アリのひみつ ~アリの”すききらい”と”冬みん”について

アリのひみつ
~アリの“すききらい”と“冬みん”について~
つくば市立 北条小学校
3年 成瀬 元希
1、けんきゅうをはじめたわけ
本にアリのことがのっていて、自分も調べてみたいと思った。
2、けんきゅうの目てき
実けんを通して、アリのひみつをさぐる。
① アリのすきな食べ物、にがてな物を調べる。
② 冬みんのひみつを調べる。冬みんの温度とそせい
の様子を調べる。
3、実けんの方ほうとけっか
実けん①―1
<方ほう>
アリのすきそうな物(チョコレート、カステラ、あん
こ、あめ、さとう)をクロオオアリのすの前(1m)に
ならべ、どれに多く集まるか調べる。
<よそう>
チョコレートに一番多く集まり、カステラが一番少な
いと思う。
<けっかと気がついたこと>
表-1
~けっかから~
◎ チョコレートに集まっ
物
チョコレート カステラ あんこ
あめ
さとう
時間
たアリが一番少なく、
あめが一番多く集まった。
2時間後
0
3
9
5
4
◎ カステラにトビイロ
6時間後
0
0(30)
9
20
4
ケアリが30ぴきも集ま
数字はクロオオアリの数 ( )はトビイロケアリの数
ったのに、クロオオアリ
は1ぴきも集まらなかった(6時間後)
。
~気がついたこと~
★ チョコレートがきらいなんてびっくりした。アリのしゅるいによって、すき
な物がちがうのかもしれない。
★ 実けん①―1から、クロオオアリはあめに一番多く集まることがわかった。
実けん①―2
<方ほう>
実けん①―1のけっかを利用して、あめのまわりにアリのきらいそうな物(しお,わゴム、ゴーヤ、チョコ
レート、コーヒー、す)をしきつめて、アリのあつまり方を調べる。
実けん①―1と同様にアリのすの前(1m)にならべ、どれに多く集まるか調べる。
<じゅんび>
牛にゅうパックを高さ5mmに切り、アリのきらいそうな物(しおなど)をしきつめてからその上にあめを
のせた。 すとコーヒーはティッシュにしめらせて、その上にあめをのせた。
<よそう>
わゴムには集まらないと思う。
<けっかと気がついたこと>
表-2
物
あめだけ
時間
しお
わゴム
ゴーヤ
チョコレート
コーヒー
す
6時間後
10
0
0
0
0
0
死2
12時間後
18
0
1
0(20)
3
0
1・死2
数字はクロオオアリの数 ( )はトビイロケアリの数
あめだけ
しお
わゴム
ゴーヤ
チョコレート
コーヒー
す
~けっかから~
◎ チョコレートにのせたあめにはクロオオアリが3ひき集まったが、す(ティッシュにしめらす)にのせた
あめでは、あめの上で2ひき死んでいた。
◎ ゴーヤにのせたあめには、トビイロケアリが20ぴきも集まった。
~気がついたこと~
★ アリは、にがい物やにおいのきつい物はにがてなようだ。
★ すにさわると、アリは死んでしまうのかもしれない。
★ チョコレートはアリがすきではない食べ物だが、すのように、がいになる物ではない。
★ ゴーヤはアリのしゅるいによって、にがてだったりへい気だったりする。
実けん② アリの冬みん温度とそせいの様子を調べる。
<よび実けん>
クロオオアリをじょう温、れいとう室(-20~-30℃)
、パーシャル室(-2~-5℃)
、チルド室(0
~2℃)
、れいぞう室(4~8℃)に入れ、1、3、5日後の様子を調べた。
<けっか>
◎ れいとう室に入れたアリは1~5日後のどれもそせいしなかった。
◎ パーシャル室に入れたアリは5日後はそせいしなかった。
このけっかから実けん②は、じょう温、れいぞう室、パーシャル室、チルド室を使い、3日後まで調べる
ことにした。
実けん②―1 温度のちがいによる、そせいのし方を調べる。
<じゅんび>
実けん①を利用してクロオオアリを集める。
右図のきゅう虫かんでアリをさい集した。
【きゅう虫かん】 きゅう虫かんは、ソース入れ(大)の下に
穴を開け、上下の穴にストローをさして作った。
すい口になるストローの下部にはあみを付け、アリを
口まですいこまないように工夫した。
【実験容器】 ソース入れ(中・小)に、はりでたくさん空気穴を開け、アリを3ひきずつ入れて実けんに
使用した。
<方ほう>
穴を開けたソース入れ(中・小)に3ひきずつアリを入れ、①じょう温(30~33℃)
、②れいぞう室(4
~8℃)
、③チルド室(0~2℃)
、④パーシャル室(-2~-5℃)にそれぞれ4ケースずつおく。
半日、1日、2日、3日後に 1 ケースずつじょう温にもどし、アリのそせいのし方を調べる。
<よそう>
チルド室とパーシャル室は、0℃い下なので死んでしまうと思う。
<けっかと気がついたこと>
○:動き出したアリ
△:しょっ角が動いたアリ
×:動かないアリ
表-4
表-3 実験②-1 半日後
時間(分)
5
10
15
20
25
30
35
○
①
○
(30~33℃) ○
△
②
×
(4~8℃)
×
×
③
×
(0~2℃)
×
×
④
×
(-2~-5℃) ×
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
×
△
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
△
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
表-5 実験②-1 2日後
時間(分)
1日後
5
10
15
20
25
30
○
①
○
(30~33℃) ○
○
②
△
(4~8℃)
△
△
③
△
(0~2℃)
△
×
④
×
(-2~-5℃) ×
○
○
○
○
△
△
○
○
△
×
×
×
○
○
○
○
△
△
○
○
△
△
△
×
○
○
○
○
○
△
○
○
○
○
△
△
○
○
○
○
○
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
表-6 実験②-1 3日後
5
10
15
20
25
30
35
40
○
○
(30~33℃) ○
×
②
×
(4~8℃)
×
×
③
×
(0~2℃)
×
×
④
×
(-2~-5℃) ×
○
○
○
△
△
△
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
