マーケット・レポート 《インド》 - 岡三アセットマネジメント

情報提供用資料
マーケット・レポート 《インド》
INDIA
2012/3/8
2011年のインド株式市場は、インフレ抑制のため金融
引締め策が継続されたことや、欧州債務問題の深刻化
に加え、インドの政治家による汚職問題などが嫌気さ
れ、SENSEX指数は年間で24.6%の下落となりました。
目次:
変化の兆し~金融と外資規制緩和~
直近の格付け動向
第12次5ヵ年計画への期待
しかしながら、2012年の年明け以降、インフレが落ち
着きつつあることを好感し、株式市場は上昇に転じまし
た。1月下旬にはインド準備銀行が、銀行の預金準備率
を2009年以降初めて引き下げるとともに、政策金利の
引き下げの可能性を示唆したことなどが好感され、2012
年2月末現在の年初来騰落率は、14.9%の上昇となり
ました。
今後の株式市場見通し
インドの株価推移
ムンバイSENSEX30 種指数
(2011/1/3~2012/2/29)
21000
20000
19000
18000
http://www.okasan-am.jp
17000
2-8-1 Yaesu, Chuo-ku,
Tokyo, JAPAN
16000
15000
11/1
11/4
11/7
11/10
(出所):Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
12/1
(年/月)
[本資料の最終ページに記載された【当レポートに関する留意事項】及び【皆様の投資判断に関する留意事項】を必ずお読みください]
1
【変化の兆し~金融緩和と外資規制緩和~】
インフレの推移
インフレ率は2011年年間を通じて高止まりし、インド経済
(2008/1-2012/2)
を減速させる要因の一つとなりました。しかし、燃料価格な
(%)
卸売物価指数 前年比伸び率
12.0
どは依然として高いものの、金融引き締め策を継続した効果
10.0
により、2011年後半から徐々に沈静化する傾向が見え始め、
8.0
食料品価格の下落などがインフレ圧力の低下につながりまし
6.0
た。このためインド準備銀行は、2009年以降初めて銀行の預
4.0
2.0
金準備率を6%から5.5%に引き下げるとともに、政策金利の
0.0
引き下げの可能性も示唆しました。
-2.0
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
(年/月)
また、2012年1月にインド政府は、これまで適格外国機関
投資家(FII)などに限定していたインド株式への直接投資
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
を、外国の投資家に対しても解禁すると発表しました。これ
政策金利(レポ金利)推移
(2008/1-2012/2)
により外国の個人投資家はインド証券取引委員会(SEBI)に
認可を受けている証券会社に口座を開設するだけで自由に取
引が可能となる見通しであり、今後は海外から資金流入が増
10.0 (%)
加することが期待できます。
9.0
このほかにもインド政府は、2011年11月下旬に単一ブラン
8.0
ドを扱う外資系小売業者のインド企業への出資上限(51%→
7.0
100%)を引き上げ、外資規制を緩和する方針を打ち出しま
6.0
した。スーパーなどの「複数ブランドの商品を扱う小売業」
5.0
については、引き続き外資参入が禁じられていますが、徐々
4.0
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
(年/月)
に変化の兆しが見られていることは株式市場にとって好材料
と考えます。
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
【直近の格付け動向】
預金準備率の推移
格付け会社のムーディーズは、2011年12月下旬にインドの
(2008/1~2012/2)
8
自国通貨建て債務格付と外貨建て債務格付を「Baa3」で統一
(%)
し、見通しを「安定的」とすると発表しました。インドの自
7.5
国通貨建て債務格付は「Ba1」であったため、今回の発表に
7
より自国通貨建て債務格付と外貨建て債務格付がともに投資
6.5
6
適格級となりました。
5.5
5
またムーディーズは、インド政府の財政改善、投資環境の
4.5
整備、インフラ面での障壁除去が今後進めば、引上げ方向の
4
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
格付け見直しにつながる可能性もあると発表しました。
(年/月)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
[本資料の最終ページに記載された【当レポートに関する留意事項】及び【皆様の投資判断に関する留意事項】を必ずお読みください]
2
【第12次5ヵ年計画への期待】
インドの外国人売買動向
インド政府はインフラ整備の必要性を強く認識しており、
(百万ドル)
第10次計画(2002年4月~2007年3月)に約2,270億ドルで
8000
あったインフラ投資を、第11次計画では約4,470億ドルに、
6000
4000
第12次計画(2012年4月~2017年3月)では、約8,910億ドル
2000
にまで引き上げると見られています(下記参照)。
0
高度経済成長を支えるためには、高速道路の整備が不可欠
-2000
であることから、道路整備も積極的に行っており、2011年
-4000
-6000
08/1
度には5,058キロの道路が構築され、2012年度には約7,500
09/1
10/1
11/1
12/1
キロの道路建築が進められる予定となっており、今後も同
(年/月)
様の傾向が続くことが考えられます。次期5ヵ年計画は、イ
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
ンド経済の牽引役となり、インフラ関連業者への恩恵は大
きくなると思われます。
インドの道路整備状況
2006年度(実績)~2012年度(予想)
【今後の株式市場見通し】
以上のことから、良好なファンダメンタルズを背景に今後
のインド株式市場は戻りを試す展開になると予想していま
す。足元の原油価格上昇による悪影響は懸念要因として残
るものの、インフレ率の落ち着きを背景に金融当局が利下
げなど金融緩和を継続することが予想され、景気減速懸念
(出所)NHAI
(km)
を和らげると考えられます。また、インド政府による積極
的なインフラ投資などが継続していることから、中長期的
にも株価の下支え要因になると思われます。
5ヵ年計画の推移
第10次5ヵ年計画
(2002年4月~2007年3月)
第11次5ヵ年計画 修正
(2007年4月~2012年3月)
米ドル(十億)
電力
道路、橋
通信
鉄道
