安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル VarispeedG7/F7 の電力量表示機能について 株式会社 機種 G7,F7 安川電機 J-G-01-G7-01 資料番号 Varispeed G7 のソフトウェア S1020(モニタ表示 U1-14=21020)以降及び Varispeed F7 のソフトウェア S1030 (モニタ表示 U1-14=01030)以降では,ディジタルオペレータで電力量(kWh)のモニタが可能となっており,モータ の消費電力量や発生電力量を容易に確認することが出来,電気料金の計算にも利用することが出来ます。 モニタ表示 U1-29 に下位 4 桁,U1-30 に上位 5 桁の表示を行います。 (モニタ詳細) 名称 制御モード PG 定数 No. 出力 範囲 内容 オペレータ表示 最小 単位 PG PG なし なし 付き ベク V/f V/f トル 1 U1-29 KWH 下位 4 桁 インバータの出力電力をモニタを表示します。 0.1 kWH モニタ カイ 4 ケタ 表示は,下記のように上位と下位とに分けて kWH PG 付き ベク トル PG なし ベク メモバス アドレス トル 2 A A A A A 05CH A A A A A 05DH 行います。 KWH 上位 5 桁 □□□□□ □□□.□ U1-30 kWH U1-29 表示例) 12345678.9kWH の時のモニタ表示は, U1-30 kWH モニタ ジョウイ 5 ケタ U1-29 :678.9 kWH U1-30 :12345 MWH 0.0~ 32767999.9 MWH アナログモニタ : (出力不可) (注) 1. 電力量は,電力モニタ U1-08 の値を積算して表示されています。この為 V/f 制御時は,モータの入力電力 量表示,ベクトル制御時は,モータの出力電力量表示となります。 ・ ベクトル制御使用時に,モータの入力電力量を求める場合は,U1-29,30 の電力量表示値を,モータの効率 で割ってください。 ・ 同様に,インバータの入力電力量を求める場合は,モータの入力電力量をインバータの効率(約 95%)で割って ください。 <ベクトル制御時のモニタ値からインバータ入力電力量の概算値を求める例> インバータ入力電力量=(U1-29,30 のモニタ値)/(モータ効率・インバータ効率) 2. 電力量モニタ値をクリアする場合は,kWh モニタ初期化選択 o2-14=1(kWh モニタ初期化)に設定してく ださい。表示値がクリアされた後,o2-14=0(kWh モニタ保持)に自動的に戻ります。 3. 電力量モニタの精度は,5~10%程度です。精度が必要な場合は,正式な電力量計を使用するか,予め電 力量計を用いてインバータの電力量モニタとの誤差を確認しておいてください。なお,インバータの出力 側に電力量計を設置する場合は,誤動作しないように,インバータ用の高調波対策品をご使用ください。 4. 電力量を上位 PLC などで監視する場合は,通信で上記アドレスのデータを読んでください。 発行日:2002.6.25変更履歴:〈2〉2005.10.21 1/1 安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル 省エネ制御とは 株式会社 GN 機種 資料番号 安川電機 J-G-01-GN-02 1.省エネ制御とは? 省エネ制御とは、インダクションモータの基本特性をうまく利用して、 「負荷が変動しても常に最大効率で運転する」制御方式です。 インバータ採用による大幅な省エネ効果に加え、効率最大ポイントでの運転により更に電 力経費節減が可能です。 2.標準搭載機種 ・Varispeed G7 ・Varispeed F7 ・VS mini V7 3.ねらい(お客様の電力経費節減) ファン・ブロワ,ポンプなどの風水力機械の設備は、通常、余裕率(1.2~1.5)を考慮して 大きめのモータを採用しています。このため、設備の定格出力時には最大能力の約 70%前後 の負荷率で運転されているのが一般的で、効率も定格値を下回っています。 負荷がさらに軽くなった場合、効率はさらに低下し、無駄な電力としてモータの発熱など の損失となります。 省エネ制御はモータへの供給電圧を最適値に制御することにより、軽負荷時の効率低下を 改善しますので、このような無駄な電力損失が削減でき、お客様の電力経費節減のお役に立 てることができます。 4.省電力(省エネ)ドライブの原理 -どうして省エネドライブができるのか?- 4-1 インダクションモータ(汎用モータ)の基本特性 誘導モータは効率が最大になるすべりがあり、おおむね定格負荷時にこのすべり(定格すべり)にな るように設計されています。