△
△
△
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
△
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
△
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
△
×
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
△
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
×
×
①
実験②-1
時間(分)
時間(分)
5
10
15
20
25
30
35
40
○
○
(30~33℃) ○
△
②
×
(4~8℃)
×
×
③
×
(0~2℃)
×
×
④
×
(-2~-5℃) ×
○
○
○
△
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
△
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
△
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
△
×
△
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
×
○
△
×
×
×
×
○
○
○
○
○
×
○
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
×
○
×
×
×
×
×
①
~けっかから~
◎ ③は3日目、④は2日目にそせいしなくなってしまった。
~気がついたこと~
★ 温度がひくいほどそせいに時間がかかる。
★ 1日目の実けんの時、ケースをゆびではじいて
しげきしてしまったので、早く動き出してしまった。
★ ③は2、3日目に、しょっ角が動いたのに
そせいまでいかない(動き出さない)アリがいた。
★ 実けん温度の上げ方、下げ方にひみつがあるの
かもしれない。
実けん②―2 0~2℃で、温度の上げ方、下げ方を
変えてみる。
<よそう>
温度のへん化がゆっくりな方がたくさんそせいすると思う。
グラフ-1 実験②-1
ひやした日数と“2ひき以上のそせい”
にかかる時間
0.5
1
2
3 日数
●
●
●
●
①
5
10
●
①じょう温 (30~33℃)
②れいぞう室 (4~8℃)
③チルド室 (0~2℃)
④パーシャル室 (-2~-5℃)
●
15
20
25
●
●
●
●
●
●
30
時間
(分)
●
×
④
③
×
②
<方ほう>
温度の上げ方と下げ方
れいぞうこへの
(1)穴をあけたソース入れにアリを3ひきずつ入れ、それ
入れ方
ぞれ実けん②―1と同じ様に、そのままれいぞう室に
すぐ
(1)
入れ、もどす時もすぐにじょう温にもどす。
4~8℃
(2)れいぞう室に30分おいてからチルド室(0~2℃)
4~8℃ 30分後
(2)
0~2℃
におく。もどす時はすぐじょう温にもどす。
4~8℃ 30分後
(3)れいぞう室に30分おいてからチルド室(0~2℃)
(3)
0~2℃
におく。もどす時もれいぞう室に30分おいてから
じょう温にもどす。
それぞれ1日、2日、3日後にじょう温にもどし、そせいのし方を調べる。
<けっかと気がついたこと>
表-8 実験②-2 2日後
表-7 実験②-2 1日後
時間(分)
(1)
(2)
(3)
5
10
15
20
25
30
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
×
○
×
×
○
○
○
○
○
×
○
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
時間(分)
(1)
(2)
(3)
れいぞうこからの
出し方
すぐ
じょう温(30~33℃)
すぐ
じょう温(30~33℃)
4~8℃ 30分後
じょう温(30~33℃)
表-9 実験②-2 3日後
5
10
15
20
25
30
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
時間(分)
(1)
(2)
(3)
5
10
15
20
25
30
35
40
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
×
×
×
×
×
×
○
○
○
△
×
×
△
×
×
○
○
○
△
×
×
○
○
○
○
○
○
△
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
グラフ-2 実験②-2
~けっかから~
◎ (1)は1日後~3日後すべてですぐにそせいした。
◎ 2日後までは(3)より(2)の方が早くそせいしたが、3日後
では(3)の方が(2)より早くそせいした。
~気がついたこと~
★ アリは急な温度のへん化に弱いのかもしれない。
★ 0℃くらいまでは早い時間にたくさんそせいするが、0℃
い下になるとそせいしないアリがふえる。
このことから、
冬の間アリのすの中は0℃い上になっていると思う。
ひやした日数と“2ひき以上のそせい”
にかかる時間
1
2
3 日数
●
●
●
(1)
5
(1)すぐ冷 すぐもどし
(2)ゆっくり冷 すぐもどし
(3)ゆっくり冷 ゆっくりもどし
10
15
●
20
25
●
●
(2)
30
●
●
全体を通して思ったこと
★ 実けん①―1でチョコレートにぜんぜん集まらなくて
時間
びっくりしました。チョコレートは、あまいのでたくさん
(3) ●
(分)
集まると思ったからです。
★ アリをきゅう虫かんで集める時、さいしょはあみを付けなかったのでアリを口まですいこんでしまい
ました。アリはしお味でした。
★ 実けん①―2で、すの上においたあめに集まったアリが死んでしまったのでびっくりしました。
指導者
阪口 淳子
生活の中で一番身近なありについて,3 年生らしい素直な視点で,探究心旺盛に調べ上げた作品です。
今後も,普段の生活の中で疑問に思ったことや,不思議に思ったことを見逃さず,科学的な視点を広げて
いって欲しいと思います。