能力の向上
・ ITの技術動向や先進地事例など情報化に関するセミナーの開催
・ 高速インターネットの体験やパソコンサークルの研修などに利用できる「情報コ
ミュニティセンター※)」の運営
・ NPOや地域づくり団体などが運営する講習会やホームページ・メーリングリス
ト作成などに対する講師派遣や技術的支援
④ 情報セキュリティ対策と個人情報保護の推進
・ 情報セキュリティの確保と個人情報の保護の徹底
・ 県民の情報モラルや情報セキュリティ意識の普及啓発を図るセミナーなどの開
催
・ 個人情報保護制度の広報・啓発活動や事業者からの相談対応などへの支援
目標指標
指
標
名
電子申請届出の年間申請件数の割合
単位
注)
現状値
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
%
0.4
H16
10
30
電子入札の施行率
%
−
−
100
100
一般家庭におけるパソコン普及率
%
60.0
H16
80
85
注)現状値は、平成16年10月∼平成17年3月の6ヶ月間の実績値。
地域づくりⅣ-3-(2)
Ⅳ−4
合併による新市建設への支援
(1)新市の自立と一体的発展の促進
現状と課題
・ 本県では、「市町村の合併の特例に関する法律(以下、「合併特例法」という。)」の適
用を受け、平成18年4月1日現在で12地域の合併が実現し、これまでの58市町
村が18市町村へ再編される見込みです。
・ 新市においては、合併後10年間のマスタープランとも言うべき新市建設計画に基づ
いて、合併特例債などの財源措置を活用しながら、新しいまちづくりを進めていくこ
とになります。
・ 合併特例法において、県は、新市建設計画を達成するための事業の実施などに努めなけ
ればならないとされており、新市の円滑な立ち上げと新市建設計画の具体化に向けた支
援が求められています。
大分県における市町村合併状況図
豊後高田市
国東市
中津市
宇佐市
杵築市
日田市
由布市
大分市
臼杵市
竹田市
豊後大野市
佐伯市
合併地域
新市名称
(平成 18 年4月1日現在見込み)
資料:大分県
地域づくりⅣ-4-(1)
これからの基本方向
・新市の自立と一体的発展を図るため、新市の円滑な立ち上げや新市建設
計画の具体化を支援するとともに、住民サービスの向上を図るため、県
から新市への権限移譲を推進します。
合併協定調印式(佐伯市)
主な取り組み
① 新市の円滑な立ち上げへの支援
・ 市町村合併にともなう電算システムの統合などに対する財政支援
・ 県から事務移管される福祉事務に関する研修の実施など、住民サービスの円滑な
提供への支援
・ 新地方行革指針※)に基づく新市の組織や運営の合理化に向けた助言などの実施
② 新市建設計画の具体化への支援
・ 市町村合併支援プランに位置付けられた社会基盤整備など、各種国庫補助事業や
県単独事業の重点実施
・ 新市が行う新しいまちづくりに対する財政支援
③ 権限移譲の推進
・ 行財政基盤が強化された新市への住民の身近な事務に関する権限移譲の推進
目標指標
指
標
名
市町村合併支援道路の完成延長
単位
注)
Km
現状値
26.8
目標値(見込)
年度 (H22 年度) (H27 年度)
H16
80
90
注)平成16年度の合併推進債要望時の事業計画書によります。
地域づくりⅣ-4-(1)
Ⅳ−4
合併による新市建設への支援
(2)新市における旧町村地域の振興
現状と課題
・ 市町村合併で新市の周辺部となる旧町村地域(地方自治法上の事務所が置かれない旧町
村部)の多くは、県土の保全や水源の涵養、安全・安心な食料供給などの面で重要な役
割を担う一方、高齢化や過疎化が進行しており、旧町村地域の活力を維持・向上させる
ことが、新市はもとより本県の発展のためには欠かせません。
・ 旧町村地域を含めた新市の一体的振興を図るため、新市建設計画が策定され、地域審議
会などにより住民の意向を踏まえ、さまざまな取り組みが進められますが、新市発足に
あたり、厳しい財政状況が予測されることや新市建設計画の実現まで時間を要すること
などから、過渡的な対応として、県が旧町村地域の振興策を講じる必要があります。
地域で頑張る女性グループ
これからの基本方向
・県全体による支援体制のもと、旧町村地域の振興発展を図る各種事業を
優先的かつ重点的に実施します。
・旧町村地域の活力が維持され、さらに向上するよう、県地方振興局が地
域住民などと協働し、地域の多様な資源を生かした持続可能な新たな取
り組みの立ち上げから定着までを柔軟かつ機動的に支援します。
地域づくりⅣ-4-(2)
主な取り組み
① 旧町村地域の振興発展を図る各種事業の重点実施
・ 市町村合併支援プランに位置付けられた道路や下水道など社会基盤の整備をは
じめ、地域活動の活性化や農林水産業など産業振興のための各種国庫補助事業、
県単独事業の優先採択や重点投資
② 旧町村地域の地域活性化に向けた持続可能(自立可能)な新たな取り組み
への支援
・ 高齢者の給食・宅配などの住民参加型有償サービスシステムの構築や廃校舎の有
効活用など、新しい地域活動の取り組みへの支援
・ 一次産品の加工・販売によるビジネス展開やふるさと直行便の事業化など、地域
資源を生かした新しい産業振興の取り組みへの支援
・ 地域の小・中学生を対象とした講習会の開催による後継者の育成や資料の保存・
展示や公演活動を通じた情報発信の拠点となる施設の整備など、伝統文化の保
存・継承に関わる活動による地域の活力維持の取り組みへの支援
・ 遊休施設の活用や郵便局を活用した各種証明書発行など、新市が行う地域活性化
や住民サービス向上の取り組みへの支援
旧町村地域の支援体制
旧町村地域の支援体制
市 町 村 合 併 支 援 本 部
[本部長] 知 事
[副本部長] 副知事
[ 本部員] 関係部局長
旧町村部特別支援プロジェクトチーム
事 業 執 行 関 係 課 等
各地域市町村合併支援本部
県地方振興局
( ふるさと地域活力支援セ ンター)
そ の他の県関係機関
県土木事務所
旧 町 村 地 域
合 併 新 市
目標指標
指
標
名
旧町村地域振興策の実現した事業件数
単位
件
現状値
−
目標値(見込)
年度
−
(H22 年度)
120
地域づくりⅣ-4-(2)
Ⅴ
明日の大分を築く心豊かな人づくり
1 多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
(1)「生きる力」をはぐくむ学校教育の推進
(2)信頼と協働による学校づくりの推進
(3)大学等高等教育の推進
(4)生涯学習社会の形成と社会教育の推進
(5)青少年の健全育成
2 多様な県民活動の推進
(1)NPO(NPO 法人・ボランティア団体・市民活動団体)の育成
(2)NPO 等との協働の推進
3 多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
(1)県民文化の創造
(2)文化財・伝統文化の保存と活用
(3)県民スポーツの振興
(4)大分らしい国体・全国障害者スポーツ大会の創造
Ⅴ―1
多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
(1)「生きる力」をはぐくむ学校教育の推進
現状と課題
・ 児童生徒は、学力や学習意欲の低下、倫理観や社会性の不足、規範意識の低下、体力
や運動能力の低下など憂慮する状況にあり、学校教育においては知・徳・体の調和の
とれた人間を育成することが求められています。
・ 障害の重度・重複化や学習障害※)、注意欠陥/多動性障害※)、高機能自閉症※)などの
児童生徒への対応やいじめ・不登校への対応が求められています。また、幼児期の基
本的なしつけ、就学前教育から小学校教育への円滑な移行が課題となっています。
これからの基本方向
・「わかる授業」を実現して、学ぶことの意義や楽しさを理解させるととも
に基礎・基本を徹底し、学力の向上を図ります。
・美しいものや自然に感動する心、正義感や公正さを重んじる心、他人を思
いやる心や社会貢献の精神、基本的な倫理観など、豊かな心を育成します。
・積極的に運動に親しむ資質・能力を育成するとともに、健康づくりや体力
づくりを推進します。
・障害のある児童生徒の可能性を最大限に発揮するための特別支援教育※)
や一人ひとりを大切にする生徒指導、人間形成の基礎を培う大切な時期で
ある幼児期の教育の充実に取り組みます。
主な取り組み
①
確かな学力※)の育成と個性・創造性の伸長
・ 小・中学校における基礎・基本の定着状況調査の実施や小学校における30人学
級の拡充、中学校における習熟度別指導の工夫改善など個に応じた指導の推進
・ 地域の拠点校づくりや中高一貫教育校などの新しいタイプの学校の設置・導入、
魅力ある教育課程の編成や授業の工夫改善などによる特色ある高等学校づくり
・ 児童生徒一人ひとりの夢や希望の実現と自立を促す勤労観・職業観の育成
・ 将来のスペシャリストとなるための知識・技術の習得や生産から販売までの実習
など、魅力を実感できる職業教育の推進
・ 小学校からの英語学習を含めた国際理解教育や社会の変化に対応した環境教育、
科学技術・理科教育などの推進
人材育成Ⅴ-1-(1)
②
豊かな心の育成
・ 道徳教育の充実と社会奉仕・自然体験活動
などの推進
・ 望ましい人間関係を構築するコミュニケー
ション能力の育成
・ 読書習慣の確立と文化芸術活動の推進
③
小学生に興味関心を持たせる理科の実験
健康・体力づくりの推進
・ 健全な食生活の実現や心身の成長を図る食育の推進と保健指導の充実
・ 運動への関心を高め体力向上を図る学校体育の充実
④
特別支援教育の充実
・ 自立と社会参加をめざした福祉や医療などの関係機関と連携した個別の教育支
援計画の策定と的確な支援の実施
・ 盲・聾・養護学校の専門性を生かした小・中学校の支援など地域の特別支援教育
のセンターとしての機能強化
・ 看護師の学校配置などによる医療的ケアの充実
⑤
一人ひとりを大切にする生徒指導の充実
・ スクールカウンセラーや子どもと親の相談員の配置による教育相談体制の充実
・ 学校と関係機関等で形成するサポートチームによる支援など、問題を抱える児童
生徒や不登校児童生徒への地域支援体制の充実
⑥
幼児教育の充実
・ 基本的な社会性を育てる幼稚園教育の充実
・ 合同研修の実施など幼稚園・保育所・小学校の連携の推進
・ 幼稚園における預かり保育の拡充や幼稚園と保育所の一元化など子育て支援体
制の充実
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
基礎・基本の定着状況調査における学 小5
%
51.8
H16
58
63
力が全国平均以上の児童生徒の割合
%
52.8
H16
59
64
%
40.2
H16
58
66
読書活動を週1回以上実施してい 小学校
%
85.4
H15
100
100
る学校の割合
%
45.5
H15
85
100
%
26.6
H16
30
32
事業所
33.2
H16
51
66
中2
共通到達度テストにおける目標正答率に達
した問題の割合(高2)
中学校
体力・運動能力調査で県平均が全国平均
以上の種目の割合
盲・聾・養護学校在籍生徒の現場実習の受入
事業所数(1校あたり)
年度
(H22 年度) (H27 年度)
人材育成Ⅴ-1-(1)
Ⅴ―1
多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
(2)信頼と協働による学校づくりの推進
現状と課題
・ 少子化・過疎化の進行による児童生徒数の減少や児童生徒のニーズの多様化に対応し
た教育環境の整備が求められています。また、学校教育の充実には、その直接の担い
手である教員の資質能力の向上が必要です。
・ 教育を巡る課題が、深刻かつ複雑化する中で、家庭や地域の教育力が低下しており、
学校、家庭、地域の個別の対応では課題の解決が難しくなっています。このため、三
者が協働して教育に取り組む場の中心に学校を据え、学校のさまざまな活動を家庭や
地域に理解してもらう取り組みや、地域の教育力を学校の教育活動に活用する取り組
みなどを積極的に推進することが必要です。
これからの基本方向
・新しいタイプの学校の設置など豊かな教育環境を整備するとともに、教
員の意識改革と資質能力の向上に努めます。
・教育の担い手である学校、家庭、地域がそれぞれの役割と責任を果たす
中で信頼関係を築き、学校を中心とした教育の協働を実現するため、開
かれた学校づくりを推進するとともに、安全・安心な学校づくりを進め
ます。
・私立学校の建学の精神と自主性を尊重しながら、児童生徒一人ひとりの
能力・適性に応じた教育の充実に努めるとともに、個性豊かな魅力ある
学校づくりを促進します。
主な取り組み
① 豊かな教育環境の整備
