舗装⽤ポーラスコンクリートの 耐摩耗性に及ぼす粗⾻材粒径の 影響に関する実験的研究 三重⼤学⼤学院⼯学研究科 三島直⽣ 畑中重光 研究の背景 本研究室では、POCの貯水・排水 性能を活用した、ゲリラ豪雨対策 舗装システムの開発を進めている。 より効果的なゲリラ豪雨対 策を行うためには、街区レベ ルで、なるべく広い面積に POC舗装を適用することが必 要となる。 三重大学講堂前(H24) 歩道および車道 の舗装への適用 が不可欠。 中川ら、2013年度日本建築学会大会 研究の⽬的 ・車両通行によるPOC舗装の摩耗・剥脱が懸念される。 ・現時点で摩耗・剥脱に対する耐久性には不明な点が多い。 回転ラベリング試験機を⽤いた、 ポーラスコンクリートの耐摩耗性を明らかにする。 回転ラベリング試験 ・鉛直荷重︓5kN 油圧ジャッキ タイヤ ・⼀度に試験できる供試体数︓12枚 ・タイヤの数︓2個(うち駆動輪は1個) ・タイヤの周回速度︓13.5rpm ・タイヤのサイズ︓145/80 R12 74s ・タイヤチェーン使⽤(写真参照) ・総⾛⾏時間︓220min 供試体 ラベリング試験機 チェーンを掛けたときの様⼦ 回転ラベリンク試験機作動中の様⼦ 実験の要因と⽔準 要因 ⽔準 供試体種類 ポーラスコンクリート(POC)、 透⽔性アスファルト、 排⽔性アスファルト POCの設計空隙率 15%、25% POCの⾻材粒径 5号(13-20mm)、7号(2.5-5mm) 供試体の劣化状況の例(5号砕⽯使⽤POC) 初期状態 30分後 220分後 レーザ変位計による形状測定の様⼦ レーザ変位計による形状測定結果の例 5 0 ‐5 0 ‐10 ‐15 ‐20 ‐25 タイヤの走行位置 20 40 0分後 60 30分後 80 100 120 220分後 (a)骨材粒径:5 号、空隙率:25% 5 0 ‐5 0 ‐10 ‐15 ‐20 ‐25 タイヤの走行位置 20 40 0分後 60 30分後 80 100 120 220分後 (b)骨材粒径:7 号、空隙率:15% 5 0 ‐5 0 ‐10 ‐15 ‐20 ‐25 タイヤの走行位置 20 40 0分後 60 30分後 80 220分後 (c)透水性アスファルト 100 120 摩耗深さの平均値の時刻歴 まとめ 本実験では、POCの耐摩耗・剥脱性に対する ⾻材粒径および空隙率の影響を確認することを ⽬的として、ラベリング試験装置を⽤いた基礎 的な実験を⾏った。 その結果から、POCの粗⾻材粒径によって、 粗⾻材の割れ(粒径⼤)、または剥脱(粒径 ⼩)といった劣化の状況に差は⾒られたものの、 摩耗深さに及ぼす調合要因の影響は⾒られな かった。 また、POCはアスファルトと⽐べて耐摩耗・ 剥脱性が⾼いことが⽰された。
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