Twinkle:Tokyo Womens Medical University - 東京女子医科大学

Title
小児低レニン血性低アルドステロン症の検討
Author(s)
Journal
URL
東京女子医科大学雑誌, 55(1):83-83, 1985
http://hdl.handle.net/10470/10089
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
8
3
オキシコール酸 Na
,およびリトコール酸 Na)を,種々
結果
の比率で混和した後,溶媒蒸発法により, PHTを胆汁
l
d
o
s
t
e
r
o
n
e排滑量 :AER低値, AER/
血 奨K
尿中 a
酸塩に分散させた試料を調製した.溶出試験は JPX溶
値低値より S
.
H
.
H
.を疑い, R
A
A
-系の検討を行なっ
出試験第 2法(パドル法)を準用し,試験液として JPX
u
r
o
s
e
m
i
d
e・ 起 立 負 荷 テ ス ト で は , 血 奨 r
e
n
i
n,
た. f
崩壊試験液 (pH6
.
8
),5
0
0
m
lを用い,パドルの回転数
100rpmで行なった.また, IR測定,粉末 X線回析を
a
l
d
o
s
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r
o
n
eは基礎値,反応f
直共に低値を示し,他方
ACTHテストでは g
l
u
c
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t
i
c
o
i
dの反応は保たれて
行ない共沈物の物性と溶出との関係について検討を行
いた. 1例はその後血液透析導入に至ったが,導入直
なった.
前の FEKも低値が継続した.本症の約半数が糖尿病
結果
性腎症を基盤としている事実より,更に血糖値,血奨
PHTと各種胆汁酸塩との共沈物は, PHT結品原末
の 溶 出 量 よ り も 高 く , コ ー ル 酸 Na<リトコール酸
Na<デオキシコール酸 Naの順で共沈物からの PHT
の溶出量が増大した.さらに PHTに対する胆汁酸塩
K値
, i
n
s
u
l
i
n値の相互関係を検討した. 1例は糖負荷
においても血奨 K値低下が著明でなく,精査にて i
n
s
u
l
i
nr
e
c
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p
t
o
r数の減少が示唆された.また I
R
Iの動
態より勝実質障害も示唆された.同症例においては副
の割合が高くなるほど高い溶出量を示した.また粉末
8
h
y
d
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o
x
腎ステロイド生合成経路の検討を行ない, 1
X線回析および IR測定を行なった結果, PHT デオ
y
l
a
s
e欠損の所見を得た.
キシコール酸 Na=1 5以上の共沈物では PHT結
考察
品原末特有のピークが消失し, I
R測定結果から,得ら
S
.
H
.
H
.の発症起点を単一要因に求めることは困難
れた共沈物の固体状態における相互作用が示唆され
ι思われる.今回の検討により,急速な腎機能低下に
8
h
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o
x
y
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a
s
e欠損等が発症
伴う耐糖能障害の出現, 1
た
追加
(第三衛生〉石津澄子
要因として示唆された.
アミノフェノールは硫化染料の中間体として生産量
結語
が多いが,安全性テストについてはたいして毒性がな
S
.
H
.
H
. は小児科領域においても決してまれな病態
いのではなし、かなど不明であるままに放置されてい
とは思われない.高 K血症の原因としては重要であり,
た.そこで我々の教室で実験を行なったところ, GSH
常に適確な診断に留意し,今後とも病態解明が進めら
の低下とし、う結果が得られた.
れるべきであると考える.
8
. 脳血管障害における凝固・線溶能の動態
7
. 小児低レニン血性低アルドステロン症の検討
一血中及び髄j
夜中のフィプリノペプタイド
(腎センター小児科〉
O白 髪 宏 司 ・ 伊 丹 儀 友 ・
A,フィブ
リノペプタイド Bβ15-42の測定によってー
(脳神経外科〉
鳴海福星・伊藤克己
O岡 田 隆 晴 ・ 清 水
緒言
近年内科領域では,持続性高 K血症の原因の 1っと
星
して S
.H
.H
.:Syndromeo
fHyporeninemicH
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l
-
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s
mの報告が散見され,その特異な病態に対
隆・高橋研二・
妙子・糟谷英俊・喜多村孝一
目的
近年,凝固・線溶能の評価方法として,
トロンピン
する検討が進められている.反面,小児における本症
活性の直接的な指標となるフィブリノベプタイド A
gA腎
の報告は諸外国での 2乳児例にとどまる.今回, I
症に伴った S
.
H
.
H
. の 2小児例を検討したので,得ら
(FPA),及びプラスミン活性を示すフィブリノペプタ
イド Bβ15-42(
F
P
B
β〉の測定がなされてきている.
れた病態の推論を含め報告する.
脳虚血性疾患と破裂脳動脈癌によるくも膜下出血に対
対象
して,血中及び髄液中の FPA
,
FPBβ を測定し,凝固・
学校検尿を契機に IgA腎症の判明した 1
1歳
, 1
5歳男
線溶動態を調べた.
女児.共に急速にネフローゼ症候群を呈し入院に至っ
方法
た.軽度及び中等度腎機能低下を示し,残存腎機能,
(1)正常コントロール群:髄液中の FPA
,F
PBβ の
尿量に見合わない持続性高 K血症,及び FEK低値よ
値に関しては,報告がなく,脳血管障害以外の疾患か
り精査された.
ら髄液を採取し,正常コントロール群とした.
(
2
)脳虚血性疾患群:TIA,脳梗塞などの患者から
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