・ 校長のリーダーシップによる特色ある学校づくり
・ 高等学校の再編整備、拠点校づくり、通学区域制度の見直し、入学者選抜制度の
改善
② 教員の意識改革と資質能力の向上
・ 採用試験の工夫改善による魅力あるすぐれた教員の確保と適正配置
・ 教員のライフステージに応じた研修の充実
・ 教員の能力開発や資質向上と学校組織の活性化を図る教員評価システムの充実
人材育成Ⅴ-1-(2)
③ 開かれた学校づくりの推進
・ 学校公開と外部評価を取り入れた学校評価の推進
・ 地域の人材を学校教育活動に生かすなど学校、家庭、地域の連携の拡大促進
・
県民の教育に対する関心と理解を高める「おおいた教育の日」の取り組みの推進
学習サポーターによる押し花指導
④ 魅力ある私立学校づくりへの支援
・ 国際化、情報化などの社会の変化に対応した教育への支援
・ 学校スポーツの振興などによる特色・魅力ある学校づくりへの支援
・ 教育条件の維持向上や保護者の経済的負担の軽減、経営の健全性の確保などの
自主的な取り組みの促進
⑤ 安全・安心な学校づくりの推進
・ 学校施設の耐震化の推進
・ 学校における危機管理の徹底や地域と協働した防犯対策の推進
目標指標
指
標
名
単位
適正規模の高等学校の割合
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度) (H27 年度)
%
61.5
H17
80
100
小5
%
70.4
H16
80
90
中2
%
49.2
H16
60
70
高1
%
−
−
40
50
外部人材を活用している学校の
小学校
%
90.1
H16
96
100
割合
中学校
%
76.2
H16
91
100
%
54.3
H16
77
100
%
74.9
H16
100
100
授業がわかると感じている児童
生徒の割合
県立高等学校、盲・聾・養護学校の
耐震化率
防犯訓練を実施した学校の割合
人材育成Ⅴ-1-(2)
Ⅴ―1
多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
(3)大学等高等教育の推進
現状と課題
・ 大学等高等教育機関は、少子化による18歳人口の減少の中で学生の獲得競争が激化
していることから、国立大学の統合並びに国立大学法人への移行、私立大学などにお
ける大学院設置や学部学科の新設、さらには特色ある専門学校の開設など、急速に変
化する社会経済情勢に対応するために生まれ変わろうとしています。
18歳人口の推移(大分県・全国)
26,000
220
200
201
24,000
大
分
県
180
22,000
177
156
173
168
160
162
︵
155
151
151
150
146
︶
18,736
人
18,114
17,782
17,394
16,104
16,000
100 万
80 人
︶
18,000
140 全
120 国
︵
19,539
20,000
16,457
15,066
60
15,751
15,725
15,398
40
14,000
20
12,000
0
昭和60年
平成2年
60
2
7
8
9
10
大分県(人)
11
12
13
14
15
全国(万人)
資料:大分県学校統計、文部科学省学校基本調査
【大学全入時代】
文部科学省は、大学・短大の志願者数が入学者数と一致
する「大学全入時代」が平成19年度に到来する見通し
であることを中央教育審議会に報告しています。
・ 県立大学においても、大学院の設置(看護科学大学)やカリキュラムの大幅な改定(芸
術文化短期大学)など魅力ある大学に向けた取り組みが行われていますが、今後さら
に地域に求められる県立大学として、教育研究や大学運営の在り方を検討する必要が
あります。
・ 県内各大学などにおいては、地域との連携・交流をより強化することが求められてい
ます。
人材育成Ⅴ-1-(3)
これからの基本方向
・教育研究環境の充実や大学運営の効率化など大学の活性化を図るため、
県立大学の公立大学法人への移行を進めます。
・ 多様な県民ニーズに応え、地域に貢献できる個性豊かな大学などの育成
を促進します。
主な取り組み
① 公立大学法人制度の導入による大学改革の推進
・ 教育研究の質の向上など競争に勝ち抜く特色ある大学づくりの推進
・ 地域と連携した研究など地域に根ざした大学づくりの推進
・ 弾力的な経営、自己財源の確保など効率的な運営のできる大学づくりの推進
②
地域に貢献できる個性豊かな大学などの育成
・ 留学生との交流や地域活動支援による地域社会との連携強化
・ 地域の課題に対応したプロジェクト研究など地域と連携した調査研究の推進
・ 社会人教育など生涯学習の促進
・ 公開講座の実施や大学施設の開放など地域社会との交流の促進
大分県立看護科学大学の演習講義
大分県立芸術文化短期大学の巡回演奏会
目標指標
指
標
名
県内大学等の地域連携協定数
単位
現状値
件
17
目標値(見込)
年度
H16
(H22 年度) (H27 年度)
26
33
人材育成Ⅴ-1-(3)
Ⅴ―1
多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
(4)生涯学習社会の形成と社会教育の推進
現状と課題
・ 国際化や情報化の進展、少子・高齢化の進行、男女共同参画社会の到来など、社会が
大きく変化する中で、生活の質の向上や職業能力の向上をめざす学習への欲求はます
ます高まっており、県民が生きがいをもち充実した生活を送ることができるよう、学
校、家庭、地域社会を通じて、いつでも、どこでも、主体的に学ぶことができる生涯
学習※)社会の形成が求められています。
・ 学校教育と並んで生涯学習社会の形成に重要な役割を担う社会教育※)においては、幼
児期から高齢期までのそれぞれのライフステージに応じた学習機会を提供することが
必要となっています。
県民の学習意欲
今後学習したい主な内容
20%
特に学習したい
とは思わない
5%
16.3%
14.3%
15%
14.1%
13.9%
13.0%
10%
5%
知識・技術
仕事に必要な
芸術・文化活動
レクリエーション
スポーツ・
生活に役立つ技能
0%
なもの
教養・趣味的
今後何かを
学習したい
95%
資料:県民の生涯学習に関する意識調査(平成 17 年 3 月生涯教育センター)
これからの基本方向
・生涯学習を推進するための組織の整備・活性化、学習情報の提供、関連施
設の機能向上、学習成果の活用の場の充実など、県民の生涯学習を支援す
る基盤の整備を進めます。
・環境問題などの今日的な課題に対応した社会教育を推進するとともに、社
会教育指導者の養成などを通じて市町村の取り組みを支援します。
人材育成Ⅴ-1-(4)
主な取り組み
① 県民の生涯学習を支えるための基盤の整備
・ 生涯学習施策を総合的に推進するための組織の整備・活性化
・ 生涯学習に関する広報啓発活動の推進と生涯学習情報提供システム※)の整備充
実
・ 地域の学習拠点としての公民館、図書館、博物館などの機能の向上
・ 多様な学習機会と学習成果を生かせる場を提供する市町村や大学、NPOなどと
の連携の推進
② 社会教育の推進
・ 環境問題などの今日的な課題に対応した学習プログラムの開発と青少年が自然
や科学を身近に体験し、親しむことができる施設やプログラムの充実
・ 市町村が実施する各種講座・研修などの社会教育活動への支援
・ 社会教育主事など社会教育関係指導者の養成と資質向上
おおいた県民アカデミア大学
プレゼント箱づくり
青少年教育施設における自然体験学習
目標指標
指
標
名
生涯学習情報提供システムの登録データ数
公立図書館の蔵書冊数
単位
件
万冊
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度) (H27 年度)
9,000
H16
11,700
12,700
294
H16
358
411
人材育成Ⅴ-1-(4)
Ⅴ―1
多様な教育の推進と未来を拓く青少年の育成
(5)青少年の健全育成
現状と課題
・ 青少年※)の非行やいじめ、不登校、ひきこもりなどの問題は、依然、憂慮すべき状況
であり、社会的自立の遅れも新たな社会問題として指摘されています。
・ 青少年の問題行動の要因や背景として、日常生活における実体験不足による社会性や
対人関係能力の低下、家庭における基本的な生活習慣の乱れ、あるいは大人の規範意
識の低下などが指摘されており、その対応が強く求められています。
・ 検挙補導される少年※)が増加傾向にあるほか、粗暴化・集団化の傾向が顕著になって
います。その一方で、出会い系サイト利用による児童買春など少年が被害者となる犯
罪の多発や児童虐待など、少年問題は、
「加害」と「被害」の両面において深刻な状況
となっています。
これからの基本方向
・豊かな人間性や規範意識・社会性を身につけた青少年をはぐくむため、基
本的な人格形成の場である家庭を中心に地域・学校と一体となった取り組
みを進めます。
・非行や不登校・ひきこもりなど、社会への適応に困難を抱える青少年やそ
の保護者などに対する支援体制を充実します。
・豊かな心をはぐくむため、学校内外における体験活動や読書活動を推進し
ます。
・「強くやさしい少年警察活動」を基本方針に掲げ、悪質な少年事件や少年
の福祉を害する犯罪に対して厳正に対処します。
・青少年健全育成協議会などの関係機関・団体や少年警察ボランティアと連
携した少年の立ち直り支援活動や保護活動を強化し、「非行防止」と「保
護」の両面にわたる総合対策を推進します。
人材育成Ⅴ-1-(5)
主な取り組み
① 青少年を育てる地域・家庭づくり
・ 地域住民による防犯パトロールなど、自発的な育成活動への支援
・ インターネット安全教室やフィルタリングサービス※)の普及など、情報化に対
応した青少年の被害・加害対策の推進
・ 学校、家庭、地域の連携・協働による子育てネットワークづくりの推進
・ PTA活動を通じた家庭教育の充実と父親の家庭教育への参加促進
・ 異年齢、異世代の人々が交流する「子どもの居場所づくり」の促進
② 青少年や家庭への支援体制の充実
・ 青少年やその保護者などに対する相談体制の
充実や相談窓口のネットワーク化の推進と関
係機関の連携によるサポート体制の構築
・ 青少年団体や指導者の養成と青少年活動の場
の提供
・ 不登校児童生徒を支援する教育支援センター
(適応指導教室)などの充実
大分県少年の船
沖縄訪問
③ 豊かな心をはぐくむ体験活動や読書活動の推進
・ 学校内外におけるボランティア活動などの体験活動の推進
・ 青少年教育施設などにおける自然体験活動機会の拡充
・ 読み聞かせグループの育成・支援
・ 県立図書館における児童書の整備や優良図書情報の提供
④ 非行集団対策、福祉犯罪取締りの推進
・ 暴走族、非行グループなどの実態把握と徹底した検挙活動による非行集団の解体
・ 児童買春事件や青少年の健全な育成に関する条例違反など少年の福祉を害する
犯罪の徹底した取締りの推進
⑤ 非行少年などに対する支援活動の推進
・ 大分っ子フレンドリーサポートセンターを中心とした、非行少年などの立ち直り
支援活動や犯罪被害少年の保護活動の推進
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度) (H27 年度)
不登校児童生徒の割合
小学校
%
0.30
H15
0.23
0.18
(30日以上)
中学校
%
2.55
H15
2.20
1.95
法人
94
H16
164
210
冊/年
7.2
H16
8.6
10.0
青少年育成に携わるNPO法人数
公立図書館における中学生以下の子ども
1人あたりの児童書貸出冊数
人材育成Ⅴ-1-(5)
Ⅴ―2
多様な県民活動の推進
(1)NPO(NPO法人・ボランティア団体・市民活動団体)の育成
現状と課題
・ 少子・高齢化の進行など社会経済情勢の変化や人々の価値観の変化に伴い、行政サー
ビスに対する県民のニーズが多様化し、全てのニーズに応えることが困難な状況とな
っています。そのため、県は行政サービスの内容を見直すとともに、効率的、多元的
な観点から多様な分野で「協働関係」を結ぶことができるパートナーを必要とするよ
うになっています。NPO※)活動は、新たな「公共」のための活動として社会から評
価されつつあり、今後、これらの活動を社会全体で推進していくことが求められてい
ます。
・ そのような中、社会的課題に自ら取り組み解決していこうと、活発に活動するNPO
が増えています。しかし、事業規模や会員数とも小規模な団体が多く、また、行政と
の連携も十分でないなどの課題があります。
NPO、ボランティア活動の内容
資料:大分県新長期総合計画策定のための県民アンケート調査(平成 16 年度)
人材育成Ⅴ-2-(1)
これからの基本方向
