セグメント情報 : エネルギー 経営成績 当セグメントの経営成績の分析です。(有価証券報告書より) 収 益 売上総利益 (億円) (億円) 16000 12,805 2500 14,543 2000 12000 1,998 13/3 14/3 1500 8000 1000 4000 0 2,032 500 13/3 0 14/3 営業利益 持分法による投資利益 (億円) (億円) 2000 700 600 500 400 300 200 100 0 1500 1,507 1,419 13/3 14/3 1000 500 0 536 13/3 601 14/3 当期利益(親会社の所有者に帰属) (億円) 1,884 2000 1500 1,455 1000 500 0 13/3 14/3 当連結会計年度及び前連結会計年度の当社及び関係会社の経営成績に反映された原油価格の平均 は、それぞれ110米ドル/バレル及び114米ドル/バレルと推計されます。 エネルギーセグメントの収益は1兆4,543億円となり、前連結会計年度の1兆2,805億円から1,738億円の増 加となりました。主な内訳は、以下のとおりです。 • 取扱数量の増加により石油トレーディング事業が1,299億円の増加となりました。 • 石油・ガス生産事業が299億円の増加となりました。Mitsui E&P Australiaにおいて、油田生産設備の改 修に伴い生産量が減少したものの、円安の影響により増加しました。 ‐1‐ 売上総利益は1,998億円となり、前連結会計年度の2,032億円から34億円の減益となりました。主な内訳 は、以下の通りです。 • Mitsui E&P Middle Eastは、原油の生産コスト低下や生産量増加、円安の影響により269億円の増益と なりました。 • Mitsui E&P USA(米国)は、シェールガスの確認埋蔵量の増加に伴う単位生産量あたりの減価償却費 用の減少やガス価格の上昇により46億円の改善となりました。 • Mitsui E&P Australiaは、油田生産設備の改修に伴う生産量の減少により322億円の減益となりました。 • 当第4四半期連結会計期間に三井石油を売却したことに伴い、76億円の減益となりました。 営業利益は1,419億円となり、前連結会計年度の1,507億円から88億円の減益となりました。売上総利益の 減少に加え、販売費及び一般管理費の負担増がありました。 持分法による投資利益は601億円となり、前連結会計年度の536億円から65億円の増益となりました。円安 の影響によりJapan Australia LNG (MIMI)が増益となりました。 当期利益(親会社の所有者に帰属)は1,884億円となり、前連結会計年度の1,455億円から429億円の増益 となりました。上記のほか、以下の要因がありました。 • LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、アブダビ、オマーン、カタールガス3、及び赤道ギニア) からの受取配当金は合計で962億円となり、前連結会計年度の612億円から350億円増加しました。主な 要因は、サハリンⅡプロジェクト及びカタールガス1プロジェクトからの受取配当金の増加です。 • 当連結会計年度において、三井石油株式の売却益113億円を計上しました。 • 当連結会計年度において、Mitsui E&P Middle East及びMitsui E&P Australiaがそれぞれエジプト及 びニュージーランドの油田権益を売却し、合計で62億円の固定資産売却益を計上しました。 • 当連結会計年度において、Mitsui E&P AustraliaやMitsui E&P Mozambique Area 1(英国)などで186 億円の探鉱費用を計上しました。前連結会計年度はMitsui E&P Mozambique Area 1や三井石油開発、 Mitsui E&P Australiaなどで334億円の探鉱費用を計上しました。 • 当連結会計年度において、Mitsui E&P Texasが将来の見込み生産量の見直しを主因にイーグルフォー ド・シェールガス・オイル事業に係る減損損失142億円を計上しました。 原油 ・ ガスの短期及び長期の価格動向 ・ 需給、 並びに当社持分生産量 - 短期の価格・需給 国際エネルギー機関(International Energy Agency)による報告(2014年4月発行)では、世界の原油需要 は、2013年(暦年)が日量91.4百万バレル、2014年(暦年)の推定値が日量92.7百万バレルとされています。 上記報告をはじめ、2014年6月現在における短期の原油需給に対する関係諸機関や企業の見解は以下の ように集約されると考えられます。 ‐2‐ • 世界の石油需要は2009年4-6月期を底に緩やかに上昇しており、新興国の需要増を背景に2014年(暦 年)も引き続き上昇することが予測されています。一方、世界の石油供給量も増加が見込まれており、結果 的に需要増と供給増が相殺され、需給バランスに大きな変化はないと予想されています。 • 原油価格(Brent)は、地政学リスクへの懸念から2012年2月に約126米ドル/バレルまで上昇し、2012年4月 までは100-110米ドル/バレルのレンジで推移しましたが、その後欧州の財政問題や中国等新興国の成 長鈍化懸念により再度下落に転じ、2012年6月には一時90米ドル/バレルを割り込みました。