負荷が軽くなるとすべりが小さくなり(速度は上昇)、効率が最大になる すべりからはずれるためモータの効率は低下します。このとき、定格すべりになるように供給電圧を下 げると、モータを最大効率での運転状態に戻すことができます。 供給電圧 V 1 時の モータトルク TM1 A 効率 η1 ト ル ク モータ効率η B 効率 η2 ・ 効 率 電圧を 下げる 供給電圧 V 2 時の モータトルク TM2 すべり TL1 定格負荷 TL2 軽負荷 S1 S2 ・最大効率(η1)となるのは、おおむね定格すべり(s1)のとき。 ・負荷が軽くなる(TL2)とすべりが小さくなり(s2)、効率点は A から B へ移り、効率が低下します(η2)。 ・トルクが TM 1 から TM 2 になるように供給電圧を下げるとすべりは s1 に戻り、最大効率点を A に戻す ことができます。 発行日:2005.06.30 変更履歴:<1>2006.03.08 1/2 安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル 省エネ制御とは 4-2 株式会社 機種 GN 資料番号 安川電機 J-G-01-GN-02 省エネ制御の動作原理 モータ効率(η)が周波数(f)とすべり(s)との関数(F)となることを利用した演算を 基本としています。 モータ効率(η)=F(f,s) 負荷変動にかかわらず、モータを常に最大効率で運転するようにすべりを高速演算し、最適 な電圧を供給する方式を採用しています。 4-3 実際の動き(運転フロー) 1.始動時は、通常の V/f パターンに従い目標の周波数へ加速する。 2.目標(指令)周波数に到達するとインバータ内部でモータに供給される有効電力を算出 する。 3.検出された有効電力とインバータ内部のモータ定数をもとに、指令周波数におけるモー タ効率が最大となるすべりを算出し、そのすべりとなる最適電圧を計算して出力する。 4.モータ定数の温度変化によって、すべりが変化して最適運転ポイントがずれることがあ る。この場合、負荷変動が少ない運転状態では出力電圧を振って最適ポイントで運転でき るように さぐり運転を行う。 このようにして、負荷変動に対して常に最大効率で運転することができます。 5.特長 1 理論最大効率まで運転効率を向上 ・・・ モータの運転コストを極限まで抑えます。 2 高速応答性よりあらゆる機械にフルマッチ ・・・ 高精度電力検出回路と高速演算により変動負荷用途にも適用できます。 3 リアルタイムチューニングで高効率運転 ・・・ 刻々変化する負荷状態や温度変動によるモータ定数の変化に対して、 リアルタイムでさぐり運転を行ない、高効率運転を維持します。 モータの種類も選びません。 発行日:2005.06.30 変更履歴:<1>2006.03.08 2/2 安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル ファン・ポンプの省エネ計算図表 株式会社 機種 GN 資料番号 安川電機 J-G-01-GN-04 この計算図表は,商用電源で運転するファン・ポンプの風量・流量制御をインバータ制御にした場合の省 電力計算をグラフで求めるものです。 計算結果の省エネ量は理論値です。保証するものではありません。 なお,計算図表の元となる計算式は標準的なファン・ポンプの特性を適用したものです。従って,使用状 況により変わる場合がありますので,目安としてご使用ください。 【計算図表の使い方】 1.ファンの場合(図1参照) 【計算例】 モータ容量 :7.5kW 定格風量時の軸出力 Ps :7.5kW 使用風量 Q(P.U.) :定格風量の 70%(0.7) モータ効率ηm :90%(0.9) インバータ効率ηi :95% 運転時間 :6000H/年 電力単価 :15 円/kWh ダンパ制御の場合の電力 Pd 以下の計算式で求められます。 計算式:Pd=(1.03+0.56*Q-0.59*Q2)*Q*Ps/ηm 計算図表を使って求める場合は以下の通りです。 1. 図 1 において、定格風量時の軸出力は 7.5kW なので,Ps 軸の 0.75(7.5 はないので 10 分の 1 の 値を使用し,結果を 10 倍する)とダンパ制御の Q 軸の 0.7(風量 70%)を直線①で結びます。 直線①とダンパ制御補助線との交点を a とします。 2. 交点 a とダンパ制御のηm 軸の 0.9(モータ効率 90%)を直線②で結びます。直線②と Pi 軸との交 点を a’とすると,a’が求める消費電力となります。 3. この場合,a’は 0.66 なので実際は 10 倍した値の 6.6kW となります。 インバータ制御の場合の電力 Pi 以下の計算式で求められます。 計算式:Pi=Q3*Ps/(ηm*ηi) 計算図表を使って求める場合は以下の通りです。 