・NPO活動を活性化し、持続発展させるため、人材の育成、事業実施能
力の向上のための環境整備を行います。
・NPO活動の情報提供を充実することにより、県民の理解を深め、参加
と協力を促進するとともに、福祉や教育・環境・防災など各分野のNP
O相互の連携を深め、総合的に調整する拠点づくりとキーパーソンの育
成を進めます。
主な取り組み
① NPO法人の設立支援
・ NPO法の趣旨やNPO法人制度についての県民向け啓発
・ NPO法人の設立・運営相談の充実
② NPO・ボランティアの育成、活動支援
・ NPOのための運営基礎講座の地方開催な
どによる研修機会の充実
・ 税理士などのNPO運営アドバイザーの継
続派遣
・ ボランティア講座の開催やボランティア関
連情報の充実
・ NPOのリーダーや活動のコーディネータ
ーの育成
・ 福祉体験研修などによる福祉のこころの醸
子ども達とソーメン流しで遊ぶNPO法人
成と福祉ボランティアの拡大
③ NPO・ボランティアの情報発信の支援、ネットワークの強化
・ おおいたNPO情報バンクによる情報提供
・ NPOの交流・活動拠点「大分NPOプラザ」の開設
・ 団塊の世代などのNPO・ボランティア活動への誘導、ネットワーク化の促進
・ 地域通貨の活用などによるコミュニティ活動の促進
・ 各種ボランティア活動者の連携強化と情報共有
・ NPOとボランティア活動者との交流の促進
目標指標
指
標
NPO法人数
ボランティア登録者数
名
目標値(見込)
単位
現状値
法人
201
H16
380
480
40,833
H16
55,200
66,800
人
年度
(H22 年度) (H27 年度)
人材育成Ⅴ-2-(1)
Ⅴ―2
多様な県民活動の推進
(2)NPO等との協働の推進
現状と課題
・ 県民のニーズが多様化し、民間の活動範囲が拡大した今日、従来行政が行ってきた事
務の中にも民間に委ねた方が、ニーズに即して柔軟且つ効率的な運営が期待されるも
のが増えてきています。
・ 県とNPOが互いに理解し合い、共通の目的に向かって協働を進めることで、県民が
多様なサービスを利用できるようにする必要があります。
・ 行政やNPO・地域住民・企業などが適切な役割分担のもと、それぞれの特性を発揮
しながら連携・協働して地域の課題解決に取り組むことが重要です。
これからの基本方向
・ 公共サービスは、行政サービスであるという固定観念を転換し、公共領
域において、NPOや企業などを積極的に活用する公民協働(PPP:
パブリック・プライベート・パートーナーシップ)を推進します。
・ 大分県におけるNPOとの協働指針(平成16年度策定)に基づき、県
とNPOとの協働推進のための環境を整備し、協働の範囲を拡大します。
・ 県とNPOとの連携を一層深めることにより、市町村や企業などへの情
報提供やネットワークづくりを進め、協働推進体制の整備を進めます。
主な取り組み
① 公民協働の推進
・ 行政課題の解決を図るとともにNPOの活動を促進するため、NPOの提案を求
め、事業実施を委託する提案公募型事業の実施
・ 県とNPOによる協働推進に向けた定期協議の場の設置
・ アウトソーシング※)や指定管理者制度※)、PFI※)などの推進と市場化テスト※)
の導入
・ 住民やNPOなどが行政のパートナーとして、自ら道路・河川・公園・海岸など
の一定範囲について適正な維持管理を行うアダプトプログラムの推進
人材育成Ⅴ-2-(2)
② 協働推進の環境整備
・ 協働事業の募集・提案に係る連絡・調整を行うコーディネーターの配置
・ NPOとの協働指針を具体的に進めるための協働マニュアルの作成
・ NPOとの協働の意義や重要性についての職員啓発
・ NPOへの情報提供・交換の充実
③ 協働推進体制の整備
・ NPOや企業、学識経験者、行政をメンバーとするNPO等協働推進会議の設置
・ NPOとの協働を積極的に進めるための協働推進庁内会議の設置
・ 市町村や企業レベルでのNPOとの協働を進めるための担当窓口設置の促進
・ 社会福祉協議会、ボランティア・市民活動センターとの情報の共有化などによる
連携強化
・ 中間支援組織(NPOを支援するNPO)との人材育成などによる連携
NPO法人による「いい川いい顔づくり」
シンポジウム
NPO法人による子育ての疑似体験
目標指標
指
標
名
単位
現状値
目標値(見込)
年度
(H22 年度) (H27 年度)
NPOへの事業委託件数
件/年
49
H16
175
225
提案公募型事業の件数
件/年
5
H16
35
45
人材育成Ⅴ-2-(2)
Ⅴ―3
多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
(1)県民文化の創造
現状と課題
・ 文化芸術※)は、人々の創造性を高め、心のつながりをはぐくみ、心豊かな生活を創造
するとともに、活力ある地域社会の形成に寄与する重要な役割を果たすことから、多
彩な県民文化を創造していくことが期待されています。
これからの基本方向
・ すぐれた芸術文化などの鑑賞機会を充実するとともに、多彩な県民文化
を創造する文化活動の環境づくりを進めます。
・ 文化を生み育てていく人づくりに努めるとともに、県民の主体的な参加
による文化活動の交流を促進します。
・ 将来の文化の担い手となる若者や子どもの豊かな感性を育て、文化を尊
重する心をはぐくむため、すぐれた芸術文化などの鑑賞・発表の機会の
充実や自主的な文化活動の促進と支援に努めます。
主な取り組み
① すぐれた文化芸術の鑑賞機会の充実と文化活動の環境づくり
・ 海外・国内のすぐれた芸術文化・伝統文化などの鑑賞機会の提供・充実
・ インターネットなど各種メディアを活用した文化情報の県民への提供
・ 公立文化施設・社会教育施設スタッフの専門性や企画運営力の向上
・ 企業メセナ※)についての研修会や制度の周知による企業メセナ活動の促進
② 文化活動を支える人づくりと交流の促進
・ 文化活動を主体的に担う指導者などの人材育成
・ 文化ボランティアの育成と文化活動を行うNPOなどとの協働の促進
・ 文化団体などの交流ネットワークの形成促進
人材育成Ⅴ-3-(1)
③ 次代の文化の担い手づくり
・ 児童生徒に対する無料招待事業など若者の芸術文化の鑑賞・体験機会の充実
・ 若者文化イベントの充実など自主的な文化活動の促進
・ 海外派遣研修など豊かな才能を持った若手芸術家への支援や発表機会の充実
第6回大分県民芸術文化祭オープニングステージ
(天領ラプソディ「人形師、三吉の恋」)
第40回大分県美術展
日洋彫工展
目標指標
指
標
名
目標値(見込)
単位
現状値
質の高い芸術文化事業の鑑賞児童生徒数 人/年
3,608
H16
4,500
5,200
年度
(H22 年度) (H27 年度)
主要公立文化施設※)の主催文化行事数
件/年
121
H16
145
165
文化ボランティア団体数
団体
87
H16
135
175
人材育成Ⅴ-3-(1)
Ⅴ―3
多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
(2)文化財・伝統文化の保存と活用
現状と課題
・ 県内には、各地域で長い間受け継がれてきた文化財※)・伝統文化※)が数多く残されて
います。こうした文化財・伝統文化は、地域の歴史や文化を理解するうえで、重要な
ものであるとともに、将来にわたって文化の向上発展の基礎となるものであるため、
その保存と活用が必要です。
国・県指定文化財数
国指定
国
宝
重 要 文 化 財
重要無形文化財
重要有形民俗文化財
重要無形民俗文化財
特
別
史
跡
史
跡
特
別
名
勝
名
勝
特別天然記念物
天 然 記 念 物
合 計 無形民俗文化財
登録有形文化財
重要伝統的建造物群
保
存
地
区
県指定
4
73
1
4
4
1
36
有
無
有
無
−
形 文 化
形 文 化
形民俗文化
形民俗文化
−
史
−
財
財
財
財
跡
−
1
2
18
144
12
102
1
名
勝
−
天 然 記 念 物
合 計 無形民俗文化財
−
−
平成17年4月現在
合計
−
4
449
522
2
3
13
17
46
50
−
1
95
131
−
0
8
9
−
2
78
96
691
835
22
34
−
102
−
1
資料:平成 17 年度大分県教育庁文化課調査
これからの基本方向
・ 県民が誇りと独自性を感じる県民共通の財産として、文化財・伝統文化
を尊重し、愛護する意識の高揚に努めます。
・ 地域に守り伝えられてきた文化財・伝統文化が将来の世代に引き継がれ
るよう、後継者の育成や文化財の指定、保存などを推進します。
・ 地域の歴史的・文化的特色を生かしたまちづくりの推進やガイダンス施
設などの充実を図り、文化財・伝統文化の活用に努めるとともに、県民
にわかりやすい文化財情報の発信を積極的に行います。
人材育成Ⅴ-3-(2)
主な取り組み
① 文化財・伝統文化の愛護意識の高揚
・ 学校教育などを通じた子どもたちの伝統文化の鑑賞、体験、発表機会の充実
・ コミュニティを維持・活性化する役割がある収穫祭などの伝統文化を大切にする
県民意識の醸成
・ 郷土の歴史を学ぶ訪問講座や体験学習の拡充
・ 文化財愛護団体の活動の充実
② 文化財・伝統文化の保存と継承
・ 地域固有の伝統工芸・伝統芸能の保存継承のための後継者育成
・ 地域に受け継がれてきた文化財の指定や登録の推進
・ 文化財保護指導委員による文化財パトロールの充実
・ 文化財や埋蔵文化財情報のデジタル化の推進
③ 文化財・伝統文化の活用と情報の発信
・ 史跡整備などを通じたまちづくりの推進
・ 文化財を案内・紹介するガイダンス施設の整備充実
・ インターネットやマスメディアを活用した情報の充実
・ 地域の文化施設を利用した文化財の展示・公開の推進
国宝
臼杵石仏
キツネ踊り(姫島村)
目標指標
指
標
目標値(見込)
単位
現状値
県立歴史博物館、先哲史料館の入館者数 人/年
105,440
H16
117,400
127,400
835
H16
870
900
国、県指定文化財件数
名
件
年度
(H22 年度) (H27 年度)
人材育成Ⅴ-3-(2)
Ⅴ―3
多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
(3)県民スポーツの振興
現状と課題
・ 多くの人々がスポーツに関心を持っているに
もかかわらず、定期的・継続的にスポーツを
実践している人は多いとはいえないため、県
民が生涯にわたって日常的にスポーツに親し
めるよう、身近で利用しやすいスポーツ環境
の整備が求められています。
白熱したインディアカの戦い
・ 少子化などの影響により、競技スポーツ人口
が減少していることから、競技スポーツの底
辺の拡大を図り、競技スポーツ人口の増加を
図ることが必要です。
高等学校ラグビー競技の熱戦
・ スポーツは、観戦や応援によっても感動を得
ることができます。県内でもワールドカップ
サッカーの開催を契機に「高度で質の高いス
ポーツを観る」ことのすばらしさが生活文化
として芽生えており、その振興が求められて
います。
第24回大分国際車いすマラソン大会
人材育成Ⅴ-3-(3)
これからの基本方向
・ 県民のスポーツに対する関心や意欲を高め、誰もが気軽に自分のレベル
に合わせてスポーツに親しむことができる環境づくりを進めます。
・ 競技スポーツのレベルアップをめざし、競技団体への支援の充実や全国
大会などへの出場選手の拡大、ジュニア期からの優秀選手の育成・強化
に取り組むとともに、競技人口の増加を図ります。
・ 高度で質の高いスポーツに接する機会を増やすことにより、スポーツに
親しむ雰囲気づくりを醸成し、健康で文化的な生活の実現とスポーツ人
口の拡大を図ります。
主な取り組み
① 県民スポーツの推進基盤の整備
・ おおいた広域スポーツセンターのホームページによるスポーツイベントなどの
スポーツ情報の提供
・ スポーツ指導者の養成・確保とスポーツ団体の組織強化の促進
・ 地域住民が主体的に運営し、地域のだれもが参加できる「総合型地域スポーツク
ラブ」の創設・育成
・ 学校体育施設の共同利用の促進
・ 大分県民体育大会や県民すこやかスポーツ祭などのスポーツイベントの充実
・ スポーツ振興基本計画によるスポーツ施設の整備充実
・ 障害者がスポーツを通じて社会参加できるよう、指導者の養成と機会の拡大
② 競技スポーツの振興
・ 国民体育大会や各種全国大会などで活躍することのできる優秀選手の育成・強化
・ 各競技団体の競技力向上対策への支援
・ 高い指導技術を有する指導者の養成・確保
・ すぐれた資質を有するジュニアの早期発掘と育成
③ スポーツ文化の定着
・ 高度で質の高いスポーツに接する機会の拡大
・ 子どもたちと一流スポーツ選手とのふれあいの場づくり
