サントリー日本ワインについて

サントリーワインインターナショナル株式会社
サントリー日本ワインについて @ALFAE総会にて
自己紹介
Suntory Tomi no Oka Winery
Chief Wine Maker
Naoki Watanabe
■Profile
–Joined Suntory in 1988
–From 1989 was responsible for developing
cultivation and fermentation technology at
Tomi no Oka Winery.
–1992: studied at Bordeaux University and
became a qualified oenologist.
–In his present role since April 2007
そもそも『日本ワインとは?』
現在の日本の酒税法では、海外から輸入されたブドウやブドウ果汁を原料に使用
し、日本国内で製造・瓶詰めされれば『国産ワイン』と名のることができる。
サントリーでは国産ワインを2種類に分類しています。
国産ワイン
国産
カジュアルワイン
日本ワイン
(国産ブドウ100%)
日本ワインはブームから一般化のステージへ
月間食堂2012..9月号
日本ワインが外食業界のトレンド。
ワインバーやバルの増加・取扱い加え、
和食店、すし店などの外食店でも
日本ワインを提供している。
日本食糧新聞2012.08.10
間違いなく成長への標準が高まっている。
海外コンクールの常連国・露出UPなど
プラス環境を背景に
業務用・家庭用市場ともに成長著しい。
一過性のブームではなく、「日本ワイン提供」が当たり前の風潮になってきています!
多様化
日本のワイン ガイドブック
ワイナリー巡りのイベント
日本ワインと料理の本
日本ワイン検定
セミナー開催
日本ワインについての本やイベントが多数出てます
日本ワイン業務用情報
日本ワインをお店の「強み」として
開拓店ターゲット事例
さまざまな業態でお取り扱いされています
ミシュラン評価
のあるレストラン
イタリアン
ビストロ業態
日本ワイン
専門店
・NARISAWA
・俺のイタリアン
・MA SALLE
・HAJIME
・欧州小料理 SAWAMURA
・ワインバル WA
海外のお客様が多いお店では
日本ワインは大事な品揃えに
日本料理以外の業態でも定番リスト
としてお取り扱いいただいています
日本ワイン専門店のワインバルも
話題の業態になっています
(サントリーHPより)
サントリー 日本で展開する2つのワイナリー
長野
塩尻ワイナリー
山梨
登美の丘ワイナリー
サントリーは2つのエリアで、ワインづくりを行なっています。
長野県塩尻地区では契約農家の皆さんと手を携え、良質なぶどうを得て醸造、
山梨県の登美の丘ワイナリーでは150haの自家ぶどう園を所有し、土作りから
瓶詰めまで一貫したワインづくりを行なっています。
100年の歴史をもつワイナリー
この地でぶどうをつくり続け約100年の歳月が過ぎました。
「世界に誇れる日本ワインをつくりたい。」という先人の夢を継承し、
つくり手たちは「日本ならでは」のぶどう・ワインづくりにこだわっていきます。
1909
鉄道参議官 小山新助が登美農園を開園
1912
ドイツから醸造技師ハインリッヒ・ハムを招き、
近代的ワインづくりを学ぶ。
1936
寿屋(サントリーの前身)が寿屋山梨農場として
登美農園の経営を継承。
1950年代
欧州系ワインぶどう品種を本格的に栽培開始。
日本ワイン産業振興のため、園内に葡萄専修学校、
寿屋葡萄研究所を開設。
1975
日本初の貴腐ぶどうの収穫に成功。
1986
ワイナリー最高峰のワイン「登美」発売。
1994
ワイナリーの定番「登美の丘」発売。
2003
国際コンクール「レ・シタデル・デュ・ヴァン」にて
「登美1997」が日本初の金賞受賞
2009
登美の丘、開園100周年
基本理念と製品ポートフォリオ
世界を感動させる“日本ワイン”を。
日本の‘風土’と‘品種’の個性を活かし、
世界を感動させる日本ワインを目指しています
ジャパンプレミアムシリーズ
「品種」シリーズ
「産地」シリーズ
日本で育ったぶどう品種の
個性を引き出します。
日本のぶどう産地の気候や
土壌の個性を引き出します。
登美の丘ワイナリーシリーズ
頑なに「土」からつくりあげる
登美の丘ワイナリーの個性を活かした
自園産ぶどう100%ワイン。
品質を支えるポイント
構想力と
改善力
グローバル
ネットワーク
ぶどう栽培
醸造の工夫
構想力と改善力
ワインづくりにおける
「構想力と改善力」とは?