1. 定格風量時の軸出力は 7.5kW なので,Ps 軸の 0.75 からインバータ制御の Q 軸の 0.7 を直線③で 結びます。直線③とインバータ制御の補助線との交点を b とします。 2. 交点 b とインバータ制御のηm 軸の 0.9(モータ効率 90%)を直線④で結びます。直線④と Pi 軸と の交点を b’とすると,この b’が求める消費電力となります。 ※インバータ効率 95%(固定)を考慮してηm 軸を作成。 3. この場合,b’が 0.3 なので 10 倍して 3kW となります。 年間節約電気料金 (6.6-3)×6000×15=324,000 円/年 発行日:2006/10/23 変更履歴: 1/4 安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル ファン・ポンプの省エネ計算図表 株式会社 機種 GN 資料番号 安川電機 J-G-01-GN-04 2.ポンプの場合(図2参照) 【計算例】 モータ容量 :11kW 定格流量時の軸出力 Ps :11kW 使用流量 Q(P.U.) 実揚程 ha :定格流量の 70%(0.7) :0.6(P.U.) モータ効率ηm :90%(0.9) インバータ効率ηi :95% 運転時間 :6000H/年 電力単価 :15 円/kWh バルブ制御の場合の電力 Pb 以下の計算式で求められます。 計算式:Pb=(1.25-0.25Q2)*Q*Ps/ηm 計算図表を使って求める場合は以下の通りです。 1. 定格時の軸出力は 11kW なので,Ps 軸の 1.1(11 はないので 10 分の 1 の値を使用し,結果を 10 倍する)と,バルブ制御の Q 軸の 0.7(流量 70%)を直線①で結びます。直線①とバルブ制御補 助線との交点を b1 とします。 2. 交点 b1 とバルブ制御のηm 軸の 0.9(モータ効率 90%)を直線②で結びます。直線②と Pi 軸との 交点を b2 とすると,この b2 が求める消費電力になります。 3. この場合,b2 が 0.96 なので 10 倍して 9.6kW となります。 インバータ制御の場合の電力 Pi 以下の計算式で求められます。 計算式:Pi={ha+(1-ha)Q2}Q*Ps/(ηm*ηi) 計算図表を使って求める場合は以下の通りです。 1. グラフ 1 の流量 Q 軸の 0.7 と,実楊程 ha=0.6 の曲線との交点を a とします。交点 a から水平に 引いた直線③と補助線(ηm 軸と兼用)との交点を a'とします。 2. 交点 a'から Ps 軸の 1.1(11 はないので 10 分の 1 の値を使用し,結果を 10 倍する)に引いた直線 を④として,インバータ制御補助線との交点を a1 とします。 3. 交点 a1 とインバータ制御のηm 軸の 0.9(モータ効率 90%)を直線⑤で結びます。⑤と Pi 軸との 交点を a2 とすると,この a2 が求める消費電力となります。 4. この場合,a2 は 0.72 なので 10 倍して 7.2kW となります。 年間節約電気料金 (9.6-7.2)×6000×15=216,000 円/年 発行日:2006/10/23 変更履歴: 2/4 安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル ファン・ポンプの省エネ計算図表 株式会社 GN 機種 安川電機 J-G-01-GN-04 資料番号 図 1 省エネ計算図表(ファン) Pi:消費電力(kW) Ps:定格風量時の軸出力(kW) Q:運転時の定格風量に対する比率(P.U.) ηm:モータの効率 インバータ効率は 95%に固定 a’がダンパ制御時の消費電力 b’がインバータ制御時の消費電力で a-b’が省電力になります。 Pi (kW) インバータ制御 補助線 Ps (kW) 4 4 3.7 3 3 ダンパ制御 補助線 2.2 2 1.85 1.6 1.5 1.5 インバータ制御 ダンパ制御 Q (P.U.) ηm 1 0.9 1 0.9 0.7 ④ ③ 0.6 0.8 0.5 b 0.6 1 0.9 0.8 0.8 0.7 ηm 1.1 1 0.9 0.75 a’ 0.55 0.5 0.45 0.4 ① ② a Q (P.U.) 0.9 1 0.9 0.8 0.8 0.7 0.7 0.6 0.6 0.5 0.5 0.4 0.4 0.7 0.3 0.6 0.2 b’ 0.2 0.15 0.5 0.1 0.09 0.1 0.08 0.4 0.07 0.06 0.05 発行日:2006/10/23 変更履歴: 3/4 安川汎用インバータ 技術資料 資料分類 省エネ/省エネ タイトル ファン・ポンプの省エネ計算図表 株式会社 機種 GN 安川電機 J-G-01-GN-04 資料番号 図 2 省エネ計算図表(ポンプ) Pi:消費電力(kW) Ps:定格風量時の軸出力(kW) Q:運転時の流量の定格流量に対する比率(P.U.) ηm:モータの効率 インバータ効率は 95%に固定 b2 がバルブ制御時の消費電力, a2 がインバータ制御時の消費電力で,b2-a2 が 省電力になります。 