・ 大分国際車いすマラソン大会などの観戦やボランティアとしての参加を通じた
障害者スポーツ文化の普及啓発
目標指標
指
標
名
総合型地域スポーツクラブの創設数
公認スポーツ指導者数
目標値(見込)
単位
現状値
クラブ
18
H17
61
76
1,146
H16
1,530
1,850
人
年度
(H22 年度) (H27 年度)
人材育成Ⅴ-3-(3)
Ⅴ―3
多彩な県民文化・県民総スポーツの振興
(4)大分らしい国体・全国障害者スポーツ大会の創造
現状と課題
・ 新しい国体の方向性を示した「国体改革2003」は、大分国体から本格的に適用さ
れることとなっており、トップアスリートの参加促進やふるさと選手制度の活用など、
大会の充実・活性化を図るとともに、夏季・秋季大会の一本化、参加総数の削減、近
接県の競技施設の活用など大会運営の簡素効率化を図ることが求められています。
・ 大分国体・全国障害者スポーツ大会の開催は、スポーツや文化の振興、障害者の社会
参加の促進はもとより、地域づくり、観光振興、国際交流、青少年の健全育成、ボラ
ンティア活動などの分野で波及効果が見込まれることから、大会を一過性のイベント
に止めることなく、地域のさまざまな分野においてスポーツを通じた振興が図られる
よう、県民との協働による大分らしい国体・全国障害者スポーツ大会の創造に取り組
む必要があります。
・ 本県選手が各競技で活躍し、優秀な成績を収めることは、県民に勇気と希望を与える
とともに、本県のスポーツ振興や競技水準の向上に寄与することから、少年期から成
年期に至るまで長期的な観点に立って選手の育成・強化を図る必要があります。
これからの基本方向
・ 「大分らしい国体を創造するプログラム」の提言の趣旨に沿って、既存
施設や近接県施設の活用、開・閉会式の見直しなど大会運営の簡素・効
率化を図るとともに、県民総参加やトップアスリートの参加などを積極
的に推進し、簡素な中にも、おもてなしの心のこもった、夢と感動にあ
ふれる大分らしい国体の実現に努めます。
・ 天皇杯の獲得をめざして、本県手づくり選手の育成・強化を大原則に、
競技人口の拡大を図りながら、指導体制の充実や国内はもとより国際舞
台で活躍できる選手の育成など、総合的な競技力向上対策を計画的に推
進します。
・ 全国障害者スポーツ大会に参加する選手の発掘・育成を図るとともに、
スポーツ指導員やボランティアの養成など障害者スポーツを支えるネッ
トワークの充実強化を図り、地域における障害者スポーツの環境整備を
進めます。
人材育成Ⅴ-3-(4)
主な取り組み
① 大分らしい国体の開催
・ 県民総参加を目的とする県民運動基本方針やボランティア募集計画の策定
・ 大分の魅力を生かした式典総合基本計画の策定
・ トップアスリートの参加促進
・ 競技施設の効率的・計画的な整備推進
② 競技力向上対策の推進
・ 競技団体など推進組織の整備・充実
・ 指導者の養成、資質向上など指導体制の充実・強化
・ 強化練習や県外遠征など選手の育成・強化
・ 競技用具や医科学的サポート体制の整備など練習環境の整備充実
③ 大分らしい全国障害者スポーツ大会の開催
・ 障害者スポーツ指導員の養成と障害者スポーツ選手の発掘・育成
・ 手話・要約筆記などの専門ボランティアや選手団をサポートするボランティアの
養成
第59回国民体育大会
大分県選手団入場行進
第5回全国障害者スポーツ大会陸上競技大分県予選
目標指標
指
標
名
単位
現状値
大会を支えるボランティア数
人
―
障害者スポーツ競技人口
人
1,429
目標値(見込)
年度
(H20 年度) (H27 年度)
―
18,000
―
H16
1,770
1,990
人材育成Ⅴ-3-(4)
計画推進のために
1
県民の参画による計画の進行管理
計画の進行管理にあたっては、県民と行政が政策課題を共有し、計画か
ら実行、評価、見直しの各段階に県民の参画を得ることが重要であり、「計
画で定められた施策の進捗状況はどうなっているか」「期待された成果は
あがっているか」「見直すべき点はないか」など、すべて県民自ら検証し、
判断できる仕組みが必要です。
このため、毎年、基本計画の施策ごとに目標達成度などを測定する行政
評価を行うとともに、県民の参画によるフォローアップ委員会を設けて計
画の進行管理を行います。また、評価の結果などについては、県庁ホーム
ページなどを通じて公表します。さらに、県民の要望に応じて職員が地域
に出向き、県政の重点政策や事業展開について説明する県政出前講座やパ
ブリックコメントなどを実施することにより、積極的に県民の意見を聴き、
県民が計画の進行管理に参画できるようにします。
2
市町村などとの緊密な連携
地方分権一括法を契機として、国と地方のあり方が大きな転機を迎えて
います。こうした中、本県では市町村合併が進展し、行政の枠組みも大き
く変わりつつあります。
市町村とは、これまで以上に連携を深め、地域の自立に向けた取り組み
を支援していきます。特に、新市との関係は大切であり、名実ともに対等
なパートナーとして、相互の役割分担を明確にしていく中で、信頼関係に
支えられた新たな行財政秩序を構築し、旧町村地域の振興策などの課題解
決に向けて、県計画と市計画の有機的な連携を図ることにより、計画目標
の実現に努めます。
また、行政の広域化が進む中、九州各県をはじめとする他県との連携も
重要性を増しています。「九州地域戦略会議」など九州が一体となった活
動をはじめ、隣接する県との県際間交流など、特に地域づくりや観光、交
通体系の整備といった面において大きな成果が期待されています。
さらに、国の役割も、計画推進のために重要です。国全体の中での大都
市圏とそれ以外の地域との不均衡の是正、あるいは、東九州自動車道の早
期実現の必要性に象徴される東九州と西九州の格差の解消など、国に対し
て積極的に提案していきます。
3
行財政改革の推進
地方分権の時代は、また「地方のことは地方で責任を持つ時代」でもあ
ります。将来に責任を持ち、夢と希望を持つことのできる大分県を実現す
るためには、持続可能な財政運営の確立が前提であり、行財政改革は避け
て通れない課題です。
本県では、「安心・活力・発展の大分県の創造」をめざして、平成16
年度から20年度まで、大分県行財政改革プランによるゼロベースからの
行財政改革を推進しています。財政健全化、職員の意識改革及び組織・機
構改革を柱として、「選択と集中」を図り、改革を断行するものです。
したがって、大分県新長期総合計画(仮称)と大分県行財政改革プラン
は、いわば「車の両輪」であり、「安心・活力・発展の大分県」という共
通の目標の実現に向けて、着実に推進していきます。
2015年の生活シーン
2015年の生活シーンは、この計画が目標としている2015年(平成27年)の様子を
2つの家族の日常生活をとおしてわかりやすくしたものです。この計画を着実に実行していく
ことを前提に、今ある情報をもとに将来の様子を予測して記述したものであり、登場する人物
の設定は架空のものです。
○大分市Aさんの場合
○Aさん
○妻
○長男
○Aさんの父
○Aさんの母
(55歳 会社員 郊外の一戸建て)
(52歳 会社員 宮崎市出身)
(21歳 東京で大学生活)
(82歳 竹田市在住)
(80歳 竹田市在住)
「おはようございます!」
「おはよう、週末はしっかりリフレッシュできたようだね」
オフィスの窓から上野の森を眺めていたAさんが、振り向い
て応えた。
Aさんの会社は、高架化した大分駅南の新しいオフィスビル
に最近移転してきた。太陽光発電を行うなど環境に配慮したビ
ルである。通勤には、自宅から最寄りの駅近くの駐車場に自家
用車をとめ、JRを利用している。いわゆるパークアンドライ
ドである。自動車の排気ガスも、ハイブリッドカーの普及など
により随分少なくなったようだ。Aさんも今度車を買い換える
時は燃料電池車にしようと考えている。
同僚にはバス通勤者も多い。高架化により以前に比べ、朝の
渋滞が緩和されバス通勤が楽になったという声を耳にする。
「そういえば、金曜日の帰りにスーパーで△△さんに会いました」
「△△さんは、いいパパぶりを発揮しているみたいですよ」
「自分はあまり子育てに協力的ではなかったかな」と、Aさんの独り言。
Aさんの部下の△△さんが、先月から育児休暇をとっている。会
社員の妻と交代して、育児に専念しているのだ。10年前はほとん
どなかったが、育児休暇を取得する男性が増えてきた。
イラスト制作:大分県立芸術文化短期大学デザイン専攻学生
「週末はいかがでしたか」と、別の部下に聞かれた。
「昨日は、車いすマラソンに出場したNPOの仲間の応援に行ったんだ。初挑戦だったけど完走
できたって、とても喜んでいた」
昨日、Aさんはまちづくりの仲間とともに車いすの
ハーフマラソンに出場した仲間の応援に出かけた。
NPOでは、夜間や休日を利用して、まちづくりに
ついて仲間と議論したり、街並散策に出かけたりして
いる。
地域の防犯活動にも積極的に参加し、近所の人たち
と巡回する。「ごみゼロおおいた作戦」が浸透し、通
りにはいつも花が咲いていて、以前は見られなかった
明るさの星が見られるようになったし、環境にやさし
くきれいな街にしようという住民意識の高まりを感じ
る。また、公園で遊ぶ子ども達が増えたと感じている。
どこからもよく見えるようになり安全になった公園
で、NPOの大学生が、子ども達を集めて缶けりやゴ
ム跳びなど昔の遊びを教える光景をよく目にするが、
そういうことも良い影響を与えているのだろう。
「田舎には帰らなかったんですか」
「土曜日に帰ったよ」
Aさんは、妻とともに時々両親の様子を見に竹田市の実家に帰る。中九州横断道路を利用す
るので、10年前に比べると随分往復が楽になった。高齢の両親を気遣うAさん夫婦は、近い
将来竹田市に戻って、実家から大分市内に通おうかと相談を始めている。中九州横断道路がさ
らに阿蘇までつながれば、もっと観光客が増加するだろうと、彼は常々考えている。
Aさんの父は、妻をサポートしながら、菜園で野菜
をつくったり、観光ガイドをしたりしている。方言ま
るだしのガイドは、荒城の月で有名な岡城阯で配られ
ている案内リーフレットとともに、竹田市のツーリズ
ムに一役買っている。そのリーフレットは、知的障害
のある人たちが作成した物で、巻物式になっているた
め歴史情緒を感じさせている。
Aさんの母は、デイサービスを利用したり、通院し
たりしている。病院への送迎には、NPOのサポート
もあるので大助かり。定年退職後、都会からUターン
した団塊の世代の人たちが、NPO活動に積極的に参
加している。
母親が通う病院には、インターネットを利用した遠隔医療支援システムが導入されている。
電子カルテはもちろんのこと、MRIなどの画像データも送信可能で、詳細なデータをもと
に専門医の的確なアドバイスを受けることができる。
実家の隣は同級生の家で、おじさんが一人暮らし。Aさん自身も気に掛けており、帰省し
た時には顔を出している。近所の人たちの声かけやNPOの生活支援を必要としながらも、
子ども達に姫だるまの昔話をして聞かせるなど、生き生きと生活している。
「お母さん、喜ばれたでしょうね」
「いつも待っているんだ。ぼくの好物を用意してね。そういえば、昨日、妻の母が急に東
京の息子を訪ねたらしい」
Aさんの妻の両親は、宮崎市で暮らしている。東九州
自動車道が宮崎県まで開通し、大分市から宮崎市までは
自動車で2時間余り。大幅な時間短縮と高速道路の快適
さから、宮崎市への日帰り旅行も気軽にできるようにな
った。自動車で5時間弱かかった昔から考えると、隔世
の感を覚えるAさんである。
東京の大学の工学部で学ぶ長男は、地元への就職を希
望している。大分県では、21世紀型の生産拠点づくり
の取り組みの甲斐あって、新しい就業の場が増えてい
る。彼の先輩の中には、デジタルカメラ工場や自動車工
場など地元に就職した者もいる。大学コンソーシアムお
おいたの活動が10年になる大分県では、留学生が小学
生を相手に遊びの中で英語を教えたり、留学生が橋渡し
をした外国とのビジネスが具体化したりするなどさま
ざまな形で交流が深まっている。留学生の中から、県内
企業へ就職する者が増えたり、新たにIT関連の会社を
起業する者も出てきたりしている。
「何かあったんですか」
「いや、友達と東京へ遊びに行ったついでに寄ったらしいんだ」
「お元気ですね。ご家族も、安心して仕事ができますね」
Aさんの妻は、5年前パートをしていた時に企業内
ベンチャーに応募。現在は10人のスタッフを指揮す
るマネージャーを務めている。仕事を離れての週末の
ボランティア活動も楽しみのひとつだ。高齢者への給
食サービスを手伝ったり、子育てボランティアをかっ
てでたりしている。そんな彼女は、できる限り長く仕
事を続けたいと考えている。
