市有公共建築物耐震対策事業計画 - 焼津市

市有公共建築物耐震対策事業計画
平成 21 年4月改定
焼津市
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目的と経緯
(1) 目的
本計画は、耐震性能が劣る市有公共建築物について、耐震対策を計画的に行い、地
震発生時の市民の安全確保、避難所の確保、復旧活動拠点の機能維持・発揮等を目指
すことを目的とする。
(2) 経緯
平成 17 年 7 月、国の防災基本計画の修正により、関係地方公共団体は地震防災戦略
を踏まえた「地域目標」の策定に努めるべきとされた。これを踏まえ、県では「静岡
県地震対策アクションプログラム 2006」を平成 18 年 6 月に策定し、焼津市において
も同様のアクションプログラムを平成 20 年3月に策定した。この焼津市のアクション
プログラムの実施において「市有公共建築物の耐震化計画」の策定が必要となり、平成
20 年 3 月に本計画を策定した。
その後、平成 20 年9月と平成 21 年3月に、本計画のうち小学校・中学校、幼稚園
及び保育園の耐震対策の目標期間内において、耐震化事業の実施年度の前倒しが行わ
れたこと、また、平成 20 年 11 月1日の大井川町との合併による対象施設の追加に伴
い、平成 21 年4月に本計画の改定を行った。
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対象
市有公共建築物のうち、都市機能上重要な建築物及び延床面積 200 平方メートル以上
で、耐震性能評価ランクがⅡ又はⅢの施設及び耐震診断が未実施の施設とする。
●焼津市が所有する公共建築物の耐震性能評価ランク別棟数
(都市機能上重要な建築物及び延床面積 200 平方メートル以上の建築物)
ランク
東海地震に対する耐震性能
棟
率
Ⅰa
耐震性能が優れている建物。軽微な被害にとどまり、地震後も
建物を継続して使用できる。
137
43.6%
Ⅰb
耐震性能が良い建物。倒壊する危険性はないが、ある程度の
被害を受けることが想定される。
105
33.4%
II
耐震性能がやや劣る建物。倒壊する危険性は低いが、かなり
の被害を受けることも想定される。
27
8.6%
III
耐震性能が劣る建物。倒壊する危険性があり、大きな被害を受
けることが想定される。
37
11.8%
8
2.6%
314
100.0%
Ⅰ
耐震診断未実施の建物
計
備考 「焼津市が所有する公共建築物の耐震性能リスト」
(平成 21 年4月現在)をもとに整理し、作
成。
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【補足】
「耐震性能評価ランク」は、静岡県耐震診断判定基準(平成14年版)及び静岡県構造設計指針・同
解説(平成14年版)に基づく耐震性判定、並びに静岡県による耐震性能ランクの区分に従うもの
で、東海地震に対する耐震性能として次のように区分される。
ランクⅠ…東海地震に対して耐震性能を有する建物
ランクⅡ…東海地震に対して耐震性能がやや劣る建物
ランクⅢ…東海地震に対して耐震性能が劣る建物
なお、建築基準法上で耐震性能を有するとされるのは、ランクⅠとⅡに当たる。また、比較的
屋根の軽い鉄骨造の建物は、ランクにかかわらず倒壊する危険性は低いとされる。
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事業計画
(1) 本計画における「耐震対策」は、市有公共建築物のうち、都市機能上重要な建築物
及び延床面積 200 平方メートル以上で、耐震性能評価ランクがⅡ又はⅢの施設を、補
強、改築等による耐震工事により耐震性能評価ランクをⅠとする、又は施設を解体し、
廃止することにより、平成 27 年度までに耐震化率 100%を目指すものである。
(2) 義務教育施設については、児童・生徒が一日の大半を過ごすことから安全確保が必
要であることや災害時の避難所であること、同様に幼稚園及び保育園についても乳幼
児の安全確保を図る必要があることから、耐震工事を行う場合、最優先に進めること
とする(以下、これらの施設を「義務教育施設等」という。)。
なお、小学校及び中学校については、耐震性能の低い施設を優先することとし、目
標期間は、平成 23 年度までとする。幼稚園については、耐震ランクⅢに位置づけられ
ている施設の目標期間は平成 23 年度まで、耐震ランクⅡに位置づけられている施設の
目標期間は平成 24 年度までとし、保育園の目標期間は、平成 24 年度までとする。
(3) その他の施設にあっては、用途区分、利用区分、建物の危険度(耐震性能)等を総
合的に考慮した上で耐震対策を行うこととする。なお、耐震工事による耐震対策の場
合、その目標期間は、平成 25 年度~27 年度とする。
(4) 施設を存続し、耐震工事を行う場合は、原則として「補強」とし、特段の理由がな
い限り「改築」
(=建替え)は行わないこととする。また、計画の推進にあたってはコ
スト縮減に努め、着実に耐震対策を進めることとする。
(5) 財政状況・社会状況などの変動への対応や計画の進捗管理において、必要に応じ見
直しを行うこととする。
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●対象区分別一覧
対象
該当する建築物
耐震対策の目標期間
焼津東小学校(東校舎)、焼津南小学校(南校舎、
北校舎)
、豊田小学校(本校舎東側・西側)
、小川小
義務教育施設等の 学校(東校舎、南中央校舎)、大富小学校(本校舎
うち、小学校、中 (東側・西側)
、西校舎)
、港小学校(北校舎、南校 原則平成 23 年度ま
①
学校及び耐震ラン 舎、*格技場)、黒石小学校(校舎(東側・西側)、 でに行うよう、最優
クⅢに位置づけら 焼津中学校(校舎、*格技場)、小川中学校(西校舎、 先で位置付ける。
れている幼稚園
中校舎、体育館)、東益津中学校(西校舎、体育館)、
和田中学校(本校舎)
、港中学校(本校舎)
、大富幼
稚園、大井川西幼稚園
義務教育施設等の
うち、保育園及び
②
耐震ランクⅡに位
置付けられている
和田幼稚園、東益津幼稚園、大井川南幼稚園、小川
保育園、石津保育園
原則平成 24 年度ま
でに行うよう、位置
付ける。
幼稚園
大富公民館、小川公民館、和田公民館、豊田公民館、
総合グラウンド(陸上競技場スタンド)、焼津体育
館、大島体育館、さつき会館、三ヶ名共同住宅、地
③
義務教育施設等以
外の施設
域交流センター色えんぴつ、新屋ポンプ場、東部排 原則平成 25~27 年
水機場、すみれ台住宅団地下水処理場、環境管理セ 度に行うよう、位置
ンター、道路河川維持事務所、汐入下水処理場、* 付ける。
福祉老人センター(本館・集会場)、*福祉庁舎、*
市庁舎(別館)、*議会庁舎、*子供創造の広場(事
務室)
、*産業会館
備考
1
*印の施設の耐震対策実施にあたっては、今後の各施設のあり方や耐震方法などを十分整理した上
で、耐震対策(補強・改築・解体等)に着手することとする。
2
特段の理由により、上記の区分の目標期間を超えて行う場合がある。
3
平成 20 年3月時点の耐震性能による分類であり、その後の耐震改修工事等の実績を加味していな
い。
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●耐震工事を実施する場合の期間(イメージ図)
最優先
①義務教育施設等のうち、小学
校、中学校及び耐震ランクⅢに
位置づけられている幼稚園
②義務教育施設等のうち、保育園
及び耐震ランクⅡに位置付けら
れている幼稚園
③義務教育施設
等以外の施設
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
4
平成24年度 平成25年度
平成26年度
平成27年度