Pi(kW) Ps(kW) インバータ 制御 4 3 2 インバータ制御 グラフ 1 流量、実揚程特性 1.5 ηm(補助線兼用) a ③ 1 0.9 0.8 0.7 a' 0.6 0.5 1.0 0.6 3 ④ ⑤ a1 0.6 0.5 バルブ制御 補助線 2.2 1.85 1.6 1.5 1.1 1 0.9 0.8 0.7 0.4 0.8 4 3.7 b2 0.9 0.75 a2 0.55 0.45 0.4 バルブ制御 ① ② b1 ηm Q (P.U.) 1 0.9 0.8 0.7 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.6 0.5 0.5 0.4 0.3 0.4 0.2 0.2 0.2 0.15 実揚程 ha=0 0.1 0.09 0.08 0.07 0.1 0.06 0.05 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 流量 Q(P.U.) 発行日:2006/10/23 変更履歴: 4/4 安川汎用インバータ 技術資料 株式会社 V1000 資料分類 省エネ/省エネ タイトル V1000 の電力量表示機能および積算電力パルス出力機能について 機種 資料番号 安川電機 J-G-01-V1000-01 V1000 は LED オペレータで電力量(kWh)のモニタが可能となっており,モータの消費電力量や発生電力量を容易 に確認することができます。 モニタ表示 U4-10 に下位 4 桁,U4-11 に上位 5 桁の表示を行います。 (モニタ詳細) No. 名称 U4-10 kWH (積算電力下位 4 桁) U4-11 kWH (積算電力上位 5 桁) 内容 出力 範囲 インバータの出力電力をモニタに表示します。 表示は,下記のように上位と下位とに分けて行 います。 □□□□□ □□□.□ kWH 0.0~ U4-11 U4-10 32767999.9 表示例) 12345678.9kWH の時のモニタ表示は, U4-10 :678.9 kWH U4-11 :12345 MWH アナログモニタ : (出力不可) 最小 単位 制御モード PM 用 PG PG PG なし なし なし ベク V/f ベク トル トル 0.1 kWH ○ ○ ○ MWH ○ ○ ○ 注1) 電力量は,電力モニタ U1-08 の値を積算して表示されています。このため,V/f 制御時はモータの入力 電力量表示,ベクトル制御時はモータの出力電力量表示となります。 ・ ベクトル制御使用時に,モータの入力電力量を求める場合は,U4-10,11 の電力量表示値を,モータ の効率で割ってください。 ・ 同様に,インバータの入力電力量を求める場合は,モータの入力電力量をインバータの効率(約 95%)で 割ってください。 <ベクトル制御時のモニタ値からインバータ入力電力量の概算値を求める例> インバータ入力電力量=(U4-10,11 のモニタ値)/(モータ効率・インバータ効率) 注2) 電力量モニタ値をクリアする場合は,kWH モニタ初期化選択 o4-12=1(kWH モニタ初期化)に設定して ください。表示値がクリアされた後,o4-12=0(kWH モニタ保持)に自動的に戻ります。 注3) 電力量モニタの精度は,5~10%程度です。精度が必要な場合は,正式な電力量計を使用するか,予め 電力量計を用いてインバータの電力量モニタとの誤差を確認しておいてください。なお,インバータの 出力側に電力量計を設置する場合は,誤動作しないように,インバータ用の高調波対策品をご使用くだ さい。 注4) 電力量を上位 PLC などで監視する場合は,通信で上記アドレスのデータを読んでください。 または,多機能接点出力に積算電力パルス出力を設定(H2-01~03 のいずれかに 39 を選択)することに より,市販の電力計相当のパルス列でモニタすることもできます。出力単位は H2-06 で選択します。 * H2-06:積算電力パルス出力単位選択 H2-01~03 に 39(積算電力パルス出力)を選択したときの,多機能接点の出力単位を設定します。 選択した単位にて多機能出力を 200ms の間 ON します。 発行日:2007.03.13 変更履歴: 1/1
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