料理が好きなAさんの妻。最近友人になったフィリ
ピン人看護師と互いに得意な料理を教え合い、レパー
トリーを広げている。
「さあ、仕事にとりかかろうか」
「あっ、私、10時にお客様の所へ行く約束があるので、行ってきます」
○
佐伯市Bさんの場合
○Bさん
○夫
○長男
○次男
○長女
○Bさんの母
(39歳
(38歳
(15歳
(10歳
( 6歳
(71歳
農業)
農業)
高1)
小4)
幼稚園)
農業)
「野菜の収穫、楽しかったです。どうもお世話になりました」
「また、いらしてくださいね。今度は、ぜひご両親もご一緒に」
日曜日の午後、いつものように最後の客を見送った後、Bさんはパソコンに向かい、ホーム
ページの更新に取りかかった。隣では娘の○○ちゃんが、大好きなお絵かきをしている。ずっ
と前に描いた家族総出の収穫の絵は、ホームページにも掲載されている。Bさん夫婦は、自宅
と空き家となった隣家を借りて改造し、5年前から週末を中心に農家民泊を行っている。Bさ
ん夫婦を始め、佐伯市でグリーンツーリズムに取り組んでいる農家は少なくない。ブルーツー
リズムに取り組む漁村との交流も行っており、共同でメニューを開発したり、イベントを開催
したりしている。
Bさん宅は、施設園芸を中心に有機肥料を用いたこだ
わりの農業を展開してきた。ハウスは、携帯電話やパソ
コンから室内のカメラ映像や温湿度の状況などを確認
し、どこからでも必要な操作ができる施設となってい
る。ズッキーニなどのイタリア野菜やハーブも手がけて
おり、インターネットで販売している。
−メール、着信−
「大阪から注文メールだわ」
Bさん家族の安全な野菜に惚れ込んで、福岡や大阪のイタリアレストランからも注文が来る。
決済もインターネットでできるため手続きは簡単だ。県税の手続きなど、行政手続きもインタ
ーネットで行えるようになりとても便利になった。
安全な食品に対する関心は、隣国中国でも高まり、日本か
ら中国への一次産品の輸出は大幅に伸びている。Bさんの夫
が好きな関あじ・関さばは、上海でも高級魚としてもてはや
されている。
安全と言えば、Bさんの住む地域は、昔ながらの田舎の良
さが残っており、物騒な話は聞かない。これも、近所づきあ
いや何事にも協力しあうことを大切にしながら、地域全体で
防犯などさまざまな活動に取り組んできたおかげであろう。
また、携帯電話の通話エリアも山間地域まで広がったため、
どこからでも連絡がとれるようになった。Bさん夫婦は、と
もに消防団員も務めている。Bさんをはじめ女性団員は、消
防活動を担う貴重な人材となっている。
「地域総合センターまで迎えに来て」
「すぐに迎えに行くからね」
ホームページの作業がスムーズに行き始めた頃、長男に持たせた携帯電話からメールが届
いた。サッカー観戦に招待されていた子ども達のバスが、解散場所の地域総合センターに着
いたのだ。
次男の通う小学校に隣接した地域総合センターには長女が通う幼稚園がある。デイサービス
センター、公民館の機能も有している。運営は学校法人とNPOが共同で行っている。家業が
忙しい時など、幼稚園が終了した後も時間を延長して夕方まで預かってもらえる。また、デイ
サービスを利用する高齢者が園児に昔の遊びを教えたりして、交流も行われている。地域住民
にとって何かと頼りになるセンターである。
長男が通う高校では、生徒それぞれの希望、能力・適性など
に応じて、必要な教育を行い、全体のレベルアップを図ってい
る。専門的な知識を持った地域の人が授業を行うなど、家庭や
地域との連携も欠かせない。生徒達は生き生きと学校生活を送
っており、しっかりと目標を持っているので、大学や企業から
も評価を得ている。長男は、農学部への進学を希望しており、
将来は後を継ぎたいと言ってくれている。Bさん夫婦は、知恵
と努力の甲斐あって安定した高収入があるし、何よりも楽しく
農業に取り組む姿を見て育ったためだろう。子ども達はよく収
穫を手伝ってくれる。
「お兄ちゃん達を一緒に迎えに行こうか」
「うん、行く」と娘が元気よく返事をした。
「これを、実家のお母さんに届けて」Bさんの母が夫の母親への届け物を頼んだ。
若い頃から畑仕事をしてきたBさんの母は、今も
現役。Bさん夫婦にとっては、頼れる農業の大先輩
である。Bさんの子ども達にとっては、山菜採りと
だんご汁づくりの名人で、親にしかられた時でも穏
やかに話を聞いてくれて、やさしくなぐさめてくれ
るおばあちゃんである。
Bさんの夫は、5年前地域の農家とともに集落営農
法人の設立に参加。この会社は、高性能の機械で丁寧
な作業を行うことから評判が高まり、今では隣の地域
からも作業依頼を受けるなど、60haの作業を行う
会社に成長している。
「ドン、ドン、チキ、チキ・・・」遠くからする神楽のお囃子に、エンジンをスタートする手を
とめて聞き入った。
「神楽のリズムって、元気がでるのよね」
長男が幼稚園児の頃、お囃子を口ずさみながら神楽のま
ねをしていたのを思い出した。長男は夫の神楽の練習によく
ついていっていた。次男は荒神様と柴引きをするのが好き
で、父親が出演する神楽大会を楽しみにしている。
初夏の心地よい風が、トンボを連れて通り過ぎていく。
「お母さん、お兄ちゃん達が待ってるよ」
「いけない、早く行かないと、お兄ちゃん達待ちくたびれちゃうね」
「♯♪・♪・♪∼」静かな車内にクラシックが流れる。
Bさんは、音楽鑑賞を趣味にしている。地上デジタル放送やインターネットなど、デジタルコ
ンテンツが入手しやすくなり、家庭でも大画面の映像とともに高音質の音楽を楽しめるようにな
った。
昨年、2km先の地域にヴァイオリンとチェロを演奏する夫婦
が越してきた。チェロを弾く夫の方は自宅でコンピュータグラフ
ィックス(CG)の仕事をしている。東京のCG製作会社と契約
しており、自宅に居ながらテレビ電話で打ち合わせをして、完成
した映像作品をインターネットで会社へ送っている。都会に生ま
れ育った二人だが、豊かな自然に包まれ、ゆっくりと流れる時間
の中で、何となく懐かしい日常を手にした。
二人を巻き込んで、農家民泊でミニコンサートを開こうと、B
さんは計画している。彼女が自家製のハムやハーブを使って焼い
たピザが、コンサートに花を添えるだろう。
「あれ、おばちゃん」娘の声に車を畑の脇に止める。
「おばちゃん、この間はビワをありがとう。おいしかったわぁ」
「今年はようけなったんよ。どこ行きよんの」と、おばちゃんが
作業の手を休めて言った。
「センターに子どもを迎えに行きよんのよ」
「○○ちゃんも一緒に行きよんの。こないだは上手な絵をありが
と。絵は茶の間に飾っちょんのよ。また遊びに来てな」手ぬぐ
いを額にあてる。
「はい」
「家でとれたパプリカ、荷になるけど持って帰ってね」Bさんは、車に積んであった野菜を手渡
した。
「おおきに。昨日娘から電話があってな、お盆に帰って来るち言いよった。」
「えっ、そうなん。家にも顔を見せるように言って。それじゃあ」またひとつBさんの夏の楽し
みが増えた。
「母さん、遅いよ」
「ごめん、ごめん。おばちゃんと話をしたりしたけん。試合どうだった」
「楽しかったよ。今度は家族全員で行こうよ」
「そうね。おばあちゃんも応援するの好きだしね」
その日の夕食、いつものように家族みんなが茶の間に
そろった。
サッカーの豪快なシュートの話、神楽大会の話、ほ
められた絵の話、お盆に開く同窓会の話、来週末の収
穫の話、川で見かけた蛍の話、いろんな話が食卓を飾
った。
【参考資料】
計画の策定体制
新長期総合計画策定委員会
会長
副会長
委員
大分県議会
説明
意見
:
:
:
:
:
:
意見
知事
副知事、出納長
各部局長
企業局長
教育長
警察本部長
提案
新長期総合計画策定県民会議
会長(総合部会部会長)
副会長(分野別部会部会長)
◎新長期総合計画策定県民会議総合部会
分野別部会長
5人
関係団体(機関)の長・学識経験者
報道機関
10人以内
アンケート調査
県
高
事
民
生
所
校
業
◎新長期総合計画策定県民会議分野別部会
(学識経験者、民間、行政)各部会10数人
○暮らし・環境部会
(ごみゼロ、災害、治安、食品安全、人権
など)
○福祉健康部会
(児童、高齢者、障害者、健康、医療など)
○産業振興部会
(商工労働、農林水産業)
○地域づくり部会
(地域づくり、観光、国際交流、交通体系、
ITなど)
○人材育成部会
(教育、青少年健全育成、NPO、文化、
スポーツなど)
反映
意向調査
市
各
町
種
団
村
体
市町村長との
意見交換
反映
事務局
各部局主管課及び関係各課
企画調整課
作業部会
部会長
部会員
事務局
企画調整課
:
:
企画調整課長
各部局企画調整担当主幹など
計画の策定経過
県
県民会議
平成16年7月
県民・県議会など
第1回策定委員会
8月
●第1回全体会
●第1回分野別部会
反
映
●県民アンケート調査
−県民、高校生、事業所−
反
映
●市町村・団体意向調査
9月
●ホームページ開設
10月
●第2回分野別部会
●第3回分野別部会
11月
12月
計画の骨格作成
反
映
●第1回総合部会
計画素案作成
平成17年1月
第2回策定委員会
2月
3月
第3回策定委員会
●第4回分野別部会
反
映
4月
反
映
●計画素案に対する
県民意見募集
●県議会
計画修正案作成
●第5回分野別部会
5月
●第6回分野別部会
反
映
6月
●県議会
●第2回総合部会
反
映
7月
8月
●市町村長との意見交
換
●計画修正案に対する
県民意見募集
計画最終案作成
第4回策定委員会
9月
●第2回全体会
(最終案公表)
10月
●県議会
第5回策定委員会
計画の決定・公表
大分県新長期総合計画策定県民会議委員名簿
(五十音順、敬称略)
(団体・役職名は平成17年7月末現在)
●総合部会−15人
氏 名
安藤 昭三
今村 文一
宇津宮孝一
梅林 秀伍
河野 正俊
嶋津 義久
髙橋 正夫
豊田 寛三
羽明 省三
溝口 薫平
村上 和子
森 哲也
矢野 利幸
山崎 清男
由佐 悠紀
団体・役職名
大分県商工会議所連合会会長
前大分県農業協同組合中央会常務理事
大分大学工学部教授
(社)大分県建設業協会会長
(株)大分放送報道局長
(社)大分県医師会会長
大分県高等学校PTA連合会会長
大分大学副学長
日本労働組合総連合会大分県連合会会長
(株)由布院玉の湯代表取締役会長
社会福祉法人シンフォニー理事長
大分合同新聞社編集局長
大分市商店街連合会会長
大分大学教育福祉科学部教授
京都大学名誉教授
備 考
副部会長
H16.8∼H17.6
全体会副会長(地域づくり部会)
全体会会長、部会長
全体会副会長(福祉健康部会)
全体会副会長(産業振興部会)
全体会副会長(人材育成部会)
全体会副会長(暮らし・環境部会)
●分野別部会
★暮らし・環境部会−12人
氏 名
足利由紀子
安東 吉子
衛藤 盛一
釘宮 浩三
田中 清美
辻野 功
内藤三枝子
中村予旨子
原 千砂子
松木 和美
薬師寺博美
由佐 悠紀
団体・役職名
水辺に遊ぶ会代表
大分県人権教育・啓発推進協議会講師
(財)大分県交通安全協会専務理事
住吉浜開発(株)代表取締役社長
梅園の里支配人
日本文理大学経営経済学部教授
(株)大分銀行参与
(株)エコアップ取締役社長
東洋技術(株)地域環境部長
NHK大分文化センター講師
消費生活アドバイザー
京都大学名誉教授
備 考
副部会長
部会長
★福祉健康部会−12人
氏 名
石田 敦子
一原 浩
甲斐 賢一
河村 優子
後藤 和吉
近藤 稔
瀬口みち子
田北 光洋
濱田多衛子
樋口健一郎
松田 順子
村上 和子
団体・役職名
社会福祉法人宇水会「宇水園」施設長
社会福祉法人同心会「緑の園」施設長
ユニバーサルデザイン特別委員会委員長
備 考
医療法人帰巖会岡本病院コミュニティケアセンターセンター長
豊後大野市福祉事務所地域福祉係長
(社)大分県医師会副会長
宇佐高田地域成人病検診センター所長
地域支援センター「ほっと」センター長
児童養護施設「光の園」施設長
高齢者住宅環境整備ボランティア会会長
東九州短期大学教授
社会福祉法人シンフォニー理事長
副部会長
部会長
★産業振興部会−15人
氏 名
井上 邦子
太田 惠三
大森 俊郎
近藤 久文
仲谷 善文
荷宮 英二
花木 保憲
藤澤 政則
丸川 裕之
三宅 哲朗
本谷 るり
矢方 義子
矢野 利幸
山口 泰久
渡邉正太郎
団体・役職名
はつらつ林業女性会議会長
(株)太田旗店専務
(株)大麦発酵研究所社長
豊後高田そば生産組合組合長
仲谷マイクロデバイス(株)代表取締役社長
安心院まつもとイモリ谷クラブ事務局長
日本労働組合総連合会大分県連合会副会長
(株)トキハ大分店長
新日本製鐵(株)大分製鐵所総務部長
大分県漁業協同組合経済事業部長
大分大学経済学部助教授
九重町飯田農業協同組合べべんこ会副会長
大分市商店街連合会会長
日本政策投資銀行大分事務所長
(株)やまろ渡邉代表取締役社長