<構想力>
どんなワインをつくりたいか
総合的にイメージする能力
<改善力>
ワインづくりの各工程で
発揮される丁寧な技術
日本人があまり得意でない力。
多くの数量・種類のワインづくり
を総合的に俯瞰し検討できる
日本人が得意とする力。
ひとつひとつの工程を
よりキメ細かく実践し
更にスパイラルUPする能力
ぶどう栽培
ブドウ栽培の重要性
目指すワインのスタイル
産地
品種
栽培方法
収穫
醸造設備
醸造方法
アサンブラージュ
熟成
瓶詰
ワイン
登美の丘ワイナリーの土壌の様子
登美の丘の北西に位置する黒富士が
噴火した際の火砕流が固まって出来た土
表土:褐色森林土
(腐食が発達)
二層目:褐色森林土
三層目:色の薄い黄土
この土壌を活かすべく、草生栽培や台木を選定
<土地に適した栽培技術や品種選択>
目指すワインスタイル実現のための調達活動
PDCA内にある調達計画
PDCA内にある調達計画
AA
調達計画
C
C
新酒評価会・
果実品質確認
PP
計画具体化
栽培者との協同
D
D
収穫・製造
果実品質評価を基に
翌年の調達を計画
品質向上・数量
品質向上・数量
・狙いとする
スタイルに向けた
品質向上の実現
・製造数に紐づいた
調達量の獲得
醸造の工夫 品質向上に向けたワインづくりの考え方
目指すワインのスタイル
産地
品種
栽培方法
収穫
醸造設備
醸造方法
アサンブラージュ
熟成
瓶詰
ワイン
サントリー日本ワイン醸造工程のこだわり
日本の‘風土’と‘品種’の個性を活かすために
●アロマを引き出す発酵
・選果の徹底:アロマを邪魔する状態の悪いぶどうを排除
・プレス:アロマを最大限獲得する為にも雑味の出ないように丁寧に
・酵母の選択:アロマを引き出す最適な酵母の選択
醸造
●アロマを活かす熟成
・新樽比率を低くする
・樽使用期間を短くする
●いきいきとした味わい
・シュールリー:ぶどうが本来持っている香りを活かし、
2
・O
やわらかさを与える
コントロール:酸化をさせないために、醸造から
瓶詰めまでの工程に配慮
醸造
熟成
丁寧な選果
原料ぶどうの特長を引き出すために
未熟果・痛んだ果実を徹底して取り除く
グローバルネットワーク
グローバルネットワークの活用
ボルドー大学共同研究
ボルドー大学共同研究
研究生派遣
研究生派遣
海外提携先
海外提携先
(カステル等)
(カステル等)
DBR
DBR
(バロン・ド・ロートシルト)
(バロン・ド・ロートシルト)
ワイナリー
Ch.ラグランジュ
Ch.ラグランジュ
海外コンクール
海外コンクール
(審査員)
(審査員)
人の交流と情報の共有により
スタイル構想への「栽培・醸造技術」への気づきを得られる
登美 (赤)
登美
赤の歴史
■1982年
最初のヴィンテージが誕生
■1990~92年
タニックなワインを目指した
■1996年~
テロワールを活かし、完熟した
味わいや、優しさ、繊細さを持つ
ワインのスタイルに
■2002年~
改植を開始
登美(赤)の目指すスタイル
登美 (赤) に求める品質
緻密で、凝縮感のある、しなやかな強さ
やさしく、繊細で、やわらかさがあり、
「品種の特徴」と「土地の特徴」が
表現されているワイン
登美(赤)構成する主要な品種適性
*品種特性、魅力(
ティピシテ)
●プティ・ヴェルド
高
●カベルネ・ソーヴィニヨン
・品種特性が非常に高く
魅力大
・品種特性かなり高
・気温高、降水多で魅力が
でない、リスク高
●メルロ
・安定した品質
●カベルネ・フラン
・完熟の難しさ
低
高
*ティピシテ
「その土地、その品種らしさ」
気象リスク
低
登美の丘ワイナリー改植実施箇所
<登美の丘の圃場図>
メルロ
2010~12年実施内容
メルロ
プティ・ヴェルドに改植
<面積 約3ha>
メルロ
更なる高品質化に向けた
改植を計画
プティ・ヴェルド
日本固有品種の検討
マスカット・ベーリーA
ブラック・クイーン
登美の丘ワイナリーの産地における
次世代の魅力品種の探求
国産ワインコンクール
銀賞
登美の丘ワイナリー
登美 赤 2008
やわらかなタンニンと心地よい酸味が広がる
日本らしいしなやかな味わい
ぶどう産地
ぶどう品種
味のタイプ
登美の丘ワイナリー自園産100%
カベルネ・ソーヴィニヨン 64%
メルロ
22%
プティ・ヴェルド
14%
フルボティ
飲み頃温度
14~16℃
熟成
樽100%(フレンチオーク)
登美 (白)
登美
白(シャルドネ)の歴史
■1990年代前半
ムルソーを意識し遅摘みで収穫
■2002~2003年
シャルドネ畑のポテンシャルを
確認するために栽培エリアを
7地区に分けて栽培・醸造スタート
<プレシージョン ヴィティカルチャーの実践>
■2005年~
「シャルドネらしさ」についての
議論と研究を継続
■2006年
登美(白)2004発売
プレシージョン ヴィティカルチャーの概念
Precision agriculture emphasizes “doing the right thing,
in the right place, at the right time”, and is practical for
viticulture because of high local variability of conditions
within vineyards, and because of responsiveness to
intensive management in terms of increased grape yield
and quality.