灌漑
上下水道
港湾
空港
貯蔵施設
石油、ガスパイプライン
合計
第12次5ヵ年計画予想
(2012年4月~2017年3月)
米ドル(十億)
米ドル(十億)
インドルピー
(十億)
(1ドル=40
ルピー換算)
割合
(%)
インドルピー
(十億)
(1ドル=46
ルピー換算)
割合
(%)
3,402
1,271
1,019
1,021
1,067
601
230
69
56
324
9,061
85
32
25
26
27
15
6
2
1
8
227
37.6
14
11.2
11.3
11.8
6.6
2.5
0.8
0.6
3.6
100
6,586
2,787
3,451
2,008
2,462
1,117
406
361
90
1,273
20,542
143
61
75
44
54
24
9
8
2
28
447
32.1
13.6
16.8
9.8
12
5.4
2
1.8
0.4
6.2
100
インドルピー (1ドル=46
(十億)
ルピー換算)
13,502
5,712
6,212
3,576
5,171
2,345
854
759
188
2,673
40,993
294
124
135
78
112
51
19
16
4
58
891
割合
(%)
32.9
13.9
15.2
8.7
12.6
5.7
2.1
1.9
0.5
6.5
100
(出所)各種資料より岡三アセットマネジメント作成
[本資料の最終ページに記載された【当レポートに関する留意事項】及び【皆様の投資判断に関する留意事項】を必ずお読みください]
3
【当レポートに関する留意事項】
■本資料は情報提供を目的として作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したものではありませ
ん。■本資料に掲載されている市場見通し等は、本資料作成時点での当社の見解であり、特定のファンドの将来の運用成
果を保証するものではありません。また、将来予告なしに変更される場合もあります。■本資料は当社が信頼できると判断
した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■投資信託の取得の申込みに当
たっては、投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので必ず内容をご確認の上、投資判断はお客様ご自身で行って
いただきますようお願いします。
【皆様の投資判断に関する留意事項】
【投資信託のリスク】
投資信託は、株式や公社債など値動きのある証券等(外貨建資産に投資する場合は為替リスクがあります。)に投資します
ので、基準価額は変動します。従って、投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資
元本を割り込むことがあります。投資信託は預貯金と異なります。投資信託財産に生じた損益は、すべて投資者の皆様に帰
属します。
【留意事項】
投資信託のお取引に関しては、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリングオフ)の適用はありません。
投資信託は預金商品や保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融
機関が取扱う投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
投資信託の収益分配は、各ファンドの分配方針に基づいて行われますが、必ず分配を行うものではなく、また、分配金の金
額も確定したものではありません。分配金は、預貯金の利息とは異なり、ファンドの純資産から支払われますので、分配金
が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります。分配金は、計算期間中に発生した収益を超えて支払われる場
合があるため、分配金の水準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を示すものではありません。また、投資者の
購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的に元本の一部払戻しに相当する場合があります。ファンド購入
後の運用状況により、分配金額より基準価額の値上がりが小さかった場合も同様です。
【お客様にご負担いただく費用】
■お客様が購入時に直接的に負担する費用
購入時手数料: 購入価額×購入口数×上限 4.2%(税込み)
■お客様が換金時に直接的に負担する費用
換金時手数料: 公社債投信 1万口当たり上限105円(税込み)
※その他の投資信託にはありません
信託財産留保額: 換金時に適用される基準価額×0.5%以内
■お客様が信託財産で間接的に負担する費用
運用管理費用(信託報酬)の実質的な負担: 純資産総額×実質上限年率1.9895%
※実質的な負担とは、ファンドの投資対象が投資信託証券の場合、その投資信託証券の信託報酬を含めた報酬のことをい
います。なお、実質的な運用管理費用(信託報酬)は目安であり、投資信託証券の実際の組入比率により変動します。
その他費用・手数料
監査費用: 純資産総額×上限年率0.0126% (税込み)
※上記監査費用の他に、有価証券等の売買に係る売買委託手数料、投資信託財産に関する租税、信託事務の処理に要
する諸費用、海外における資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息、借入金の利息等を投資信託
財産から間接的にご負担いただく場合があります。※監査費用を除くその他費用・手数料は、運用状況等により変動するた
め、事前に料率・上限額等を示すことはできません。
●お客様にご負担いただく費用につきましては、運用状況等により変動する費用があることから、事前に合計金額若しくは
その上限額又はこれらの計算方法を示すことはできません。
【岡三アセットマネジメント】
商
号:岡三アセットマネジメント株式会社
事業内容:投資運用業、投資助言・代理業及び第二種金融商品取引業
登
録:金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第370号
加入協会:社団法人 投資信託協会/社団法人 日本証券投資顧問業協会
上記のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。各費用項目の料率は、委託会社である岡三アセットマネジ
メント株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、最高の料率を記載しております。投資信託のリスクや費用は、個別の投資信託
により異なりますので、ご投資をされる際には、事前に、個別の投資信託の「投資信託説明書(交付目論見書)
」の【投資リスク、手続
・手数料等】をご確認ください。
4