備 考
副部会長
部会長
★地域づくり部会−14人
氏 名
石原 圭昭
石丸 邦夫
宇津宮孝一
汪 正仁
小俣 郁雄
桑野 和泉
小宮 裕宣
佐藤光一郎
佐藤 達也
首藤 文彦
末永 清和
藤内 哲夫
大戸 真一
橋本 正恵
土生かおる
団体・役職名
日本貿易振興機構大分貿易情報センター所長
豆田地域「夢」づくり委員会代表
大分大学工学部教授
備 考
部会長
立命館アジア太平洋大学アジア太平洋マネジメント学部教授
(株)ジェイティービー大分支店支店長
(株)由布院玉の湯代表取締役社長
(有)駄菓子屋の夢博物館館長
大分バス(株)相談役
(有)佐藤商店代表取締役社長
翡翠之庄社長
九州旅客鉄道(株)大分支社支社長
前九州旅客鉄道(株)大分支社支社長
臼杵デザイン会議会長
(有)丸二水産取締役
㈱筑紫亭代表取締役社長
H17.6∼
H16.8∼H17.5
副部会長
★人材育成部会−14人
氏 名
板井 良助
金田 信子
佐藤みち子
盛池 良治
関 光雄
園田 典子
武内 珠美
橋本量太郎
渕野二三世
堀田 育子
堀川 裕二
矢野 大和
山崎 清男
山本眞壽美
団体・役職名
NPO法人豊の国づくり塾生会理事長
国東町教育委員会文化財課長
NPO法人ともだち村理事
御嶽神楽座楽長
NPO法人彩演素研究所理事長
大分県PTA連合会母親部
大分大学教育福祉科学部教授
大分市教育委員会委員長
学校法人渕野学園富士見が丘幼稚園園長
大分舞鶴高等学校教諭
社会福祉法人太陽の家リハ・スポーツ課長
佐伯市観光課付係長
大分大学教育福祉科学部教授
NPO法人さわやか佐伯理事長
備 考
副部会長
部会長
部門別の計画・方針
部局名
計画名
総務部 大分県市町村合併支援プラン
策定年月
目標年度
関連施策ページ
担当課
平成14年5月
−
P107,P109
行政企画課
大分県文化振興基本方針
平成17年3月
−
P127,P129
文化振興課
大分県におけるNPOとの協働指針
平成17年3月
−
P123,P125
県民活動支援室
大分県地域情報化計画
平成17年12月予定 基本計画:平成22年度 P103,P105
IT推進課
豊の国ハイパーネットワーク基本構想
平成13年3月
−
P103
IT推進課
大分県温泉管理基本計画
平成13年3月
−
P33
観光・地域振興局
大分県国際交流・協力推進大綱
平成13年3月
平成22年度
P97
観光・地域振興局
大分県民福祉基本計画
平成17年3月
平成26年度
P59,P61
福祉保健企画課
おおいた・ユニバーサルデザイン推進基
平成17年12月予定 平成20年度
本指針(仮称)
P59
福祉保健企画課
大分県保健所機能強化計画
平成16年3月
平成18年度
P49,P51,P65,P71
福祉保健企画課
大分県地域保健医療計画
平成16年3月
平成22年度
P43,P65,P71,P73
医務課
生涯健康県おおいた21
平成13年3月
平成22年度
P71
健康対策課
平成19年度
P67,P71
高齢者福祉課
大分県次世代育成支援行動計画
平成17年3月
∼おおいた子ども・子育て応援プラン∼
平成21年度
P63,P65
次世代育成支援課
大分県ひとり親家庭等自立促進計画
平成17年3月
平成21年度
P63
次世代育成支援課
大分県障害者基本計画(第3期)
平成16年3月
平成25年度
P69,P133
障害福祉課
大分県新環境基本計画(仮称)
平成17年10月予定 平成22年度
P33,P35,P37,P39,P41 生活環境企画課
大分県消費者基本計画(仮称)
平成18年3月予定
平成22年度
P51
県民生活・男女共同参画課
おおいた男女共同参画プラン
平成18年3月予定
平成22年度
P55
県民生活・男女共同参画課
第8次大分県交通安全計画
平成18年6月予定
平成22年度
P47
県民生活・男女共同参画課
生 活 豊の国青少年プラン21
環境部 (大分県青少年健全育成基本計画)
平成18年3月予定
平成22年度
P121
青少年・学事課
大分県食品安全行動計画
平成18年3月予定
平成20年度
P49
食品安全・衛生課
大分県地域防災計画
平成18年3月予定
−
P43
消防防災課
大分県人権施策基本計画
平成17年1月
−
P53
人権・同和対策課
大分県食育推進計画
平成18年3月予定
−
P49
食品安全・衛生課
企 画
振興部
基本構想:平成27年度
福 祉
保健部 豊の国ゴールドプラン(大分県保健福祉
平成15年4月
計画・介護保険事業支援計画第2期)
部局名
計画名
策定年月
おおいた産業活力創造戦略
平成17年1月
大分県新エネルギービジョン
平成14年3月
農 林
おおいた農山漁村活性化戦略(仮称)
水産部
平成17年9月
商 工
労働部
−
関連施策ページ
担当課
P77,P79,P81,P83
商工労働企画課
平成22年度
P37
工業振興課
平成27年
P33,P35,P37,P43,P85
農林水産企画課
,P87,P89,P91
大分県土木建築部長期計画(仮称)
平成17年12月予定 平成27年度
P33,P35,P43,P47,P59
建設政策課
,P95,P99,P101,P105
大分県CALS/ECアクション
プログラム(第1版)
平成16年3月
平成20年度
P105
建設政策課
『おおいたの道構想21』
大分県中長期道路整備計画
平成16年3月
平成19年度
P33,P99,P101
道路課
土 木 河川整備基本方針・河川整備計画
建築部 (一級水系・主要二級水系)
平成11年12月∼16 平成17年度∼22年
P33,P43
年12月
度
河川課
港湾計画(中津港、別府港、大分港、
臼杵港、津久見港、佐伯港)
平成5年8月∼16年 平成17年∼30年代
P33,P43,P99
3月
前半
港湾課
土砂災害防止法運用方針
平成16年4月
P43
砂防課
都市計画区域マスタープラン
(18都市計画区域)
平成16年3月・4月 平成32年度
P33,P95
都市計画課
大分県生活排水処理施設整備構想
平成16年3月
平成24年度
P35
公園・生活排水課
平成16年3月
平成20年度
P133
総務企画課
国体局 大分らしい国体を創造するプログラム
教 育
委員会
目標年度
−
新大分県総合教育計画(仮称)
平成17年12月予定 平成27年度
P53,P113,P115,P119,
企画調整室
P121,P129,P131
大分県子ども読書活動推進計画
平成16年2月
P113,P121
生涯学習課
大分県人権教育基本方針
平成17年1月
P53
人権・同和教育課
平成21年度
−
これまでの県長期総合計画
名
称
「大分縣縣勢振興綜合計画」
策定時期
概
目標年次
昭和 26 年(1951)5月
要
太平洋戦争の影響が残る中、県民が基本的生
活水準を確保しうる県勢の規模を実現するこ
昭和 30 年度
とを最高目標として、計画を構成する「各産業」
や「文化厚生」「人口所得」など12の部門計
画の実現により県勢の振興をめざした。
「大分県基本計画」
昭和 37 年(1962)9月
「光と水と医療」の理念のもと、農工併進施
策を県勢振興の基調とし、大分地区新産業都市
昭和 45 年
の建設を主軸に、豊かな郷土の建設に計画的に
取り組むこととした。
「大分県基本計画」
昭和 45 年(1970)11 月
高生産・高所得の実現、安全で快適な環境条
件の整備、創造的・個性的な人間能力の開発を
昭和 60 年
主要課題として、経済の成長と住民福祉の調和
を基調に豊かで住みよい地域社会の建設を図
ることを基本的目標とし、これを達成するため
大型プロジェクトを軸に総合的な開発を図る
こととした。
「大分県長期総合計画」
昭和 53 年(1978)3月
自立と均衡−豊かなふるさと
に向かって
「自立と均衡」を基本理念に、「自立精神」
を県民共通の精神的基盤にし、経済と社会、生
昭和 60 年度
産と生活、自然と人間活動、各産業や県土各地
域などの均衡と調和のある県土づくりをめざ
した。
「大分県総合振興計画」
昭和 58 年(1983)10 月
“新しい「豊の国」づくり”
をめざして
“新しい「豊の国」づくりをめざして”を基
本目標に、
「地方の時代」
「国際化の時代」にふ
昭和 60 年代央
さわしい物もゆたか、心もゆたかな県づくりを
めざした。
「21大分県長期総合計画」
平成2年(1990)6月
“世界に開かれた「豊の国」づくり”を基本
豊の国地域構築プラン21
目標に、21世紀までの10年間を「地域構築
“世界に開かれた「豊の国」 平成 12 年度
の時代」と位置づけ、長期的な県づくりの理念
づくり”をめざして
で あ る 「 GNS(Gross National Satisfaction)
型社会」の実現をめざした。
「おおいた新世紀創造計画」
平成 11 年(1999)12 月
“21世紀の生活優県”をめ
ざして
人 が 育 つ (Growth) ・ 人 が 行 き 交 う
(Network)・人が安心できる(Security)の3つ
平成 22 年度
のおおいたづくりを進める考え方から「21世
紀の生活優県
新 G・N・S おおいたの創造」を
基本目標に、
「文化立県」
「観光と交流(観交)
立県」「環境立県」の県土づくりの3つの戦略
を掲げた。
用語解説
【アルファベット・数字】
○ BOD(生物化学的酸素要求量:Biochemical Oxygen Demand)
水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量のことで、河川の有機
汚濁を測る代表的な指標。環境基準では、河川の利用目的に応じて類型別に定められている。
○ CIQ体制
出入国の際に必要な、貨物・手荷物の税関検査(Customs)
、旅客の出入国検査(Immigration)、農
産物などの検疫検査(Quarantine)を行う検査体制。
○ COD(化学的酸素要求量:Chemical Oxygen Demand)
水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、海水や湖
沼水質の有機物による汚濁状況を測る代表的な指標。
○ e-na おおいた認証制度
県独自の農産物に対する認証制度で、化学肥料、化学合成農薬をいずれも3割以上または5割以上
削減した農産物を認証するとともに、有機JAS法により認証された農産物も対象に所定のロゴマー
クの使用を認めるもの。
○ ETC(Electronic Toll Collection)
有料道路の料金所などに設置されたアンテナと自動車に搭載した端末(車載器)で通信を行い、自動
車を止めずに有料道路の料金支払いなどを処理するシステム。
○ HACCP(ハサップ:Hazard Analysis Critical Control Point)
アメリカで宇宙食を製造するために開発され、食品工場の衛生管理や衛生監視に導入されている方
式。この方式では、食品製造のすべての工程における危害の発生を分析して、重要な管理点を重点的
に監視することにより、衛生的な食品を製造する。
○ ISO14001
国際標準化機構が発行した環境マネジメントシステムの国際規格で、組織の活動によって生じる環
境への負荷を常に低減するよう配慮・改善するための組織的なしくみ。
○ ISO9000S
国際標準化機構が国際的に取引されるものの品質を保証するためのシステム規格。個々の品質管理
ではなくシステムそのものを扱う規格。
○ ITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport System)
最先端の情報通信技術を用いて人・道路・車両を情報でネットワークすることにより、交通事故や
渋滞などの道路交通問題、二酸化炭素(CO2)削減などの環境問題の改善を図るための交通システム。
○ JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching programme)
語学指導などを行う外国青年招致事業のこと。日本における外国語教育の充実を図るとともに、青
少年交流による地域レベルでの国際交流の発展を図ることを通じて、日本と諸外国との相互理解を増
進し、もって日本の国際化の促進に資することを目的としている。
○ JICA(国際協力事業団:Japan International Cooperation Agency)
国際協力事業団法に基づき設立された特殊法人で、開発途上地域の経済及び社会の発展に寄与し、
国際協力の促進に資することを目的としている。
○ LLP(有限責任事業組合:Limited Liability Partnership)
すぐれた技術があっても財力に乏しい個人や中小企業が、大企業などと共同で事業がしやすくなる
新たな組織形態。法人格を持たずに事業をする民法上の任意組合と、株式会社との双方の「良いとこ