その後は地 政学リスクの高まりや欧州経済復調への期待感、米国の追加量的緩和への期待感などを背景に原油 価格は上昇に転じ、2013年12月より開始された量的緩和の縮小を受けた後も概ね100-110米ドル/バレ ルのレンジで推移し、2014年6月16日現在約113米ドル/バレル前後で取引されています。 • 原油価格(WTI)は、上記変動要因に加え米国内の需給バランスや、オクラホマ州クッシングにある集油 所の在庫状況や輸送設備にも影響されます。2013年初頭はBrent原油に対して20米ドル/バレル以上低 かったものの、クッシングから需要地への輸送容量が拡大し、製油所稼働率が上昇するに連れて、同年7 月にはBrent原油とほぼ同じ水準にまで上昇しました。その後は再びBrent原油との格差が開きましたが、 2014年1月から稼働を開始したパイプラインや東海岸を中心とした厳冬の影響により、Brent原油との価 格差は縮小傾向にあり、2014年6月16日現在約107米ドル/バレル前後で取引されています。 • LNGの動向に関しては、韓国・台湾や新興国におけるLNG需要が増加傾向にある中、2011年3月の東日 本大震災による原子力発電所稼動停止に伴い、LNG需要は大幅に増加し、アジア向けのLNGスポット 価格は震災前の水準の9米ドル/百万BTUから一時は20米ドル/百万BTUを超える水準まで上昇しまし たが、2014年6月中旬においては12米ドル/百万BTU前後に落ち着いています。 米国SEC基準による当社の石油・ガスの持分生産量は、2013年3月期において年間72百万バレル(ガスを バレル換算、換算係数は原油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、三井石油開発の非支配持分9百万バ レルを含む)、2014年3月期において年間75百万バレル(三井石油開発の非支配持分10百万バレルを含 む、第95期有価証券報告書提出日における暫定値)となりました。 なお、当社は、2015年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス関連子会社及び関連会社の販売 収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度は US$1/バレルあたり18億円と推定しています。 金属資源と同様に、実際の経営成績は、各連結子会社及び関連会社における実際の生産量及び生産費 用、為替相場の変動などにより影響を受けます。 - 中長期の価格・需給と当社持分生産量の動向 中長期における原油の需給及び価格の動向は、短期的動向以上に不確定要素が大きく経営者として明確 な見通しを検討することはできません。一方、LNG及び北米シェールガスについては、現在進行しつつある 市場構造の変化を注視して当社は以下のとおり事業に取り組んでいます。 • 従来、日本を含む極東の電力・ガス会社向け長期販売契約を中核に発展してきたLNG市場は、既存プ ロジェクトの拡張及び新規プロジェクト立ち上がりによる供給増加の一方、従来の極東中心から、欧州及 び南米の需要が伸張しつつあり、更には巨大市場としての中国及びインドに加え東南アジア諸国が今 後台頭し、需給両面からグローバル化が進むことが予想されます。更に市場間の需給調整が頻繁に行 ‐3‐ われ、LNGは従来に比べてより市場性の高い商品となっていくことが予想されます。 • アジアで新規LNGプロジェクトの立上げが短期的には限定的であるため、日本の原子力発電所の停止 が長期化すれば、2015年頃まではLNG需給の逼迫状態が続くと見込まれます。一方、本邦向けプロジェ クトの一部が2015年前後に契約更新時期を迎え、LNG調達先の組替えも想定されています。当社は、 LNG生産に係る権益について、供給安定性確保とソースの多様化を念頭に既存案件の増産や新規開 発案件の追求にあたっています。 • 米国において開発が活発化している非在来型ガスの一つであるシェールガスは、世界的に莫大な埋蔵 量が確認されているものの、開発には大量の水が必要なほか、ガス井の近くにガス輸送のためのパイプ ライン敷設が必要などの制約により米国以外では短期間で急速に開発が進む可能性は低い見通しで す。シェールガスを含む非在来型ガスの開発は米国の天然ガス需給に多大な影響を与え、その豊富な 供給力から一部はLNGに加工され輸出されることが見込まれますが、米国以外の地域においては非在 来型ガス開発が天然ガス需給に与える影響は当面限定的であり、世界的にクリーンエネルギーとしての 天然ガス需要が高まる中、中長期的には天然ガスとともにLNGの需要は伸張すると予想しています。 • 米国天然ガス価格の指標となるHenry Hub価格は非在来型ガスの開発進展により下落し、今後も原油 と比較し熱量換算ベースでは安価にて推移すると想定されますが、長期的には主に石炭等からの発電 燃料置換えや、LNGや化学品原料としての需要が発生し、価格は緩やかに上昇することが見込まれま す。 ‐4‐
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