(ウィキペディアより)
登美の丘のシャルドネの目指すスタイル
テロワール視点
登美の丘ワイナリーのテロワールを活かした
『自然な甘さ、やわらかさ』
グローバル視点
グローバルな視点で考えた“シャルドネらしさ”
『生き生きとした味わい』
国産ワインコンクール
金賞
登美の丘ワイナリー
登美 白 2010
トロピカルな果実香と、芳醇で厚みのある味わい
ぶどう産地
登美の丘ワイナリー自園産100%
ぶどう品種
シャルドネ 100%
味のタイプ
辛口
飲み頃温度
10~12℃
熟成
樽100%(フレンチオーク)
約8ヶ月熟成
甲州
サントリーの甲州の歴史
■1990年代
甲州を遅摘みで収穫
当時は、フリーラン果汁を使用し
甘口に仕上げていた
■2000年代前半
皮に含まれるアロマに着眼して
辛口ワインをつくり始める
現在の登美の丘甲州の原型が誕生
■2008年~
皮に含まれるアロマとフレッシュな
辛口の味わいを引き出すために、
品質向上に取り組む
甲州の目指すスタイル
皮の”アロマ”と“渋み”
皮の”アロマ”と“渋み”
白桃
和柑橘
フレッシュさ
フレッシュさ
ライチ
醸造
貯酒
●登美の丘:10月に熟すぶどうの特徴を活かしたつくり
●ジャパンプレミアム:アロマと心地よい渋みの質感と
口当たりからフィニッシュまでのワインとしてのバランス
テイスティング
ジャパンプレミアム
甲州 2011
登美の丘
甲州 2011
国産ワインコンクール
金賞・コストパフォーマンス賞
品種シリーズ
ジャパン プレミアム
甲州 2011
いきいきとして、ほどよい渋味のあるすっきりとした味わい
ぶどう産地
山梨県産
100%
ぶどう品種
甲州 100%
味のタイプ
辛口
飲み頃温度
8~10℃
熟成
タンク熟成100%
国産ワインコンクール
銀賞
登美の丘ワイナリー
登美の丘 甲州 2011
穏やかな酸味、ほど良い渋味のあるふくよかな味わい
ぶどう産地
登美の丘ワイナリー自園産100%
ぶどう品種
甲州 100%
味のタイプ
辛口
飲み頃温度
10~12℃
熟成
樽69%
タンク熟成31%
登美 ノーブルドール
登美の丘ワイナリーの貴腐ぶどう
<登美の丘の圃場図>
リースリング
面積:0.6ha 標高:500m 収穫量:約1t
南西斜面で、健全なぶどうが育つ
10月中旬、気温が下がると貴腐化が開始
収穫時期は11月上旬~下旬に2~3回に
分けて収穫
貴腐菌の働きと特徴香の発現・増加
柑橘香
ナッツ香
シロップ付けのフルーツ香
乾燥させたフルーツ香
香りの前駆体増強
熟成
貴腐菌の管理
最良の保管環境
香りの発現
貴腐菌の量
ハチミツ香
登美の丘ワイナリー
登美 ノーブルドール
2002
蜜のように甘美で芳醇、贅沢な貴腐ワイン
ぶどう産地
登美の丘ワイナリー自園産100%
ぶどう品種
リースリング
味のタイプ
甘口
飲み頃温度
11~13℃
熟成
タンク熟成100%
100%
日本品質から、
世界品質へ。