取り」と言われている。
○ NGO(Non-Governmental Organization)
「非政府組織」のこと。国際貢献活動を行う団体をいうことが多い。
○ NPO(Non-Profit Organization)
「民間の非営利団体」のこと。ボランティア団体や市民活動団体のほとんどがNPOということに
なる。
「NPO」と「NPO法人」の違いは、数多くの「NPO」の中で、NPO法に基づく県知事な
どからの設立の認証を受けたものが「NPO法人」で、法人設立の手続きや運営をNPO法に基づい
て行うかどうかに主な違いがある。
○ PFI(Private Finance Initiative)
公共施設などの設計、建設、維持管理、運営に民間の資金とノウハウと活用し、効率的で質の高い
住民サービスを提供する「公共サービスの新しい調達手法」のこと。
○ PT(Physical Therapist)
、OT(Occupational Therapist)
PTは理学療法士、OTは作業療法士のこと。
○ 「The・おおいた」ブランド
本県の地域資源(農地、森林、沿岸海域、人材、施設、地場産業、自然資源、文化・歴史的資源)
の活用や他産業との連携などにより付加価値を付け、これまで以上にすぐれた産品やサービスの創出
に努める一方、これを核としながら、かけがえのない「おおいたらしさ」を付加し、総合的なイメー
ジとして「おおいたの世界」を丸ごと提案していく考え方。
○ 2次救急医療施設
入院治療を必要とする重症救急患者へ医療の提供を行う医療施設。
【あ行】
○ アウトソーシング
業務の外部委託のこと。外部の専門的な知識やノウハウ(外部資源)を有効的に活用し、本来の目
的とする業務に戦力を集中する戦略的な経営手段。
○ アダプトプログラム
道路・河川・公園・海岸などの一定範囲について、地域住民、愛護団体、NPO、企業などが自発
的なボランティア活動を行い、行政と住民がパートナーとなり、住民自ら責任を持って適正な維持管
理を行い、美しい生活環境を創り出していこうとする取り組み。アダプト(adopt)とは「養子にする」
という意味。
○ あんしん歩行エリア
歩行者、自転車利用者事故の抑止を図るため、交通事故の発生率の高い地域を緊急対策地区として
指定し、道路管理者の交通安全施設整備とあわせ、歩車分離信号機の導入や道路標識・標示の高度化
などの交通安全整備を行う地区。
○ 育成複層林
種類や年齢の異なるさまざまな高さの樹林を育成した森林。例えば、スギなどの針葉樹とカシやケ
ヤキなどの広葉樹で構成される森林。
○ 医療安全支援センター
患者や家族、医療機関からの医療に関する相談などに迅速に対応し、医療機関に対する情報提供や
相談者への適切な対応の要請などを行うところ。県では、福祉保健部医務課内に設置している。
○ インターンシップ
学生が企業などにおいて実習・研修的な就業体験をする制度。
○ エコタウンプラン
地域の産業蓄積などを生かした環境産業の振興による地域振興及び地域の独自性を踏まえた産業廃
棄物の発生抑制・リサイクルの推進による資源循環型経済社会の構築を目的とした先進的な環境調和
型のまちづくりを推進する計画。
○ エコツーリズム
地域の文化的特色やそこで見ることのできる景観や野生の動植物の観察、学習、楽しむことを目的
とする、比較的乱開発されていない自然地域への滞在型余暇活動。
○ 応急危険度判定士
地震の被災建築物について、その後の余震等による倒壊の危険性等をできる限り速やかに判定し、
その建築物の使用にあたっての危険性を情報提供する人のこと。地方自治体の要請により、被災地に
赴き、判定を行う。
○ 大分ごみ処理広域化計画
ダイオキシン類の削減、ごみの排出抑制と資源化などを目的として、ごみ処理広域化の区割り、ご
み処理施設の整備計画、ごみの収集・運搬計画、市町村・県の役割などについて、平成11年に策定
した計画。
○ 大分方式乾燥材
大分県林業試験場が開発した独自の方式(機械乾燥と天然乾燥)によって生産される乾燥材。表面・
内部割れが少なく、木材本来の色・つやを有するなどの特徴を持つ。
○ オゾン層
大気の成層圏の、地上から10∼50キロにあるオゾン濃度の比較的高い層。太陽光に含まれる生
物に有害な紫外線の大部分を吸収し、地球上の生物を保護する役割を果たしている。
【か行】
○ 学習障害(LD:Learning Disabilities)
基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力
のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態をさすもの。
○ 家族経営協定
農家において、家族一人ひとりの役割と責任を明確にし、意欲と能力が発揮できる環境づくりのた
め、農業経営を担う世帯員相互のルール(就業条件、役割分担など)を取り決め文書化したもの。
○ 企業メセナ
企業が社会貢献の一環として行う芸術文化支援のこと。
○ キャリア教育
望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に付けさせ、自己の適正などを理解し、
主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育。
○ 救命救急センター(3次救急医療施設)
心筋梗塞や脳出血、多発外傷などの重篤救急患者へ高度な医療の提供を行う医療施設。本県ではア
ルメイダ病院(大分市)が指定されている。
○ 京都議定書
平成9年12月京都で開催されたCOP3で採択された気候変動枠組条約の議定書。先進締約国に
対し、平成20∼24年における温室効果ガスの排出を平成2年比で、5.2%(日本6%、アメリ
カ7%、EU8%など)削減することを義務付けている。
○ 漁場再生面積
藻場造成や海底堆積物の除去・耕うんなど、生産性が低下している海域の再生を行う面積。
○ クラスター
地域において、企業の経営者や技術者、大学の研究者、行政関係者などが活発に交流連携する中で、
地域のポテンシャルを生かして、世界に通用する新事業を次々と生み出す産業集積。
○ クリーンエネルギーランド
二酸化炭素排出量の少ない、環境にやさしいクリーンなエネルギー(エコエネルギーなど)を導入
することにより、経済成長を続けながら環境を保全し、かつエネルギーの需給バランスを崩すことな
く、エネルギーの安定供給の確保が可能な社会。
○ グリーンツーリズム(ブルーツーリズム)
都市住民が農山村において、農作業体験や自然を舞台としたスポーツなどを通じて、人・自然・文
化との交流を楽しむ滞在型余暇活動。沿岸域や漁村においては対比してブルーツーリズムと呼ぶ。
○ グループホーム
アパートなどの住宅において、共同で生活する数人の知的障害者や精神障害者に対して、世話人に
よる食事提供、金銭管理などの日常的な生活援助を行うサービス。
○ 健康寿命
健康で自立して暮らすことができる期間のこと。
○ 県民一斉ごみゼロ大行動
美しく快適な大分県づくり条例に規定する「環境美化の日」やその他特定の日を定めて、県民総参
加での清掃活動や植栽などに取り組むもので、平成16年度から実施している。
○ 高機能自閉症
3歳くらいまでに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関
心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを
ともなわないもの。
○ 合計特殊出生率
15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計した数値で、1人の女性が生涯に生む子どもの
数の平均を示す。
○ 構造改革特区
民間事業者や地方公共団体などの自発的な発案により、地域の特性に応じた規制の特例措置を導入
する特定の地域(特区)を設けて、その地域の活性化を図るとともに、全国的な規制改革へと波及さ
せるもの。
○ 交通需要マネジメント(TDM:Transportation Demand Management)
時差出勤やパークアンドライドの促進など、交通需要の調整、抑止策。
○ ごみゼロおおいた作戦県民会議
すべての県民が自ら環境保全活動に取り組み、地域環境力を高めていくことを目的に設置された組
織で、学識経験者、環境関係の団体、事業所及びNPO法人などで構成される。自然保護、観光、ご
み減量・リサイクル、大気・水環境、環境教育、地球環境、エネルギー、環境技術の8部会を置き、
県の環境施策に対して意見を提出している。
○ 米政策改革
消費者・市場を重視した需要に見合う生産をめざし、生産構造の改革、需給調整、流通システムの
改革を計画的に行うもの。
【さ行】
○ 災害時要援護者
必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなど、災害
時において適切な防災行動をとることが特に困難な人々。具体的には、ひとり暮らしや寝たきりの高
齢者、障害者、傷病者、妊産婦、乳幼児、外国人などをさす。
○ 災害派遣医療チーム(DMAT:Disaster Medical Assistance Team)
災害の急性期に活動できる機動性を備え、専門的なトレーニングを受けた医療チーム。米国や台湾
では既にDMATが活動しているが、日本では、昨今の地震災害などを踏まえて緊急配備しており、
本県でも3チーム(平成17年3月現在)を編成している。
○ サイバー犯罪
インターネットなどの高度情報通信ネットワークを利用した犯罪やコンピュータ又は電磁的記録を
対象とした犯罪など、情報技術を利用する犯罪。
○ 里山
薪や落葉、きのこや山菜の採取など、住民の生活と密接に関わってきた集落の近くに広がる身近な
山林などのこと。
○ 産業廃棄物税
循環型社会の形成に向け、産業廃棄物の排出抑制や再生利用を推進するため、平成17年4月に導
入された目的税。焼却施設及び最終処分場への産業廃棄物の搬入について課税される。
○ 自主防災組織
自治会などを単位とした地域住民の連帯意識に基づく自主的な防災組織。平常時においては、防災
訓練の実施、防災知識の啓発、防災巡視、資機材の共同購入などを行い、災害時においては、初期消
火、住民の避難誘導、負傷者の救出・救護、情報の収集・伝達、給食・給水、災害危険箇所の巡視な
どを行う。
○ 市場化テスト
「官民競争入札制度」ともいわれ、公共サービスの提供について,官と民で競争入札を実施し、価
格と品質の両面でよりすぐれた主体が落札し、当該サービスを提供していく制度。
○ 自然公園
すぐれた自然の風景地を保護するとともに、自然に親しむ場としてその利用の増進を図ることを目
的に、自然公園法や都道府県条例に基づいて指定された公園。国立公園、国定公園及び都道府県立自
然公園がある。
県内には、国立公園2カ所、国定公園3カ所、県立自然公園5カ所がある。
○ 指定管理者制度
公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減など
を図ることを目的として、地方公共団体の指定を受けた者が管理を代行すること。
○ 指導漁業士
現在、中核的な漁業者として活躍している40歳以上の漁業者で知事が認定した者。
○ 社会教育
学校教育法に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に
対して行われる組織的な教育活動のことで、体育及びレクリエ−ションの活動を含む。
○ ジャストインタイム方式
「必要なモノ」を「必要な量」だけ「必要な時」に「必要な所」へ届ける仕組みで、わが国の実践
的物流理論として世界中に広まっている。
○ 周産期
妊娠22週目から生後7日未満の期間をいう。母体や胎児・新生児にとって最も大切な時期である。
○ 集落営農
集落など地縁的にまとまりのある一定の地域内の農家が、農地利用あるいは農業生産過程の一部ま
たは全部について、共同化・統一化に関する合意のもとに実施する営農形態。
○ 集落協定締結面積
中山間地域等直接支払制度交付金の交付対象となる農地面積。
○ 主要公立文化施設
大分県公立文化施設協議会に加入している文化施設。
○ 循環型環境産業
産業活動の副産物として県内で排出される産業廃棄物などについて、3R(発生抑制、再使用、再
生利用)による再資源化を図るとともに、新エネルギー・省エネルギーへの取り組みを通じて、環境
負荷の低減に貢献しながら活発な経済活動を実現する産業。
○ 生涯学習
学校教育、社会教育、文化活動、スポーツ活動、レクリエ−ション活動、ボランティア活動、企業
内教育、趣味など、さまざまな場や機会において人々が生涯に行うあらゆる学習。
○ 生涯学習情報提供システム
県民の多様な学習ニーズに応えるため、インターネットを利用した学習に関する講師や講座、施設
などの情報を提供するシステム。
○ 少年
20歳未満の者(少年法の規定による)。
○ 情報コミュニティセンター
県がソフトパーク(大分市東春日町)内に開設したもので、高速インターネットを実際に体験した
り、NPOや各種パソコンサークルの研修会・発表会などに利用することができる。
○ 情報ハイウェイ
光ファイバの通信ケーブルなどによって構築される超高速情報通信網。
○ 食育
国民一人ひとりが、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保などが図れるよ
う、自らの食について考える習慣や食に関するさまざまな知識と食を選択する判断力を楽しく身に付
けるための学習などの取り組み。
○ 人材育成型企業
研修カリキュラムを自社で整備して技術者・技能者を育成し、技術や技能に応じた昇級・昇格制度
を備えて常用雇用を進め、労働条件等の法律事項を遵守し、保険など正規社員に準じた処遇の充実を
図るといった条件を備えた企業。
○ 新地方行革指針
「今後の行政改革の方針」(平成16年12月24日閣議決定)に基づき、平成17年3月に総務
省が示した地方行政改革を推進するための指針。
○ 森林環境税
水源のかん養や地球温暖化防止など大切な機能を持つ森林を住民みんなで支えるシステムの構築を
目的に、県民に広く負担を求める県民税。税収は、森林に対する県民意識の醸成や荒廃森林の整備な
どに充てられる。
○ スカイパトロール
産業廃棄物の不法投棄や不適正処理を防止するため、ヘリコプターを使い、産業廃棄物の埋立処分
場や不法投棄箇所、山林・原野などを上空から調査・監視すること。
○ スローフード運動
伝統的な郷土料理や地域の多彩な食材を守り、質の高い素材を提供する小生産者を保護することに
よって、子どもたちを含めた消費者へ優れた食文化、豊かな食生活を伝えていく運動。
○ 青少年
おおむね30歳未満の者(青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱による)。
○ 青年漁業士
将来有望な40歳未満の漁業者で知事が認定した者。
【た行】
○ 大学コンソーシアムおおいた
世界に開かれた活力ある地域づくりをめざして、県民と留学生との交流促進、留学生に対する支援、
地域社会との連携並びに国際性溢れる人材の育成などを図るため、県内の大学と地域社会が連携して
設立されたNPO法人。
○ 確かな学力
知識や技能に加え、学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動
し、よりよく問題解決する資質や能力などまで含めたもの。
○ 地域医療支援病院
紹介患者に対する医療提供や医療機器の共同利用などを通じてかかりつけ医(歯科医)などを支援
する能力を備えた病院のことで、知事が承認する。
○ 地域環境力
環境保全への地域全体の取り組み意識・能力の高まりのこと。
○ 地域再生
地域における産業、技術、人材、観光資源、自然環境、文化、歴史などのさまざまな資源の有効活
用と創意工夫により、地域経済の活性化と雇用機会の創出などを図ろうとすること。
○ 地域福祉
自立生活が困難な個人や家族が、市町村や生活圏を同じくする地域において自立生活できるよう、
ネットワークをつくり地域におけるさまざまなサービスや自主的活動を組み合わせて、共に生き、支
え合う社会づくりのこと。
○ 地域リハビリテーション
生活に支障を持った障害者や高齢者などが、再び住み慣れた地域で生き生きとした生活が送れるよ
う、医療・保健・福祉の従事者及び地域住民やボランティアまで含めた生活に関するあらゆる人々が
協力して行う総合的な自立支援活動。
○ 地上デジタルテレビ放送
地上のテレビ鉄塔などからデジタル化したテレビ信号での放送。従来のアナログ方式に比べて高品
質な映像や音声を受信でき、デジタル技術を活用した双方向サービスも利用できるようになる。
○ 地熱バイナリー発電
従来の方法では地熱発電に利用されない中低温熱水が持つ熱エネルギーを低沸点媒体(ペンタン、
アンモニアなど)に伝え、高圧の蒸気を作り出し、その蒸気によってタービンを駆動して発電する方
式。
○ 地方公営企業法の全部適用
県立病院及び県立三重病院が地方公営企業法の財務規定のみの一部適用から、組織規定まで含めた
全部適用に移行すること。これにより、病院局(仮称)として知事部局から独立し、専任の病院事業
管理者を設置することで、経営の権限と責任を明確にし、自律的かつ機動的な病院運営を行う。
○ 注意欠陥/多動性障害(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活
動や学業の機能に支障をきたすもの。
○ 中山間地域等直接支払制度
中山間地域などにおいて、急傾斜の農地のように生産条件が不利なことから耕作放棄の懸念のある
一団の農用地(1ha 以上の一定の面的なまとまりのある農地)について、農業生産活動と多面的機能
を増進する活動をする農業者などに対して5年間の直接支払いを行う制度。
○ 長期育成循環林
スギなどの針葉樹を樹齢40年程度で全て切らずに、間伐を繰り返しつつ、80年を超える針葉樹
とさまざまな広葉樹などから構成される複層林を育成し、多面的機能を高度に発揮させながら、持続
的な木材生産を行う森林。
○ 伝統文化
文化財以外の伝統芸能や祭礼行事、民俗芸能、伝統工芸のこと。
○ 統合型GIS(Geographic Information System)
庁内LANなどのネットワーク環境のもとで、庁内で共用できる空間データを「共用空間データ」
として一元的に整備・管理し、各部署において活用する庁内横断的なシステム。
○ 動物由来感染症
動物から人に感染する病気の総称。動物由来感染症には、人も動物も重症になるもの、動物は無症
状で人が重症になるものなどさまざまなものがある。
(例:狂犬病、オウム病、エキノコックス症、ウ
エストナイル熱など)
○ 特定フロン
冷蔵庫・エアコンの冷媒、電子部品の洗浄などに使われるガスで、炭化水素に塩素、フッ素が結合
した化合物をフロンといい、このうち、オゾン層を破壊する力の強いクロロフルオロカーボンなどの
物質を特定フロンという。
○ 特別支援教育
従来の特殊教育の対象の障害だけでなく、学習障害、注意欠陥/多動性障害、高機能自閉症などを
含めて、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、一人ひとりの教育的ニーズを把握して、そ
の持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために行う適切な教育や指導。
○ 豊の国ハイパーネットワーク
県と市町村を光ファイバ網で結ぶ高速・大容量の情報通信ネットワークで、福祉や医療、教育、防
災などの行政サービスの高度化を図り、県民生活の利便性の向上に資するための情報通信基盤。
○ 豊の国8020運動
一般に平均寿命である80歳の時点で20本の歯を保つための運動。
○ トレーサビリティシステム
食品などの生産や流通に関する履歴情報を追跡・遡及することができる方式。生産者や流通業者は、
媒体(バーコード、ICタグなど)に食品情報を集積するなどし、それを消費者などが必要に応じて
検索できるシステム。
【な行】
○ 夏の夜の大作戦(キャンドルナイト)
夏至の日の20時から22時までの2時間、県民が一斉に不要な電気を消して、省エネと地球温暖
化対策に取り組むもので、平成16年度から実施している。
○ ナレッジマネジメント
社員が業務で得た個別の知識やノウハウを企業全体で一元管理・共有し、問題解決や新商品開発に
役立てようとする経営手法。
○ 認定農業者
他産業従事者並みの所得目標をめざす経営改善計画を作成し、市町村長から認定を受けた農業者。
○ 認定林業事業体
「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づき、知事が認定する事業体。
○ 農業企業者
他産業従事者並みの所得目標を達成した農業者。
【は行】
○ パークアンドライド
道路の交通混雑を緩和し、公共交通の利用促進を図るため、自動車を都市郊外の駐車場に停めて鉄
道やバスに乗り換え、都市中心部や観光地等に移動する方式のこと。
○ バリアフリー
段差などの物理的な障壁(バリア)をはじめ、高齢者や障害者などの社会参加を困難にしている社
会的、制度的、心理的な障壁など、すべての人にとって日常生活の中で存在するあらゆる障壁を除去
すること。
○ バリアフリー対応型信号機
音響により信号表示の状況を知らせたり、押しボタンなどの操作により歩行者用信号機の青の時間
を延長したりすることができる機能を有する信号機。
○ 干潟
内湾に流入する河川の河口やその沿岸に河川流や沿岸流によって砂や泥が堆積して形成された湿地。
○ 病院機能評価
病院が提供している医療の質を、個々の病院が自己の機能に応じて評価し、財団法人日本医療機能
評価機構がその評価を審査・認定することにより、医療サービスの質的向上を図る。
○ ファシリテーター
まとめ役、推進役と訳され、ワークショップ(体験的参加型学習)で、議長役だけでなく学習の素
材となるものを用意し、時間管理を行いながら全体を進行するなど複合的な役割を努める。
○ フィルタリングサービス
インターネット上で、見せたくない内容、与えたくない情報を含むサイトを閲覧できないようにす
るサービス。
○ フィルム・コミッション(FC)
映画・テレビ番組など映像ソフトの制作を支援するための組織。映画などの撮影がスムーズに行わ
れるよう、道路使用許可などの許認可手続きやエキストラの紹介など、あらゆる面でサポートする。
○ フリーゲージトレイン
車輪の幅を変えることで新幹線と在来線の間を直通運転できる新型電車のことで、鉄道建設・運輸
施設整備支援機構とフリーゲージトレイン技術研究組合が開発している。
○ ブロードバンドサービス
高速通信技術を利用して行う数百 kbps 以上の高速・大容量の通信回線サービス。映像などの大容量
のデータの受発信が可能となる。代表的なものとして、FTTH(Fiber To The Home、光ファイバ)、
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称デジタル回線)、ケーブルテレビインターネ
ットなどがある。
○ 文化芸術
芸術文化、伝統文化、生活文化などの総称。
○ 文化財
文化財保護法で保護の対象とされるもの。歴史上、または、芸術上価値の高い建造物などの有形文
化財、演劇などの無形文化財、古墳や名勝地、動植物などの記念物、風俗慣習などの民俗文化財、土
地に埋蔵されている埋蔵文化財などをさす。
○ ポータルサイト
インターネットに接続したとき、最初にアクセスするウェブサイト。分野別に情報を整理しリンク
先が表示されている。
○ ボトルネック
自動車交通において、円滑な通行の妨げとなっているような要素。信号交差点、踏切、隘路などで、
瓶の首のように容量が小さく障害となっている箇所。
○ ボランティアコーディネーター
ボランティア活動を推進する中核的機関(ボランティアセンターなど)、団体(住民参加団体、社会
教育施設、企業社会貢献推進室、学校など)、社会福祉施設において、ボランティア活動推進のための
企画、情報収集・提供、相談・支援、研修、調査研究、連絡調整、活動プログラム開発などを総合的
に行う専門職のこと。
【ま行】
○ メディカルコントロール
医学的観点から救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置などの質を確保すること。
○ 藻場
海藻または海草が密生し、それがある程度の広がりをもっているところ。水生動物の産卵場、育成
場、生息場として重要な意味を持つ。
【や行】
○ ユニバーサルデザイン
年齢や性別、身体的能力、国籍や文化など人々のさまざまな特性や違いを超えて、最初からすべて
の人が利用しやすく、そしてすべての人に配慮したまちづくりやものづくり、仕組みづくりを行うと
いう考え方。
○ ユビキタスネット社会
「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークに簡単につながる社会。
【ら行】
○ リスクコミュニケーション
あるリスク(危険性)について直接間接に関係する人々が意見を交換することにより、正確な情報
を共有し、相互に意思の疎通を図ること。
○ 隣保館
社会福祉法(第2種社会福祉施設)に基づく隣保事業を実施する施設。地域社会全体の中で、福祉
の向上や人権啓発の住民交流の拠点となる開かれたコミュニティセンターとして、生活上の各種相談
事業や人権問題解決のための各種事業などを総合的に行っている。